毎週web句会第184回(2019/10/13-2019/10/19投句分)

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55名106句 森山文切選 入選32句
恩返し主将の髭が頼もしい なごみ
「棒立ち」と聞いてニヤつくお嬢様 雪上牡丹餅
抜け殻の助手席のクマうなだれて 文月栞
気がつけば卍固めにされた恋 藤井智史
なめろうとなめろうびとに端境期 あさふろ
ロボットになってから父がやさしい ペンギンおじさん
電車だと思う水平線の鳥 斎藤秀雄
銀杏の踏み潰されて毒を吐く 岩根彰子
思い出が詰まった箱に鍵は無い 真島凉
夜に飲む薬のオブラートがない 菊池洋勝
許し合う二人が並ぶラーメン屋 真島久美子
やさしさに自生している毒きのこ 斉尾くにこ
ちょっといい椅子に座って自転する 茶川とかげ
地下一階の宮本武蔵
強情な蜩の背に北斗星 西沢葉火
リカちゃんの首を十円玉で買う 芦田緑
不揃いの記憶を包むぬいぐるみ 福村まこと
よく見れば実線でない地平線 水城鉄茶
リモコンで動く車で行く墓場 文月栞
整えた爪から鳥になるしくみ かしくらゆう
裏側の大牟田駅がバグで首都 平出奔
裏側を見られ嫌われてゆく白 真島芽
洗脳しても音沙汰がない あまの太郎
片足をしまうピクニックの前夜 いゆ蘭
佳5 きのう行間で赤っ恥をかいた 尾崎良仁
佳4 台風の目からたましい取り返す
佳3 金木犀は人妻でした
佳2 仮想空間にて伸ばすアキレス腱 箱森裕美
佳1 百均で無傷のサハラ砂漠買う 笹川諒
本を読むしか許さない読書灯 真島朱火
重力に従う笑わない子供 toron*
老人に配る試供品が旨い 彦翁

「毎週web句会第184回(2019/10/13-2019/10/19投句分)」への6件のフィードバック

  1. 森山様

    披講いただきありがとうございます。しかしながら、自句は時事詠のつもりだったのに、思いがけなくも「佳」に入れられて、不思議な心境です。いつもここに出す句よりはるかにストレートなのですが…

    読んで、あまり考えこまずに面白いと思った句にこころのままに。

    「棒立ち」と聞いてニヤつくお嬢様 雪上牡丹餅
    ジャリだったころは、「朝立ち」を「朝に降るにわか雨」だと思っていました。

    抜け殻の助手席のクマうなだれて 文月栞
    プーさんかもしれませんが、相場の用語で、ベア(熊)には弱気という意味があります。ちなみに強気はブル(雄牛)です。

    ロボットになってから父がやさしい ペンギンおじさん
    昔はやさしくなかった。それが「ロボット」になってやさしくなった。「心を失くした」のか、「自分を殺した」のか。「プログラム」でやさしくされるのと、時にはぶつかって喧嘩をするのと、どちらが幸せだろう。

    銀杏の踏み潰されて毒を吐く 岩根彰子
    銀杏=思い出の隠喩、と解釈しました。

    許し合う二人が並ぶラーメン屋 真島久美子
    喧嘩したのでしょう。時間帯は夜か。

    やさしさに自生している毒きのこ 斉尾くにこ
    たしかに大地はすべてを受け入れてくれます。だから、母なる大地というのでしょう。

    ちょっといい椅子に座って自転する 茶川とかげ
    子どもたちがよくやってます。

    よく見れば実線でない地平線 水城鉄茶
    必ずしも人間のせいばかりではありませんけれど、ね。

    リモコンで動く車で行く墓場 文月栞
    洗脳しても音沙汰がない あまの太郎
    ブラックに笑いました。

    整えた爪から鳥になるしくみ かしくらゆう
    ♪鳥になりたいな 鳥になったら~

    裏側の大牟田駅がバグで首都 平出奔
    混雑したということでしょうか。

    裏側を見られ嫌われてゆく白 真島芽
    誰にでも見られたくない裏側があります。しかし、こんないい句をここで(失礼)出詠していいんでしょうか。卑弥呼の里誌上川柳会に出してもいい出来栄えだと思いますが。

    片足をしまうピクニックの前夜 いゆ蘭
    義足だと思ってしまう私は頭が固いのかなあ。

    きのう行間で赤っ恥をかいた 尾崎良仁
    「空気を読めない」三次元の人間が二次元の世界に行っても、行間が読めるわけがありません。作者ではなく、作中主体の話です。

    金木犀は人妻でした 朧
    金木犀を綽名とみるのが「常識」。でも文字通り受けとめても可。

    仮想空間にて伸ばすアキレス腱 箱森裕美
    現実空間でも伸ばしましょう。

    百均で無傷のサハラ砂漠買う 笹川諒
    サハラ砂漠の砂、でしょうか。それとも現実のサハラ砂漠は傷だらけだから、無傷の、サハラ砂漠を連想するような何かを見つけたのでしょうか。

    本を読むしか許さない読書灯 真島朱火
    言われてみればそうですね。広げて考えれば、トイレットペーパーとか、キッチンペーパーも。賢くなければスマホじゃないとか。

    重力に従う笑わない子供 toron*
    重力=大人の圧力と読みました。

    老人に配る試供品が旨い 彦翁
    催眠商法のことでしょうか。

    1. 遅くなりましたが、誤解のないよう、文面を訂正します。

      しかし、こんないい句をここで(失礼)出詠していいんでしょうか。卑弥呼の里誌上川柳会に出してもいい出来栄えだと思いますが。

      しかし、こんないい句を、1/3の確率で披講されてしまうここに(失礼)出詠していいんでしょうか。披講されたら未発表句にはなりませんからね。もっと倍率の高い卑弥呼の里誌上川柳会に出してもいい出来栄えだと思いますが。

      森山様
      言葉足らずで、大変失礼しました。句会の価値の問題ではなく、「倍率」の問題で、倍率が低いと句会の価値如何にかかわらず披講されやすい。この句会の価値を軽んじるなら私もここには投稿しませんが、1/3の確率で披講されるというのは、「倍率」で考えると披講される可能性が高く、披講されれば発表済句となってしまうのでもったいない。毎週web句会にみられる現代的・前衛的な作品なら別ですが、この句は従来の川柳の読み方でも十分鑑賞できるものだと思います。たまたま卑弥呼の里川柳会に「裏」というお題があり、そこに出しても十分高い評価を得られる句だと思ったので、おそらく日本でもっとも先鋭的な句会であるここに出すのはもったいないんじゃないだろうか、という思いは今も変わりませんが、申し訳ありませんでした。

      1. コメントありがとうございます。
        本句会に価値を感じてご投句いただいた投句者に対して本当に失礼なコメントと思います。

        追記に対してのコメントです。
        発表済になるのでもったいない、という感覚が私には理解できません。私は発表媒体がどこだったか、どこで入選したか、どんな賞を取ったかで句は変わらないと考えています。
        web句会より紙媒体や大会の方が格上と考える方は多いようです。

        1. 森山様

          わざわざ返信ありがとうございます。
          理解できない、とおっしゃるのでしたら、それはもう仕方ないのですが、私はこちらの句会をリアル句会より格下とは思っておりませんので、それだけは申し上げておきます。

          「緋の月のしたたるように胸の薔薇」
          これは、初めてここに投稿させていただいて、披講していただいたものですが、もともとはリアル句会に出し続けて、常に落ちてきたものが原形です。多少手を加えましたが、いずれにしても、私の知るリアル句会ではまず、披講していただけないだろうと思っています。

          言うなれば、これは私がはじめて創った「現代川柳」なのですが、自信作であったにもかかわらず、誰からも顧みられなかった、それゆえに、私は口にこそ出しませんでしたが地元のリアル句会から背を向け、短歌の世界に入りました(のちに、短歌の世界で知り合った先輩は、この句の原形を「好き」だといってくださり、推敲したものをweb句会で披講されたことを報告したときには、まるで自分のことのように喜んでくれました)。

          そこで寺山修司や塚本邦雄の現代短歌の世界に夢中になり、仕事が忙しくなったこともありますが、リアル句会に顔を出さなくなりました。

          私の心の中で、伝統川柳と「和解」してリアル句会に顔を出すようになったきっかけの一つは、ここの句会をみつけた事でした。かつての「鬼子」を受け入れてもらえたことで、「川柳」に対する私の複雑な思いが完全に消えた、とまでは申しませんが、薄らいだことは確かです。ただし、蝙蝠状態ではあります。

          私はここで、一度も「結社」という言葉を使いませんでした。「リアル句会」と言い続けてきましたね。「結社」という言葉を使う気になれなかったからです。

          森山さんの川柳に対する姿勢がいかなるものか私にはわかりません。川柳はただ詠んできただけでろくに読んでもいませんし、きちんと勉強もしていないのですが(背を向けてからは一層)、短歌の塚本邦雄がそうであったように、川柳会の革命児であってほしいとひそかに願っております。それは私の勝手な願いなので、口にするつもりはありませんでしたが、誤解を解くためならば致し方ないことです。

          まあ、件の詠者の方は、多分大丈夫でしょう。ここに出したらもう向こうに出すネタがなくなるんじゃないかという心配もしたのですが、それはおそらく杞憂でしょうから。おそらく。

          乱文乱筆失礼しました。

          そうですね。思っていても口にすることではないですね。よく考えたら侮辱でもあります。
          失礼しました。

          1. コメントありがとうございます。

            >それはおそらく杞憂でしょうから
            杞憂です。もったいないなどというのは他人が口出しするようなことではありません。

  2. 【定期】掲載順

    1句目、2句目はユーモア、時事吟など比較的インパクトがあると判断した句で、平抜き上位と同じくらいの評価

    3句目が入選句の中では一番下と評価した句で、3句目以降は下に行くほど順に良いと判断した句です。

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