34名67句 森山文切選 | ||
点滅が始まる前に肉料理 | 阿部千枝子 | |
ごめんねが熟睡をするお爺ちゃん | まさよし | |
曲がり角まっすぐ歩く酔っ払い | 武良銀茶 | |
夏用にしたい私の剣道着 | 真島凉 | |
飲んでいました アリバイはありません | 平井美智子 | |
遠浅の海だ楽観主義でいく | よーこ | |
携帯を鳴らしてくれる夏の虫 | くみくみ | |
とりあえず着たらまわりもストライプ | 徳重美恵子 | |
そこをどきなさい悲哀が通ります | 斎藤秀雄 | |
こっそりと浮かんだ今日の土踏まず | 西沢葉火 | |
小躍りの田毎の月が迎えてくれた | 岩根彰子 | |
この道で行けよと水たまりに虹 | 海月漂 | |
塀越しのトマトの熟れが気にかかる | はな | |
ビーナスの顔して招く春画展 | 福村まこと | |
理不尽の端っこちょっと吸ってみる | 尾崎良仁 | |
佳 作 |
上澄みの色は南国パラダイス | アオイ琉星 |
嘘つきが逃げないようにわさび練る | 冬子 | |
ランドセルもう水色が飽きている | 真島芽 | |
ゼニガメがローンを組んで強くなる | 芍薬 | |
水族館のガラスを鼻でスクロール | ヨッシー | |
人 | 生命線伸ばすゆとりの土いじり | 小林祥司 |
評:バリバリ働くより長生きしそう。 | ||
地 | 傾いたままの向日葵 雲を詠む | くに |
評:太陽は詠めないので。 | ||
天 | サングラス外すとヌッと出るおヘソ | 畑中玉菜 |
評:「見てほしかったの、そこじゃねぇんだけど。」 |