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53名102句 森山文切選 入選31句 |
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ラブホテル正体あらわすクリオネ |
雪上牡丹餅 |
大臣の椅子を揺さぶる週刊誌 |
田原勝弘 |
新品のラジオで「ひるのいこい」聞く |
ヨッシー |
考えるふりする滝の王手飛車 |
福村まこと |
靴べらが旨味を感じ始めてる |
あさふろ |
カーブミラーはずっと青空 |
冷川響 |
キャットタワー崩れて地球最後の日 |
箱森裕美 |
カワイイを小皿に盛ってチンをする |
石川聡 |
生活を前進させるボールペン |
水城鉄茶 |
ケチャップをかけて紅葉オムライス |
水谷裕子 |
足つぼが僕だけ違う曼珠沙華 |
甘酢あんかけ |
守秘義務と守秘義務ぶつけ合って恋 |
杏野カヨ |
消えかかる虹を鑑賞しています |
よーこ |
童謡の中あたらしい海ばかり |
いゆ蘭 |
ハッピーが燃え尽きそうでもうヒだけ |
かしくらゆう |
寂しさが滴り落ちる通気孔 |
涅槃girl |
白黒は保留ふわふわさせておく |
糸篠エリー |
デミタスの波紋が描く青写真 |
水鳥 |
銭湯で日焼けマシンの愚痴を聴く |
小俵鱚太 |
敵か味方かわからぬ音符 |
涅槃girl |
たまに靴の底を見ている |
ひかる |
校長の椅子に生え出るたまご茸 |
八郎 |
給食のパンが明日からナンになる |
芦田緑 |
佳5 |
穴ふたつ開けて病院から帰る |
抹茶金魚 |
佳4 |
遠くから呼ばれたように振り向けよ |
西鎮 |
佳3 |
じゃあ次は酸っぱくなってからおいで |
笹川諒 |
佳2 |
育てたら付加疑問文だった’ |
斎藤秀雄 |
佳1 |
紫陽花のかたちを誰も描けない |
未補 |
人 |
正確な切手に閉ざされた葉書 |
西沢葉火 |
地 |
靴下を裏返し恩人になる |
芍薬 |
天 |
バウムクーヘン剥がしきり自我ゆらぐ |
toron* |
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55名106句 森山文切選 入選32句 |
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恩返し主将の髭が頼もしい |
なごみ |
「棒立ち」と聞いてニヤつくお嬢様 |
雪上牡丹餅 |
抜け殻の助手席のクマうなだれて |
文月栞 |
気がつけば卍固めにされた恋 |
藤井智史 |
なめろうとなめろうびとに端境期 |
あさふろ |
ロボットになってから父がやさしい |
ペンギンおじさん |
電車だと思う水平線の鳥 |
斎藤秀雄 |
銀杏の踏み潰されて毒を吐く |
岩根彰子 |
思い出が詰まった箱に鍵は無い |
真島凉 |
夜に飲む薬のオブラートがない |
菊池洋勝 |
許し合う二人が並ぶラーメン屋 |
真島久美子 |
やさしさに自生している毒きのこ |
斉尾くにこ |
ちょっといい椅子に座って自転する |
茶川とかげ |
地下一階の宮本武蔵 |
朧 |
強情な蜩の背に北斗星 |
西沢葉火 |
リカちゃんの首を十円玉で買う |
芦田緑 |
不揃いの記憶を包むぬいぐるみ |
福村まこと |
よく見れば実線でない地平線 |
水城鉄茶 |
リモコンで動く車で行く墓場 |
文月栞 |
整えた爪から鳥になるしくみ |
かしくらゆう |
裏側の大牟田駅がバグで首都 |
平出奔 |
裏側を見られ嫌われてゆく白 |
真島芽 |
洗脳しても音沙汰がない |
あまの太郎 |
片足をしまうピクニックの前夜 |
いゆ蘭 |
佳5 |
きのう行間で赤っ恥をかいた |
尾崎良仁 |
佳4 |
台風の目からたましい取り返す |
忠 |
佳3 |
金木犀は人妻でした |
朧 |
佳2 |
仮想空間にて伸ばすアキレス腱 |
箱森裕美 |
佳1 |
百均で無傷のサハラ砂漠買う |
笹川諒 |
人 |
本を読むしか許さない読書灯 |
真島朱火 |
地 |
重力に従う笑わない子供 |
toron* |
天 |
老人に配る試供品が旨い |
彦翁 |
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49名94句 森山文切選 入選29句 |
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煽ったりしないペーパードライバー |
颯爽 |
一人カラオケを自分で録画する |
ヨッシー |
答弁にやけに大きな赤い羽根 |
沙羅粗伊 |
起こそうとする夢が五月蝿い |
麦乃 |
角砂糖一つじゃ愛は振り向かぬ |
藤井智史 |
鬱のザラザラで包丁研いでいる |
糸篠エリー |
泣いた赤おに知らぬ先生 |
忠 |
描きかけの父の自画像後ろ向き |
武良銀茶 |
「奥さん」と呼べば脳裏の団地群 |
小俵鱚太 |
黒潮が靴と鞄を買いに来る |
あさふろ |
着ぐるみを剥がしおとなになるところ |
ホッと射て |
面罵されつつ板張りの節 |
サトシワタナベ |
捜査線上に浮かんだ浮気癖 |
西鎮 |
朝四時の無地の空気の管理人 |
斉尾くにこ |
いちめんのてのひらひかる花畑 |
水城鉄茶 |
本能のままに点滅信号機 |
よーこ |
飴ちゃんのお礼すんなりハグされる |
澤井敏治 |
遠雷の柔さに触れるラングドシャ |
toron* |
たましいの代わりに果てるHB |
ペンギンおじさん |
折り紙の袴をいつまでも愛でる |
箱森裕美 |
たのしみにされない人の視る画面 |
袴田朱夏 |
佳5 |
風が吹くから離せない和紙 |
平出奔 |
佳4 |
泣いているふりして梅干しの真っ赤 |
尾崎良仁 |
佳3 |
だるまだるますごい速さで転がって |
芦田緑 |
佳2 |
どうしても詩歌のような猫が居る |
笹川諒 |
佳1 |
見たところ貴乃花ではなさそうだ |
水城鉄茶 |
人 |
さざなみの錫を曲げても細い指 |
榎本ユミ |
地 |
いきさつの固いところに肘をおく |
斎藤秀雄 |
天 |
筆先が割れてもう一人の名前 |
西沢葉火 |
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56名109句 森山文切選 入選33句 |
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もう奇跡とは言わせない五平餅 |
青山祐己 |
今年こそ今年こそはとハルキスト |
澤井敏治 |
よくしゃべる車だったね特に朝 |
箱森裕美 |
さんまより膝を笑わすスクワット |
八郎 |
ちりとりが二つあるから羽にする |
真島久美子 |
こぼれ萩諦めた人飽きたモノ |
岩根彰子 |
ハイソックス履いて私の銀世界 |
芦田緑 |
一斉下校する列の祭りの日 |
菊池洋勝 |
変節にエスカレーターぎこちない |
糸篠エリー |
鱧の歯が生えてきてからうたえない |
草薙 |
秋刀魚から秋刀魚の生えそうなロケ地 |
未補 |
二足歩行もできるくちびる |
朧 |
エレキギターを弾くスナフキン |
梔子 |
夕陽から貰う昨日のペンライト |
颯爽 |
青鬼の口から匂うレモンティー |
あまの太郎 |
死んだあとハイソックスに入る月 |
榎本ユミ |
臆病な鈴虫が好き夜の蝶 |
水谷裕子 |
薔薇の棘二十画目で狂いだす |
杏野カヨ |
まえがみとあそんだぼくのいすはない |
いゆ蘭 |
できたての音色が植えてある花壇 |
斎藤秀雄 |
借りてきた醤油のくせによく染みる |
ペンギンおじさん |
ウオノメがぼんやりとするホットヨガ |
芍薬 |
粉雪がマークシートを埋めていく |
涅槃girl |
一年ぶりに付箋のページをひらく |
有村桔梗 |
順番に証拠となってゆくドミノ |
いゆ蘭 |
佳5 |
レプリカの海もえている四畳半 |
toron* |
佳4 |
ジャケットを脱いで火を消す准教授 |
小俵鱚太 |
佳3 |
わたくしに飛び散るシャインマスカット |
斉尾くにこ |
佳2 |
アザラシをライバル視するエビフライ |
雪上牡丹餅 |
佳1 |
新版であなたが遠くなった辞書 |
笹川諒 |
人 |
何回も猫の崩した本を積む |
有村桔梗 |
地 |
ばれぬよう弱気を吐いたマイボトル |
西鎮 |
天 |
ゴミ箱が動いてそれが父だった |
袴田朱夏 |
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60名116句 森山文切選 入選34句 |
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セクシーと言わせるためのインタビュー |
青山祐己 |
返納はイヤと逆走して逃げる |
小林祥司 |
約束を大切にしてブラの中 |
多実果 |
一階にも二階にも天井 |
よーこ |
不夜城を嘲る百均のコスメ |
颯爽 |
靴を揃えてくれるのは妻以外 |
澤井敏治 |
解像度を落として保存したカレー |
若枝あらう |
仲間割れ美を競い合うマスカット |
文月栞 |
月光に晒されているEM菌 |
箱森裕美 |
ハンカチが鳩になるまで待っている |
箱森裕美 |
居留守を使う透明人間 |
麦乃 |
どぶ底の春を形状記憶する |
藤井智史 |
12時の鐘を鳴らして逃げていく |
雪上牡丹餅 |
おまえのめでたい日にはめしを食うべ |
松本未句 |
就活で半身浴が仇になる |
ペンギンおじさん |
信号の右何色と聞くから、黄 |
サトシワタナベ |
隠密をガパオライスで手懐ける |
あまの太郎 |
イマジナリーフレンドたちと寿司を食う |
涅槃girl |
上半身と下半身が干されている |
抹茶金魚 |
マナーとしてはでんぐり返し |
朧 |
にんげんはきびしい 風にレモンの香 |
水城鉄茶 |
行き先を間違えた日の赤い海 |
平出奔 |
標本にしたい明太子の血筋 |
西沢葉火 |
巣箱から首だけ出して貼る付箋 |
福村まこと |
あかい星あかい科学がほろぼせり |
忠 |
筆算の線をずらしに来て過保護 |
いゆ蘭 |
佳5 |
空虚なるまひる線状降水帯 |
斉尾くにこ |
佳4 |
集団で咲くのをやめた彼岸花 |
月火こよみ |
佳3 |
空っぽの腹を跨いでいくガチョウ |
榎本ユミ |
佳2 |
小道具の鋏で切れる赤い糸 |
一音乃遥 |
佳1 |
平日の常設展の顔見知り |
大村桃二 |
人 |
バイク屋が田中角栄にふれる |
四線蛇 |
地 |
ドナルドの首改札に押し付ける |
冷川響 |
天 |
目玉焼きなら怖くなかった |
朧 |