28名55句 森山文切選 | ||
神さまの前で私は団子虫 | 岩根彰子 | |
読書後のテンションで世を変えてみる | アゲハ | |
ベースアップ昔組合今総理 | 田原勝弘 | |
嘘吐きが隠し続ける仏顔 | 八郎 | |
お月様ついてくるけど近寄らぬ | 海月漂 | |
相互乗り入れに遅延が飛び火する | ヨッシー | |
眠っているあいだにとどく紙風船 | 斎藤秀雄 | |
拍子木が揺られて新しい拍子 | 西沢葉火 | |
ただ帰りたいだけだった逃亡者 | くに | |
初蛙の声を家族に加えたり | 菊池洋勝 | |
点線の枠ひらがなが良く似合う | 風間なごみ | |
北大のポプラ並木は几帳面 | 若芽 | |
自分でも持て余してる反抗期 | 真島凉 | |
泡よりも海になりたい背鰭折る | むぎのあわ | |
佳 作 |
騒ぐことないさ海月になればいい | くみくみ |
満月を尾行している好々爺 | 宮下倖 | |
握りつぶしても生きている真実 | 敏治 | |
宿題をしないと恐ろしいリスク | 真島芽 | |
おうちクリーニングする今日の翼 | 岩根彰子 | |
人 | 妖怪がほど良く似合う過疎の町 | 武良銀茶 |
評:前向きな妖怪たち | ||
地 | 一線を前にうじゃうじゃ言っている | 阿部清明 |
評:「越えるの定義を示しなさいよ。何cmから越えたことになるの?」 | ||
天 | 溶けていくゼリーはいつも嘘ばかり | 尾崎良仁 |
評:冷凍して尋問しましょう。 |
第106回発表しました。
没句の中には、いくつか言葉を省けそうな句がありました。注意深く句を読んで、なくても読者が推察できそうな言葉は省き、自分が句で示したいことについて、いつそう思ったか、何を見た時か、何をした時か、わかるような言葉に変えましょう。
読者を信じて!