*投句37名73句
*平抜き句と佳作は到着順です。
飯島章友選 | ||
触れ合ったAIロボに逃げられる | 彦翁 | |
渓流を塩焼きにする丸齧り | まさよし | |
靴下を脱ぐと根っこが見えてくる | 真島凉 | |
仲直り出来ないままに混ぜご飯 | 真島凉 | |
ハムほどの厚さの愛で支えてる | 阿部千枝子 | |
鍵盤の黒は跨いで歩きたい | 西沢葉火 | |
駅弁に景色を添えて増える欲 | 折鶴翔 | |
胸奥の牢からどっと笑い声 | 藤沢修司 | |
ぶちまけたのに万華鏡だと笑う | 藤沢修司 | |
小間切れに喋るな横のスコッテイ | 岩根彰子 | |
ひまわりのあっけらかんと昼の自慰 | 福村まこと | |
樹の声を鳥語に訳す丸いひと | 斎藤秀雄 | |
本名はフツーの洋子路地酒場 | よーこ | |
秒針に切り刻まれて眠れない | 宮坂変哲 | |
セメントに穿つミシン目蟻の列 | 宮坂変哲 | |
居心地の良さに沈んだ羅針盤 | はな | |
身の程やしょせん宇宙の微生物 | 峰岡名負 | |
紫陽花の毒を調べる日曜日 | 芍薬 | |
ネクタイが俺より先に汁を飲む | 芍薬 | |
言えぬこと胸にしまって草を引く | やっこ | |
真っ二つここはかぼちゃの処刑場 | くに | |
ABC…Hの次をくださいな | くに | |
キャプテンになってしまった蝸牛 | 徳重美恵子 | |
既視感がツーステップでやってくる | 宮下倖 | |
闇雲に押したところが光りだす | 宮下倖 | |
捨て石にされても黙る背の黒子 | 黒しま | |
すり減ったかかとの分は覚えてる | 海月漂 | |
ビールとも卵焼にもなる積木 | 菊池洋勝 | |
佳 作 |
平和とは波紋のなかでゆれる時 | 彦翁 |
根っこごと飛んでしまった日曜日 | 真島芽 | |
八つ目の虹の色には夜の色 | 西沢葉火 | |
女子校の腐ったにおい夏がくる | 尾崎良仁 | |
コンソメの海にべっぴんさんの骨 | 藤井智史 | |
人 | 古漬けのモラトリアムを売りに行く | 海月漂 |
評:「古漬け」「モラトリアム」という昭和っぽい言葉にもかかわらず〈今の時代〉を感じた。 | ||
地 | 原色をぶちまけて始まりのうた | 尾崎良仁 |
評:友情、恋愛、創作の発端を想った。 | ||
天 | さあ飯にするか未だに三次元 | くみくみ |
評:読後の最大瞬間風速がいちばん強かった作品。「未だに」がとても効いている。 |
森山文切選 | ||
根っこごと飛んでしまった日曜日 | 真島芽 | |
靴下を脱ぐと根っこが見えてくる | 真島凉 | |
仲直り出来ないままに混ぜご飯 | 真島凉 | |
意外にも簡単だった丸裸 | くみくみ | |
背伸びしてポッキリ折れたピンヒール | 阿部千枝子 | |
鍵盤の黒は跨いで歩きたい | 西沢葉火 | |
ひまわりのあっけらかんと昼の自慰 | 福村まこと | |
原色をぶちまけて始まりのうた | 尾崎良仁 | |
本名はフツーの洋子路地酒場 | よーこ | |
ヌンチャクを使うチャンスをまっている | よーこ | |
秒針に切り刻まれて眠れない | 宮坂変哲 | |
居心地の良さに沈んだ羅針盤 | はな | |
真っ二つここはかぼちゃの処刑場 | くに | |
秘密漏れてゆく味方の顔をして | ヨッシー | |
牛蛙悲しい声に聞こえる日 | 黒しま | |
すり減ったかかとの分は覚えてる | 海月漂 | |
佳 作 |
さあ飯にするか未だに三次元 | くみくみ |
ハムほどの厚さの愛で支えてる | 阿部千枝子 | |
胸奥の牢からどっと笑い声 | 藤沢修司 | |
紫陽花の毒を調べる日曜日 | 芍薬 | |
既視感がツーステップでやってくる | 宮下倖 | |
人 | キャプテンになってしまった蝸牛 | 徳重美恵子 |
評:開き直って「ゆっくり前進!」をスローガンに頑張りましょう。 | ||
地 | ぶちまけたのに万華鏡だと笑う | 藤沢修司 |
評:何も入っていない方が綺麗なのかもしれない。 | ||
天 | コンソメの海にべっぴんさんの骨 | 藤井智史 |
評:フクザツな味、フクザツな関係。 |
第110回発表しました。歌人の章友さんが選者ということで、今回初めてご参加いただいた方も複数ありました。今後も気が向いたらご投句いただけたら幸いです。