選評リクエストによる選評
10万アクセス記念句会入選句について、「選者の選評を見たい!」と思う句を、おひとり2句まで、フォームから入力いただきました。自句か他の方の句かは問わず、ご投句いただいていない方もリクエスト可能としてアンケートを実施しました。
川柳塔おきなわ準備室10万アクセス記念句会結果
発表:平成29年1月13日
自由吟 4名共選(真島久美子、樋口由紀子、丸山進、新家完司)
投句数:182句(92名)
入選句数:20句以上40句以下で選者の裁量による
真島久美子 選 | ||
平抜き句 (到着順) |
お下がりのお下がりですが要りますか | べにすずめ |
元日に日本人の顔になり | かきくけ子 | |
はじまりは私が決めた月の夜 | 米山明日歌 | |
マンボウになろう縄のれんを潜る | 山田こいし | |
意味はあるただの子どものケンカにも | 龍せん | |
悲しみを帯びているから美しい | 杉山太郎 | |
地球にはみんな入れる屋根がない | 青砥たかこ | |
ややこしいインテリぼた餅にむせる | 板垣孝志 | |
のど飴の甘さあなたを許そうか | 山路橙葉 | |
あなただけ殺し文句に気が付かず | 坂本加代 | |
進化論信じて今日も縄を綯う | 高浜広川 | |
スマホ百態 耳の貧しさ死の甘さ | 平井美智子 | |
大人には低い転落防止柵 | 森山文切 | |
皹の手の男に冬がやって来た | 辻内次根 | |
脈拍の乱れ山茶花咲いている | 辻内次根 | |
コンパスの効かぬ樹海の中にいる | 上原稔 | |
大晦日夜の窓からマンハッタン | 犬山入鹿 | |
あの時の嘘がときどき目を覚ます | 真田義子 | |
悩ましい浴衣でかじるチョコバナナ | 藤井智史 | |
雷鳴に仕舞い忘れた顔ばかり | 徳田ひろ子 | |
ばらばらになってゲルニカを見ている | 海賊芳山 | |
簡単に開く扉に騙された | うちだあつこ | |
完璧な人いないんだ息を吸う | 彩古 | |
ブラックジョーク飛び出してきた福袋 | 澤井敏治 | |
訳なんぞ聞くからよけい拗ねられる | 美馬りゅうこ | |
熱燗に小指を入れるときが好き | 柴田比呂志 | |
つぎつぎと手つなぎおにになるひとり | 月波与生 | |
本人は知らない背なのバツ印 | 水野奈江子 | |
仏像が足りずにパンダ呼びました | 藤田めぐみ | |
何者にもなれず何者問うている | やひろ | |
万両は真っ赤小さい咳が出る | 山本昌乃 | |
りんご噛むルビンの壺ができあがる | 怜 | |
佳 作 (到着順) |
弱虫にしっかりせよと励まされ | 武良銀茶 |
言えない言葉だけど消せない文字である | 寺川弘一 | |
ディズニーの廃墟を人混みで想う | 加藤当白 | |
もうどこの誰だか黄な粉かけたから | 海賊芳山 | |
夕暮れて僕は楽器になってゆく | 門脇かずお | |
人の句 | 九九の歌終わるパレードが始まる | 青砥和子 |
地の句 | 石ころも立派に影を持っている | 圦山繁 |
天の句 | オリオン座入荷と冬の受信箱 | 斉尾くにこ |
樋口由紀子 選 | ||
平抜き句 (到着順) |
溜まったら湯気がでてくる社会鍋 | 春爺 |
どのくらいあれば満足幸福度 | 麦乃 | |
感謝して見ることのない足の裏 | かきくけ子 | |
意味はあるただの子どものケンカにも | 龍せん | |
ややこしいインテリぼた餅にむせる | 板垣孝志 | |
オリオン座入荷と冬の受信箱 | 斉尾くにこ | |
大人には低い転落防止柵 | 森山文切 | |
オンチでも何故か聞かせる赤とんぼ | 永見心咲 | |
くすぐれば笑うゼンマイ仕掛けの明白 | 永見心咲 | |
朝酒も昼寝もできて恙無い | たまき | |
皹の手の男に冬がやって来た | 辻内次根 | |
脈拍の乱れ山茶花咲いている | 辻内次根 | |
鵜の首の屈伸父のスクワット | 岩根彰子 | |
泣きながら笑う関節は望郷 | 岩根彰子 | |
先輩を超えてしまった棒グラフ | 武良銀茶 | |
ちんぴらになるまえのみどりむきだし | 犬山入鹿 | |
恋恋破涙涙怒怒怒続続希 | 藤井智史 | |
もうどこの誰だか黄な粉かけたから | 海賊芳山 | |
信号を泳ぎ切ったぞ八十路坂 | 澤井敏治 | |
明けまして1+1は2のまんま | 門脇かずお | |
熱燗に小指を入れるときが好き | 柴田比呂志 | |
通訳を連れて来たのは河童だけ | 月波与生 | |
一月三日晴れて風なし飲んでいる | 丹下凱夫 | |
万両は真っ赤小さい咳が出る | 山本昌乃 | |
年老いてついてこれなくなった影 | 山口一雄 | |
りんご噛むルビンの壺ができあがる | 怜 | |
モザイクをはずすとみんな同じ顔 | 怜 | |
どの顔でいたしましょうかサヨウナラ | 真島久美子 | |
佳 作 (到着順) |
元日に日本人の顔になり | かきくけ子 |
万歩計確かめて寄る饅頭屋 | まりえ | |
この世などどうせ南京玉スダレ | 新家完司 | |
爺さんになってしまってネギが甘い | 新家完司 | |
筆順を今更変えと言われても | たまき | |
人の句 | アイデアが浮かぶならするペン回し | 毛利由美 |
地の句 | あと少し足が長いと似合う服 | 山口一雄 |
天の句 | 愛されるプーさん 射殺される熊 | 加藤当白 |
丸山進 選 | ||
平抜き句 (到着順) |
お下がりのお下がりですが要りますか | べにすずめ |
感謝して見ることのない足の裏 | かきくけ子 | |
マンボウになろう縄のれんを潜る | 山田こいし | |
ねえあなた鼻から妻が呼んでいる | 山田こいし | |
意味はあるただの子どものケンカにも | 龍せん | |
地球にはみんな入れる屋根がない | 青砥たかこ | |
忘れえぬ絵が遠景になってゆく | 澁谷さくら | |
あなただけ殺し文句に気が付かず | 坂本加代 | |
万歩計確かめて寄る饅頭屋 | まりえ | |
鳥になろうと囁いてくる春の風 | 平井美智子 | |
大根も私も味を見せるシワ | 小松くみ子 | |
この世などどうせ南京玉スダレ | 新家完司 | |
オンチでも何故か聞かせる赤とんぼ | 永見心咲 | |
尿漏れの例え不快な鹿威し | 北田のりこ | |
ちんぴらになるまえのみどりむきだし | 犬山入鹿 | |
四捨五入どれも出来ない数え歌 | 寺川弘一 | |
あの時の嘘がときどき目を覚ます | 真田義子 | |
ポンと出て仕事が済んだコルク栓 | 森山盛桜 | |
恋恋破涙涙怒怒怒続続希 | 藤井智史 | |
懺悔室牧師が頭突きする机 | 福村まこと | |
骨を抜く鍋はトロ火でかまわない | 橋倉久美子 | |
窮屈な帯の下には蝶の翅 | 城水めぐみ | |
信号を泳ぎ切ったぞ八十路坂 | 澤井敏治 | |
熱燗に小指を入れるときが好き | 柴田比呂志 | |
一族のビフォーアフター除夜の鐘 | 深谷江利子 | |
本人は知らない背なのバツ印 | 水野奈江子 | |
トゲのある方が私の表です | 吉崎柳歩 | |
万両は真っ赤小さい咳が出る | 山本昌乃 | |
年老いてついてこれなくなった影 | 山口一雄 | |
りんご噛むルビンの壺ができあがる | 怜 | |
モザイクをはずすとみんな同じ顔 | 怜 | |
鍋に罪なすりつけてはまた磨く | 石森あやみ | |
佳 作 (到着順) |
オリオン座入荷と冬の受信箱 | 斉尾くにこ |
鵜の首の屈伸父のスクワット | 岩根彰子 | |
ばらばらになってゲルニカを見ている | 海賊芳山 | |
足の好きな人としている手の話 | まさと | |
台本の通りに風になるつもり | 真島久美子 | |
人の句 | 修正し写真の誇り傷つける | 橋倉久美子 |
地の句 | まだ春は試作中です悪しからず | 美馬りゅうこ |
天の句 | 愛されるプーさん 射殺される熊 | 加藤当白 |
新家完司 選 | ||
平抜き句 (到着順) |
溜まったら湯気がでてくる社会鍋 | 春爺 |
どのくらいあれば満足幸福度 | 麦乃 | |
感謝して見ることのない足の裏 | かきくけ子 | |
マンボウになろう縄のれんを潜る | 山田こいし | |
ややこしいインテリぼた餅にむせる | 板垣孝志 | |
朽ち葉降るカサコソ想い罅割れる | 山路橙葉 | |
のど飴の甘さあなたを許そうか | 山路橙葉 | |
あしたには切られる柚子が実を生らす | 澁谷さくら | |
泣きなさい涙はいずれ乾くから | あそか | |
羽根つきの音も聞こえずスマホの灯 | つれづれ | |
脈拍の乱れ山茶花咲いている | 辻内次根 | |
鬼門には妻の似顔絵貼ってある | 上原稔 | |
コンパスの効かぬ樹海の中にいる | 上原稔 | |
ちんぴらになるまえのみどりむきだし | 犬山入鹿 | |
ディズニーの廃墟を人混みで想う | 加藤当白 | |
悩ましい浴衣でかじるチョコバナナ | 藤井智史 | |
盃を交わし反響音を聞く | 塚越孝一 | |
簡単に開く扉に騙された | うちだあつこ | |
完璧な人いないんだ息を吸う | 彩古 | |
窮屈な帯の下には蝶の翅 | 城水めぐみ | |
信号を泳ぎ切ったぞ八十路坂 | 澤井敏治 | |
前へ出て小突かれたこと忘れない | 風間なごみ | |
曇天のいつまで続く肩の凝り | 柴田比呂志 | |
熱燗に小指を入れるときが好き | 柴田比呂志 | |
通訳を連れて来たのは河童だけ | 月波与生 | |
本人は知らない背なのバツ印 | 水野奈江子 | |
縮んだり伸びたりしては五七五 | 安井紀代子 | |
ゴミ箱で造花の梅が匂い出す | 安藤なみ | |
見失いかけた人生の手触り | やひろ | |
万両は真っ赤小さい咳が出る | 山本昌乃 | |
りんご噛むルビンの壺ができあがる | 怜 | |
鍋に罪なすりつけてはまた磨く | 石森あやみ | |
佳 作 (到着順) |
石ころも立派に影を持っている | 圦山繁 |
ポンと出て仕事が済んだコルク栓 | 森山盛桜 | |
アイデアが浮かぶならするペン回し | 毛利由美 | |
トゲのある方が私の表です | 吉崎柳歩 | |
仏像が足りずにパンダ呼びました | 藤田めぐみ | |
人の句 | もうどこの誰だか黄な粉かけたから | 海賊芳山 |
地の句 | 地球にはみんな入れる屋根がない | 青砥たかこ |
天の句 | 愛されるプーさん 射殺される熊 | 加藤当白 |
何も賞品はありませんが、
1)全選者が入選とした句
2)高得点句(平抜き句1点、佳作2点、三才3点で計算)
を掲載いたします。
1)全選者が入選とした句(到着順)
熱燗に小指を入れるときが好き | 柴田比呂志 |
万両は真っ赤小さい咳が出る | 山本昌乃 |
りんご噛むルビンの壺ができあがる | 怜 |
ご参考:入選とした選者数と句数の分布
4人: 3句
3人:12句
2人:30句
1人:48句
0人:89句
2)高得点句(同点の場合到着順)
平抜き句1点、佳作2点、三才3点で計算
9点 | 愛されるプーさん 射殺される熊 | 加藤当白 |
6点 (2句) |
オリオン座入荷と冬の受信箱 | 斉尾くにこ |
もうどこの誰だか黄な粉かけたから | 海賊芳山 | |
5点 (3句) |
地球にはみんな入れる屋根がない | 青砥たかこ |
石ころも立派に影を持っている | 圦山繁 | |
アイデアが浮かぶならするペン回し | 毛利由美 | |
4点 (3句) |
熱燗に小指を入れるときが好き | 柴田比呂志 |
万両は真っ赤小さい咳が出る | 山本昌乃 | |
りんご噛むルビンの壺ができあがる | 怜 |
以下、句数のみご紹介
3点:21句
2点:26句
1点:37句
0点:89句
暮れからずーと長引いていた風邪でしたが・・・ふと庭の万両が応援してくれたようです。 4人の選者さんから入選を頂き すっかり風邪が吹っ飛んでいきました。有難うございました。
大変お世話様でございました。
ご投句ありがとうございました。
入選おめでとうございます。
4人共選で全員から入選というのは本当にすごいですね!
大寒波到来とのことです。どうかご自愛ください。
1句 抜いていたただきました。これからの 励みになります❗
ありがとうございました。
ご投句ありがとうございました。
入選おめでとうございます。
今後もよろしくお願い致します。
当選句を載せるだけでなく、角度を変えて まとめられているので また違った方向でみることができます。いいと思います。
ありがとうございます。
4名共選でしたので、誌上大会などで行われている方法で得点をつけました。
次回も行いたいと思います。
10万アクセス記念句会、結果発表しました。ご投句ありがとうございました。間違いがございましたら、こちらのコメント欄かお問い合わせからお願いします。
ご感想、句の意味などのご質問もコメント欄かお問い合わせからどしどしお寄せください。