27名54句 森山文切選 | ||
お試しの魔法一回500円 | 平井美智子 | |
老父母が薬並べて飲む飲んだ | 井戸野蛙 | |
怪訝な目よそに黒猫と住む女 | 風間なごみ | |
ボツ続き才能なしと妻は切る | 田原勝弘 | |
スギ花粉飛ぶのが見える過敏症 | 敏治 | |
伏せまつげ誰も同じに時を経る | 峰岡名負 | |
ハイヒール馴染むころには五月病 | アゲハ | |
シャッター通りの空気まで伏し目がち | ヨッシー | |
人肌を覚えています哺乳瓶 | masayoshi | |
消しかすの黒に丸める本音たち | 海月漂 | |
無作法を恥じて穴から出られない | 藤沢修司 | |
なにもないことは分かっている夕陽 | くみくみ | |
くちびるが圧縮袋から逃避 | 徳重美恵子 | |
宝石の青に聞きたいことがある | 真島芽 | |
佳 作 |
設定をしましたすぐに泣けますよ | 尾崎良仁 |
戻りつつある蛤を噛む力 | 菊池洋勝 | |
この皺の通りだったと足の裏 | 西沢葉火 | |
ふたりきりそろりと解いた本の帯 | くに | |
さくらさくら亀甲模様のマンホール | 岩根彰子 | |
人 | 煙玉去年の夏の欠片です | 真島凉 |
評:今年の主役に。 | ||
地 | 満月を逆さに吊るす古代杉 | 福村まこと |
評:注意深く見ればわかる。 | ||
天 | 四月とはおよそ栞であるまいか | 斎藤秀雄 |
評:だからといって、桜の枝を折ってはいけません。 |
第103回(2018/3/25-3/31投句分)
23名46句 森山文切 選 | ||
三月にティッシュ配っている五月 | 西沢葉火 | |
雑踏に自分の影が透けていく | アゲハ | |
暖簾くぐり上司の評価してる部下 | 田原勝弘 | |
朝刊がなごみの朝をけ散らかす | 峰岡名負 | |
胃袋を掴む手作りの弁当 | ホッと射て | |
甲羅干す亀の頭を覗き見る | はな | |
母の手の大正琴が泣いている | masayoshi | |
ビル街にサヨウナラだけこだまする | 海月漂 | |
佳 作 |
心ではまだニューフェイスだと思う | 彦翁 |
春だものわたしの旬をご覧あれ | 阿部千枝子 | |
手紙には貴様と書けぬから貴兄 | 敏治 | |
正直に歩けば軋む尾骶骨 | 福村まこと | |
こんなにも息が弾んで散るサクラ | 岩根彰子 | |
人 | 水割りが水になるまで ほっといて | くに |
評:ほっておけない。いますぐ飲む。 | ||
地 | 素潜りであらかた揃う熱帯魚 | 芥子 |
評:本人には当たり前でも、実はすごく幸せな環境にいる。 | ||
天 | ありったけの言葉を使い猫になる | 尾崎良仁 |
評:猫らしくはなれそうだが、猫そのものになるには一体どれほどの言葉が必要なのだろう。 |
毎週web句会投句フォーム
各週日曜日受付開始、土曜日締切
翌週の木曜日までに結果を発表
選者:森山文基
*最終回:第255回(2021年2月21日-2月27日投句分)
各週、川柳自由吟おひとり2句まで(未発表句*)
*柳誌での発表、公民館での掲示、他のネット句会入選句、ブログやtwitterでの公開など、媒体、形式は問わず、公表済の句は選の対象外
投句は無料です。
入選句数は1週間の投句数の2割以上3割以下(小数点以下切り上げ)