第136回(2018/11/11-11/17投句分)

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46名88句 森山文切選
戦争ゲーム買えばやる気が出る仕事 笹川諒
ナメクジの速度で渡る天の川 あまの太郎
宛先を書かず手紙を食べる牛 多舵洋
開花まで足音ふたつ足りぬ春 秋鹿町
予約券一枚持って冬に入る くみくみ
紅葉を羽織り銀座をランデブー 八郎
真っ直ぐに生きたい初心へと曲がる 藤沢修司
見せあえば鱶がくるのよぶれながら 亀山朧
白飯に嫁の気持ちを振りかける 真中北辰
猫バスを予約している帰り道 真島凉
聴診器あてて気づいた虹の治癒 絵空事廃墟
歳時記に吸われ真冬が死んでゆく 袴田朱夏
電飾の引き立て役としての闇 犬井隆太
雪国に雪が降ったというニュース 澤井敏治
ト書きにはなかった現場でインタビュー 岩根彰子
仙人がまた銀行の骨になる 斎藤秀雄
三日月の親近感は泣きぼくろ はな
一か所が痛んで調子良い体 青砥たかこ
ほんとうは保存もできる破門僧 杉倉葉
すべからく嘘たそがれが綺麗です toron*

浴槽の屁として消えた人魚姫 岩倉曰
泡で出るタイプになって見返すわ 冬子
四次会のちっとも残らないポテト 御殿山みなみ
空間自体を菩薩と間違える 絵空事廃墟
累積赤字にも見慣れないワルツ 藤井智史
白旗は振らぬマタドールの孤独 中村佐貴
評:しんぶん赤旗を読みながら。
無人島たのみもしない紅生姜 西沢葉火
評:人っぽい何かが作る紅生姜 ぶ
水っぽいブルー漏電して発火 くに
評:くすぶり続ける。

第135回(2018/11/4-11/10投句分)

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49名96句 森山文切選
愛に死す今のジュリーに言われても 阿部千枝子
 -○-○- どんな景色の置き忘れ とわさき芽ぐみ
旅先の夜空の星が僕を待つ 市川雄太
やる事がたくさんあると迷う指 やっこ
繭になる準備こたつにフリースで アゲハ
人を見ず咲いては散って山桜 武良銀茶
イチョウには負けたくない東京タワー 芍薬
ライバルが遠くになっている出番 彦翁
静寂に耳を塞いだクリスマス 日向彼方
やどかりがやどかりを食う小宇宙 岩倉曰
巻き爪の第一継承権を持つ 田村わごむ
真ん中を決めて右腕左腕 西沢葉火
伝言が芸術的に食い違う 犬井隆太
地獄絵図なのにホロリとさせる虫 小俵鱚太
はじまりを知り飽和するシリカゲル 秋鹿町
蒐集家のレコード棚に住む芸者 香菜
反撃の狼煙のためのおろし金 杉倉葉
むささびを淫靡なダウンロードかな 亀山朧
チャラ男当選のハガキ見て固まる 尾崎良仁
光から闇からこぼれゆく団員 絵空事廃墟
五線譜をまっすぐ進む警告音 あまの太郎
月皓々衛戍監獄雁渡る 澤井敏治
忘却を忘れた人が刻むねぎ 江西レイ
ニホンジンナラバヒノマルベントウダ 藤井智史

罫線を消せば自由になれる文字 冬子
やわらかく燃える畳が水の底 斎藤秀雄
白昼堂々レモンの爽やかさ toron*
唐揚げを担保に入れて握手会 あまの太郎
漸化式知っていそうな顔の猫 笹川諒
透明になれば虹呼ぶ水たまり 青砥たかこ
評:虹は水たまりから。
腹巻が伸びるじゃないか手を離せ ヨッシー
評:だっふんだ!!
素麺を曲げずに茹でる裁判所 福村まこと
評:大きな鍋で。

第134回(2018/10/28-11/3投句分)

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57名110句 森山文切選
クリスマスソングに乗せて土下座する 中村佐貴
デボン紀の洗濯機からもれる砂 門脇篤史
換気扇回して外の空気読む とわさき芽ぐみ
思い出を共有すると苦くなる 青砥たかこ
半分に切って本音を覗かせる 彦翁
わたくしの架空を虎がゆく音か 亀山朧
鏡台に置いてあったな『桃の花』 ヨーグルト
同僚のタグが気になる午後三時 真島朱火
深まる秋父の髪まで霜降りに 田原勝弘
探偵と部屋干しのハンチング帽 小俵鱚太
しばらくは尖ってますと蟹の爪 宮下倖
純情な秋刀魚の腹を探る妻 多舵洋
明日あたり棒立ちになる銀杏 岩根彰子
ぱたぱたのたのときくちびるのさびし 斎藤秀雄
成否など知らぬ存ぜぬ栗ご飯 むぎのあわ
君の名は巻き舌できんから読めん 香菜
別の龍しろがねの尿まき散らし 川合大祐
どつかれて緩衝材のプレッシャー 冬子
換気扇フェイクニュースを吐き散らす 藤沢修司
終電車うさぎの耳を付けたまま 平井美智子
曖昧な返事に溶ける角砂糖 福村まこと
さりげなく無糖の恋をしています くに
海辺では人魚のはずの魚人たち 御殿山みなみ
ハッピーターンかかげ三日月かえりみち 真中北辰

竜宮で踊る魚の生活苦 犬井隆太
真四角な女の尻に無抵抗 阿部千枝子
カラスから任されているビット列 絵空事廃墟
ふりかえるたび透明な百合が咲く 秘まんぢ
マンホールの蓋を選んで死ぬ羽虫 岩倉曰
キリストの切手を貼って送り出す 芍薬
評:差出人 左の頬
LAWSONの青が眩しい世紀末 あまの太郎
評:救世主の溜まり場
ぬかるみを缶ぽっくりのまま進む 秋鹿町
評:かっぽかっぽとはいかないけれど。

第133回(2018/10/21-10/27投句分)

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44名87句 森山文切選
丸投げの仕事丸めて投げ返す 袴田朱夏
網棚に部長が置いたファッション誌 甘酢
たっぷりと込めた皮肉が通じない 彦翁
0と1抱き合わせればほら未来 たにゆめ
透明人間に飼われる透明犬 岩倉曰
走馬灯二秒で終わる悲しみよ あまの太郎
茶柱のエールに伸びる万歩計 澤井敏治
靴下に爪のアートをしまう秋 淀美佑子
躊躇わぬ君の強さとピアノソロ 藤沢修司
消化の良い言葉しか欲しがらぬ耳 青砥たかこ
三人の娘育てる四角形 まさよし
瓶ビール残して帰るオトナになりたい サトシワタナベ
カシミヤのセーター今日の指名打者 くに
僕が喋るとそれが川柳 ヨッシー
曇り空によるひとつの試着室 平出奔
防音シート鉄骨をひっぱたく 畑中玉菜
猫からの土産(おそらく消去法) 内山佑樹
恋破れ新装開店の痛み 冬子
靴下が穴そのものと気付く朝 西沢葉火
死にたがる人で賑わうタイムライン 小俵鱚太
賑やかな中で孤独な隅の椅子 小林祥司
睡眠不足なマグロが飲むココア 若枝あらう
悪いユニコーンに騙されて渋谷 中村佐貴
失恋の盾にならないコンドーム 秋鹿町

なんとなくワンダーコアに乗る化石 藤井智史
粘り勝つ九官鳥とのしりとり 香菜
孤独でしょうかラー油を足しましょうか 尾崎良仁
マスキングテープの下にある地獄 門脇篤史
砲台の動力になめくじも要る 田村わごむ
ライバルの眉間をせまくする稽古 斎藤秀雄
評:サイコキネシスで。
盛り塩のように末尾にある絵文字 笹川諒
評:絵文字にも正式な作法が、あったりなかったり。
柚子ひとつ残して地球平面化 川合大祐
評:必殺ひとつ残し

第132回(2018/10/14-10/20投句分)

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58名112句 森山文切選
助手席でカーブのたびにフィーと鳴く 香菜
へそくりを挟んだ本の背が歪む ヨッシー
人間に近づいている武者震い はな
飲んで詠まれる句の身にもなれよ俺 袴田朱夏
来光は蜜 禁を犯した地底人 真中北辰
(本人の申し出により削除)
おっぱいに埋もれて眠る月旅行 まさよし
ストレスの抜けた湯船に屁こき虫 阿部千枝子
どれだけの上から目線なのよ雲 くに
入門書ひしゃげる君の個性他 サトシワタナベ
あいまいにうなずく敵に囲まれて よーこ
嵐の日キリンが街で暴れ出す 犬井隆太
図星だったわ誉め殺しの戦法 岩根彰子
出る杭のまんまで平和チンアナゴ 芍薬
隣室のアラームが止まる 歯痛
G線の上で鰹節が狂う 若枝あらう
もっともな言い訳じみたスムージー 淀美佑子
攻防のゆくえは古稀のちゃんちゃんこ 肉球姉
林道をメビウスの輪にする仕事 多舵洋
かんたんな時計のしくみ担う耳 斎藤秀雄
宛名まで女たらしの文字で来る ヨッシー
東雲に小豆のチョコが不味すぎる 笹川諒
遅刻者の右手だけ切っていた爪 御殿山みなみ
赤と青激しく求めあう林檎 小俵鱚太

引力は上から市立乱気流 内山佑樹
へきえきが気体になって消えていく とわさき芽ぐみ
いつ来ても曇天のプラネタリウム 秋鹿町
縁あってエヴァ初號機と詰将棋 秘まんぢ
物置で善人になるリハーサル 冬子
結果的に恋文となる置き手紙 門脇篤史
評:こんな恋、してみたかったなぁ(遠い目)
声優のあだ名のような断末魔 中村佐貴
評:すみぺっ! ・・・ではないか。
好き勝手したあとの東京ばな奈 尾崎良仁
評:ばな奈とばな男の物語