#毎週web句会 第252回(2021/1/31-2021/2/6投句分)

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50名97句 森山文基選 入選24句
消す時はNHKにするテレビ ヨッシー
ブラジャーとするめを分けるレースだな 西脇祥貴
ロフトへの梯子に置いたままの夢 清水晴架
曖昧な例え話が続く夜 ほのふわり
肩書が一つ増えたが騒がしい 藤久
温うなったと朝のサラダの話好き 澤井敏治
負け犬が一番上手く歌う夜 ペンギンおじさん
2カラット分のあくびを見逃すな めるたん
顔面をよく揉んでから謝罪する 水城鉄茶
山門で振り向くまでの石畳 西沢葉火
砂漠だと気づいたラクダから消える
混沌な生き方でした旋毛二個 藤井智史
前髪をサランラップで折り畳む あの井
崖っぷち金魚鉢には嘘ばかり 颯爽
蘭鋳も匂い袋も霧にする 史っ
丸ノ内線を塗したルージュです 南方日午
佳5 アフリカを出て花嫁は舟を焚く 斎藤秀雄
佳4 おとうとがアルミホイルに映らない 平安まだら
佳3 しゃっくりを治すイチゴ柄のパジャマ 未補
佳2 氷点下あるあるめざしのまなざし 斉尾くにこ
佳1 十一月としずかなことを決めてゆく 斎藤秀雄
春雨よ濡れそのものでいておくれ 石川聡
調停に人数分の抱き枕 愁愁
きみが寝て梅の破片がおちている 杏野カヨ

「#毎週web句会 第252回(2021/1/31-2021/2/6投句分)」への1件のフィードバック

  1. ロフトへの梯子に置いたままの夢  清水晴架
    屋根裏(ロフト)ではなく、そこに至る梯子の足元に置いてあるところに、まだ夢を完全にあきらめきってはいない、作中主体の意思を感じました。

    負け犬が一番上手く歌う夜  ペンギンおじさん
    作者さんのことではありませんが、その昔「川柳は負け犬の遠吠えである」とある方に言われたことを思い出しました。

    2カラット分のあくびを見逃すな  めるたん
    超セレブのあくびかもしれません。

    顔面をよく揉んでから謝罪する  水城鉄茶
    顔が引きつってしまわないように。お客様は神様です。

    山門で振り向くまでの石畳  西沢葉火
    「山門」にたどり着いて来し方を振り返って見るまで続く「石畳」、という人生詠と見ました。「」の中は比喩という解釈です。

    砂漠だと気づいたラクダから消える  朧
    ラクダはもともと乾燥地帯を好みますが、砂漠へは交易等のために人為的に連れてこられました。句の中で「消える」のはラクダ自身の意思、レジスタンスだと思います。

    混沌な生き方でした旋毛二個  藤井智史
    「でした」と過去形なので故人のことでしょうか。亡くなった親しい人の頭を何気なく見ていたら、つむじが二つもあったと。漢字で書くと旋風の旋ですので、それが二つのあると確かにそのような人生になるかもしれないと思わせてくれます。

    アフリカを出て花嫁は舟を焚く  斎藤秀雄
    舟に乗って嫁いで行ったのでしょうか。無事到着し、もう戻らない、という花嫁の意思と決意を感じました。

    おとうとがアルミホイルに映らない  平安まだら
    アルミホイルも鏡の代用になります。実は人間ではなかったと。気づいたことをおとうとさんに気づかれないようにしてください。

    春雨よ濡れそのものでいておくれ  石川聡
    春雨じゃ、濡れてゆこう、と言えるのは月形半平太の気取りもありますが、濡れても風邪をひかない、大丈夫なもの、という前提条件があって今でも使われます。昔ながらのそういう「濡れ」のそのものであってほしいと評者は思いました。コロナに負けることなく。

    調停に人数分の抱き枕  愁愁
    (おいおい、必要なのか)という声なきツッコミも含めて、たいへん川柳的な結句だと思いました。

    きみが寝て梅の破片がおちている  杏野カヨ
    自然科学的に言えばまったく因果関係はないのですが、文芸的な文脈で読むとしみじみをしたものを感じます。「どうしても詩がわからない」と言っていた理系の友人のことを思い出しました。

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