毎週web句会第230回(2020/8/30-2020/9/5投句分)

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40名77句 森山文基選 入選24句
ひとり席マスクつけたりはずしたり ジョニー杉崎
トイレットペーパーちょっとタイトだよ 西鎮
両目つぶして人間になる 犬井隆太
脱走の巻き添えになる宛名まで 未補
コマーシャルばかり見ている通い妻 涅槃girl
沈黙すトウモロコシの姫君は さこ
半券のような女が横たわる ちゅんすけ
恋すれば、動悸、息切れ、シャボン玉 杏野カヨ
秋暑しチームカラーの芝刈り機 菊池洋勝
運命を呪い飲み干す梅ジュース 海月莉緒
街角を彷徨っている複製画
三段アイス揺れて恋人 藤井智史
水晶を中火で炙るGIF画像 水城鉄茶
わがままが過ぎて枯葉のムダ話 水谷裕子
ハイライト咳き込みながら父は笑う 中村まふゆ
エトピリカ念動力は春の夢 海月莉緒
佳5 つぶやきのはるか下方に人気者 袴田朱夏
佳4 彼岸までためらい傷の癒えぬ梅 福村まこと
佳3 遺言をノートに書いて去った猫 秋田新屋
佳2 さとうきび畑に隠すべき表紙 平安まだら
佳1 十月の空を拒んで燕尾服 浅井誠章
家具のように森でくすぶる消防車 斎藤秀雄
タイミングわざとずらしてエビフライ 麦乃
廃船にびっしりついている手形 沢江風

「毎週web句会第230回(2020/8/30-2020/9/5投句分)」への6件のフィードバック

  1. 忠さん、いつも楽しいコメントをありがとうございます。最近は心待ちしているワタクシがいます。
    今回の忠さんのコメント、変なうがった見方がなくてとても素直というかストレートだな~~ととても好感を持ちました。

    ☆街角を彷徨っている複製画 忠

    なんか愉快。複製画にはやはり自分の居場所がないんですかね。複製画には複製画の生きる道があればいいと思います。
    ワタクシの句にもコメントをありがとうございます。エビフライはワタクシの大好物なのでした。それにしてもこういう句を選んでくださる森山句会。益々謎句会で興味津々です。

    1. 麦乃様

      拙句へのコメントありがとうございます。

      ≫今回の忠さんのコメント、変なうがった見方がなくてとても素直というかストレートだな~~ととても好感を持ちました。
      ずっと昔に書きましたが、伝統川柳のリアル句会の「スタイル」に飽きて「ぶっ飛んだ」句を出したところが全く相手にされず、評価していただいたのが短歌の方だったので川柳より短歌を詠むようになり、地元の伝統川柳の句会には非常に複雑な感情を抱いております。ということで性格がヒネクレテおりますので、なかなか素直な見方ができないのかもしれません。

      今回の句に関して言えば、出口としてはまさにおっしゃる通りなのですが、入口は「ブレードランナー」でした。つまり、複製画=レプリカント=偽物の人間=私?というのが作句の動機です。もっとも「親がなくても子は育つ」ので、出口がすべてで、入口なんぞについては黙して語らずというのが美学だと思うのですが、こうしてわざわざ書きたくなるあたり、やはり性格がヒネクレテいるのでしょう。

      1. 忠さんの短歌も読んでみたいですね。よろしかったらぜひご披露くださいませ。
        こちらの句会へは短歌の方も多く参加されていらっしゃいますよね。NHKテキストで入選されている作品をよく目にします。それもまた楽しみです。

        1. 麦乃様

          私の短歌の発表の場は、主に地元紙の新聞歌壇ですが、こちらの方はちょっとここでは紹介しかねます。出来栄えを問わぬということでしたら、「うたの日」に修行のため毎日投稿していますので、検索の上、そちらの方をご覧ください。なお、柳歴と比べて私の歌歴は10年にも満ちませんが、「うたの日」歴はさらに短く、1年にもなりません。

          1. 「うたの日」むか~~~~しちょびっと参加したことがありますが今は回避。
            がんばってくださいね。

  2. ひとり席マスクつけたりはずしたり   ジョニー杉崎
    いかにコロナがはやっているといっても、ひとり席で常時マスクをつける必要はないでしょう。いっそ外しっぱなしでもいいと思うのですが、そこはそれ、周りを気にする日本人。つけたりはずしたりして、お里が知れてしまいます。

    両目つぶして人間になる  犬井隆太
    「もし右の眼汝を躓かせば、抉り出して棄てよ。五体のひとつ滅びても全身がゲヘナ(地獄)に投げ入れられぬは益なり」という、山上の垂訓の一節を思い出しました。イエスは好きですが、キリスト教の教えは結構厳しいので、凡夫としては、「作中主体」に対し、浄土真宗の方をお勧めしたいと思います。「自らの至らなさ」への自覚があれば、阿弥陀様はお救いくださると信じております。

    恋すれば、動悸、息切れ、シャボン玉  杏野カヨ
    読点と結句が生命線だと思いました。シャボン玉の運命やいかに。

    秋暑しチームカラーの芝刈り機   菊池洋勝
    暑いので、真夏のように草が伸びています。芝刈り機も選手以上にフィールドで大活躍です。

    運命を呪い飲み干す梅ジュース  海月莉緒
    この梅ジュースは原液ではないかと思いました。作中主体は自棄になっているのかもしれません。

    ハイライト咳き込みながら父は笑う   中村まふゆ
    「父笑う」とすれば数は整いますが、ストレートで「観察的」「客観的」になります。「は」が入ることで字余りになりますが、揺らぎが生まれます。それは愛情かもしれませんし、虫の知らせかもしれません。それぞれの読み手が「主観的」に、「父」像と作中主体との関係を想像すればいいのではないでしょうか。

    つぶやきのはるか下方に人気者  袴田朱夏
    これが上方なら、作中主体は底辺から頂上を眺めていることになります。それをひっくり返して、おそらくは高慢/傲岸な作中主体の孤独を表しているように思いました。

    遺言をノートに書いて去った猫  秋田新屋
    もちろん猫に遺言が書けるわけはないのですが、不思議な説得力があります。「猫」というイメージから感じる独立心と自尊心が、「人間」の共感を得るからなのかもしれません。

    十月の空を拒んで燕尾服   浅井誠章
    十月と言えば、燕が越冬するために日本を去る季節。でも、燕尾服のツバメはこの国を去る気配がなさそうです。

    家具のように森でくすぶる消防車  斎藤秀雄
    森の中の消防車は山火事でもない限り用がありません。用がなければ、出番もないままにそこでくすぶっていることになります。ひるがえって、我が家の家具はどうだろう、と見まわしてみましたが、大丈夫そうで安心しました。もっとも、主人がそう思っているだけかもしれませんが。

    タイミングわざとずらしてエビフライ  麦乃
    エビフライは子どもの大好物です。この句の場合、躾に使っているのかな、と思いました。

    廃船にびっしりついている手形   沢江風
    ふたつのイメージをもちました。最初は「約束手形」です。「廃船」なので「廃業」「倒産」と連想し、不渡りを出したのでないかという解釈でした。
    もう一つは文字通り「手形」。かつて海原を乗り回した船を愛する人たちの愛情が、黒ずんだ手形のように、廃船をあたたかく覆っている、と。後者の方をあとから思いつくあたり、評者である私のひねくれた性格が表れています。

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