共選につき
天の句、その技と心
没のポイント3(おやつリスペクト)
は休載です。
65名126句 いわさき楊子選 入選35句 | ||
平 抜 き 句 * 到 着 順 |
不仲説パイナップルに聞く酢豚 | まさよし |
イエローで描くひと日の左側 | toron* | |
だれも触れなかったバナナの皮のこと | 秘まんぢ | |
信じ方講座から始まる教義 | 袴田朱夏 | |
天狗から褒められた耳鼻咽喉科 | たにゆめ | |
肩紐はずれてぼんやりメロンパン | 斉尾くにこ | |
夢枯れてかさこそ手のひらの広野 | 糸篠エリー | |
連休にこびとに宛てた文届く | 西鎮 | |
舐めとった埃の苦さ知ってるか | 西鎮 | |
給湯器もエレベーターも喋りすぎ | 村上佳津代 | |
淡々とタオルを畳む大富豪 | えや実 | |
水平な飛び蹴りが来る痴話喧嘩 | ヨッシー | |
午後五時の音符をしまう通学路 | 芍薬 | |
副賞は泣けない夜に貼るピエロ | 尾崎良仁 | |
月が綺麗きみの正義は負けたんだ | 尾崎良仁 | |
両肩に湯気立ちのぼる調律師 | 小俵鱚太 | |
精液のにおいで起きる夜行バス | 小俵鱚太 | |
恋文はローテーブルを傷つける | エノモトユミ | |
変容の真っ只中にあるこけし | 笹川諒 | |
敵国のデニムから色落ちするP | 月波与生 | |
半返しソヴィエトのある地図だった | 月波与生 | |
たまねぎと新たまねぎの小宇宙 | 有村桔梗 | |
不機嫌な韃靼人は踊らない | 朝野陽々 | |
トラウマ社業務日誌に田螺の絵 | 川合大祐 | |
補助輪と夜の向日葵いらっしゃい | 水鳥 | |
コンデンスミルクの罪を被る夜 | あまの太郎 | |
三角に折ったのにぼったくりバー | いゆ蘭 | |
佳5 | インコンビニエンスストア開業です | 甘酢あんかけ |
佳4 | 職質を反芻したら甘かった | 未補 |
佳3 | 砂時計ひっくり返す静かな手 | 水鳥 |
佳2 | 平静を装っている冷奴 | 尾渡はち |
佳1 | 新元号めでたや御所のまくわうり | はな |
人 | 取調室の葡萄が美しい | 杏野カヨ |
葡萄は宗教で象徴として使われる。犯罪と取り合わせることで、美しくもある人間の仕方なさをおもう。 | ||
地 | 右利きへ推敲されるナイフの句 | 馬鈴 |
社会詠と断言することもできるが、そうは読まない方が詩としてのふくらみがある。 | ||
天 | 曼荼羅のポーズで朽ちる観覧車 | toron* |
曼荼羅と観覧車は似ている。絶対似ている。 |
森山文切選 入選33句 | ||
平 抜 き 句 * 到 着 順 |
取調室の葡萄が美しい | 杏野カヨ |
谷川を流されていく白い布 | 雪上牡丹餅 | |
美容室帰りと分かる天使の環 | 真島朱火 | |
信じ方講座から始まる教義 | 袴田朱夏 | |
はっそうとび蝿虎はシュミーズに | のんびりあん | |
善悪をツイストしたらチョココロネ | たにゆめ | |
天狗から褒められた耳鼻咽喉科 | たにゆめ | |
肩紐はずれてぼんやりメロンパン | 斉尾くにこ | |
ヘルニアの樹にゆっくりと成る葡萄 | 西沢葉火 | |
夢枯れてかさこそ手のひらの広野 | 糸篠エリー | |
真後ろの笑いと脚が揺らすバス | l996 | |
給湯器もエレベーターも喋りすぎ | 村上佳津代 | |
ロボットの愛憎 瓦解する序列 | 福村まこと | |
虹ボタン押してすぐさま捨てる指 | 斎藤秀雄 | |
はにかんだ表彰台のドブネズミ | ペンギンおじさん | |
キャベジンを忘れずに飲む毒クラゲ | ペンギンおじさん | |
雨降っただけで終わってしまう仲 | 小林祥司 | |
地下鉄の窓に激突する魚 | 岩倉曰 | |
半返しソヴィエトのある地図だった | 月波与生 | |
たまねぎと新たまねぎの小宇宙 | 有村桔梗 | |
達磨にもアイライナーを引く配慮 | がね | |
職質を反芻したら甘かった | 未補 | |
体当たり恋に押し潰されている | 藤井智史 | |
咥えれば指ではないと少女A | いゆ蘭 | |
殺せない火はあかあかと蚊の頭 | 秋鹿町 | |
佳5 | 淡々とタオルを畳む大富豪 | えや実 |
佳4 | アイコンの動物たちと夜を待つ | 芍薬 |
佳3 | 恋文はローテーブルを傷つける | エノモトユミ |
佳2 | 変容の真っ只中にあるこけし | 笹川諒 |
佳1 | 藤棚の奥へ目当てのとんかつ屋 | 菊池洋勝 |
人 | だれも触れなかったバナナの皮のこと | 秘まんぢ |
バナナの皮が報われない。 | ||
地 | 副賞は泣けない夜に貼るピエロ | 尾崎良仁 |
貼っても笑えない。 | ||
天 | 三角に折ったのにぼったくりバー | いゆ蘭 |
「三角に折った」という根拠の弱さ、漠然とした感じと、「ぼったくりバー」の怪しさ、生活圏からの距離にリンクがある。 |
共選につき、平抜き句は到着順の掲載です。ご了承ください。