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41名77句 森山文基選 入選24句 |
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三密を避けるですます調の距離 |
ヨッシー |
彩度補正+50のバラ畑 |
れいんぼう |
結び目の歪み正せば出る余罪 |
福村まこと |
網棚の上に置かれる人の殻 |
浅井誠章 |
口数の少ない桃と濡れている |
朧 |
朽ちてゆく暦で待っている祈り |
沢江風 |
太陽と蟻の南極物語 |
千春 |
東京の人の歩幅で墓参り |
西沢葉火 |
木曜に金曜感がある家路 |
袴田朱夏 |
雨をたたんで詩人が耳を置いていく |
未補 |
ハンバーグだけは美味しいラブホテル |
涅槃girl |
ブランコの立ち漕ぎうまいアンパイア |
平安カズマ |
真夜中の風鈴迷い消えたよう |
彦翁 |
鮫のように壺で泣き出すソーセージ |
斎藤秀雄 |
赤とあお乾ききってる水曜日 |
斉尾くにこ |
下心匂うサンダル迷い癖 |
水谷裕子 |
佳5 |
信じた人は球根でした |
朧 |
佳4 |
商魂が抉るポツンと一軒家 |
澤井敏治 |
佳3 |
素麺の汁に加えるオリーブ油 |
菊池洋勝 |
佳2 |
れんこんの顔がこわいと言えません |
あさふろ |
佳1 |
オチのない神話を作るように雨 |
ほのふわり |
人 |
爪のない族長だけが解ける罠 |
浪速のマッキントッシュ |
地 |
陰口を叩かれて尚ラテアート |
ペンギンおじさん |
天 |
湖を創り悪酔いから覚める |
藤井智史 |
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忠様、コメントありがとうございます。体力の低下かもしれません。
感想です。
三密を避けるですます調の距離 ヨッシー
「とりあえずしました」感、「役目すまし」調への風刺を感じました。そのあたりの感覚がとても川柳らしいと思います。
網棚の上に置かれる人の殻 浅井誠章
電車などの網棚でしょうか。忘れ物の筆頭は傘かもしれませんが、人柄を思わせる「人の殻」は、網棚に多いような気がします。
朽ちてゆく暦で待っている祈り 沢江風
真っ先にコロナを連想しましたが、解釈をそこに限定するのはもったいない句だと思います。
太陽と蟻の南極物語 千春
南極物語と聞いてまず思い出すのは、タローとジローです。だから「太陽」「蟻」がそれぞれ犬の綽名だと考えるのもアリかもしれませんが、どうかなあと思います。
それより、「太陽」を本物だとすると、白夜になります。沈まぬ太陽。これに対して、「蟻」はとてもちっぽけな存在です。本物の蟻と見ても、何かの比喩と考えても、それぞれに面白いと思いました。
木曜に金曜感がある家路 袴田朱夏
私の場合、どうかすると水曜に金曜感があることがあります。
雨をたたんで詩人が耳を置いていく 未補
「私の耳は貝の殻/海の響きを懐かしむ」とうたったのはジャン・コクトー。耳をすませば雨の音は波の音にも似ているような気がしました。勿論、貝殻=耳というのは一つの解釈にすぎません。まだありますが、きりがないのでこの辺に。
ハンバーグだけは美味しいラブホテル 涅槃girl
ここでラブホテルをもってきたのが、川柳のテイストになっていると思いました。
赤とあお乾ききってる水曜日 斉尾くにこ
曜日の句は他にもありました。赤は日曜、あおは土曜と解釈しましたが、太陽と空ということかもしれません。つまりそこに「揺らぎ」があって好きです。
信じた人は球根でした 朧
作中主体の失望が伝わってくる七七です。球根の形が人間の頭に似ているのもツボでした。
商魂が抉るポツンと一軒家 澤井敏治
カモを見つけたと思ったのかな、という、ひとつの解釈です。
れんこんの顔がこわいと言えません あさふろ
れんこんは見通しがいいとされ、おせち料理の定番であります。そんなれんこん様の輪切りの顔が穴だらけで怖いなどとは、口が裂けても言えません。あ、裂けちゃった。すみません。
湖を創り悪酔いから覚める 藤井智史
湖と海の区別は必ずしも明確ではありません。「創」の文字から創世記の「神」を、しかし「悪酔い」からもっと俗な神さまを思い浮かべました。地球最初の(みず)うみは、神さまの「排泄物」ではなかったのだろうか、と。尾籠な話ですみません。
三密を避けるですます調の距離 ヨッシー
あとで気がつきましたが、
三密を避けるで「すます」調の距離
ではなく、
三密を避ける「ですます調」の距離
だったようです。失礼しました。
いつもコメントありがとうございます。
三密の句は「ですます調」でいただきました。
忠様
コメント有難うございました。