61名118句 浜﨑結花選 | ||
平 抜 き 句 * 到 着 順 |
おしゃべりな両目を糸で縫い付ける | 須賀琉 |
雷をヘソに飼ってるのは秘密 | 麦乃 | |
コスモスに風がダンスを振り付ける | 折鶴翔 | |
大戸屋のすぐ側にあるやよい軒 | 小俵鱚太 | |
ムナシイと何度書いても風である | くみくみ | |
じいちゃんが逝って箒を持たされる | 真島凉 | |
くずかごのナイスキャッチにする拍手 | 小林 | |
真夜中の背徳的なアブラゼミ | 甘酢 | |
青空を排除したのち目を閉じよ | 杉倉葉 | |
キャラメルを嚙み潰してるワンルーム | 西沢葉火 | |
悲しさの見本帳には載ってない | 江西レイ | |
ひたむきな背中についている翼 | 徳重美恵子 | |
足湯感覚で並んで謝罪する | ヨッシー | |
珈琲を飲んで夜長をすぐ寝る | とわ | |
ポケットを覗いてみたらミシガン湖 | あまの太郎 | |
アジフライ集めて海に返す人 | あまの太郎 | |
肉まんの中で真理が減っていく | 芍薬 | |
何はともあれ赤チンを塗り昭和 | 岩根彰子 | |
かんたんに殴れてしまう東京都 | 水沼朔太郎 | |
ワールドエンドらしいですけど二連休 | 平出奔 | |
また床と対話していて午前二時 | toron* | |
無言電話だが心の声だった | toron* | |
引き出しに畳んでおいた花畑 | ただよう | |
かろうじてわかめラーメンほどの海 | 門脇篤史 | |
佳 作 * 到 着 順 |
がんばっているね眩しいほど光る | たかこ |
幸せを分母にしても割れぬ桃 | 福村まこと | |
手紙から水が溢れてあかるい眼 | 斎藤秀雄 | |
手の甲に爆発物の化学式 | 御殿山みなみ | |
喋る自販機で嫌になった | 歯痛 | |
人 | 水漏れに注意と笊に書いてない | ヨッシー |
評:書かれていないのが当たり前だからこその、そこに着目した面白さ。 | ||
地 | くちびるに触れてどんぐりから和音 | 斎藤秀雄 |
評:どんぐりの軽い木の実のイメージが和音とよく響き合う。 | ||
天 | 君泣けば泣くよ鈴虫なんだから | 秘まんぢ |
評:「鈴虫なんだから」の飛躍が面白い。秋の虫という点で切なさも伝わる。 |
森山文切選 | ||
平 抜 き 句 * 到 着 順 |
変身後戻れなくなる初期不良 | 須賀琉 |
花になれ思い出せない言葉たち | 麦乃 | |
詩を求め南半球渡る鳥 | 小俵鱚太 | |
林檎だけ持ち込みできるプロジェクト | 内山佑樹 | |
天国で「消しゴム」なんて言っちゃだめ | 内山佑樹 | |
ムナシイと何度書いても風である | くみくみ | |
背中には愛され人と書いてある | くみくみ | |
愛憎の憎を毛抜きで取り除く | 岩倉曰 | |
真夜中の背徳的なアブラゼミ | 甘酢 | |
キオトンとギャルのおしゃれな物忘れ | 敏治 | |
キャラメルを嚙み潰してるワンルーム | 西沢葉火 | |
くちびるに触れてどんぐりから和音 | 斎藤秀雄 | |
手紙から水が溢れてあかるい眼 | 斎藤秀雄 | |
跳び跳ねた水滴が描く世界地図 | とわさき芽ぐみ | |
急速に冷え込む壇上の野原 | 藤井智史 | |
足湯感覚で並んで謝罪する | ヨッシー | |
突然にプロポーズするコルチカム | はな | |
詫状の便箋うっすら鬼薊 | よーこ | |
歯ならびの気になる胡麻煎餅のあと | 淀美佑子 | |
喋る自販機で嫌になった | 歯痛 | |
台風がひた隠す星の脱獄 | 芍薬 | |
無言電話だが心の声だった | toron* | |
引き出しに畳んでおいた花畑 | ただよう | |
かろうじてわかめラーメンほどの海 | 門脇篤史 | |
佳 作 * 到 着 順 |
君泣けば泣くよ鈴虫なんだから | 秘まんぢ |
捺印の少し手前の絶頂期 | 平井美智子 | |
流血がもたらしたアイデンティティ | 歯痛 | |
何はともあれ赤チンを塗り昭和 | 岩根彰子 | |
ワールドエンドらしいですけど二連休 | 平出奔 | |
人 | 十字路によくないほうのまあいいか | 御殿山みなみ |
評:かなり危なそうです。どの道に逃げるか迷う。 | ||
地 | 幸せを分母にしても割れぬ桃 | 福村まこと |
評:幸せそうなおじいさんとおばあさんだけど、そうでもないのか。 | ||
天 | じいちゃんが逝って箒を持たされる | 真島凉 |
評:飛び立てというメッセージ |