第137回(2018/11/18-11/24投句分)

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50名95句 森山文切選
ほめるから花を咲かせたブロッコリー くに
これが、今、ゴメンな、オレの、精一杯 サトシワタナベ
鰯雲 乾いた空で泳げない とわさき芽ぐみ
シャンプーのボトルのような鳥が二羽 笹川諒
可愛いは猫と子供にいう言葉 多実果
自分からやめるとやめられるお酒 ヨッシー
お似合いと言われ口喧嘩をやめる 彦翁
ハッシュタグつけて鬼から隠れる子 多舵洋
九時も十六時も同じどん曇り 田村わごむ
母親の笑顔が苦いミルクラテ 永峰半奈
自由って不自由だよね貯金箱 アゲハ
黙々と生きる毛虫の美しさ 犬井隆太
水平線ひとふで書きの潔さ 阿部千枝子
時速80キロと書いた待ち針 西沢葉火
性欲を童話の森で初期化する 福村まこと
石橋の下には常に渡し舟 岩倉曰
お多福がウインクしてる熊手買う 八郎
無理強いの果てに輪ゴムが弾け飛ぶ 藤沢修司
木に残す実を見定める祖父のゆび 芍薬
薄墨で書かれてるのがあなたです 尾崎良仁
鍵がないスーツケースの外は雨 エノモトユミ

バリカンを持つ狩人たちの宴 藤井智史
試験管さっき人魚が跳ねました まさよし
夕焼けをぼくたちだけで持ち運ぶ 絵空事廃墟
しんにょうを定年退職晴れて蛇 秘まんぢ
笑顔でも無表情でもない蝮 平出奔
赤い薔薇かかってこいと曼珠沙華 武良銀茶
評:これほど挑戦的な曼珠沙華は珍しい。
そうめんを流す工面のかぐや姫 藤井智史
評:お見合い話も流したい。
なしくずし的に丘などやってます 杉倉葉
評:「丘の前?梨山よ、なしやま」

第136回(2018/11/11-11/17投句分)

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46名88句 森山文切選
戦争ゲーム買えばやる気が出る仕事 笹川諒
ナメクジの速度で渡る天の川 あまの太郎
宛先を書かず手紙を食べる牛 多舵洋
開花まで足音ふたつ足りぬ春 秋鹿町
予約券一枚持って冬に入る くみくみ
紅葉を羽織り銀座をランデブー 八郎
真っ直ぐに生きたい初心へと曲がる 藤沢修司
見せあえば鱶がくるのよぶれながら 亀山朧
白飯に嫁の気持ちを振りかける 真中北辰
猫バスを予約している帰り道 真島凉
聴診器あてて気づいた虹の治癒 絵空事廃墟
歳時記に吸われ真冬が死んでゆく 袴田朱夏
電飾の引き立て役としての闇 犬井隆太
雪国に雪が降ったというニュース 澤井敏治
ト書きにはなかった現場でインタビュー 岩根彰子
仙人がまた銀行の骨になる 斎藤秀雄
三日月の親近感は泣きぼくろ はな
一か所が痛んで調子良い体 青砥たかこ
ほんとうは保存もできる破門僧 杉倉葉
すべからく嘘たそがれが綺麗です toron*

浴槽の屁として消えた人魚姫 岩倉曰
泡で出るタイプになって見返すわ 冬子
四次会のちっとも残らないポテト 御殿山みなみ
空間自体を菩薩と間違える 絵空事廃墟
累積赤字にも見慣れないワルツ 藤井智史
白旗は振らぬマタドールの孤独 中村佐貴
評:しんぶん赤旗を読みながら。
無人島たのみもしない紅生姜 西沢葉火
評:人っぽい何かが作る紅生姜 ぶ
水っぽいブルー漏電して発火 くに
評:くすぶり続ける。

第135回(2018/11/4-11/10投句分)

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49名96句 森山文切選
愛に死す今のジュリーに言われても 阿部千枝子
 -○-○- どんな景色の置き忘れ とわさき芽ぐみ
旅先の夜空の星が僕を待つ 市川雄太
やる事がたくさんあると迷う指 やっこ
繭になる準備こたつにフリースで アゲハ
人を見ず咲いては散って山桜 武良銀茶
イチョウには負けたくない東京タワー 芍薬
ライバルが遠くになっている出番 彦翁
静寂に耳を塞いだクリスマス 日向彼方
やどかりがやどかりを食う小宇宙 岩倉曰
巻き爪の第一継承権を持つ 田村わごむ
真ん中を決めて右腕左腕 西沢葉火
伝言が芸術的に食い違う 犬井隆太
地獄絵図なのにホロリとさせる虫 小俵鱚太
はじまりを知り飽和するシリカゲル 秋鹿町
蒐集家のレコード棚に住む芸者 香菜
反撃の狼煙のためのおろし金 杉倉葉
むささびを淫靡なダウンロードかな 亀山朧
チャラ男当選のハガキ見て固まる 尾崎良仁
光から闇からこぼれゆく団員 絵空事廃墟
五線譜をまっすぐ進む警告音 あまの太郎
月皓々衛戍監獄雁渡る 澤井敏治
忘却を忘れた人が刻むねぎ 江西レイ
ニホンジンナラバヒノマルベントウダ 藤井智史

罫線を消せば自由になれる文字 冬子
やわらかく燃える畳が水の底 斎藤秀雄
白昼堂々レモンの爽やかさ toron*
唐揚げを担保に入れて握手会 あまの太郎
漸化式知っていそうな顔の猫 笹川諒
透明になれば虹呼ぶ水たまり 青砥たかこ
評:虹は水たまりから。
腹巻が伸びるじゃないか手を離せ ヨッシー
評:だっふんだ!!
素麺を曲げずに茹でる裁判所 福村まこと
評:大きな鍋で。

第134回(2018/10/28-11/3投句分)

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57名110句 森山文切選
クリスマスソングに乗せて土下座する 中村佐貴
デボン紀の洗濯機からもれる砂 門脇篤史
換気扇回して外の空気読む とわさき芽ぐみ
思い出を共有すると苦くなる 青砥たかこ
半分に切って本音を覗かせる 彦翁
わたくしの架空を虎がゆく音か 亀山朧
鏡台に置いてあったな『桃の花』 ヨーグルト
同僚のタグが気になる午後三時 真島朱火
深まる秋父の髪まで霜降りに 田原勝弘
探偵と部屋干しのハンチング帽 小俵鱚太
しばらくは尖ってますと蟹の爪 宮下倖
純情な秋刀魚の腹を探る妻 多舵洋
明日あたり棒立ちになる銀杏 岩根彰子
ぱたぱたのたのときくちびるのさびし 斎藤秀雄
成否など知らぬ存ぜぬ栗ご飯 むぎのあわ
君の名は巻き舌できんから読めん 香菜
別の龍しろがねの尿まき散らし 川合大祐
どつかれて緩衝材のプレッシャー 冬子
換気扇フェイクニュースを吐き散らす 藤沢修司
終電車うさぎの耳を付けたまま 平井美智子
曖昧な返事に溶ける角砂糖 福村まこと
さりげなく無糖の恋をしています くに
海辺では人魚のはずの魚人たち 御殿山みなみ
ハッピーターンかかげ三日月かえりみち 真中北辰

竜宮で踊る魚の生活苦 犬井隆太
真四角な女の尻に無抵抗 阿部千枝子
カラスから任されているビット列 絵空事廃墟
ふりかえるたび透明な百合が咲く 秘まんぢ
マンホールの蓋を選んで死ぬ羽虫 岩倉曰
キリストの切手を貼って送り出す 芍薬
評:差出人 左の頬
LAWSONの青が眩しい世紀末 あまの太郎
評:救世主の溜まり場
ぬかるみを缶ぽっくりのまま進む 秋鹿町
評:かっぽかっぽとはいかないけれど。