森山文切 のすべての投稿

第129回(2018/9/23-9/29投句分)

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50名96句 森山文切選
和訳した嫌がらせならよく分かる 柊無扇
胃薬を飲んで息子の話聞く 小林祥司
休み時間 透明だから無視される 峰岡名負人
本気にはならないなんていうホンキ 心咲
情欲の海を彷徨う知恵袋 八郎
いくつもの罪を背負ってきた丸太 ホッと射て
熱帯夜竹を蹴やぶるかぐや姫 須賀琉
軒先にススキ吊るして月見酒 肉球姉
お月見は金粉入りの酒にする 彦翁
火の鳥がなかなか鳴かず強火にす 秘まんぢ
さよならを言う暇もない海綿体 あまの太郎
嬉しいと回覧板は自転する たにゆめ
眼科医と水トラブルの修理する まさよし
ドーナツの輪だけ妹食べ残す ただよう
黒猫が毎晩通う魔女の墓 江西レイ
大井町で見た夕日よりも赤い 小俵鱚太
案山子にも靴擦れがある収穫期 芍薬
病人が出て火葬場に救急車 ヨッシー
白球がテニスコートで逃避行 平出奔
立って座って起きて眠って鳥のくに 斎藤秀雄
ときとして過呼吸になる千羽鶴 冬子
くる時が来た 切手が逆に貼ってある 敏治
逆に言う。そういう観音像もある。 内山佑樹
パラパラのチャーハン バラバラの二人 藤井智史

首ぷかり夫婦で年金の波間 藤沢修司
鬼の首取ったかのよう母子手帳 浮舟
ダークモカチップクリームフラペチーノと蚊 御殿山みなみ
ハレとケを撹拌カフェオレできあがる よーこ
善人のマジックテープ式の靴 岩倉曰
睦言に死語をたくさん入れてみる 杉倉葉
評:腹上死で死後の世界にいかなくてヨカッタデスネ。
歯ブラシが開き切っても入社式 西沢葉火
評:もうすぐ取り替えられる歯ブラシ
飽和した誰かの投げるガラス瓶 くに
評:火炎瓶は投げられないから。

第128回(2018/9/16-9/22投句分)

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47名93句 森山文切選
吐血下血頑張るって何ですか くみくみ
ハヴァナイスドリル悪夢を蹴散らして 御殿山みなみ
想定外言って重ねる青シート 田原勝弘
こだわりのシャンプーだから女の子 真島芽
ファンファーレなにもはじまらないけれど toron*
こだわりがあって竹刀は五千円 真島凉
十分に餌与えても鳴くひよこ 徳重美恵子
五線譜のト音記号が逃げていく 冬子
リフォームができぬ私へ風の声 小林祥司
嘘ついた口から順に縛られる はな
お散歩の犬自慢気に尾を立てる アゲハ
友達の数より多いミミズ腫れ 岩倉曰
メガネザル拡大鏡は持ってない 龍せん
殿様にそっと差し出すぶぶ茶漬け 芍薬
あの人にウインクされるうふふふふ 八郎
寝る前の数値はかなりちびまる子 尾崎良仁
ENEOSで煙草を吸っている河童 平出奔
切り札を忍ばせてから焼くスルメ 畑中玉菜
カンブリア紀の地層フォークで崩す朝 麦乃
ブラックリストにホルモンだけが載る 藤井智史
今夜だけ泣き虫になりたい蜻蛉 若枝あらう
それはそうとお父ちゃんが沸いている 岩根彰子
流体の猫が化けたるわらび餅 江西レイ
耳寄せて枕のなかに過去さがす 藤沢修司

図書館に猫と住むのは不便です あまの太郎
ベーコンを焦がし嫉妬を植えつける 秋鹿町
クレーマー相手にさけぶ赤いペン ただよう
美容室行って松葉ガニで帰る くに
病室の雨は昨日と変わらない くみくみ
カードちらばりトランプマンの帰省 斎藤秀雄
評:みんな無事でしたか?
冥王星に住む干からびた男 藤井智史
評:惑星のままだったら干からびることはなかったのかも。
星々の呼称を巡る判決書 杉倉葉
評:裁判官「星ってあと何個あるんだっけ?」

第127回(2018/9/9-9/15投句分)

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50名95句 森山文切選
ラーメンがあるから明日も大丈夫 真島芽
豊漁の秋刀魚を待っている小銭 彦翁
お酢ドリンク酷暑へからむ酔っ払い 芥子
手も足も出せずウィンクする達磨 宮坂変哲
愛だけをさがせ俺の言葉から 秘まんぢ
夕立がゲリラに変わる温暖化 小林祥司
満足の隙間が愛に飢えている 八郎
読み方と文化をゆるす放生会 むぎのあわ
一昨日の天気予報が戦犯に 海月漂
きぬかつぎつるりゴメンネはしない よーこ
やさしさを包み損ねた卵焼き 秋鹿町
食券をちぎって放る濡れている 西沢葉火
逆光の胸の谷間に咲いた恋 敏治
新潟のロックバンドを食べる蛸 平出奔
点Pがこの時空から動かない toron*
三味線に愛されちゃった猫なのよ いなだ豆乃助
嗚呼秋刀魚人智の及ばざる焦げ目 岩根彰子
ゆっくりと空気を抜いたカラスウリ くに
落款のように顔出すヒッチコック ヨッシー
えんぴつの産むぼんやりとした卵 斎藤秀雄
悔しくてサラダ記念日また開く 小俵鱚太
踏み外したものから順に蝶になる 門脇篤史
学校も自転車小屋も急に秋 真島凉
匂い嗅ぐおんな立方体になる 尾崎良仁

干し芋はいつも本気で攻めてくる 畑中玉菜
風景として鉄オタに許される 御殿山みなみ
少なめの破線をなぞる雨の日々 杉倉葉
季が巡り割れないお皿また使う 徳重美恵子
駄菓子屋の隅で売られる出会いクジ 若枝あらう
嫌味には鈍いタイプの能力者 岩倉曰
評:ニブニブの実でも食べたのでしょうか。食べていなかったとしても十分に通じる表現です。
虚無感を訴えている冷蔵庫 toron*
評:何か入れてあげましょう。
ぞうさんみたいに小さくあるこうね 西沢葉火
評:ゾウの歩幅はおよそ150cm。それが小さいか・・・なんて野暮なことを言ってはいけません。

第126回(2018/9/2-9/8投句分)

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47名89句 森山文切選
ツイッターすこし黙って雨だから 芍薬
期限直前とても密度の濃い時間 アゲハ
泣かされた日々を赦して虹をみる  風間なごみ
切手買い幸福感に抱かれる 龍せん
奥の手にみりんを使ってくる姑息 浮舟
気遣いの嘘を盛ったり飾ったり くに
辛抱が足りず悪魔の手を借りる 福村まこと
じいちゃんの分まで食べて叱られる 真島凉
プチプチが知ってしまった二枚舌 徳重美恵子
家を出る前に宿命背負い直す toron*
核なくし未来のサルに夢残せ 柊無扇
ララバイと金の瞳で笑う猫 麦乃
ストローの先が吸い込むレモンの黄 ホッと射て
信じると決めたとたんにスライダー 冬子
じいちゃんの薬をイチゴ味にする 真島芽
就活にワイシャツの持つ市民権 敏治
晩年を泳ぐ自由な雑魚として 藤沢修司
炎天の自販機前にたむろする くみくみ
特別な日になるはずだった誕生日 やっこ
形見分け一眼レフとナース服 愁愁
水かきの膜がやぶれてから九月 斎藤秀雄
満月が言ったか言わずかフリーズ はな
月に居るサイレンもなし風もなし 峰岡名負人
マネキンの呪いが臭うワンピース 秋鹿町

貧乏ゆすりするときは甘い桃 尾崎良仁
ぶんぶんと軍靴あかるいヨーデル 岩根彰子
店長の頭につけた避雷針 須賀琉
極道な草にもあったうぶな頃 阿部千枝子
シルバニアファミリーなりの世間体 たにゆめ
ダイコンとイモ第三者委員会 よーこ
評:ニンジンはお帰りください。
日常の隙間を埋める猫の砂 あまの太郎
評:おしっこかけられそうだけど、いいんだ。隙間だもの。
一行詩配水管のひと捻り ヨッシー
評:一行って何音字までなんだろう?

第125回(2018/8/26-9/1投句分)

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43名84句 森山文切選
台風をぽっと産みだす青い海 彦翁
豪傑もアルケミストも明朝体 toron*
終電に山高帽の犇めいて 愁愁
教えない方が教えたことになる ヨッシー
心臓の電源を切り床につく ぬれおかき
暑くても秋は来たよと虫の声 田原勝弘
死神はどこで待つのかクエスチョン 若芽
アンテナに躓きそうな美容室 はな
詫びている夢で無沙汰の人に会う 峰岡名負人
何ひとつ思い出せないけど元気 麦乃
妄想が続くお祈り的時間 平井美智子
ララバイのポイント貯まる感謝デー たにゆめ
利き腕で盗んだものは離さない 冬子
文化圏木の実はタコを拒絶する 畑中玉菜
新ドラマ粗熱抜けてから観よう アゲハ
偶数のページだけ盗る知能犯 芍薬
ふところの鬼が抜け道探してる 福村まこと
台本も編集もない生の声 徳重美恵子
ヒーローが堕ちてゆく螺旋の月夜 秋鹿町
棘のない薔薇になるから捨てないで あまの太郎
かざぐるま止めて蛇柄だったとは 御殿山みなみ
あげまんはカレーうどんの刻み揚げ 岩根彰子
シマウマの白だけを踏むイエス様 海月漂
ふところの箱とリボンと輪ゴムと詩 よーこ

札束に見向きもしない蟻の列 敏治
ゴキブリの思考回路は無限です 武良銀茶
二十年熟成させた色眼鏡 須賀琉
儒艮食う犬猫猿の痴話喧嘩 いなだ豆乃助
背番号つけても亀はマイペース くに
枝豆の形に日焼けするおなか 岩倉曰
評:結果にコミットしてください。
どもらないで言えるだろうか蝉電話 斎藤秀雄
評:どもってもばれないんじゃないかな。
婚活に牛のゲップを挟まれる 藤井智史
評:挟むのは口だけにしてよね。