毎週web句会第213回(2020/5/3-2020/5/9投句分)

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50名94句 森山文基選 入選29句
自粛して粛という字が嫌になる まつもともとこ
3密を避けては死んでしまう森 雪上牡丹餅
カーテンにうつる家族に騙される 水鳥
幼児期の絵本の中の善と悪 直井哲生
咽頭に就業規則守る胼胝 福村まこと
水槽の金魚カクカク泳ぎきる まつもともとこ
剝製腫れびしょぬれ村の黄色い父 斎藤秀雄
ガイドブックにでかく書かれた無人駅 小林祥司
近寄ってみよう鍾馗様の眉 糸ちゃん
手巻き寿司よりもお歯黒合戦だ 真島芽
日常系アニメ見ているとき地震 水城鉄茶
空き缶にあと少しだけ残る夢 真島芽
泳げない窓を選んで呼吸する 西沢葉火
海老を剥いたらサンバのリズム
寂しげな夜に食われるさくらんぼ 浅井誠章
そのかどの向こうで世界欠けている
春キャベツおいしくなって媚をうる たえ
街路樹へ黙礼はしゃぎだす若葉 斉尾くにこ
ミイラから貰うソックス二足組 浪速のマッキントッシュ
青い鳥必要ですか風邪ですか 真島凉
薬膳がオマージュしては知らん顔 水谷裕子
佳5 五月雨は白いツイートだけ濡らす 未補
佳4 マントルの見える位置までスクロール カズマ
佳3 新聞を跨いで孫に叱られる ヨッシー
佳2 スケスケの象牙の塔の汚水槽 さこ
佳1 羽のない名前が増えて渡れない さこ
最適化されても渦は渦でいる 袴田朱夏
かわいがってくれた喉骨を拾う 藤井智史
ポケットのなかじわるこれチロルチョコ 西鎮

「毎週web句会第213回(2020/5/3-2020/5/9投句分)」への3件のフィードバック

  1. カーテンにうつる家族に騙される 水鳥
    影絵の一人芝居という景も考えられますし、シルエットだけを見ると幸せそうだけれどもその実は、と読み取ることもできそうです。逆に、虐待しているように見えたけれどそうではなかった、ということかもしれません。比較的イメージが湧きやすい、わかりやすい句ですが、「伝統的川柳会」は共感を旨とし、複数の解釈ができる句を敬遠する傾向がありますので、これはやはり詩性川柳でしょう。

    手巻き寿司よりもお歯黒合戦だ 真島芽
    可愛らしい句です。作るより食べるときの方が夢中になって、海苔巻きの海苔で歯が真っ黒になってしまった、という景でしょうか。

    空き缶にあと少しだけ残る夢
    同じ作者の句です。空き缶が擬人化されています。どんな人だろう、何があったのだろう、なぜ空っぽになったのだろう、と想像が膨らみます。

    青い鳥必要ですか風邪ですか 真島凉
    青い鳥と言えばメーテルリンクの幸せの青い鳥をまず思い浮かべます。少なくとも書き手は、読み手が当然それくらいのことは思いつくだろう、と前提して作っていると思います。さてこの青い鳥は何の象徴でしょうか。「風邪」が現実路線で、それに対比するものとして「青い鳥」が置かれていますから、「夢」「希望」「幻想」などと置き換えることができます。すると、「あなたは今苦しんでいるようですが、元気になるために、たとえ幻であっても夢や希望が必要ですか、それとも単なる風邪だから、大丈夫だと一蹴し、自力でなんとかしますか」と解釈することもできそうです。
    ちなみに「風邪」を「世間によくあるマイナス事象」ととらえれば、たとえば「失恋」と置き換えることもできると思います。

    泳げない窓を選んで呼吸する 西沢葉火
    窓はどこにあるのでしょう。
    初めから自分は泳げないと決め込んで、地上にいるのか。泳げる窓はみんなどこかへ行ってしまって、家の中は壁ばかりで息苦しい。やっとひとつだけ留守番していた窓を見つけて、外の空気を呼吸することができた。
    それとも窓は泳げないから水の中で沈んでいるのか。「鏡の国のアリス」ではありませんが、水中でその窓を開けると、窓の中の別の世界に入りこみ、そこの空気を呼吸することができるのかもしれません。
    妄想を膨らませました。

    きりがありませんので、このへんで失礼します。

  2. 多忙かつ業務予定が立てにくい状況が続いています。今週もかなり早めの発表となりますがお許しください。

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