#毎週web句会 第255回(2021/2/21-2021/2/27投句分)

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62名122句 森山文基選 入選37句
最後にはみんなはだける離任式 水城鉄茶
先生は伸びたパンツのゴムが好き さこ
天狗の鼻に掛けるアウター 稲井亮太
透明の付箋だらけの人だらけ まつもともとこ
青空をしゃぶり転がすポップコーン 八郎
春うらら占い屋だけ掃き捨てる 八条
オアシスを見っけPayPay24時
カーナビが冬を残して笑いだす 中村まふゆ
びゅーと風鬼のパンツがざわめいた 斉尾くにこ
思い出の画素が勝手に荒くなる 清水晴架
カニカマですし海老より偉い 愁愁
ラジカセが向かい合わせで和解する 海音寺ジョー
耳のゴム外して深呼吸の梅 菊池洋勝
アバウトな話で林檎打ち抜いた てつろう
手荷物にしましょうそんな余韻なら ちゅんすけ
思い出になるじゃんけんをする 髙田祥聖
船でしか行けない町の観覧車 涅槃girl
枕木が一本欠けていて和音 西沢葉火
くたびれた笹に陽春吊り下げる 藤井智史
表情の読める個体をまず食べる 抹茶金魚
下書きの線に合わせてずれる国 平安まだら
さざ波を数えて眠るカモメたち 麦乃
てきとうなことばを茹でる春が好き 林あかり
妹が消えて孤島になりました 真島久美子
ピーマンを海一面に浮かべたい タカタカコッタ
テーブルに過去ばっかりが煮えて春 榎本ユミ
あとがきのほうがあかるい冬でした 有村桔梗
課長の脂 女子高生のヴィトン 尾崎良仁
煮崩れるという喜び方もある 山月堂
佳5 豚まんと交換してるフキノトウ 城崎れい
佳4 泣き濡れた時を過ぎれば厚化粧 藤久
佳3 社長とバイト俺だよトーン サトシワタナベ
佳2 絵ぬりつぶしつぶしくさもち雨ふらし 斎藤秀雄
佳1 良心のうすい痛みを剥くみかん 石川聡
マネキンの手を突っ込んで吐く情夫 城水めぐみ
母の手になって水仙絞めている 史っ
長文のエスカレーターには双子 あさふろ

「#毎週web句会 第255回(2021/2/21-2021/2/27投句分)」への6件のフィードバック

  1. ほぼ当初から楽しませて頂きました。
    ありがとうございました。
    またいつか何処かでお会いできますように

    1. くにこさま

      長い間ありがとうございました。
      帰省の際はご連絡致します。
      早く新型コロナが収まってほしいです。

  2. 最後になりました。

    最後にはみんなはだける離任式   水城鉄茶
    はだける、に本音を垣間見た気がしました。

    天狗の鼻に掛けるアウター  稲井亮太
    アウターを検索すると、レディスーーと出てきました。そうなると、評者としては天狗の鼻をフロイト的に解釈したくなります。

    透明の付箋だらけの人だらけ  まつもともとこ
    眼には見えないけれど付箋(予定)で管理されている。まさに日本人、それもサラリーマンに特によく当てはまりそうだと思いました。

    青空をしゃぶり転がすポップコーン  八郎
    ポップコーンをポイ、と放り投げてパクッ。「何だ、動いているのはポップコーンではないか」「いえいえ、運動は相対的なものですから、ポップコーンからすれば自分が青空をしゃぶり転がしているように見えるのです」

    春うらら占い屋だけ掃き捨てる  八条
    占いの結果がろくでもないものだったのか、それともこんな陽気だから占いなんかに頼らなくてもいいということなのでしょうか。

    びゅーと風鬼のパンツがざわめいた  斉尾くにこ
    ♪おにーのパンツはいいパンツ つよいぞー

    思い出の画素が勝手に荒くなる  清水晴架
    作者のことではなく、自分自身のこととして受けとめました。記憶は日日鮮明さを失っていきます。

    カニカマですし海老より偉い  愁愁
    確かにかまぼこでもカニの方が海老より偉そうです。姿勢的にもそうですね。海老はいかにも腰が低そうですが、カニは両手に武器をもって威嚇しています。

    ラジカセが向かい合わせで和解する  海音寺ジョー
    CDの時代、カセットテープはラジカセでしか使わなくなりました。想像ですが、古いカセットを聴きながら、過去と和解しているのかもしれません。

    耳のゴム外して深呼吸の梅  菊池洋勝
    イメージがいいです。梅が耳のゴムを、と解釈しました。

    手荷物にしましょうそんな余韻なら  ちゅんすけ
    人生は旅のようなもの。今浸らなくても、後でゆっくり旅先にでも。

    船でしか行けない町の観覧車  涅槃girl
    離島から町に行くとそこに遊園地があって観覧車がある、憧れの気持ちがよく出ている、と思いました。

    くたびれた笹に陽春吊り下げる  藤井智史
    願い事の短冊をかけた笹。七夕からもう半年以上たち、くたびれていると思います。陽春を吊り下げる、というのは、願い事が叶ってありがとう、ということかもしれません。

    下書きの線に合わせてずれる国  平安まだら
    もう時代の流れに合わないのに、ずっと前の計画に従って、粛々と実行しようとしている官僚の姿を連想しました。

    さざ波を数えて眠るカモメたち  麦乃
    メルヘンで詩的です。

    妹が消えて孤島になりました  真島久美子
    姉妹の絆と、失われた絆を感じました。進学、結婚、死別など、いろいろ想像できると思います。

    テーブルに過去ばっかりが煮えて春  榎本ユミ
    「ばっかり」に不満の意を感じました。本当は「今」を煮込んで美味しく食べたいのだけれど、と。それでも春はやって来ます。

    課長の脂 女子高生のヴィトン  尾崎良仁
    ない方がいいもの、似つかわしくないもののリストでしょうか。

    煮崩れるという喜び方もある  山月堂
    比喩として、変顔という喜び方もあると思いました。

    豚まんと交換してるフキノトウ  城崎れい
    美味しそうな豚まんと、春の使者のフキノトウ。それぞれだれが持っていたのか、いろいろ想像できそうです。

    泣き濡れた時を過ぎれば厚化粧  藤久
    厚化粧は素顔を隠すためのもの。歳月を感じさせますが、泣き濡れた時期がいつかで、景が変わってきそうです。ひとつの例としては、若い時好きな人と無理やり別れさせられて政略結婚させられた女性が、長じて社長となり…

    絵ぬりつぶしつぶしくさもち雨ふらし  斎藤秀雄
    一旦描いた絵を塗りつぶしているうちに草餅のようになり、雨ふらしのようになり…作中主体の心情を想像しました。

    マネキンの手を突っ込んで吐く情夫  城水めぐみ
    これは評者の句の組立て方からの類推ですが、まず情夫から性的なことだとわかります。すると吐く、も下の口から吐くのだと考えたい。マネキンの手は孫の手よりも人工的です。人工的なスキンと言えば…

    母の手になって水仙絞めている   史っ
    水仙と言えば評者がまず連想するのはナルシス。それを締めるというのは、わが子のナルシズムの芽を、将来のために絶っているという比喩なのかもしれません。厳しい愛情を感じます。
    もっとおだやかな景としては、母から受け継いだ生け花の流儀。こちらの方がより平和的なようです。

    長文のエスカレーターには双子  あさふろ
    これは評者にとって、ということですが、なかなか終わらない長い文として思い浮かべるのは源氏物語。エスカレーターの形と黒い手すりは、まさに平安時代の貴族の女性の長い髪のようです。そして光源氏は幻のもう一人の(比喩的に双子の)母、また藤壺の影を追って、地位や面差しや血縁が似た女性に次々に手を出すのでした。紫の上でさえも、光源氏にとっては本物の代わりでしかなかったのです。

    最後なので全評しようかとも思いましたが、やはり選評にしました。それでもいつもより多めになったと思います。

    皆様、森山様、ありがとうございました。
    麦乃様はじめ、つたない評にコメントいただいた方もありがとうございました。

    川柳の表現の可能性のために、この句会の精神が、これからもツイッターを通して続いていくことを心から祈ります。

    さようなら。

    1. 忠さん
      最後まで熱いコメントありがとうございました。
      楽しかったです。おかげさまで♪
      ワタクシの句にもやさしいコメントをありがとうございます。ラストに私らしい乙女の句を選んでいただけました♪ありがとうございます。
      振り返ってみれば第1回は4年11か月も前だったんですね~~。
      あの日から4年11か月年を取りました。
      この4年11か月、私は何をしていたのでしょうか。
      パワーあふれる森山さんと、こちらの句会に集まる皆さんのたくさんの作品を見られてなかなか有意義に過ごせたような気持ちになっています。ありがとうございました。
      また「くにこさん」の作品にあこがれてずっと楽しませていただきました。改めてありがとうございます。

      ☆オアシスを見っけPayPay24時  忠

      PayPayにオアシスが見つかりましたか。よかったですね。ネットに鷲づかみにされた現代の私たち。ネットという遊び道具がなくなったらどうなるのでしょう。ワタクシはまた縄文人に戻るだけだと思っていますが、本当に戻れるのでしょうか。

      森山さん、皆さん、新しいフィールドでも自身の力を思いきり活用してくださいね。ご健闘を祈ります!

      1. 麦乃様

        最終回はどうしても載りたくて、いろいろ考えて凝った作りにしました。参考のために創作の秘法?を公開しますと、オアシスはコンビニの比喩で、深夜に車を運転していて、時短営業でどこも開いていないし財布も忘れたけど…というもともとの発想でした。省みれば、評者の評も、こうした組み立て方による思考回路に基づくもので、作者の発想とはいろいろ違っていたと思います。

        お世辞ではなく、素敵な解釈をありがとうございました。

        1. 忠さま、麦乃さま

          毎回のコメントありがとうございました。

          多忙で毎週まとまった時間を取るのが難しくなりました。
          Twitterのツイートが自動で表示されるように運営することで、webサイトの更新頻度を減らすことにしました。

          お二人のコメントはtwitterの参加者もいろいろな方々が楽しみにされていたようです。長い間本当にありがとうございました。

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