毎週web句会第239回(2020/11/1-2020/11/7投句分)

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45名87句 森山文基選 入選27句
蕾みたいと言われてもショベルカー 月餅
月曜が浮かれたままのさとうきび 南方日午
ウインクで招く試食の爪楊枝 ヨッシー
お祭りのあとひっそりと養命酒
少年は冒険王を諦める 西鎮
立つ鳥が残した毒は無味無臭 雪上牡丹餅
モーニング黄身が弾けてぬぐう口 ジョニー杉崎
液状化していく午後のあばら骨 史っ
父親としての自覚で踏むムカデ 袴田朱夏
初冠雪聞いたとたんに出たくしゃみ 澤井敏治
髪結いの亭主に恋をする味醂
鳴門巻きうっかりミスにしてやられ 颯爽
人の世の醜さ愛でるゆでたまご 浅井誠章
エプロンが飲み込んでゆく孤独感 ちゅんすけ
口笛に遅れて夢を語りだす 横井来季
もみあげがしきりに低く唸る夜 浅井誠章
神様の指紋が付いた証拠品 秋田新屋
色褪せたホロホロ鳥の鼻の下 まつもともとこ
干し柿が吊るされている飾り窓 涅槃girl
佳5 それもまた文学ですね生しらす 水城鉄茶
佳4 花時計葦も芒も外される 斉尾くにこ
佳3 密売を知っていそうな館内着 南方日午
佳2 群青の蝶は臨月飛べませぬ 沢江風
佳1 あなただけ中身を知らぬ野菜室 榎本ユミ
しあわせをつい早贄にしてしまう 石川聡
空洞をぴったり塞ぐパンケーキ 水鳥
カステラがちょっと顔出す番外地 さこ

「毎週web句会第239回(2020/11/1-2020/11/7投句分)」への5件のフィードバック

  1. 忠さん、いつもコメント楽しみに拝見しています。
    今回のが今までで一番面白かったような。養命酒飲みながら書かれたのかな?

    ☆お祭りのあとひっそりと養命酒   忠

    いつもながら年を忘れてお祭りは大はしゃぎ。でもやっぱり年には勝てません。壊れそうな心臓を養命酒でどうぞ慰めてあげてください。お体ご自愛下さいね。

    1. 麦乃様

      拙句へのコメント、また健康へのお気遣いありがとうございます。困った時の短歌頼みで、五七五に縮めたら、もとの歌とは別の解釈ができる句になりました(笑)

      お祭りの終りしのちの打ち上げもなくひつそりと酌む養命酒
      http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2409a

  2. 少年は冒険王を諦める  西鎮
    作者が御存知かどうかわかりませんが、昔「冒険王」という雑誌がありまして、それが買えなくなるのを諦める、というのをまずノスタルジーとして感じました。次に「海賊王」ならぬ「冒険王」になるのを諦めた麦わら少年の図が思い浮かびました。

    立つ鳥が残した毒は無味無臭  雪上牡丹餅
    無味無臭なら、確かにあとを濁してはいないようです。

    モーニング黄身が弾けてぬぐう口  ジョニー杉崎
    ファミレスなどの朝定食かもしれません。ハムエッグなどだと、黄身の扱いに苦闘することがあります。

    液状化していく午後のあばら骨  史っ
    背筋が丸まっていく様子がよくあらわされていると思いました。

    父親としての自覚で踏むムカデ  袴田朱夏
    わが子の手前、気持ち悪いなどと言ってはいられない。また、子どもが刺されたら大変だ。えいっ!

    初冠雪聞いたとたんに出たくしゃみ  澤井敏治
    連想で、ということは推測できます。このような折、白い目で見られなければいいのですが。

    髪結いの亭主に恋をする味醂  朧
    女房ではなく亭主。すると味醂は女性でしょうか。亭主はしゃきしゃきとして、切れ味がいい男なのかもしれません。

    人の世の醜さ愛でるゆでたまご  浅井誠章
    おでんが美味しい季節です。居酒屋でタネをつつきながら会社の愚痴などを語るのは、コロナ禍でも変わらないのかもしれません。ゆでたまごには隠された目玉がありますが、悪意はないようです。どうぞ思う存分語ってください。

    もみあげがしきりに低く唸る夜  浅井誠章
    もみあげのように見えますが、実は耳です。唸っているのは、耳と耳の間に挟まれた犬の顔でした。

    エプロンが飲み込んでゆく孤独感  ちゅんすけ
    夫も息子も帰りが遅い、孤独な主婦を思い浮かべました。あるいは妻に先立たれた孤独なおじいさんかもしれません。逆に、料理をしているうちに気が晴れた、という解釈の可能性もあります。

    神様の指紋が付いた証拠品  秋田新屋
    「神々の指紋」かもしれませんが、個人的には、ギリシャ神話の誰かさんのように、何か悪さをしたのだと解釈したいと思います。

    干し柿が吊るされている飾り窓  涅槃girl
    もう、ですか。クリスマスもまだ来ていないのに。
    (別の解釈。飾り窓=売春宿、干し柿=客をとれなくなった娼婦)

    花時計葦も芒も外される  斉尾くにこ
    地味な植物は外される。人間だったらさて如何。華があるって何?

    群青の蝶は臨月飛べませぬ  沢江風
    詩的な前半から川柳味の後半へ。コントラストがいいと思いました。

    あなただけ中身を知らぬ野菜室  榎本ユミ
    家族のなかで「あなた」だけが、野菜を調理しない、食べようともしないのかもしれません。人間ではない可能性もあります。

    しあわせをつい早贄にしてしまう  石川聡
    モズの早贄でしょうか。後回しにしないで、タイムリーに味わうのが一番の幸せではないでしょうか。でもつい早贄してしまうのが、人情かもしれません。

    カステラがちょっと顔出す番外地  さこ
    網走番外地のような「別世界」をのぞいてみようと、好奇心から顔を出したカステラ。どうせ作られたときから食べられる運命だし。

  3. 第241回から、入選数を投句数の2割以上3割以下に変更します。

  4. 【定期コメント】掲載順

    1句目、2句目はユーモア、時事吟など比較的インパクトがあると判断した句で、平抜き上位と同じくらいの評価

    3句目が入選句の中では一番下と評価した句で、3句目以降は下に行くほど順に良いと判断した句です。

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