毎週web句会第226回(2020/8/2-2020/8/8投句分)

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40名78句 森山文基選 入選24句
白バイが来て字余りを取り締まる ヨッシー
戦争の重さは教科書の重さ 真島凉
「防衛」の刺繍のシャツの男の子 雪上牡丹餅
国境の屍体  富豪の聖書 秋田新屋
覆面で名刺交換する闇夜 福村まこと
粉塵にまみれた愛を抱きしめる 藤井智史
林檎にも落ちる理由があって泣く 架森のん
‪違和感をおぼえたほうの手で愛す‬ 杏野カヨ
二メートル離れ西瓜の種飛ばす 菊池洋勝
高い入り口みあげて丸くスカート咲き 斎藤秀雄
人の列蟻とは違う好奇心 彦翁
飼い殺しの影が三歳から老いず 抹茶金魚
ろっ骨をカラコロキンと落ちる雨 斉尾くにこ
空間を緑に変えるエネルギー
要らぬもの削ぎ落されて白い人 麦乃
姫それはくびれですなあワルですな 尾崎良仁
佳5 学校は貧乏なのかドアの音 真島芽
佳4 寅さんの海老カツサンドひからびる 水谷裕子
佳3 雨の名を忘れて蔓は伸び続け 真島久美子
佳2 信号を守るとわたし遅刻する 田原勝弘
佳1 あの人の船を任意の点として 西沢葉火
重火器に断りもなく咲いた花 ペンギンおじさん
社会的距離と言われた牛が鳴く
おとうとの眼鏡の影になるトカゲ 未補

「毎週web句会第226回(2020/8/2-2020/8/8投句分)」への2件のフィードバック

  1. 白バイが来て字余りを取り締まる  ヨッシー
    句から離れた感想になりますが、川柳がなぜあのように中八を「取り締まる」のか、川柳畑出身のはずなのに、正直に言って、今でも私にはよくわからない感覚です。短歌の世界でも安易な字余りはよくありませんが、それでも川柳に比べればどこを字余りにしてもよく、比較的寛大です。十七文字の世界は、そぎ落とせるだけそぎ落とせ、ということでしょうか。初句は字余りでもいいようですが…

    戦争の重さは教科書の重さ  真島凉
    学生さんらしい真っすぐな句だと思いました。教科書が軽いと戦争も軽いと。確かに昔の日本史の授業は、中学でも高校でも第二次世界大戦に始まる前に終わってしまうことが多かったのですが、今でも授業できちんと教えられていないとすると、問題です。一方、日本の隣国では、かなり歴史の教科書(や副読書)があつい、と聞いています。ただそれがどこまで適切な内容であるかは、また別の問題だと思います。難しいかもしれませんが、例えば「反日種族主義」という本をご覧ください。

    林檎にも落ちる理由があって泣く  架森のん
    創世記の林檎でしょうか。もっとも林檎は裸で暮らせる暑い地方の果物ではありませんので、ニュートンの林檎かもしれません。

    二メートル離れ西瓜の種飛ばす  菊池洋勝
    コロナと社会的距離の句と見ました。切り口が面白いと思います。

    人の列蟻とは違う好奇心  彦翁
    アリは食べ物に寄ってくる感じですが、人の場合は食べ物の行列ばかりとは限りません。場所取りやチケットの購入のためだったりもします。ただ何かが「欲しい」という感覚は共通するようにも思います。二句切れで、「人の列は蟻の列とは違うはずだ」と作中主体が好奇心をもってのぞいて見たら、蟻と大して違わなかった、という解釈はちと冷笑的すぎるでしょうか。

    飼い殺しの影が三歳から老いず  抹茶金魚
    「三つ子の魂百まで」の本歌取りのように感じ、戦慄を覚えました。

    空間を緑に変えるエネルギー  忠
    例会で没になった拙作を拾っていただいてありがとうございました。

    要らぬもの削ぎ落されて白い人  麦乃
    視覚的に鮮明なイメージが湧きましたが、この「白い」は象徴的な意味だろうと解釈しました。

    学校は貧乏なのかドアの音  真島芽
    木造建築の古い校舎なのでしょうか。開けると不気味な音が鳴るドアを想像しました。時節柄、怪談かもしれません。

    雨の名を忘れて蔓は伸び続け  真島久美子
    いろいろな見方ができると思いますが、雨の名を忘れるくらい晴天が続いて、それでも雨を乞うように、上へ上へと蔓が伸びていく植物を第一にイメージしました。別に蔓植物じゃなくても上へ上へと伸びていきますが、象徴的だと感じたのです。もっとも私は蔓に女性的なイメージをかぶせたので、やや男尊女卑的な解釈かもしれません。

    信号を守るとわたし遅刻する  田原勝弘
    大昔、自転車で10キロ離れた高校に通っていた頃を思い出しました(それならもっと早く家を出ればいいんですけれどね)。

    社会的距離と言われた牛が鳴く  朧
    社会的距離とはあくまで人間様の都合であって、それを押し付けられた牛にとっては、はた迷惑なことかもしれないと改めて思いました。

    1. 忠さん、いつも洞察の深いコメント楽しく読ませていただいています。(コメントをしないときも読ませていただいています)
      確かに川柳では「五七五」の取り締まりが厳しいと思われます。選者さんによってはまるで犯罪を犯したみたいに目くじらを立てられることもあるようです。でも結構著名な先生も中八を選んでいらっしゃることも多々あり、まあやはり選者さんありきなのでいろいろなのかな~~と思います。ま、基本は守りましょうというところでしょうか。

      ☆空間を緑に変えるエネルギー  忠

      個人的に好きな作品です。緑フェチなので。他の句会でボツになっても自分で気に入ってる句は私も他でチャレンジすることがあります。やはり選者さんありきなので、そこは試してみても大いに結構と思います。

      ワタクシの句にもコメントをありがとうございます。むか~~し40年くらい前によくエッセイ的な変わった本を読んでいたのですが、そのとき「白い人」というイラスト付きのエッセイみたいな本を読み、その「白い人」の孤独な存在感のない姿がふと40年をタイムスリップして浮かび書いてみました。

      森山さん、いつも超多忙な中エネルギッシュな行動、遠くよりエールを送っています。毎週句会で見たことのない作品と出会えるのが楽しみです。ありがとうございます。

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