毎週web句会第238回(2020/10/25-2020/10/31投句分)

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48名92句 森山文基選 入選28句
嘘を吐きほうれん草を一把買う 朝野陽々
どんな日になるのか妻の下駄が割れ 田原勝弘
九十分コースの指名星月夜 菊池洋勝
これはもう笑うしかない負けっぷり ヨッシー
魔女の服持っているのはお姉さん 真島芽
花婿のネクタイをしたユダのキス
尻尾から食べて銀河の端を知る 未補
囓ったら地球だったりしませんか
棟梁と弟子が爪弾くミニハープ 涅槃girl
シミつきの春を吐き出す抱きまくら 浅井誠章
母さんを剥がすアルバムから兆し ちゅんすけ
才能が詩人を通り過ぎて滝 袴田朱夏
想い出をほっつき歩く夜の長さ 更待月
仮装して行けば三割引きの夜 真島凉
明日から青くて長いドアになる 水城鉄茶
本心に逆らっている雨の向き 真島久美子
三角に負けてそんなに悔しいか さこ
目覚めれば鏡に映るアルマジロ 麦乃
山羊についてゆけば山間から海 抹茶金魚
赤い息吐いては鳥につつかれる 史っ
佳5 ここ見てみバナナは草と書いてある 柊無扇
佳4 同情の語尾に打ちたい五寸釘 彦翁
佳3 ソプラノが敵愾心に揺れている 海月莉緒
佳2 ちぐはぐな思考手放すフライパン 水谷裕子
佳1 水にキス学校指定ジャージ着て 平安まだら
一昨年はたしか世界のきのこ展 橋本牧人
おもかげを初期短編集にさがす 抹茶金魚
挟まった言葉いくつかダンゴムシ 西沢葉火

「毎週web句会第238回(2020/10/25-2020/10/31投句分)」への5件のフィードバック

  1. どんな日になるのか妻の下駄が割れ   田原勝弘
    不吉を予感させますが、それよりも下駄というやや古風な表現に惹かれました。

    魔女の服持っているのはお姉さん 真島芽
    言外に、私は持っていない、ということでしょう。問いかけに対して、「ううん、持っているのはお姉さんだよ」と答えたのかもしれませんし、ハロウィンで、お姉さんが魔女の衣装をしているのを憧れの目で見ているのかもしれません。あるいは羨望か。

    尻尾から食べて銀河の端を知る  未補
    壮大な句です。銀河より大きいのかもしれません。

    囓ったら地球だったりしませんか  朧
    転ばぬ先の杖。ついうっかり、ではすまされないこともあります。これもスケールが大きい句だと思いました。

    棟梁と弟子が爪弾くミニハープ  涅槃girl
    意外な組み合わせですが、ありそうな景だと思います。

    シミつきの春を吐き出す抱きまくら  浅井誠章
    よからぬシミを思い浮かべてしまったのは、評者が品性下劣だからでしょう。

    母さんを剥がすアルバムから兆し  ちゅんすけ
    反抗期にしては強烈です。ここに書くのがためらわれるほど、かなりヤバい物語を想像してしまいました。

    才能が詩人を通り過ぎて滝  袴田朱夏
    通り過ぎらずに自分のところで止まってくれたらいいのに、と思いました。轟轟と流れ落ちてしまうだけに余計に残念です。

    本心に逆らっている雨の向き  真島久美子
    本当は雲として空に浮かんでいたいのに、重力に引っ張られて落ちているのです。

    三角に負けてそんなに悔しいか  さこ
    はい、悔しいです。

    目覚めれば鏡に映るアルマジロ  麦乃
    自分の顔が、ということでしょうか。だとすると、カフカも真っ青の「変身」です。

    同情の語尾に打ちたい五寸釘  彦翁
    「同情するなら金をくれ!」とまでは言いませんが、自己陶酔の匂いがする安っぽい同情や、同情の仮面を被った嫌味や皮肉は結構です。

    ちぐはぐな思考手放すフライパン  水谷裕子
    それまでどんなに思考が分裂していても、火を扱う時は全集中の呼吸です。

    おもかげを初期短編集にさがす  抹茶金魚
    成功した作家さんの、初期短編集としてまとめられた作品を読む。小説ではなく、漫画かもしれません。

    挟まった言葉いくつかダンゴムシ  西沢葉火
    奥歯にものが挟まったような言い方、という慣用句がありますが、挟まったのが言葉だとすると、ダンゴムシのように丸まってしまっているのかもしれません。

    独断と偏見で、約半分の句にコメントをつけてみました。

    1. 忠さん、いつもユニークなコメントをありがとうございます。もう定例になってしまって忠さんのコメントがないと、なんだかつまらないです。どうぞ最終までよろしくお願いします。
      ワタクシにもコメントをありがとうございます。カフカの「変身」はものすごく怖く現実にも起こりそうな気配がしています。できればこのまま人間という形で終了できればいいなと思っています。

      ☆花婿のネクタイをしたユダのキス   忠

      嫌われ者のユダですが、もしかしたら本心は平凡な結婚して花嫁にキスをしたかったのかもしれません。このキスはイエスに向けられたとは思えないのですが。

      1. 麦乃様
        なるほど! そういう読み方もあるのかと思いました。ありがとうございます。実を言いますと、イメージしたのはすでに妻を裏切っている夫、乃至結婚詐欺師の象徴としてユダでした。作者の性格の悪さがよくでていますね。

  2. 第241回から、入選数を投句数の2割以上3割以下に変更します。

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