毎週の句会

#毎週WEB句会 第255回(2021/2/21-2021/2/27投句分)
62名122句 森山文基選 入選37句
最後にはみんなはだける離任式 水城鉄茶
先生は伸びたパンツのゴムが好き さこ
天狗の鼻に掛けるアウター 稲井亮太
透明の付箋だらけの人だらけ まつもともとこ
青空をしゃぶり転がすポップコーン 八郎
春うらら占い屋だけ掃き捨てる 八条
オアシスを見っけPayPay24時
カーナビが冬を残して笑いだす 中村まふゆ
びゅーと風鬼のパンツがざわめいた 斉尾くにこ
思い出の画素が勝手に荒くなる 清水晴架
カニカマですし海老より偉い 愁愁
ラジカセが向かい合わせで和解する 海音寺ジョー
耳のゴム外して深呼吸の梅 菊池洋勝
アバウトな話で林檎打ち抜いた てつろう
手荷物にしましょうそんな余韻なら ちゅんすけ
思い出になるじゃんけんをする 髙田祥聖
船でしか行けない町の観覧車 涅槃girl
枕木が一本欠けていて和音 西沢葉火
くたびれた笹に陽春吊り下げる 藤井智史
表情の読める個体をまず食べる 抹茶金魚
下書きの線に合わせてずれる国 平安まだら
さざ波を数えて眠るカモメたち 麦乃
てきとうなことばを茹でる春が好き 林あかり
妹が消えて孤島になりました 真島久美子
ピーマンを海一面に浮かべたい タカタカコッタ
テーブルに過去ばっかりが煮えて春 榎本ユミ
あとがきのほうがあかるい冬でした 有村桔梗
課長の脂 女子高生のヴィトン 尾崎良仁
煮崩れるという喜び方もある 山月堂
豚まんと交換してるフキノトウ 城崎れい
泣き濡れた時を過ぎれば厚化粧 藤久
社長とバイト俺だよトーン サトシワタナベ
絵ぬりつぶしつぶしくさもち雨ふらし 斎藤秀雄
良心のうすい痛みを剥くみかん 石川聡
マネキンの手を突っ込んで吐く情夫 城水めぐみ
母の手になって水仙絞めている 史っ
長文のエスカレーターには双子 あさふろ
#毎週WEB句会 第254回(2021/2/14-2021/2/20投句分)
50名94句 森山文基選 入選27句
道なりに塔へ進めば塔から逸れる 抹茶金魚
さいはてのねるねるねるね殺される 林あかり
百通り謝り方を知る蛇口 月餅
夕映えの川に大きな犬の橋 水城鉄茶
チョビ髭が値踏みしている桜貝 水谷裕子
一度だけ使った空をまた使う てつろう
生き恥を包んで捨てる古新聞 まつもともとこ
ずれていて妙に納得してしまう ヨッシー
人間に懐かなかった刃物研ぐ 西鎮
サイコロで地図を旅するカタツムリ 藤久
もう少し待てば形になれたのに 麦乃
太陽を食う地下道の深海魚 さこ
ゆるんだねじをみてみぬふりす 稲井亮太
回転の自由で抜ける祝賀会 袴田朱夏
蝙蝠が眠った隙に北帰行 西沢葉火
さらばよりトマトサラダをはんぶんこ 水鳥
チェスを指す交渉人の長い顎 西沢葉火
置物に繁殖託すけものたち
神父とQと広場にすわり生放送 斎藤秀雄
八畳の灯り蚕食する家族 山月堂
盛り塩に栞が刺さる古本屋 涅槃girl
公的な場所からこぼれ落ちた胡麻 真島久美子
菜箸を使えば微罪でしたのに ちゅんすけ
わたくしと関わった毛は全部剃る 史っ
紅生姜から絡まれるモニュメント 颯爽
父親の床あしらいを批評する 西脇祥貴
アルミホイルに春を教える
#毎週WEB句会 第253回(2021/2/7-2021/2/13投句分)
49名94句 森山文基選 入選22句
砂糖水飲ませどうするつもりです もなかかも
ふやけた指に取れないインク 稲井亮太
クッキーを焼くと大雨降るらしい 真島凉
楽なので噂通りになってみる ヨッシー
神の目で眺める露天風呂の湯気 清水晴架
無防備な鹿が良すぎて涙する 水城鉄茶
残り物の形にしてはうつくしい 山月堂
告白があと一文字で定型詩 平安まだら
脳科学ですね全身生殖器 真島久美子
交配を重ねマシンの友Jr.
童貞と減点式のラブレター ペンギンおじさん
ひれ伏した突っ張り棒もピンク色 水谷裕子
妄想をウグイス嬢が早送り 颯爽
回文に戸惑っている春の波 未補
コーヒーの跡が消せない鳥の味 浅井誠章
裏地には百合が縫われたコック帽 涅槃girl
少しだけ呆けてかわいくなった亀 麦乃
妹の背びれに粉雪が絡む 史っ
昼の画廊にサバのあつまる声がする 斎藤秀雄
閉経を迎えエンピツ舐めたがる さこ
幻のオリンピックをこすりあう 林あかり
皸を噛むパルスオキシメーター 菊池洋勝
#毎週WEB句会 第252回(2021/1/31-2021/2/6投句分)
50名97句 森山文基選 入選24句
消す時はNHKにするテレビ ヨッシー
ブラジャーとするめを分けるレースだな 西脇祥貴
ロフトへの梯子に置いたままの夢 清水晴架
曖昧な例え話が続く夜 ほのふわり
肩書が一つ増えたが騒がしい 藤久
温うなったと朝のサラダの話好き 澤井敏治
負け犬が一番上手く歌う夜 ペンギンおじさん
2カラット分のあくびを見逃すな めるたん
顔面をよく揉んでから謝罪する 水城鉄茶
山門で振り向くまでの石畳 西沢葉火
砂漠だと気づいたラクダから消える
混沌な生き方でした旋毛二個 藤井智史
前髪をサランラップで折り畳む あの井
崖っぷち金魚鉢には嘘ばかり 颯爽
蘭鋳も匂い袋も霧にする 史っ
丸ノ内線を塗したルージュです 南方日午
アフリカを出て花嫁は舟を焚く 斎藤秀雄
おとうとがアルミホイルに映らない 平安まだら
しゃっくりを治すイチゴ柄のパジャマ 未補
氷点下あるあるめざしのまなざし 斉尾くにこ
十一月としずかなことを決めてゆく 斎藤秀雄
春雨よ濡れそのものでいておくれ 石川聡
調停に人数分の抱き枕 愁愁
きみが寝て梅の破片がおちている 杏野カヨ
#毎週WEB句会 第251回(2021/1/24-2021/1/30投句分)
51名100句 森山文基選 入選24句
特別じゃないので別れますね春 真島凉
姉ちゃんの失恋話グフフフフ 真島芽
ありそうでなさそうなこと語る会 斉尾くにこ
空からの新・国立はティッシュ箱 ヨッシー
百均へ悔し涙を買いに行く 颯爽
サンダルの底で粘っている切手 西沢葉火
十代のすべてを燃やし貝になる 西脇祥貴
離任式嫌いな花は花じゃない 海月莉緒
残業や煮凝の奥魚の目 加良太知
冬空にアーティチョークの変声期 南方日午
掛軸に薔薇が描かれた興信所 涅槃girl
つばくさいメガホン抱いて引退す 平安まだら
産毛立てスピード競う乳母車 秋田新屋
ほめられたホクロは置いてゆきましょう ちゅんすけ
弾幕にベーグルが駆け抜けていく 南方日午
オファーがないから九官鳥になる 尾崎良仁
木に釘うつと耳のうしろの原始林 斎藤秀雄
檻の無い獣舎の水の水鳥よ 菊池洋勝
水仙は自分勝手な逮捕状 未補
想い出が火だるまになる初詣 ペンギンおじさん
陰謀をキスで消せないオンライン 袴田朱夏
満月に火柱立てるなまず池
弟が笑うまで割る薬壜 史っ
牛タンの牛タンによるモンタージュ
#毎週WEB句会 第250回(2021/1/17-2021/1/23投句分)
51名98句 森山文基選 入選22句
マスクして春の香りを利き分ける 彦翁
給付金待ち侘びジェンガ組み直す 大城緯度
このぬるさ友達ごっこだったのか 山月堂
地下鉄で地上を通り遠くまで たけすず
ジグザグに進みピカソの絵ができる てつろう
反射した光が顔にずっとある 稲井亮太
歩くこと取り上げられて白鳥座 髙田祥聖
カーテンの向こうの落下音絶えず 抹茶金魚
禁断の実は必ず食べる 袴田朱夏
ライターの音を一切消した窓 西沢葉火
ため息で膨らむ夜のパンケーキ 水鳥
一滴落ちるリズムに覗く窓 松澤秀幸
ひび割れた指先に立つ諸葛亮 西脇祥貴
溜め息を匿名にするワンカップ ちゅんすけ
誠実な嘘の形のチロルチョコ ペンギンおじさん
ブランコを漕いで弱気な雪だるま 水谷裕子
灰色の道に落ちてた虹の飴 清水晴架
姉埋める穴に塗り込む日焼け止め 史っ
ご当地アイドルの梨状筋を推す ぱぱん
隙間から喝采響く蜃気楼 浅井誠章
ランキング外の女優の暦果つ 菊池洋勝
輪郭だけで暮らしています あさふろ
#毎週WEB句会 第249回(2021/1/10-2021/1/16投句分)
46名88句 森山文基選 入選18句
トランプがそろそろ別の国に行く 柊無扇
俺俺と言うから信じない伝記 まつもともとこ
ご機嫌をとっても笑わないスープ ちゅんすけ
ニンニクに生姜を返すバカップル 藤井智史
開かない傘だけ濡れる昼下がり 浅井誠章
母さんの犬種差別が止まらない 水城鉄茶
世の中が再放送に見えてくる ヨッシー
飲みかけのペットボトルを投げ返す 西鎮
スプーンで撫でていいのは鯨だけ あさふろ
使われず捨てられもせず日焼け止め 永峰半奈
紫陽花は泣いていたのね二人分 杏野カヨ
二重まぶたの展示会場
新しい桟橋にふさわしく恋 袴田朱夏
冗談と叫び続けるゴミ置き場
伊予柑の固さ確かめ薬指 永峰半奈
海底の思案のひとはモスクワ育ち 斎藤秀雄
悔しいと黙るタイプのウォシュレット さこ
じゃない方だから鏡を持ち歩く 尾崎良仁
#毎週WEB句会 第248回(2021/1/3-2021/1/9投句分)
47名91句 森山文基選 入選23句
テラス席増えた真冬のレストラン NK
胃薬の粉が舞い散るセレナーデ あの井
うつむいた睫毛の影に嫉妬する 花金鳳花
大きさが違うだけです巫女の笑み 南方日午
副バイトリーダー@竜宮城 稲井亮太
ネカマしかいない自動車教習所 涅槃girl
アマゾンにいる雪かきのプロ
鏡餅割れて出てくる人の性 藤井昭江
ばあちゃんが塗り絵しながら枯れていく 水城鉄茶
ポテトチップス一袋分の愛 藤井智史
ほくろまみれの朝の指先 史っ
人質とジャグルジムでキャッキャする 平安まだら
助っ人はかぼちゃの馬車をリクエスト 水谷裕子
魔法まで使って孔雀石になる まつもともとこ
モモンガが森に連れ戻そうとする 海月莉緒
パパイヤは皮ごと食べる哲学者 ほのふわり
支払いは手の冷たさで額を決め 秋田新屋
射抜かれる林檎の役は君だろう 水鳥
石垣の堀に寡黙のカツサンド ジョニー杉崎
ひとりごと一つは猫のシルエット ちゅんすけ
焼売の肉汁どの指で拭う 菊池洋勝
海老天とその他の天の果し合い 西脇祥貴
標識を踏み抜けば天国は空き部屋 未補
#毎週WEB句会 第247回(2020/12/27-2021/1/2投句分)
42名82句 森山文基選 入選20句
終電に飲んで遅れた元総理 秋田新屋
実家へと戻り多弁になるパンダ 藤井智史
始末書に「制度が悪い」冷やし酒 加良太知
閉店セールの花が咲き誇る死 稲井亮太
胡桃割れずあれから殻にひきこもり NK
雪解けになるまで隠される名字 西沢葉火
愛だけを売る奇書店の猫九尾
おじいちゃん先生の歯にさくらばな 茄子春
お雑煮の隅に去年をトッピング 真島凉
中央分離帯だけが見てた恋 西鎮
理論から生まれた餅がじれったい 未補
ベーゼにはコツがいるのと沼の主 海月莉緒
深海のドレミを開けるキーワード 麦乃
恋終えて寿司屋は月の輪熊を飼う 斎藤秀雄
授乳室から星の残り香 涅槃girl
あけおめと打って眺めている花火 真島芽
三度目の放尿やっと虹を出す さこ
昨日まで放哉 明日はスナフキン 斉尾くにこ
許す気になれば日陰も温かい 彦翁
暖房が効きそう偶数の温度 ヨッシー
#毎週WEB句会 第246回(2020/12/20-2020/12/26投句分)
41名80句 森山文基選 入選16句
自転車は辛いし助手席は眠い 真島凉
コロナ禍に翻弄されて除夜の鐘 田原勝弘
セロハンテープでつくる虹から雪が降る 横井来季
鳥かごに戻って行った薬指 史っ
シャチホコに留守を任せて英会話 さこ
新雪か根雪か空の落下点 真島久美子
掘り当てて牛の墓だと諭される 抹茶金魚
風呂吹が出るなんて病院も粋 菊池洋勝
イヤホンが落ちて冷たい音がする 平安まだら
人形にかわいいと言えない小鳥 海月莉緒
桃味のガムが貼られた桐箪笥 涅槃girl
借り物のマスターキーで朝を呼ぶ 海月莉緒
爆笑で三者面談から帰る 真島凉
通販に総理の卵ありますか 柊無扇
超弩級ならどうしても許せない 西鎮
外気温ばかり気にしている毛糸 真島芽
#毎週WEB句会 第245回(2020/12/13-2020/12/19投句分)
47名90句 森山文基選 入選20句
軒先に青薔薇飾るラーメン屋 涅槃girl
干し草のベッドではしゃぐ出会い系 まつもともとこ
流行の色を知ってる裁ち鋏 松澤秀幸
ネットからガラスの顎を狙われる 颯爽
鉤括弧付けずに喧嘩する度胸 てつろう
虹色の馬のグレーのかたち 見ろ 斎藤秀雄
水面へ未完の雪が呼ぶ金魚 抹茶金魚
トーストに虎の黄色い部分だけ 西沢葉火
鞄から取り出すドラえもんの皮 史っ
大腿骨は薔薇の苗床 千仗千紘
三日間同じ景色が続くバス 麦乃
教科書を見ない若さの使い道 袴田朱夏
老僧の指甘くして消えていく 浅井誠章
擬人化を赤字路線のバスが待つ 袴田朱夏
神様の前屈がまだ終わらない ペンギンおじさん
黒猫がマークシートになるあくび 南方日午
関節を回すと光るクリスマス 水鳥
ひまわりが頭を垂れるポチ袋 永峰半奈
幸せなふりをしているブラホック ちゅんすけ
晴れ女だっけそんなに涙して 尾崎良仁
#毎週WEB句会 第244回(2020/12/6-2020/12/12投句分)
48名92句 森山文基選 入選19句
マイナスドライバーだけで戦うの 西鎮
似合わないメガネをかけて守るもの 清水晴架
あんまんが電子レンジに怒鳴る冬 秋田新屋
約款は耳と乳房に分けておく ちゅんすけ
韻を踏むようにきちんと身だしなみ ヨッシー
随分と人馴れのする電子辞書 ところせまし
夕刊だから絨毯じゃない
出がらしの私ふとんに潜り込む 真島美智子
捨てられた音だと思うバッキャロー 真島久美子
絶望の左隣が空いてます
念力で負けてアプリを裏返す 颯爽
バスルームから去年のビンゴ 未補
蟷螂は文学的な夢を見る ほのふわり
虎狩りの熱を冷ましたスパイウェア 水城鉄茶
叩いたら噛みついてくるビスケット 涅槃girl
特殊詐欺はたらきそうな蟻を踏む 朝野陽々
温泉の回数券に嫌われる ほのふわり
人妻のまわりひそかに貝殻伏せ 斎藤秀雄
くちびるのふちどりまでは涅槃像 石川聡
#毎週WEB句会 第243回(2020/11/29-2020/12/5投句分)
50名97句 森山文基選 入選22句
鶴に踏まれてもつれたのさかさまうどん 斎藤秀雄
惚れた男は行方不明になるようだ まつもともとこ
たい焼きを泳がせている地中海 浪速のマッキントッシュ
湘南のカモメになる日カレーライス スギサキカズヨシ
最終的に加湿器になる
まん丸で四角いものを神と呼ぶ 尾崎良仁
火木は給湯室に泊まる人 ペンギンおじさん
さり気なく声かけまくる池の鯉 秋田新屋
枯れ尾花だけはべらすあいつ 西脇祥貴
夕焼けはくしゃみで少し窪みます ちゅんすけ
山羊を飼うまえに畳をあたらしく 抹茶金魚
コンビニでおでんを買うと鳴る汽笛 涅槃girl
モザイクをかけ忘れても獏が来る 未補
コチュジャンを舐めれば舐めるほど深夜 永峰半奈
路線図に遅れてしまうショートボブ 南方日午
こんにちは犬に似ている日曜日 ところせまし
おだやかな暴言おはぎ拳大 斉尾くにこ
主題歌に含まれている二番風呂 西沢葉火
肋骨の花咲いている先斗町 宮坂変哲
弟の喪服で弟の法事 ヨッシー
さざんかの過剰防衛的敬語 斉尾くにこ
熱のあるウサギの顔でやり過ごす 水鳥
毎週WEB句会第242回(2020/11/22-2020/11/28投句分)
45名87句 森山文基選 入選20句
注文にビビるハンバーガーショップ ヨッシー
焼き肉屋ここも椅子取りゲームだな 真島凉
傾いた地軸のせいで好きになる 袴田朱夏
宿題の和歌を暗記す青葡萄 加良太知
ローションにまみれて鳥も鳥籠も 横井来季
お抹茶にハマる中学二年生 真島芽
黒板を引っ掻いている黙示録
嘘をみちびく公式がある 榎本ユミ
午後五時にカラスほんまに鳴くのかな 澤井敏治
五本目の桜はいなくなった子か 麦乃
イイネ押す弥勒菩薩の薬指 まつもともとこ
特売日粘着テープ2巻買う 颯爽
アフリカを去るもの雲に去るものを連れ 斎藤秀雄
伝説の無い湖を暗号化 さこ
ネクタイをしたら金魚を吐いていい 未補
新薬の研究進む冬の空 菊池洋勝
風呂がまだ純水だった頃のワニ 西沢葉火
スローガン時々溝に落ちている 水谷裕子
花札で終わらせる旅人ごっこ 海月莉緒
いい人でしたお手をせぬ猫でした 斉尾くにこ
毎週WEB句会第241回(2020/11/15-2020/11/21投句分)
43名81句 森山文基選 入選19句
みたらしをたっぷりつけた離職票 ペンギンおじさん
じいちゃんが手づかみで食ういくら丼 水城鉄茶
ここまでが家族ですよと引くチョーク ちゅんすけ
天国なのでみんな鳴いてうるさい 抹茶金魚
居酒屋が落葉にぶら下がっている 南方日午
健康な色をしている爪を切る 彦翁
スピッツに噛まれた腕が羽になる 水鳥
靴音にさみしい雪を貸し付ける 未補
役に立つ生きものだけのパラダイス
浄水器から母が生まれた
おっさんに痛点を見抜かれている 西鎮
マスクして逆さまに寝る子供たち 横井来季
仮止めの天球図ついついずれる がね
ヤクルトのふたを破って光る指 平安まだら
ユニセックスなら恋人だろうもう 西鎮
くちびるを噛めば狂った床の味 未補
触診をすれば声出すトマト缶  史っ
無記名で並ぶ植木鉢に背骨 西沢葉火
毒きのことかが湯に浮きさびしく会う 斎藤秀雄
毎週WEB句会第240回(2020/11/8-2020/11/14投句分)
44名85句 森山文基選 入選26句
田舎にはアルファベットの犬がいる さこ
アイドルになり損なったレジ袋 颯爽
失敗を繰り返しても大きい手 袴田朱夏
串刺しだけど片付け上手
台風で積み木の家に寝る仔猫 秋田新屋
調理師の曲がり始めた指の骨 西沢葉火
胡桃割るカンフースター真似てみる 北原有
明け方に感情移入する写真 ちゅんすけ
不器用なフォークリフトの眠り方 ほのふわり
猫バスにピンヒール履く女王様 稲井亮太
ストレスを感じて眠くなる桜 海月莉緒
白い息吐いてた頃の酉の市 ヨッシー
目薬の蓋に人魚の毛を活ける 未補
薔薇好きのクロワッサンよごゆるりと 水谷裕子
高低差マニアの猫がいる床屋 ほのふわり
弁が立つから通行人は座る 斉尾くにこ
カプセル化された聖書を処方する 内山佑樹
長椅子にごめんと言って済みますか 水城鉄茶
めんつゆの誤解を解いた油揚げ 涅槃girl
遅刻したパンダに聴かすバグパイプ 沢江風
ビル街を包む無音の季語辞典 城水めぐみ
青鷺が綿棒になる次のコマ 抹茶金魚
ハロウィンの歯に蝶が挟まったまま 南方日午
ニュートンのいないところで飛び降りる 平安まだら
哀しみの底に水泥棒が住む 真島久美子
ヒロインは脱ぎましょうカニ食べましょう 斉尾くにこ
毎週WEB句会第239回(2020/11/1-2020/11/7投句分)
45名87句 森山文基選 入選27句
蕾みたいと言われてもショベルカー 月餅
月曜が浮かれたままのさとうきび 南方日午
ウインクで招く試食の爪楊枝 ヨッシー
お祭りのあとひっそりと養命酒
少年は冒険王を諦める 西鎮
立つ鳥が残した毒は無味無臭 雪上牡丹餅
モーニング黄身が弾けてぬぐう口 ジョニー杉崎
液状化していく午後のあばら骨 史っ
父親としての自覚で踏むムカデ 袴田朱夏
初冠雪聞いたとたんに出たくしゃみ 澤井敏治
髪結いの亭主に恋をする味醂
鳴門巻きうっかりミスにしてやられ 颯爽
人の世の醜さ愛でるゆでたまご 浅井誠章
エプロンが飲み込んでゆく孤独感 ちゅんすけ
口笛に遅れて夢を語りだす 横井来季
もみあげがしきりに低く唸る夜 浅井誠章
神様の指紋が付いた証拠品 秋田新屋
色褪せたホロホロ鳥の鼻の下 まつもともとこ
干し柿が吊るされている飾り窓 涅槃girl
それもまた文学ですね生しらす 水城鉄茶
花時計葦も芒も外される 斉尾くにこ
密売を知っていそうな館内着 南方日午
群青の蝶は臨月飛べませぬ 沢江風
あなただけ中身を知らぬ野菜室 榎本ユミ
しあわせをつい早贄にしてしまう 石川聡
空洞をぴったり塞ぐパンケーキ 水鳥
カステラがちょっと顔出す番外地 さこ
毎週WEB句会第238回(2020/10/25-2020/10/31投句分)
48名92句 森山文基選 入選28句
嘘を吐きほうれん草を一把買う 朝野陽々
どんな日になるのか妻の下駄が割れ 田原勝弘
九十分コースの指名星月夜 菊池洋勝
これはもう笑うしかない負けっぷり ヨッシー
魔女の服持っているのはお姉さん 真島芽
花婿のネクタイをしたユダのキス
尻尾から食べて銀河の端を知る 未補
囓ったら地球だったりしませんか
棟梁と弟子が爪弾くミニハープ 涅槃girl
シミつきの春を吐き出す抱きまくら 浅井誠章
母さんを剥がすアルバムから兆し ちゅんすけ
才能が詩人を通り過ぎて滝 袴田朱夏
想い出をほっつき歩く夜の長さ 更待月
仮装して行けば三割引きの夜 真島凉
明日から青くて長いドアになる 水城鉄茶
本心に逆らっている雨の向き 真島久美子
三角に負けてそんなに悔しいか さこ
目覚めれば鏡に映るアルマジロ 麦乃
山羊についてゆけば山間から海 抹茶金魚
赤い息吐いては鳥につつかれる 史っ
ここ見てみバナナは草と書いてある 柊無扇
同情の語尾に打ちたい五寸釘 彦翁
ソプラノが敵愾心に揺れている 海月莉緒
ちぐはぐな思考手放すフライパン 水谷裕子
水にキス学校指定ジャージ着て 平安まだら
一昨年はたしか世界のきのこ展 橋本牧人
おもかげを初期短編集にさがす 抹茶金魚
挟まった言葉いくつかダンゴムシ 西沢葉火
毎週WEB句会第237回(2020/10/18-2020/10/24投句分)
43名82句 森山文基選 入選25句
ロマンスが落ちているから千鳥足
差し込むと悲鳴をあげるカードキー 涅槃girl
ごめんごめんと花の揺れ加減 てつろう
金太郎飴が苦手な千歳飴 颯爽
ハイブリッドカーに乗ってひとり旅 西鎮
早朝のグノシエンヌと紅茶ラテ 水城鉄茶
ぬいぐるみ爆発的に生殖す 水城鉄茶
だいたいの道だいたいの人が踏む 斎藤秀雄
寒がりとりんごでキャッチボールする 月餅
観戦へ行けぬチームの布マスク 菊池洋勝
神無月平手でハエを叩けます 柊無扇
見合ごと鶴の折り方変えてみる 福村まこと
山羊に逃げだされて山羊飼いを名乗る 抹茶金魚
寝返りを打つと畳は吃りだす 平安まだら
泥水に浸かり太陽系に媚 藤井智史
まきびしを胸にばら撒く恋心 浅井誠章
肘掛の椅子の周りは敵ばかり 彦翁
二つ目の嘘は香りを放たない ちゅんすけ
うつくしく螺旋階段踏みはずす 史っ
いまは遠い毛遠い戸棚に隠れたり 斎藤秀雄
燃えている紋白蝶にお辞儀する 涅槃girl
薪割りに負けて多情な秋になる 水谷裕子
煮崩れた豆をぶつけてやりましょう さこ
画家を描く画家の偏執的な膝 未補
思春期の混乱として象を買う 未補
毎週WEB句会第236回(2020/10/11-2020/10/17投句分)
42名80句 森山文基選 入選24句
最後まで一言多いミルフィーユ 水鳥
タヌキより重い女が泣いている さこ
ちょっと首ぎゅぎゅっと絞めてみた餃子 斉尾くにこ
老け役を強制される白髪ネギ 颯爽
洋食屋裏から父がいなくなる 史っ
コケシ増え母の旅路を知る帰省 中村まふゆ
ジョーカーを握りつぶして雨静か 浮世っ子
あの人は地図を見ないで旅をする ジョニー杉崎
泡立ちがいいと見えなくなる明日 ちゅんすけ
想い出は金木犀の薫る庭 まつもともとこ
長生きをしそうなあの人の嫌味 ヨッシー
嫌われたものだと思う想い人 海月莉緒
夕焼けを舐めればきっと甘辛い 更待月
駄菓子屋の隅で泣いてるメロンパン 秋田新屋
牛丼を食べると走る闘牛士 八郎
ペン先を舐めて一休さんになる 藤井智史
マシュマロのように数字を放りこむ 横井来季
クレヨンの寿司で解消する悩み 袴田朱夏
雷と雷様の分岐点 雪上牡丹餅
校門に挟まれている百舌自身 西沢葉火
弾くたび杏が香るピンボール 涅槃girl
主役よりイケメンだった包装紙 藤井智史
セクシーな掃除機として生き返る
同姓の他人を探す地下出口 福村まこと
毎週WEB句会第235回(2020/9/27-2020/10/10投句分)
45名88句 森山文基選 入選27句
たけのこはチョコの分だけ強くなる 架森のん
スシローの寿司は握ってなどいない 真島芽
アースジェットで地球を狙う
締め切りが僕を生き返らせるのさ 尾崎良仁
行儀良い指を端から仕置きする 史っ
二秒ずつ息を止めても生きている さこ
北側の窓が瞬きをしない 西沢葉火
リードしてくれよ女にさせてくれ まつもともとこ
プラスネジ女難の相が見た地獄 颯爽
トンネルで廻り続ける糸車 涅槃girl
踊り子の鎖骨に止まる青い鳥 涅槃girl
記憶より白くなれない机は焼いて 未補
盆栽で爪研ぐ猫の反抗期 福村まこと
三分で振られてしまうカップ麺 藤井智史
内緒事ミラーボールに閉じ込める 水谷裕子
図の孔雀からっぽなのでしくしく押す 斎藤秀雄
ワッシャーの穴の重さのぶん浮いた 袴田朱夏
つるつると石鹸ばかり若返る 月餅
パレードが跳ぶ押しボタン式信号 抹茶金魚
岩盤に刻み込まれていくプラス 雪上牡丹餅
注釈のように張り付くコースター 平安まだら
へりくつをズラしてズレてとろみ系 斉尾くにこ
君の手に渡った赤いシーグラス 真島久美子
お小遣いこれっぽっちのコッペパン 真島凉
頬を揉みほぐすシャワー室のピエロ 更待月
小娘のみる夢だからHB ちゅんすけ
横浜の夜景散らばる君の脇 浅井誠章
毎週WEB句会第234回(2020/9/26-2020/10/3投句分)
41名80句 森山文基選 入選24句
ケツバット笑えた春があったっけ 平安まだら
エンジェルの弓引く先に廃ホテル 架森のん
あの子ならあの子の恋を飛んでるよ 袴田朱夏
ガーターの先に東京タワーあり 月餅
硝煙にまみれたドアにノブがない 沢江風
馬鹿みたく半袖舐める迷い犬 海月莉緒
青春の画布に試し塗りの汚れ 更待月
側溝のフタを鳴らして孫が来る 松澤秀幸
追憶の珈琲ゼリーすくう夏 水鳥
被害者の傷に自己言及の塩 雪上牡丹餅
肩書は人畜無害サンシャイン 沢江風
指切った黄色い線の内と外 西沢葉火
ならわしに染まっていない朝が来る
宿帳に動物臭の崩し文字 福村まこと
口紅で集合場所を書くカラス 秋田新屋
封書に指紋きみとわたしの時差に雨 抹茶金魚
強風で崖から落ちるコルセット 涅槃girl
ゲシュタルト崩壊してる笠地蔵 宮坂変哲
学校は文房具屋の前にある ヨッシー
マウントを取りあう人のミルフィーユ 平安まだら
踊ってる人に踏まれている切符 さこ
カチューシャを外し疲れたカブトムシ 水谷裕子
耳に線条痕うさぎの歌は下手 未補
ご近所の書店じわりと雑貨店 斉尾くにこ
毎週WEB句会第233回(2020/9/20-2020/9/26投句分)
46名88句 森山文基選 入選27句
ネットにも「モグラ叩き」を設置する まつもともとこ
エンドロール手にまだ残る缶ビール 澤井敏治
表情にすぐ出る顔が愛される ヨッシー
天国も地獄も昨日行ったじゃん 柊無扇
二十年まえに逃がした亀を拾う 抹茶金魚
ヒゲ付きのメガネをそっと仕舞う夜 中村まふゆ
オプションは土に埋まった潜水士 南方日午
正解はパーいきなりのグータッチ 斉尾くにこ
透明な辞書を抱えた老婦人 西鎮
ばあやから季節外れの虹届き 秋田新屋
ぎりぎりのところイノシシ攻めてくる
思い出に順位付けする解脱前 袴田朱夏
センサーが反応しない丸メガネ さこ
耳打ちをされたピアスが朽ちてゆく ちゅんすけ
マスカラの黒い涙で貼る切手 麦乃
滑舌をなめらかにする波の音 未補
月光を小銭で煽る販売機 福村まこと
黒ひげがポンと飛び出て僕は咲く 尾崎良仁
価値観をぶら下げている五葉松 藤井智史
村じゅうの蝶を起こして叱られる 史っ
偏食がかなり偏食たしなめる ヨッシー
教室に青いパンダの居る悪夢 横井来季
薄幸なハンカチだって逆上り 颯爽
落丁も乱丁も好き柿実る 更待月
地下室にラクダが育つ雑貨店 沢江風
新生姜漬ける会社へ就職す 菊池洋勝
図書館で卵握ればすぐ孵る 横井来季
毎週WEB句会第232回(2020/9/13-2020/9/19投句分)
44名83句 森山文基選 入選25句
ネガティブな握手をされたロボコップ 秋田新屋
スマホから酢飯の匂いする教師 涅槃girl
ギアチェンジしばし霞んだ薔薇の花 水谷裕子
盆栽として生きていきます
アイライクララララ季節うつくしい あまの太郎
炭酸が抜けて一人前になる 藤井智史
手をふって別れたひとは貝柱 水鳥
あやしげな若さいかがとチャイム鳴る 斉尾くにこ
赤ちゃんポストで見つかるのは執事 沢江風
裏切りにあって渋皮剥けてきた 彦翁
箸で突く麦茶パックのみぞおちを 平安まだら
かき氷記憶喪失して戻る 横井来季
無菌室で育てた夢ゆえに枯れる 更待月
新聞の今宵の月は革命家 麦乃
傘まわす 雨の真芯を浴びぬよう 史っ
すぐに泣く林檎の方をもいでおく ちゅんすけ
自粛して歌を忘れたセイレーン 架森のん
実っても悩みが尽きぬ地産物 松澤秀幸
郵便のバイクが曲がる再生紙 浅井誠章
三角形みなぎってかさなってさえずり 斎藤秀雄
ネクタイの解けて蛇の滑りかた 横井来季
天使の尾みだれて水がやや濁る 抹茶金魚
理科室が強く育むニヒリズム 南方日午
待ち針をそんなに持って怖いです 水城鉄茶
ベランダにわれらの旗を干している
毎週WEB句会第231回(2020/9/6-2020/9/12投句分)
45名86句 森山文基選 入選26句
まとめると金がないってことですね 水城鉄茶
眼鏡かけないと話が聞き取れぬ ヨッシー
良いパンツ悪いパンツと青い空 とわ
間違って入れた方には勝てません さこ
戦って勝ちますヒトはヒトのまま アゲハ
下書きは感情過多になるレモン ちゅんすけ
ユニクロの折り込みチラシ秋を知る ジョニー杉崎
悔しいと思った頃の勝負勘 彦翁
風揺らす雨の匂いと猫の髭 中村まふゆ
薔薇色に染まってみたい女郎蜘蛛 水鳥
清潔な水でじゃわじゃわ目を洗う 斉尾くにこ
強欲な和尚の嫁のセミヌード 西鎮
約束は鹿の手袋して破る 西沢葉火
右耳は父と散歩に出たっきり 史っ
やりすぎたフリルみたいな比喩ですね 袴田朱夏
ドクダミの舌打ちされてユモレスク 海月莉緒
水色のふくらはぎ海苔弁のパパ 宇多田ヒカラナイ
割引を決める羽虫の呼吸数 未補
借景に程よく硬い股関節 福村まこと
寄宿舎に運び込まれる宇宙人 涅槃girl
映えちゃったパンケーキにもちょっと罪 袴田朱夏
裏切りのパンはウサギの目のかたち 麦乃
レーズンパンはじき出されてひと文句 水谷裕子
まるい住民くちびるから抜けて着飾る 斎藤秀雄
側道の人生 白蛇の死骸 藤井智史
箪笥から下ろすと上目遣いの猫 抹茶金魚
毎週WEB句会第230回(2020/8/30-2020/9/5投句分)
40名77句 森山文基選 入選24句
ひとり席マスクつけたりはずしたり ジョニー杉崎
トイレットペーパーちょっとタイトだよ 西鎮
両目つぶして人間になる 犬井隆太
脱走の巻き添えになる宛名まで 未補
コマーシャルばかり見ている通い妻 涅槃girl
沈黙すトウモロコシの姫君は さこ
半券のような女が横たわる ちゅんすけ
恋すれば、動悸、息切れ、シャボン玉 杏野カヨ
秋暑しチームカラーの芝刈り機 菊池洋勝
運命を呪い飲み干す梅ジュース 海月莉緒
街角を彷徨っている複製画
三段アイス揺れて恋人 藤井智史
水晶を中火で炙るGIF画像 水城鉄茶
わがままが過ぎて枯葉のムダ話 水谷裕子
ハイライト咳き込みながら父は笑う 中村まふゆ
エトピリカ念動力は春の夢 海月莉緒
つぶやきのはるか下方に人気者 袴田朱夏
彼岸までためらい傷の癒えぬ梅 福村まこと
遺言をノートに書いて去った猫 秋田新屋
さとうきび畑に隠すべき表紙 平安まだら
十月の空を拒んで燕尾服 浅井誠章
家具のように森でくすぶる消防車 斎藤秀雄
タイミングわざとずらしてエビフライ 麦乃
廃船にびっしりついている手形 沢江風
毎週WEB句会第229回(2020/8/23-2020/8/29投句分)
38名73句 森山文基選 入選22句
祝日になるとか僕の誕生日 ヨッシー
予告なくストレスレスがやって来る 麦乃
あらどうもどうも図星のすいか割り 藤井智史
うさぎ追う里に小さな施設立つ 松澤秀幸
異次元にまどろっこしい水溜まり 水谷裕子
夕焼けの結晶としてりんご飴 水城鉄茶
ステーキか秋刀魚を選ぶ誕生日 秋田新屋
僕というほうきひきずる海の先に 斎藤秀雄
アメリカを一発で割るアラレちゃん 雪上牡丹餅
壁紙の寝汗が欠けている母屋 福村まこと
月光を浴びて名乗れぬ深海魚 ちゅんすけ
みがかない銃身熱をためている
デバイスをデバと略して試すこと 袴田朱夏
烏瓜サプライズには飽きている 颯爽
アベリアに愛されている軽業師 海月莉緒
手のかかる音符持ち込むディレクター てつろう
味付けは地元の醤油茸焼く 菊池洋勝
車から降りたら声も降りてくる あさふろ
廃屋のオリーブよけて夏の近道 中村まふゆ
三つ編みが見られると聞き課金する 水城鉄茶
バカボンがアイメイクする線路際 水谷裕子
童貞の河童の皿が柔らかい
毎週WEB句会第228回(2020/8/16-2020/8/22投句分)
41名77句 森山文基選 入選23句
シュシュッとやり過ぎ手荒れこれも禍ぞ 浮世っ子
死んだふりしている方が兄の嫁 さこ
サーファーが頭に乗せるきびだんご 浅井誠章
貰った雨で桃をふちどる 未補
(本人の申し出により削除)
秋の線を引くやってらんないすよ 尾崎良仁
パプリカに満たす博識爆発す とわ
ド忘れの海に膨らむ救命衣 まさよし
棘のある花冠を抱き締める 架森のん
叱られてナイトプールのヤゴになる 平安まだら
青春の反対側で光ります 袴田朱夏
添い寝していた筈なのに夜行性 西沢葉火
スターバックスコーヒーとソロの旅 西鎮
ツッコミの地獄に耐えている小石 藤井智史
遠雷と重機の区別つかぬ耳 菊池洋勝
本当に炭酸水かわからない
船室で割った子豚の貯金箱 涅槃girl
切れ味を試してみたいイカリング さこ
お友達登録薔薇を一つ棄て 杏野カヨ
雨の中確かな主語を待ち侘びる 水城鉄茶
鉄塊を愛さぬための処方箋 沢江風
出世して夏と煙草がたるんできた 斎藤秀雄
マスク焼けしている人を取り締まる 雪上牡丹餅
駅前で味方のふりをする人魚 麦乃
毎週WEB句会第227回(2020/8/9-2020/8/15投句分)
36名71句 森山文基選 入選22句
かき氷ツンと痺れるパピプペポ 澤井敏治
アマビエが刺繍されてるTバック 涅槃girl
オウンゴールのように鉄板掃除する ヨッシー
イトトンボ夏の香りを連れてった ごませ
大切な人と生き続ける造花 藤井智史
友情がためされているなつのとも
腹筋をきたえてハープになります 斉尾くにこ
ある程度上手いからする肉離れ ヨッシー
お嬢様対決夏の真っ盛り 茄子春
税務署去る法案のように急かされ 斎藤秀雄
挨拶の代わりに見せるコッペパン ほのふわり
肩よりも上は各自に委ねます ほのふわり
空き缶の月光浴とエキストラ ペンギンおじさん
忍法がいちいち正規雇用調 平安まだら
提供は西瓜のなかにいる胡蝶 あさふろ
牛丼を切り札にする一騎打ち 福村まこと
ポケモンがしどろもどろの夜明け前 水谷裕子
いつまでも革命前夜のテーブル 袴田朱夏
風向きで一本増えるカモの足 さこ
橋脚は一家離散を信じない 沢江風
強引に始まっている糸電話 西鎮
手のひらに残ってしまう蚊のかけら 水城鉄茶
毎週WEB句会第226回(2020/8/2-2020/8/8投句分)
40名78句 森山文基選 入選24句
白バイが来て字余りを取り締まる ヨッシー
戦争の重さは教科書の重さ 真島凉
「防衛」の刺繍のシャツの男の子 雪上牡丹餅
国境の屍体  富豪の聖書 秋田新屋
覆面で名刺交換する闇夜 福村まこと
粉塵にまみれた愛を抱きしめる 藤井智史
林檎にも落ちる理由があって泣く 架森のん
違和感をおぼえたほうの手で愛す 杏野カヨ
二メートル離れ西瓜の種飛ばす 菊池洋勝
高い入り口みあげて丸くスカート咲き 斎藤秀雄
人の列蟻とは違う好奇心 彦翁
飼い殺しの影が三歳から老いず 抹茶金魚
ろっ骨をカラコロキンと落ちる雨 斉尾くにこ
空間を緑に変えるエネルギー
要らぬもの削ぎ落されて白い人 麦乃
姫それはくびれですなあワルですな 尾崎良仁
学校は貧乏なのかドアの音 真島芽
寅さんの海老カツサンドひからびる 水谷裕子
雨の名を忘れて蔓は伸び続け 真島久美子
信号を守るとわたし遅刻する 田原勝弘
あの人の船を任意の点として 西沢葉火
重火器に断りもなく咲いた花 ペンギンおじさん
社会的距離と言われた牛が鳴く
おとうとの眼鏡の影になるトカゲ 未補
毎週WEB句会第225回(2020/7/26-2020/8/1投句分)
39名75句 森山文基選 入選23句
スリーサイズ同じ人居て暑さ増し 田原勝弘
見て呉れに価値を求める砂時計 雪上牡丹餅
楽しみと無縁な夏が過ぎていく 浮世っ子
ひっそりと線香花火する自粛 彦翁
イケメンの担ぐ神輿に出る歓喜 松澤秀幸
あのころの木の実恋しき人の跡 浅井誠章
短冊は地を這う者の形して 西沢葉火
付け根から発射しましょう前ならえ 平安まだら
無農薬ワインレッドの半ズボン 水谷裕子
中旬の返事はいつもナッシング 麦乃
昼顔に繋がれていた昼以外 抹茶金魚
あの世から語尾をぼかしたナレーション 颯爽
隕石が次々落ちる葡萄園 涅槃girl
ありふれた悲しみを1繰り上げる ほのふわり
黒山羊を笑わせている哲学者 さこ
笑うまで時間がかかる夜でした 袴田朱夏
マッチ棒みたいな顔ですれ違う 水城鉄茶
金屏風パタンと倒れ青い空 藤井智史
ふわふわのメレンゲ砂の味がする 麦乃
だるそうな犬からさらうひとさらい 西鎮
内側にもやっと渦を巻くミルク 斉尾くにこ
夏座敷超合金が払う邪気 菊池洋勝
雲をなぐさめ警官落ちている漁港 斎藤秀雄
毎週WEB句会第224回(2020/7/19-2020/7/25投句分)
39名78句 森山文基選 入選24句
あのひとはターメリックも薄かろう 西鎮
靴ひもでアインシュタイン遅刻する 数男
水底にある星座から来た男
印影に隠れてますが悪意です
引っ込めのヤジペン胼胝が受けて立つ 颯爽
サイコロのステーキがすきマッチ売り あまの太郎
好きと言わずに桃に謝る 杏野カヨ
絵本ひらくひし形OL等焼かれ 斎藤秀雄
キャラメルの箱に手足がほしかった 笹川諒
つむじ風あいつは今が夏休み 水谷裕子
撫で肩に平和を背負わされたハト 雪上牡丹餅
斥候は動く歩道で化粧中 福村まこと
海にしか流れつかない調律師 未補
〆切のない国へ行くボールペン 浪速のマッキントッシュ
仏像のうなじに残るキスマーク 涅槃girl
すれ違いざまに檸檬をくれる豚 ほのふわり
ぬか床で完成させる魔法陣 水鳥
仕切りたがり屋さんなのか韻を踏む ヨッシー
ご覧なさい人形だから赦し合う 来栖啓斗
コラーゲン足りぬ北半球の染み 藤井智史
国会に流す西瓜が熟れている 未補
地球儀の滑りの悪さ秋を待つ 菊池洋勝
薄味のソースを盾に反論す 平安まだら
滝殿に畳まれている車椅子 菊池洋勝
毎週WEB句会第223回(2020/7/12-2020/7/18投句分)
44名87句 森山文基選 入選27句
マウントを取るなら俺はエベレスト 袴田朱夏
不要かなまあ不急かも昼の飯 柊無扇
アマビエのテルテル坊主つるす梅雨 田原勝弘
この夜は明朝体の字幕付き 笹川諒
シトラスの蚊遣り火焚いて缶チュウハイ ワタヌキセイコ
残った星を漬け物にする
ブランコを二回乗り換えたら俺だ 平安まだら
遠国から濡れたワゴン車来る荒野 斎藤秀雄
アイプチはしたが宿題していない 真島凉
団欒に下がるバナナも参加して 数男
梅雨時は時間がかかる砂時計 ヨッシー
高評価一晩不貞寝したカレー もなかかも
仰向けの蝉に抱きしめられた指 西沢葉火
診察番号=0072503 千春
脱毛のクリームちょっとだけ ぴえん 真島芽
還暦の幽霊部員隠す爪 ペンギンおじさん
呼び水が羽ばたく島を連れてくる 未補
今日かもなって言う爺さんの素敵 サトシワタナベ
右巻きのつむじのせいにするはとこ あまの太郎
源氏名を窘めている春の風 ペンギンおじさん
男ひとりが黙って置いてゆく切り絵 真島久美子
屋根の鴉と八百屋おとなしガスある町 斎藤秀雄
一切が解ければ困るかぐや姫 福村まこと
七夕の笹を流せる海がない 彦翁
赤本を持っているから濡れません 笹川諒
風の吹くページにほっとする絵本 てつろう
本来は泡に呑まれていた時計 ほのふわり
毎週WEB句会第222回(2020/7/5-2020/7/11投句分)
38名75句 森山文基選 入選23句
塩サバの日は姉ちゃんがしゃべらない 真島芽
人参を延々しりしり納税者 平安まだら
恋をしたのはしめじが先だ
誰よりもあなたを知っているカラス 雪上牡丹餅
売ってない方の目玉をくださいな さこ
永遠を閉じ込めているコンタクト ペンギンおじさん
居場所なら積乱雲に聞いてくれ 真島美智子
悲しいと決めつけられた国境 袴田朱夏
公園にアニメの二期が降ってくる 水城鉄茶
二つ目のドアに懺悔の首飾り 水谷裕子
ポケットで丸まっている赤い布 西沢葉火
お好きでしょうとそこだけ貰うパンの耳 斉尾くにこ
AIに追われる蛇とたわむれる
日潮不等ひとりの部屋の除湿音 真島久美子
燃えている将棋の駒を跨ぐ猫 涅槃girl
椅子が来て緑の丘に立たされる 抹茶金魚
瞼より花を選んだ深海魚 未補
日曜の人体模型揺する栗鼠 沢江風
富士山の見えない方の席を取る ヨッシー
前輪が巻き込んでいる獣の毛 西沢葉火
売り切れでホットケーキが作れない 麦乃
柔らかいものだけ残すオードブル 由乃
叱られることを分かって食べる桃 真島芽
毎週WEB句会第221回(2020/6/28-2020/7/4投句分)
41名77句 森山文基選 入選24句
三密を避けるですます調の距離 ヨッシー
彩度補正+50のバラ畑 れいんぼう
結び目の歪み正せば出る余罪 福村まこと
網棚の上に置かれる人の殻 浅井誠章
口数の少ない桃と濡れている
朽ちてゆく暦で待っている祈り 沢江風
太陽と蟻の南極物語 千春
東京の人の歩幅で墓参り 西沢葉火
木曜に金曜感がある家路 袴田朱夏
雨をたたんで詩人が耳を置いていく 未補
ハンバーグだけは美味しいラブホテル 涅槃girl
ブランコの立ち漕ぎうまいアンパイア 平安カズマ
真夜中の風鈴迷い消えたよう 彦翁
鮫のように壺で泣き出すソーセージ 斎藤秀雄
赤とあお乾ききってる水曜日 斉尾くにこ
下心匂うサンダル迷い癖 水谷裕子
信じた人は球根でした
商魂が抉るポツンと一軒家 澤井敏治
素麺の汁に加えるオリーブ油 菊池洋勝
れんこんの顔がこわいと言えません あさふろ
オチのない神話を作るように雨 ほのふわり
爪のない族長だけが解ける罠 浪速のマッキントッシュ
陰口を叩かれて尚ラテアート ペンギンおじさん
湖を創り悪酔いから覚める 藤井智史
毎週WEB句会第220回(2020/6/21-2020/6/27投句分)
43名85句 森山文基選 入選26句
好きな人できてしまって大爆笑 真島凉
アマビエを連れて行きたい夜の街 田原勝弘
地球人半分顔が無かったよ 浮世っ子
ケチャップの恋バナいつも姦しい 水鳥
生き様を冷凍保存するパリピ まつもともとこ
でたらめなアッサムティーと自尊心 ペンギンおじさん
ことわざの表通りと裏通り ヨッシー
前髪の露に紫陽花丸くなる 菊池洋勝
くるみ割り人形が立つ枕元 西沢葉火
紫陽花は喋るとアニメ声らしい 笹川諒
逢えぬ日は羊歯に埋もれている駅舎 沢江風
ミュージックスタート少年の宇宙 真島美智子
幸福論昨日の妻が今日も妻 袴田朱夏
擦り切れてゆくだけですか待ち時間 真島久美子
桃齧りもっと知らない人になる 千春
水平線に近づくDOLL口を割る 未補
六月に罪はないのに黒く塗る 麦乃
豚にしか見えない豚に騙される
サングラス棚から落ちた民主主義 平安カズマ
度数計の数字がなくて雲が来る 抹茶金魚
カメラかな扇風機かな流れ星 真島芽
おもしろく背表紙つよく裏表紙 斉尾くにこ
もみあげの長さが違う開業医 涅槃girl
フレームを壊しゆっくり下り坂 水谷裕子
波の来る遺書を見直す誤字脱字 菊池洋勝
人間の図書館長に握らせる
毎週WEB句会第219回(2020/6/14-2020/6/20投句分)
40名79句 森山文基選 入選24句
葱を描くのにちょうどいいボールペン ほのふわり
デートする前に体温測らされ れいんぼう
ファミレスのメニューの隅にいるのです 尾崎良仁
立葵・こんな私は嫌いかな 千春
銃撃戦にふるえるゼリー 水城鉄茶
歯形から酸化してゆく青林檎 茄子春
お化粧で隠す中学生のシミ 真島芽
ぱごんぱごんと陽を飲むようにカバの昼 都いとり
検閲を受けた写真の輻射熱 福村まこと
校舎からただトレモロの非常ベル 西沢葉火
後悔がハリボテになるグミの味 ペンギンおじさん
くぐられていないのれんがなびく春 袴田朱夏
クリステル顔JKがパリピ調 サトシワタナベ
リーダーも逆から見れば青二才 小林祥司
戦っているのだ哺乳類なのだ 真島久美子
包帯朽ちる刺客のように数字を置き 斎藤秀雄
サイコロの六の裏には手術痕 笹川諒
無色透明な結婚相談所 藤井智史
水平線揺らして笑う元彼氏 水鳥
共食いを許して月は生ごみに 未補
ドリップのしかた心のつかいかた 斉尾くにこ
おしりからお風呂に入るこどもの日 茄子春
同調をしないとジョイントがずれる 斉尾くにこ
煮凍りに勝ちパターンが通じない 颯爽
毎週WEB句会第218回(2020/6/7-2020/6/13投句分)
44名85句 森山文基選 入選26句
踊るには少し物足りないガスト ほのふわり
ボウリング一投ごとに何か言う 水城鉄茶
電源を入れれば走る蝸牛 茄子春
バター溶けないパジャマパーティー あまの太郎
イヤホンを右に耳栓を左に 抹茶金魚
ゲーム機の前でデートの青林檎 松澤秀幸
外れ籤引いて俯くメロンパン 颯爽
巣ごもりの中で一合半の酒 彦翁
自画像に白雪姫の覗き穴 福村まこと
粉飛ばす飛ばすあなたが気づくまで 尾崎良仁
何故なぜを解いた証の丸括弧 てつろう
初恋の蕎麦が浄化しいい匂い 千春
まだ青い土曜日のまま生きている 雪上牡丹餅
紫陽花の白が我慢をしているよ 真島芽
禁断を搾った後に食う雪花菜 西沢葉火
地球儀という滑らかなすべり台 真島美智子
囚人と看守を照らすシャンデリア 涅槃girl
ウクレレのクレオパトラ等カラオケ屋 サトシワタナベ
檸檬と桃 鏡に映る私たち 杏野カヨ
トークルームの華的なぬいぐるみ 西鎮
カラフルな頭になれる登山道 藤井智史
ざらざらと咲いているのは食用花 真島久美子
奇跡ではなかったホームパイだった ほのふわり
マーブルチョコ止めて元気になりました 澤井敏治
そばにいて浮いててほしいぽとぷとあ 斉尾くにこ
地図帳に似た雰囲気の未亡人 笹川諒
毎週WEB句会第217回(2020/5/31-2020/6/6投句分)
39名76句 森山文基選 入選23句
天の川やいのやいのと若作り 水谷裕子
野生の心を持って金子みすゞを読んでいる 千春
往く人へ夕焼け雲が赤すぎる アゲハ
ゼラチンが微妙に効いた片思い まつもともとこ
性格が出まくる本の並び方 真島凉
生き延びたスミレが咲いているウフフ 真島美智子
起こされるリアルな夢の手が重い 麦乃
分別を知った尻尾は巻いておく 彦翁
正直者の顔して路面電車行く ヨッシー
神様が谷折り線を引く背中 カズマ
よく肥えた尾からヤモリを切りはなす 抹茶金魚
青春小説なら塩を振って読む 笹川諒
ふりあげた猫をおさめる術知らず
概念のはちみつ瓶を開けてみる 有村桔梗
ぽつねんと白いケトルと二の足と 斉尾くにこ
港区のラブホと火星つなぐ歌 あまの太郎
変わったか変わり果てたか見てもらう 真島久美子
プリクラをポカリの缶で隠す夏 ペンギンおじさん
サヨナラは傘を閉じなきゃ言えないね 真島芽
捨てカバを拾うやさしい国だから 未補
隣人の寝ぐせ次第で川へ行く
ブレーカー落ちたら風鈴の出番 颯爽
冷蔵庫くらいでちょうどよい鏡 雪上牡丹餅
毎週WEB句会第216回(2020/5/24-2020/5/30投句分)
44名86句 森山文基選 入選26句
ボーカルの咥えた薔薇も除菌済み カズマ
雀友にリークなしねと念を押し 柊無扇
とんかつの衣の薄き聖五月 菊池洋勝
未来を語る右眼は0.1 尾崎良仁
終息をしたら三三七拍子 真島久美子
はみ出した塗り絵のせいで帰れない ほのふわり
甘く見ないでとコンペイトウに棘 ヨッシー
5分前まで拳法家だった父 あまの太郎
彩雲も自粛か流れ雲ひとつ 心咲
人生ドラマ四幕目には個人葬 澤井敏治
ラッピングされて月からかぐや姫 颯爽
濁点のようにチラつく恋敵 ヨッシー
紫陽花の除幕式では目をはずす 未補
うねるベースラインきっと耐えている 西鎮
夢の中で割ったコップを買い戻す 笹川諒
無資格の霊を捕えるセレモニー 斎藤秀雄
やわらかくなったばかりの首都に行く 袴田朱夏
カーテンを取ってしまって窓ひかる 水城鉄茶
花火師の業を背負った鼻ピアス 福村まこと
香水の瓶はワガママだと思う 真島芽
占いが怖い虹をふりかけてしまおう 千春
画面越しキツネの面をつける君 野菜サラダ
青だなフェラーリは俺はあれだな サトシワタナベ
首筋がセロリみたいだから苦手 笹川諒
ふくふくとまわる日暮れの換気扇 斉尾くにこ
自転車の鍵は生徒を信じない 真島凉
毎週WEB句会第215回(2020/5/17-2020/5/23投句分)
41名80句 森山文基選 入選24句
カラーボックスに並んだ黒歴史 藤井智史
雛壇を降りた理由は若白髪 松澤秀幸
ゲリラとしてのアイスコーヒー
5分ほど時間がずれるペアウォッチ 颯爽
オムレツを被ってやってきたんだね 斉尾くにこ
愛されず犀のなみだはぬるいまま あまの太郎
シーラカンスに憧れる回遊魚 西鎮
できたてのプリンがゆれる天守閣 涅槃girl
寂しさで夜中に跳ねる猫の家 浅井誠章
セットメニューにされてどちらもしょげている ヨッシー
妹の鼓膜に乗っている蛙 からすまぁ
オレンジが嘘をついてる橋の上 さこ
顕示欲隠しきれない不審船 福村まこと
サイコロに閉じ込められた免罪符 麦乃
被写体の銀河をめくる指サック 水鳥
貝が焦がしていくなないろの空 千春
マトリョーシカにハメられてルーレット 西鎮
神殿に電話帳咲くささやきクラブ 斎藤秀雄
積ん読の指定席から青い水 袴田朱夏
トンネルを口いっぱいに頬ばって あさふろ
黒板が剥がれて未知の鳥来たる 水城鉄茶
鳥類学を究めた人のアップリケ 笹川諒
針が飛ぶところに君といたライブ 西沢葉火
ベンツしか乗れなくなったヒメボタル 水谷裕子
毎週WEB句会第214回(2020/5/10-2020/5/16投句分)
43名81句 森山文基選 入選25句
休み明けいきなりテストなんて闇 真島凉
マシュマロの密度でもプレスリリース 西鎮
傷口にいいねを貼ってくれたひと 尾崎良仁
近所の蛇に林檎をもらう
マネキンもお臍を覗く初夏の風 松澤秀幸
居酒屋で冗談禁止キャンペーン 袴田朱夏
オンラインゲームの中の疑似家族 真島凉
いい人をやめて葉桜みどりいろ 杏野カヨ
天使ならエレベーターは使わない さこ
マネキンの臀部に浮上する写楽 福村まこと
マンホール行けば行くほど花盛り 麦乃
シャッターが聞こえぬ夜の訪問者 麦乃
本棚に黒鍵見つけたの弾いて 西沢葉火
ゆるキャラの中で咲き出す百合の花 浅井誠章
星ぼしの海に御神酒のひとしずく
こぐまから贈られてきた木の実パフェ 架森のん
炎帝のたまごひび割れて科学者 絵空事廃墟
蛍闇完全形が分からない 真島久美子
声援やさしい昼の花屋と吊られる兄 斎藤秀雄
タケノコを切ると校倉式の窓 ヨッシー
敷金でなんとか消せた魔法陣 ペンギンおじさん
ジャングルジムひとマスほどのバースデー あさふろ
新しいマスクは中国の香り 真島芽
つるつるの脚にしたのにまだ無音 斉尾くにこ
イルカショーおうちの濡れていない椅子 都いとり
毎週WEB句会第213回(2020/5/3-2020/5/9投句分)
50名94句 森山文基選 入選29句
自粛して粛という字が嫌になる まつもともとこ
3密を避けては死んでしまう森 雪上牡丹餅
カーテンにうつる家族に騙される 水鳥
幼児期の絵本の中の善と悪 直井哲生
咽頭に就業規則守る胼胝 福村まこと
水槽の金魚カクカク泳ぎきる まつもともとこ
剝製腫れびしょぬれ村の黄色い父 斎藤秀雄
ガイドブックにでかく書かれた無人駅 小林祥司
近寄ってみよう鍾馗様の眉 糸ちゃん
手巻き寿司よりもお歯黒合戦だ 真島芽
日常系アニメ見ているとき地震 水城鉄茶
空き缶にあと少しだけ残る夢 真島芽
泳げない窓を選んで呼吸する 西沢葉火
海老を剥いたらサンバのリズム
寂しげな夜に食われるさくらんぼ 浅井誠章
そのかどの向こうで世界欠けている
春キャベツおいしくなって媚をうる たえ
街路樹へ黙礼はしゃぎだす若葉 斉尾くにこ
ミイラから貰うソックス二足組 浪速のマッキントッシュ
青い鳥必要ですか風邪ですか 真島凉
薬膳がオマージュしては知らん顔 水谷裕子
五月雨は白いツイートだけ濡らす 未補
マントルの見える位置までスクロール カズマ
新聞を跨いで孫に叱られる ヨッシー
スケスケの象牙の塔の汚水槽 さこ
羽のない名前が増えて渡れない さこ
最適化されても渦は渦でいる 袴田朱夏
かわいがってくれた喉骨を拾う 藤井智史
ポケットのなかじわるこれチロルチョコ 西鎮
毎週WEB句会第212回(2020/4/26-2020/5/2投句分)
38名74句 森山文基選 入選23句
スナックのママが得意なスワヒリ語 浪速のマッキントッシュ
宅配のピザWEB面接が鈍い 都いとり
少子化の気流に泳ぐ鯉のぼり 松澤秀幸
グータラが浮世を渡るペンライト 水谷裕子
電報のように結論先に言う ヨッシー
ダミ声のマッシュポテトはおれがすき 奥間空
水滴のなかに落ちてた君の羽 あぼがど
交わりの耽美に耐えるバーコード 福村まこと
人気取りしゃがんでみせるフラミンゴ 雪上牡丹餅
本心はカラーコピーの中にある 彦翁
泣いたなら立たなきゃならぬ鯨の子 千春
どこまでがキッチンなのか棒を産む あさふろ
弥勒ともドラえもんともつかぬ? いなだ豆乃助
月曜日だけはきれいな更衣室 袴田朱夏
ちぐはぐな鳥ばかり生む雑記帳 斉尾くにこ
胴長で日本列島状の犬 颯爽
最初からきれいな斧で殴られる 新井光
しんとして小麦粉だけが破裂する 千春
文字化けの漢字を鯉に食べさせる 水城鉄茶
その山羊はまえも出てきた蝶ですか 抹茶金魚
犯人の筆跡がまだ右上がり さこ
全ヤギが憧れている既読無視
座標軸持たぬ薔薇から抜いてゆく 浪速のマッキントッシュ
毎週WEB句会第211回(2020/4/19-2020/4/25投句分)
43名83句 森山文基選 入選25句
「パーマにしてんリモート授業やから」 都いとり
自粛ボケした学生に急かされる 袴田朱夏
叩いても光らないから塞ぐ穴 さこ
決闘で二度死ぬ芹の卵とじ いなだ豆乃助
糊わっと出て来て紙を沼に変え 石川順一
放たれた矢が耳元をかすめFIN 西沢葉火
笑ってもバチは当たらぬ目玉焼き 麦乃
肩書にとろみをつける愛妻家 あさふろ
消えたカンバン縫って蝙蝠の踵 サトシワタナベ
かみなりが落ちてまことになった夢
ネエタンの横でパセリになる私 真島芽
嘘でした気合いがこもる骨密度 水谷裕子
まるまった干し草のなかにはアリス 斉尾くにこ
固い盆地に惘惘と待つやつらの鼻 斎藤秀雄
薬師寺が実家なのです帰ります 千春
銀食器鳴らして五七五数える 笹川諒
金色のブラが透けてる割烹着 涅槃girl
斜め上からニュートンが来る
竹の皿じいちゃんをまた思い出す 真島凉
正論を期待しすぎた障子紙 福村まこと
はいチーズ等間隔の羞恥心 ペンギンおじさん
五分後の夢に五月が映らない 未補
妹が不気味な花になっていた 石川聡
右折して時間通りじゃない検査 雪上牡丹餅
家に馴染もうとブックカバー外す 藤井智史
毎週WEB句会第210回(2020/4/12-2020/4/18投句分)
44名85句 森山文基選 入選26句
新緑のエールを受けて買い出しへ 徳重美恵子
コロナ退治アマビエ描きゲゲゲのゲ 田原勝弘
買いだめをするなと煽るマスメディア 澤井敏治
医師よりも親身な声の薬剤師 松澤秀幸
記憶領域を山羊に食われる 抹茶金魚
ベランダで月と抱擁してる妻 麦乃
最終便はところてんの夢です 千春
良寛様とチーズケーキを詰める箱 千春
粘り気が出たらそろそろ陸になる 西沢葉火
恋人は消毒液に浸けましょう 真島久美子
地球から来ないでくれとお月さん 小林祥司
ももいろ魚族毛の橋に医師誤算となる 斎藤秀雄
濃厚な夜を詩にはる29時 奥間空
ぴんぼけのちいさなうそをあたためる 杏野カヨ
愛情の歪みに合わせた文字化け カズマ
谷間から虎が零れる山月記  いなだ豆乃助
やましさで西日がはしゃぐおままごと 浅井誠章
掘られない井戸が歌っているホテル 未補
充電が切れて睫毛が抜けていく 水城鉄茶
みゆっと曲がる心臓の一部分 斉尾くにこ
したくてもできないけれど目が白い
関西のサイズで是非を問う木馬 福村まこと
横綱の手形がついたバイオリン 涅槃girl
収集日には色のないビール瓶 都いとり
雲丹ご飯食べる九十九日目 真島久美子
やわらかいパンツですから手を引いて さこ
毎週WEB句会第209回(2020/4/5-2020/4/11投句分)
43名84句 森山文基選 入選26句
Stay Home 趣味・特技から書き換える 都いとり
メレンゲによる大岡裁き
スマホ桜をさかなに君と
「攻めてる」と言われたいから攻めてます 雪上牡丹餅
ジッパーを下げる仕事に就きました 尾崎良仁
着ぐるみでデスマス調になる会話 颯爽
思い出は体にわるくいい匂い 杏野カヨ
サシスセソ舌が回らず火が点かず 小林祥司
小国の国史のようなヴァイオリン 笹川諒
在来線顔見知りから減ってゆく 徳重美恵子
口ぶりに奇数のような棘がある ヨッシー
俳人のメール朝焼け連れてくる 千春
春らんまん忘れてしまうマイナンバー 斉尾くにこ
花びらの速度で落とす好感度 西鎮
パトロンらいらだたぬ昆虫に心を寄せ 斎藤秀雄
東京のいいところだけ舐めてきた 袴田朱夏
きみはかわいいけどいつか椅子になる 朝野陽々
餌づけした山羊がいるので眠りたい 抹茶金魚
点線に沿って転がるヘソのゴマ 涅槃girl
ステイヒア言われた夜の寝小便 西鎮
そら豆を放り込むほど大人びる 浅井誠章
「ずっと夜…」小惑星のひとりごと 奥間空
中指を深爪にして引きこもる
嘘ついて象の尻にも笑われる さこ
眩しいとか美しいとか教えない あさふろ
平凡な蛍を引いた個体数 西沢葉火
毎週WEB句会第208回(2020/3/29-2020/4/4投句分)
37名73句 森山文基選 入選22句
窓ガラス越しに春が通り過ぎる 彦翁
満開のサクラ今年は色がない アゲハ
話し上手な第二関節
人目避けそっと見ました花吹雪  澤井敏治
ニセモノのクリームパンと夢うつつ ペンギンおじさん
速報で歩きスマホの金次郎 松澤秀幸
影武者を雑木林で組み立てる 福村まこと
締切の向こうにペンを投げている 袴田朱夏
姉さんのよりも奇抜な乳母車 都いとり
緑でしょ幸せそうに見えるでしょ 尾崎良仁
落ちる夢みる夢をみる笠地蔵 あまの太郎
ワンコインかぼちゃスープになっていく 徳重美恵子
投げキッス四月の窓にハム太郎 水谷裕子
窓枠に刺さった月が否定形 さこ
前頭葉やわらかにする春キャベツ 田原勝弘
誤読にはレモネードがよく似合う 笹川諒
老人の近くに効果音がない 都いとり
卒業に校章入りの不発弾 福村まこと
返事まで少し間があく飾り窓 西沢葉火
ひしめく階段しばらく0を空に逃がし 斎藤秀雄
動物と話せずアボカドの発芽 未補
日差しの中でドードー鳥に告げること 千春
毎週WEB句会第207回(2020/3/22-2020/3/28投句分)
42名82句 森山文基選 入選25句
面白くないほうばかり薔薇がつく 袴田朱夏
ハグしていいですなんてバカヤロー 真島美智子
ハンドル握る弁慶になる
世は騒ぐ花は花だと咲き誇る 田原勝弘
歌わない何も咲かない夜もいい 麦乃
情念が薄めるブラックコーヒー 西鎮
顔中のニキビはどれが恋だろう 真島凉
キーボードあらゆる愚痴を受け止める アゲハ
延々と髪さわる少女と本社崩す 斎藤秀雄
合格の姉がずーっと先を行く 真島芽
炭酸に指を浸して面白い 水城鉄茶
蓄積の眠眠打破に狂う神 藤井智史
骨折をしても通勤したシャベル 徳重美恵子
全部嘘なのかも七味唐辛子 浪速のマッキントッシュ
自粛要請マリモの水を替えながら 真島久美子
地雷ですわたしを好きにならないで 浪速のマッキントッシュ
青林檎どれも名無しのラブレター toron*
海豹が行く手をふさぐ通学路 涅槃girl
濁点の打てない音のまろやかさ ヨッシー
シェルターと呼ぶまでもなく落花生 西沢葉火
宅配のバイトをやめて海を見る 未補
タメ口に移行する伝言ゲーム 都いとり
ほうれん草がほうれん草が爆破して 千春
首都封鎖して進まない紙芝居 都いとり
お話のつづきにつづきエビフライ 斉尾くにこ
毎週WEB句会第206回(2020/3/15-2020/3/21投句分)
44名85句 森山文基選 入選32句
消毒液にアロマを足しちゃダメかなぁ 真島芽
合格をしたらだいたい許される 真島凉
黙々と爺の仕事は食べる事 田原勝弘
スマートフォンの向こうに咲いている桜 有村桔梗
こってりとバルサミコなどいかがです 澤井敏治
牛昇る不吉な雲より遠い場所に 斎藤秀雄
書類とともに死者の文字を捨て去る 抹茶金魚
スペードの女王に似てる隣の子 麦乃
パソコンが海につながり手汗かく 水城鉄茶
地獄から追い出されてもあひる口 ペンギンおじさん
雨傘を閉じてフリーハグの列に 都いとり
夕陽おち鯨の胸に飛びこんだ 千春
そういえば昨日別れるはずだった 薊屋ろむ
口を割るパスタの上の目玉焼き 斉尾くにこ
式典の代わりに咲けよ大桜 豆錫
汽笛なく白蝶貝の口ひらく 水鳥
虹色になるから月末を待とう 真島久美子
泣くときは自己申告がいるサクラ 徳重美恵子
バックミラーを覗いてアメリカの荒野 枡英児
うやむやにしたくてタコ足配線 尾崎良仁
政策を決める筋肉ルーレット 雪上牡丹餅
予約より遅く呼ばれる捨頭巾 菊池洋勝
空咳の音でひらいた大辞林 toron*
駆け落ちのついでに苗を引き受ける 未補
アップデートばかり繰り返される春 狂里
マッチングアプリとしては力士です
踊り場で振り付け直す誕生日 福村まこと
ママ友と焚き火を囲むギタリスト 涅槃girl
ドアノブにいのち与える女学生 あまの太郎
草食の菜切り婚礼にて振るう 藤井智史
カギかっこだけで都市計画を練る 袴田朱夏
昨年のスイカの音が届かない あさふろ
毎週WEB句会第205回(2020/3/8-2020/3/14投句分)
43名81句 森山文基選 入選25句
口パクのライブにずれるハイタッチ 都いとり
段ボールから浦島太郎
待ち合わせ美空ひばりがまだ来ない 颯爽
ポイ捨ての車はたぶん宇宙人 直井哲生
紫の空見て消したスマホの灯 l996
生きてきた証拠に墓誌に赤い文字 柊無扇
水槽のなかで餃子の口があく 斉尾くにこ
どうしてもあなたになびくクロッカス 浪速のマッキントッシュ
説教を受け流してるレモンティー 涅槃girl
逆襲果てて役場が石切場となる 斎藤秀雄
逆光の石膏像を黒く描く 西沢葉火
スポーツのそもそもとして無観客 ヨッシー
コンタクトレンズに柚子と柚子胡椒 あさふろ
げらげら笑う油揚げの味噌汁 千春
花と雪ぜんぶこの世のことである 杏野カヨ
目の前の桜に五分殺される 藤井智史
父曰くプテラノドンの漂流記 あまの太郎
独り居のトルソへ刺さる嫉妬の目 颯爽
名をつける前に桜が売り切れる 未補
まぼろしの店主に会釈する売地
うっかりのしだれ桜につけいられ 水谷裕子
死に際のありがとうだけ鳩の声 さこ
靴音であなたとわかるダメな耳 袴田朱夏
持ち歩く匂いのしない金の斧 よーこ
エデンからだいぶ離れて吐いた唾 西鎮
毎週WEB句会第204回(2020/3/1-2020/3/7投句分)
44名85句 森山文基選 入選26句
訊かれても俺は遅さの専門家 袴田朱夏
挨拶を覚ふ娘の雛祭 菊池洋勝
蛇口からぽとりと言葉思いだす 彦翁
はっとする車の奥の水たまり
ガラクタの俺ごとき夢さ暁 サトシワタナベ
路地裏の千手観音ゆめを買う あまの太郎
早耳で思わせぶりな茹で卵 颯爽
マンボウが滑り台から落ちてくる 浪速のマッキントッシュ
納豆を混ぜているから撃たないで
うたた寝をしている神のそばで寝る 麦乃
眠れない化石になったはずなのに 尾崎良仁
善悪の狭間に座るミルクティー ペンギンおじさん
世が斜め夕陽へ前のめってみる 石川聡
転居するニッケルオデオンの匂い 西沢葉火
錆びついた屋根に登って花をみる 西鎮
全面に罪と書かれた包装紙 涅槃girl
敬虔な信者としてのおとしまえ 西鎮
湯たんぽへとろけるチーズのせました 斉尾くにこ
遺失物ページにドラえもんの鈴 真島久美子
まきびしがたくさん舞えば春の風 浅井誠章
朝起きてすぐ階段の真似をする 水城鉄茶
球根の野心に和えるマヨネーズ 福村まこと
クラシックギターに隠す閏年 toron*
目薬の色で桜はポンと咲く 真島久美子
番号を探して消した缶ピース l996
トイレットペーパーはある窓が無い 未補
毎週WEB句会第203回(2020/2/23-2020/2/29投句分)
39名75句 森山文基選 入選23句
十八歳教に入信する狐 藤井智史
カウボーイのぐるぐるに飛び込む猫 抹茶金魚
回帰する元気印のトマト味 麦乃
焦げ目がついたペーパーバック 涅槃girl
液状化してゆく花で七ならべ toron*
豚バラの脂をめくり朗読す あさふろ
失恋の度にATM壊れ 藤井智史
バス停へ鳩の巣を持ち会いにいく 千春
復活は近い臀部が引き締まる 直井哲生
てへてへときみとルールの裏側へ 斉尾くにこ
伝説の生き物だけど生臭い ペンギンおじさん
白い目が来るから舟に乗らない日 未補
蜘蛛の巣に販路拡張するパセリ 福村まこと
呼びかけにわりと素直なパンタロン
古紙回収なまえも混ぜて出しておく 徳重美恵子
空白のセルに埋め込む卵焼き さこ
祖母傘寿ドリンクバーは夢の国 浪速のマッキントッシュ
部屋干しが乾かぬ妻が蹴ってくる 尾崎良仁
腰のないうどんをいつまでも冷ます 西沢葉火
足裏に生えた翼を踏んでいる さこ
ラッキーが山ほど降っていて濡れる 真島久美子
日の丸の赤を蛍光ペンで塗る よーこ
目の前の人のふくらはぎがかゆい 斎藤秀雄
毎週WEB句会第202回(2020/2/16-2020/2/22投句分)
47名89句 森山文基選 入選27句
つじつまの合わぬ下着でデイト中 斉尾くにこ
韓流のお化粧品で春を塗る 真島芽
メルアドと烏賊を交互にのせてゆく あさふろ
Skypeで話し掛けてくる天狗 浪速のマッキントッシュ
夜が更ける動物園のセミダブル 藤井智史
それぞれの太陽抱いて氷点下 真島久美子
正論の真ん中にある刀傷 福村まこと
言い訳がうるさくなった沈丁花 石川聡
会見にトイレも含まれています 袴田朱夏
ごちゃごちゃの動物園を持ち歩く 千春
一言で凍りつかせた女王様 雪上牡丹餅
お雛さま正視できないサングラス 水谷裕子
グルーガン撃ちあい愛を深め合う まつもともとこ
議事堂に去年の桜咲き誇る 田原勝弘
頭皮から勉強しろという油 真島凉
人生は辛いね冬のアイスティー 真島芽
三月の角を丸めるカーディガン 水鳥
満月が昇ると曇る窓ガラス 彦翁
居酒屋の中心点で浮く尾びれ 西沢葉火
時計回りに味噌汁を飲む 涅槃girl
コンビニのおでんに箸は二膳貰ふ 菊池洋勝
長考をすれば震えてくる毛先 都いとり
さむらいのサイズ三角形の町 斎藤秀雄
交通の要所の顔で立つ老婆 西鎮
わさび漬けに身を潜ませる潔癖症 八郎
叔母さんと木星つなぐファクシミリ あまの太郎
人肌に温められた鉄格子
毎週WEB句会第201回(2020/2/9-2020/2/15投句分)
42名80句 森山文基選 入選24句
タクシーを止めたムカデを知っている
デマを言うカップにチョコが心寄せ 水谷裕子
架空の男架空のしゃもじ 水城鉄茶
鉄道の繋ぎ目の音聴いている 西鎮
洗濯がされぬカーテン開かぬ窓 麦乃
恋心伝えず終わるテストの日 雪上牡丹餅
月光に畑の鼻がのびざかり 斎藤秀雄
妹の瞳に住んでいるマムシ あまの太郎
手で開ける死んでしまった自動ドア ペンギンおじさん
冬眠のカエルを起こす父の舌 あまの太郎
虹たぐり寄せて二輪車ひきずって toron*
幻聴が雫になって砂時計 あさふろ
白い子どもと石蹴りの音 サトシワタナベ
コンタクトレンズ浮かべておく浅瀬 都いとり
しっかりと寝癖がついた夢を見る 藤井智史
短編と書かれた帯をほどく人 西沢葉火
太陽の塔に近づく二こ飛ばし さこ
遅刻してしまうバスタオルが濡れて 都いとり
冷蔵庫とトイレを結ぶ貨車 抹茶金魚
回転する菊は宇宙へ飛び出す 抹茶金魚
診察番号かぼすが揺れている 千春
振り切れるまで振ってみる常套語 真島久美子
悴む手よりスマホ決済の音 菊池洋勝
風船を結び乾電池は捨てる 未補
毎週WEB句会第200回(2020/2/2-2020/2/8投句分)
54名104句 入選32句
真島凉選  
ひょうたんのようにベルトをきつく締め ヨッシー
判決を聞き逃してるオノマトペ さこ
お義母さん歯が風邪をひいちゃってます かしくらゆう
最初にパーこれはいけないことですか 澤井敏治
AIが人類の影裁きだす 武良銀茶
YouTube見るな着替えろ片付けろ 真島久美子
おにぎりを登って水筒を占う 抹茶金魚
第二ボタン嘘つけないね冷たいね 尾崎良仁
適当に愛してるからややこしい まつもともとこ
肺炎を封鎖出来ない封鎖国 田原勝弘
右利きを辞めて裏声まで戻る 未補
折り畳み式の神社で餅を焼く 千春
夢を見た金平糖が先に死ぬ 千仗千紘
残したらくさる愛妻の弁当 かしくらゆう
合言葉を干すのにちょうどいい天気 笹川諒
うな重が眠る一眼レフの旅 水谷裕子
響くことなくて平和な警報器 小林祥司
小賢しい春が起きだすソーダ水 水谷裕子
これからもプラスチックをよろしくね 水城鉄茶
頂上の見えない土地を探す旅 西鎮
冷凍のパンジー元気ですオハヨ 真島美智子
肉球にふれたら春が生まれそう 水鳥
泣きそうな空を支える地平線 麦乃
制服は盾になってはくれません 真島芽
太りすぎたノラ犬はもう野良じゃない 直井哲生
既読スルー明日は晴れるらしいけど 尾崎良仁
いちごパフェ食べ終えるところまでが恋 有村桔梗
二月です解凍中の春の夢 彦翁
アルコール除菌済ませた涙です 斉尾くにこ
気晴らしに恋の涙と会話する てつろう
電球のかたちに夜が遠ざかる 斎藤秀雄
鶴を折る指にスマホの嫉妬心 福村まこと
水出しのコーヒーになる受験生
真島芽選  
むかつくと改行キーを連打する 八郎
ひょうたんのようにベルトをきつく締め ヨッシー
折り畳み式の神社で餅を焼く 千春
波の音を採譜する日がやってくる いなだ豆乃助
冷凍のパンジー元気ですオハヨ 真島美智子
難破船みたいな店のモーニング 浪速のマッキントッシュ
合言葉を干すのにちょうどいい天気 笹川諒
肉球にふれたら春が生まれそう 水鳥
こたつから出てきた猫であたたまる 有村桔梗
敷居には小鳥の種が蒔いてある あさふろ
小賢しい春が起きだすソーダ水 水谷裕子
風船の線の先から伸びる滝 浅井誠章
右利きを辞めて裏声まで戻る 未補
これからもプラスチックをよろしくね 水城鉄茶
響くことなくて平和な警報器 小林祥司
判決を聞き逃してるオノマトペ さこ
既読スルー明日は晴れるらしいけど 尾崎良仁
うな重が眠る一眼レフの旅 水谷裕子
鋏から逃れる期限切れカード 颯爽
二月です解凍中の春の夢 彦翁
電球のかたちに夜が遠ざかる 斎藤秀雄
気晴らしに恋の涙と会話する てつろう
バスを待つ間に見えた空のへそ  芍薬
沈黙と白紙が続く紙芝居 涅槃girl
水出しのコーヒーになる受験生 真島凉
アルコール除菌済ませた涙です 斉尾くにこ
AIが人類の影裁きだす 武良銀茶
偏差値の振り子も止めるいじめっ子 てつろう
YouTube見るな着替えろ片付けろ 真島久美子
太りすぎたノラ犬はもう野良じゃない 直井哲生
鶴を折る指にスマホの嫉妬心 福村まこと
最近はスマホ依存とかあって、スマホしか使わなくなって、それでスマホは調子に乗っていて、その中で「鶴を折る」を入れたのは面白いと思いました。
もう星と呼べない星の青い色 あまの太郎
制服は盾になってはくれません
森山文切選
既読スルー明日は晴れるらしいけど 尾崎良仁
願っていいよパンダだからね 平出奔
ぎりぎりで氷柱握って十五歳 水城鉄茶
お互いの奥歯を埋めるさみしくて あまの太郎
適当に愛してるからややこしい まつもともとこ
節分の豆をひと粒かじる義歯 彦翁
最初にパーこれはいけないことですか 澤井敏治
夢見ても夢見てもまだ足はある
鯛焼きの尻尾に届かない悲鳴 颯爽
神様の届く範囲でテナガザル 西沢葉火
新酒とくとく仏様カンパーイ 真島美智子
夢を見た金平糖が先に死ぬ 千仗千紘
アルコール除菌済ませた涙です 斉尾くにこ
バスを待つ間に見えた空のへそ  芍薬
こたつから出てきた猫であたたまる 有村桔梗
残したらくさる愛妻の弁当 かしくらゆう
電球のかたちに夜が遠ざかる 斎藤秀雄
頂上の見えない土地を探す旅 西鎮
沈黙と白紙が続く紙芝居 涅槃girl
小賢しい春が起きだすソーダ水 水谷裕子
制服は盾になってはくれません 真島芽
もう星と呼べない星の青い色 あまの太郎
肉球にふれたら春が生まれそう 水鳥
生首がごろりと朝ご飯ですよ 真島久美子
えんぴつの合理シャーペンの非合理 雪上牡丹餅
養命酒さかさに立てて保存する toron*
誠実に木には見えないものとして 来栖啓斗
鶴を折る指にスマホの嫉妬心 福村まこと
七つ目の帽子を拾い富山県 千春
難破船みたいな店のモーニング 浪速のマッキントッシュ
ルンルンが小さな影でもんもんに 武良銀茶
水出しのコーヒーになる受験生 真島凉
●にフリガナふって申請す
毎週WEB句会第199回(2020/1/26-2020/2/1投句分)
51名99句 森山文切選 入選30句
半分は誤読していい漂流記 笹川諒
許されているおっぱいプリン
留守番は苦手電マは懐かない 未補
暴れだすジークジオンの無駄遣い 藤井智史
錦絵を飛び出す蛸の悶絶死 福村まこと
夢Bが来て夢Aは破裂する 斎藤秀雄
茶柱に運を委ねている老後 彦翁
タピオカが大人になって雨蛙 まつもともとこ
久々の帰省ピンクのハイヒール かけ野大
山だとおもってみているとだんだんこども 大橋凜太郎
うれしいを並べて冬の中華まん 斉尾くにこ
ドアノブに触れた手のひら過疎の村 尾崎良仁
遠くまで見えてる顔の三歳児 西鎮
ドローンが案内役の観光地 かしくらゆう
今泣いたカラスが笑う絵文字たち ヨッシー
天井の白さが満ちるピクニック toron*
耳元でciaoと囁き消えた蜘蛛 涅槃girl
満開の寂しさとしてラベンダー 水鳥
テーブルにこぼした人はただの白 西沢葉火
死ぬときは透き通らない翅がいい 袴田朱夏
春先の回転寿司のまじない師 あまの太郎
ト音記号に舐められている 水城鉄茶
三月の風いらんかとカタツムリ 水谷裕子
花柄にミスリードして師範代 さこ
謀叛にはいい頃パスタ量ろう 千春
バーチャルの手が旧姓を離さない 都いとり
面長の猫が怖くて目を閉じる 水城鉄茶
トマトにも止まる権利をあげる穴 芍薬
虹色のレジャーシートを隠し合う 杏野カヨ
跳び箱をあけたら家に帰れない いなだ豆乃助
毎週WEB句会第198回(2020/1/19-2020/1/25投句分)
46名88句 森山文切選 入選27句
ヤクルトをあげる知らない人だから 斎藤秀雄
リズム感なくて包丁から折れる 都いとり
ふぐ刺しが浮き彫りにする下心 八郎
イチャイチャを諭すドライブレコーダー まつもともとこ
正月がするめになって道を説く
水深をキスの数だけ上げる愛 浅井誠章
コカ・コーラ二十八時の駅に立つ toron*
あんぱんと犬のちからを信じたい いなだ豆乃助
噴霧器が描いた虹に不仲説 颯爽
アナウンサーの寝癖の角度 芍薬
罫線はコースロープか字が凭れ ヨッシー
澄んでいて水際だとは気付かない 斉尾くにこ
タピオカが涙で飾る春の丘 水谷裕子
半分に切った神話が匂いだす 笹川諒
天窓を閉めて転職を伝える 都いとり
圧力をすり抜け丸み増す楕円 かしくらゆう
円陣の真ん中にいるペルシャ猫 霧島絢
おばちゃんがサンダル脱げばもうアジア 尾崎良仁
全集のにおいが指に移りゆく 水城鉄茶
同性のヘルパーとしか話さない 菊池洋勝
数字をへこませて海峡がひらく 抹茶金魚
三次元生きるペラペラな存在 藤井智史
逆さまのままハンカチの箱ひらく 斎藤秀雄
白鳥を眠らせている膝枕 西沢葉火
弁護士のくちびるがやや腫れている 青山祐己
てのひらの浅瀬に落とす未来の歯 未補
傷ついた雉鳩ねむる貴賓席 涅槃girl
毎週WEB句会第197回(2020/1/12-2020/1/18投句分)
47名90句 森山文切選 入選27句
ゼクシィの付録欲しがる三番手 まつもともとこ
僕の詩は百パーセント自前なり ヨッシー
補聴器の耳にも届く春の音 澤井敏治
霜焼けのトマトのギュッとしたところ 尾崎良仁
お互いに見えるところに鍵括弧 杏野カヨ
内視鏡届かぬ先の痒みかな 菊池洋勝
ビンゴゲーム最後の玉はユダだろう 真島久美子
信頼の角を齧っているねずみ 彦翁
手のひらの弓兵がまた減っている 笹川諒
標識はみかんの汁で書いてある
全国に評価されてた自虐ネタ 雪上牡丹餅
観覧車透き通りゆく翅の音 麦乃
タイプライターが知らない雪の音 toron*
少しずつ跳ぼうとしてる杏子ジャム 浪速のマッキントッシュ
カナリアの自白にしては罪深い
引っ張った紐についてたスフィンクス 水谷裕子
マラカスにジャイロ組み込む女学生 浅井誠章
骨格のきれいな順に雪となれ 斎藤秀雄
冬の桃座布団をひっくり返した 千春
ポニーテールに結い上げたなら    無音 千春
整形を重ねた末の抽象画 水城鉄茶
先生のバンパイアより赤い爪 あまの太郎
亡き父と同じサイズの壺を買う 涅槃girl
噴水に落ちてゆくエンゼルの影 toron*
一〇〇〇のネコ型ロボが目を覚ます いなだ豆乃助
リコーダーを並べて遠近法が狂う 抹茶金魚
無花果の葉の大きさで決まる席 福村まこと
毎週WEB句会第196回(2020/1/5-2020/1/11投句分)
50名95句 森山文切選 入選32句
透明なルールブックに気をつけろ 西鎮
箱舟の予約を急かす温暖化 八郎
米の中見え隠れする出初式 浅井誠章
液晶の言いなり外付けの進化 糸篠エリー
双子の兄を想って回る観覧車 笹川諒
言い訳の長さに語尾が立ち枯れる 福村まこと
ベランダに葉っぱ一枚届かない 水鳥
子を宿すはずだったのか熟し柿 真島久美子
隠語ごとちゃぶ台返しして大人 袴田朱夏
はむはむと半透明の海老心 とわ
脱出の鍵を落とした交差点 麦乃
ルーティンの途中で踏んだかたつむり toron*
落書きの白が自分の舌にある 都いとり
1ページ毎に酸味が強くなる 都いとり
翼はためくスカートの下
添い寝してもらうから発酵してよ 千春
雨の中種を探して歩くハト 雪上牡丹餅
ドーナツに注ぐ紅茶が零れない 抹茶金魚
繭玉を振れば乾いたへその音 西沢葉火
下駄箱の中で光ってしまう靴  芍薬
楔形文字から消えた古タイヤ あさふろ
縦縞の韃靼人は纏まらぬ いなだ豆乃助
ヒッピーと分け合うミルクパイと嘘 あまの太郎
新しい靴に喧嘩を売るチワワ かしくらゆう
「太ったの」ポインセチアのアーチから 斉尾くにこ
丸めると鶴の形になるポンチョ 涅槃girl
ラザニアの幻臭がする遠未来 有無谷六次元
不審者じゃないとあったかウインナー 水谷裕子
焼きそばの裏にかかっている梯子 斎藤秀雄
救済の口約束をして回る l996
疑いもせずに転がる頭痛薬 真島久美子
目印にならない花で歯を磨く 未補
毎週WEB句会第195回(2019/12/29-2020/1/4投句分)
47名91句 森山文切選 入選28句
一か八か記念切手のラブレター 武良銀茶
申し出が唐突なので虹をほどいてしまった 千春
おめでとう言っても無駄な爺と婆 田原勝弘
矢印のおあそびで建てるビル群 l996
人に焼酎に欠けてる芋臭さ ヨッシー
蝶々の体重風に聞いてみる 真島芽
デコトラのように荒ぶる餅つき機 水城鉄茶
はだかだと言われ逆ギレするおとな
鼻水と高解像度ディスプレイ 都いとり
乱れはじめる雪の葬列 涅槃girl
凧揚げぬ子育てをした自己嫌悪 澤井敏治
強かな男の長い舌を切る まつもともとこ
泣きながらローラー滑り台登る 甘酢あんかけ
レトルト食品減りゆく祖母の家 狂里
フォトは褪せ想い出がほろほろと降る 糸篠エリー
冬を見ていたのか人を見ていたのか 真島久美子
悲劇なら角を左に曲がります
情熱を履き違えてるカツカレー ペンギンおじさん
お笑いをバケツリレーで組み立てる 福村まこと
しかし日付は革製の鍵の中 斎藤秀雄
ボールが回るたび言葉が生まれる 抹茶金魚
砂丘から剥がれた鳥は爪になる 未補
月光をはじいてしまう椰子だから toron*
タンポポの涙を北風が奪う 真島凉
断片の記憶でレース編んでます 斉尾くにこ
豊胸を拒否し続けているガラス 雪上牡丹餅
青かびがあの子の顔になる詩論 来栖啓斗
網棚に伏せたページの天秤座 西沢葉火
毎週WEB句会第194回(2019/12/22-2019/12/28投句分)
35名68句 森山文切選 入選21句
Eテレに出たくて棘を毟るバラ まつもともとこ
ファミリーマートの家族もみどり 冷川響
ゆで卵 知らないことを恥じなさい 水城鉄茶
「個人の感想です」連呼のラジオ 雪上牡丹餅
カラコロと天神さまへ弾む恋 岩根彰子
舟盛のつまに紛れる下心 八郎
念力でジンバブエまでシャボン玉 浪速のマッキントッシュ
二十足す二十は四十誕生日 杏野カヨ
ドクダミと笑いのツボを審査する 水谷裕子
カーソルを置く初夢は揺れていて 都いとり
独りだと思うときの海でいてね 袴田朱夏
拳から零れるマグマらしき声 真島久美子
すべての椅子にしっぽが生える 抹茶金魚
道に落ちてた天使から犬の臭い ペンギンおじさん
前世もひねくれ者のさかまつ毛 犬井隆太
オークション高値のついた雪だるま かしくらゆう
玉雪に押し潰されたピラミッド 涅槃girl
体温計色のソースをぶちまける 冷川響
花ひらくようなからだのない右手 斎藤秀雄
マンホール毎に童話の表紙裏 西沢葉火
巣箱燃え尽きて回収される釘 斎藤秀雄
毎週WEB句会第193回(2019/12/15-2019/12/21投句分)
44名84句 森山文切選 入選26句
イートイン対象外の痴話喧嘩 芍薬
自転車の修理もできる牛乳屋 ヨッシー
非核化にチキンレースは不釣り合い 達吟風子
ポンコツじゃなかった部位へ感謝状 麦乃
自分史にオフホワイトのしゃぼん玉 水谷裕子
予定とは変わるものだと言うスマホ 彦翁
将来は銀河系にと目玉焼き 西沢葉火
液晶が此岸の蛍へと変える 糸篠エリー
信号を渡って受動態になる 笹川諒
両翼が違う男に恋をする かしくらゆう
永遠に勝負をつけぬ指相撲 武良銀茶
ガッチリと未来固めている苦汁 藤井智史
極彩色のスマホケースを棄てる 西鎮
招かれた礼も書けない年賀状 柊無扇
湯豆腐のほとりを散歩するふたり 斉尾くにこ
暴力の都しばりのカラオケ屋 川合大祐
メーテルになってローカル線に乗る 真島久美子
全員がただのじいさんの外側 袴田朱夏
瞬いています十二月のナイロン束子 岩根彰子
リンクも何もキミの輪郭 サトシワタナベ
素敵な戦場の電話番号 千春
逆さ帚で掃いている鱗雲 toron*
有人の窓となんどもすれ違う 抹茶金魚
お色気が消えて天使のおばあちゃん 小林祥司
千人の自分から美人を探す 雪上牡丹餅
惣菜を温める順番を聞く 菊池洋勝
毎週WEB句会第192回(2019/12/8-2019/12/14投句分)
48名93句 森山文切選 入選28句
かまぼこの硬さで話すツイッター 甘酢あんかけ
ノリツッコミが間に合っているオフィス いゆ蘭
夕闇の過程になって目を閉じる 池田輔
君が好きあなたが好きと静電気 小林祥司
空にする婚活trashbox 藤井智史
ファミレスでエスメラルダの愚痴を聞く ひかる
通学路急に始まるテコンドー 水城鉄茶
昔からカシューナッツな奴だった 水鳥
へいこらがおいこらにああおまえもか
階段を転がってくる地中海 斎藤秀雄
勝てなくて鳥獣戯画を出られない 糸篠エリー
かまぼことかまぼこ板の心中物 笹川諒
ポリバケツ故意に置かれた夢の街 浅井誠章
あおぞらはのっぺらぼうのさみしがり 杏野カヨ
向きを変え擦る蛇口の煤払い 菊池洋勝
片方の靴下に穴聖夜かな 菊池洋勝
密会の椅子取りあった停留所 福村まこと
出国の音を盗るパントマイマー 未補
眠気をふりほどけば生き仏の尻尾 千春
借りてきた漬物石に刻む鶴 涅槃girl
にんじんが舞台の袖で泣いている 冷川響
鰐と相席ささみ注文 サトシワタナベ
カフェラテの泡の密度に立ち眩む 西鎮
シンティ・ロマみたいな名前だが薬 笹川諒
正座して螺旋階段を眺める あさふろ
二重跳びしてるときだけ見える星 ペンギンおじさん
兄弟の蒸発前に傘を貸す 川合大祐
読んでいるのに白鳥になる手紙 斉尾くにこ
毎週WEB句会第191回(2019/12/1-2019/12/7投句分)
45名87句 森山文切選 入選27句
すっぴんのキティちゃんから口説かれる  芍薬
網棚で冤罪晴らすスポーツ紙 福村まこと
万人に嫌われたくて花になる 杏野カヨ
裏側を知って食べられない果実 日向彼方
ブラックホール抜けてウフフのポリ袋 澤井敏治
花見客みんな消されていなくなり 柊無扇
つつき合う鍋に偽善が浮いてくる 糸篠エリー
モノクロ眼鏡で見てもカラフル
手拍子の一瞬は気を抜いてみる いゆ蘭
手が遅い上に完璧主義である ヨッシー
親指とはなみずのサービス
泣きやめば斜め右から降る天使 尾崎良仁
円周角で学ぶ八方美人 雪上牡丹餅
自虐者の磔である固定ツイ 甘酢あんかけ
霧を抱くマルゲリータを真ん中に よーこ
知恵の輪をプールサイドに投げ捨てる toron*
凍てついたサーカス小屋の抱き枕 涅槃girl
チェイサーと言って気まぐれを差し出す 未補
指先を切るA4の化合物 真島久美子
ほとんどが紐ビキニだと聞いてます 水城鉄茶
造花からルンルンの汁あふれだす 斎藤秀雄
嘘をためらうジェット機の影 麦乃
再生ボタンがあるこの先から燃える いゆ蘭
ボラギノールの静止画は春ですか 池田輔
諦念を学芸員に見せに行く 笹川諒
工員を運ぶ車の排気量 西鎮
湯豆腐をダブルクリックする不倫 福村まこと
毎週WEB句会第190回(2019/11/24-2019/11/30投句分)
50名98句 森山文切選 入選30句
目障りなタイムラインの草を刈る 甘酢あんかけ
納豆のためにそこまでしますかね 水城鉄茶
柿届くお日様並ぶ段ボール 井上雅代
断った勲章入れるレジ袋 颯爽
続編にまだ浮いているアレやコレ 真島久美子
生ハムの生にナイフを入れてみる 斎藤秀雄
取り乱す月の真下にある吐息 浅井誠章
はじめての機械はいつも人見知り 麦乃
くびすじをたどれば匂う地下通路 toron*
底辺の気持ちになれぬ二等辺 西鎮
じいちゃんが川で助けた森三中  芍薬
赤い靴ガラスの靴を売るサイト 糸篠エリー
丸ビルの施工図面なのでしょうか あさふろ
てんてんがてんてんてんになる時刻 袴田朱夏
緑青のふりかけ食べて遠い夏 ひかる
一本の補助線に似た飛んだギャグ ヨッシー
ダム底に沈んだままの仕掛け凧 涅槃girl
膨らませてから渡せばお守りだ 笹川諒
午後からは光る網戸に隠されて 西沢葉火
さびしくて二段階右折が見たい 笹川諒
画面見て年当てごっこ老夫婦 沙羅粗伊
地層をめくり猫のくるぶしの骨 抹茶金魚
唇をはなれてすべる新幹線 石川聡
セーターのほころび隠すフラダンス 水鳥
ぷにゅぷにゅを遊ぼう今日はうさぎのお 斉尾くにこ
グレゴリオ暦問い直す誕生日 雪上牡丹餅
白線に残されている靴の紐 冷川響
男前豆腐脱臼してはるわ 岩根彰子
汚さぬように無所属であるように 斉尾くにこ
牙を失えば村人役なのに いゆ蘭
毎週WEB句会第189回(2019/11/17-2019/11/23投句分)
44名85句 森山文切選 入選26句
エアリプを虫取り網で子が捕獲 甘酢あんかけ
ほっこりのおこたにほっと滅茶苦茶茶 斉尾くにこ
滑り落ちそうで「令」の字馴染めない ヨッシー
改札口公私の道を入れ替える 田原勝弘
不器用で左を向いて生きてます まつもともとこ
ハンモックから落ちる国会 しゅっぽん
妻の音子の音今朝のキックオフ 糸篠エリー
ぬすっとを追いかけていて迷う道 西鎮
AI社会のどこに性差があるだろう いゆ蘭
軒下で鈴虫を飼う理髪店 涅槃girl
傷ついた夜の鞄に青林檎 尾崎良仁
マスクの下のブタになるはな
美しく生まれただけの毒林檎 真島久美子
寝台の笑顔が透けるパラダイス 浅井誠章
通路側歩くオフ会上級者  芍薬
弁当食うて牛が四頭 藤井智史
当たりクジいっつも話し中であり 岩根彰子
総集編だから手のひらを見せて toron*
シチューにもアレルギーあり冬に入る 菊池洋勝
鳩を射る抽象的な顔をして 水城鉄茶
人間に罪を被せてピーヒョロロ 西沢葉火
トナカイの鼻に誘われワインバー 水谷裕子
デパートのすべての椅子のなかの鶴 斎藤秀雄
マフラーをぐるぐる巻いて嘘をつく 文月栞
行き先が歪む電光掲示板 雪上牡丹餅
売れ残るパンに詳しい反抗期 福村まこと
毎週WEB句会第188回(2019/11/10-2019/11/16投句分)
49名94句 森山文切選 入選29句
パッと咲いたらパッと散る会 雪上牡丹餅
お祭りが終わりふつうのラグビーへ ヨッシー
太陽の数だけ咲いた恋の花 ひかる
紅葉の川のせせらぎ白い息 井上雅代
文字列のすがたで貨物列車ゆく あさふろ
おやすみと言った人から羊色 杏野カヨ
腎臓のかたちの物がきもちいい あさふろ
Googleに囚われている過去の僕 あぼがど
ぬか床に人魚隠した手で食べる かしくらゆう
歩き疲れて零余子になるよ 笹川諒
深爪のざわざわ波の到達点 大豆
未必の故意で押し花になる 芍薬
ワニらしく()の中は先に解く 西沢葉火
ジャズあればグラスの氷から溶ける いゆ蘭
北風になって哀しいことを言う 真島久美子
親知らずスワンボートの逃避行 中村佐貴
ほそながい焚き火に揺れて豆になる 斎藤秀雄
微糖に甘えてばかりの半生よ 空川実栄
白線を空へ飛ばせば2ポイント 水城鉄茶
ニュートンが隠し持ってたイチゴパフェ 水谷裕子
着ぐるみのコアラとパンダゴミを出す 藤井智史
正体をあばくと骨の1グラム 斉尾くにこ
蜘蛛の巣光る飲み屋の妃 サトシワタナベ
銀杏に説得されているデート 日向彼方
常勝を背負い野猿の浸るお湯 福村まこと
へのへのもへの小顔にするの サトシワタナベ
個人情報掲げた板が透けている 糸篠エリー
番台に少し湿った果たし状 涅槃girl
泥の舟嗚呼招かれているのだな 真島久美子
毎週WEB句会第187回(2019/11/3-2019/11/9投句分)
48名94句 森山文切選 入選29句
仮装する必要のない体かな 菊池洋勝
名は体を表している優君 寺井一也
老人の朝は痺れているような いゆ蘭
酒なしで10日過ぎたゾ生きてるゾ 柊無扇
門限があるようでない老いの日日 澤井敏治
王子様木馬に乗って夢を売る 文月栞
背くこと知らず終わりのないぬり絵 福村まこと
赤ペンでモグラ叩きの誤字脱字 ヨッシー
狛犬がスクワットする朝ぼらけ 八郎
街の灯が見えて眠りに落ちる猫 麦乃
占いに使われている心電図 かしくらゆう
印籠をかざすと回る観覧車 涅槃girl
石鹸にまだ丸かった昨日の手 西沢葉火
婆ちゃんもハイビスカスも絶好調 岩根彰子
続編の海は独りで対峙する 真島久美子
新聞を多少は読んでいるポスト 笹川諒
ためらいの在庫一掃して祭り 斉尾くにこ
最後まで礼儀正しいぼったくり
まな板のなにもないところを刻む 斎藤秀雄
急行の椅子を撫でても遅刻する 芍薬
天井を見るしか能のない時計 笹川諒
振り上げたコーラの中の自己主張 浅井誠章
騎士道に背くパンダの世襲制 あまの太郎
新宿に出口があると聞いて来た 斎藤秀雄
スクロールすればどれもが置手紙 toron*
泣いてたら眩しいものを持たされた 尾崎良仁
黒猫と平行移動し続ける 雪上牡丹餅
どんぐりをつぎつぎこぼすわるい靴 箱森裕美
新婚の熊と非番の検視官 あまの太郎
毎週WEB句会第186回(2019/10/27-2019/11/2投句分)
48名93句 森山文切選 入選28句
胃薬を二錠増やした雨男 寺井一也
ロキソニン飲んで忘れるボルタレン まつもともとこ
まっかっか秋がハートになっていく 真島芽
自然薯はしつこく話す人が好き 武良銀茶
どこまでも多忙の花に水をやる サトシワタナベ
からすうり引きずっている傀儡師 よーこ
年齢をネタにされても秋は秋 真島久美子
赤色のハート1+1=3 真島凉
とうめいな斬鉄剣でVR
濃霧は晴らして入籍致します 藤井智史
予備校の窓に収まるひつじ雲 toron*
刺激物あってパスタが旨くなる 麦乃
蹄鉄を置き去りにしてファンファーレ あさふろ
とぼとぼと歩くスコップ持ちながら 斉尾くにこ
騎手になる夢諦めて葉鶏頭 かしくらゆう
顔色は白黒にして昼休み 犬井隆太
扇風機のいらない一日となった 菊池洋勝
ひつじ雲なごませ役のMVP 斉尾くにこ
チューリップの中で光る忘れ物 雪上牡丹餅
モザイクの童話で傘のバリケード 福村まこと
胸騒ぎアンパンマンのフラダンス 水谷裕子
しましまを流れてゆけば檻の中 水鳥
絵心は無いが案山子の顔を画く 彦翁
たわしが花のふりをしている 笹川諒
あひるになった父との対話
はじめから動物園にいない蝶 芍薬
告白のフォントに依存する返事 いゆ蘭
格子戸の向こうで虎は消えている 西沢葉火
毎週WEB句会第185回(2019/10/20-2019/10/26投句分)
53名102句 森山文切選 入選31句
ラブホテル正体あらわすクリオネ 雪上牡丹餅
大臣の椅子を揺さぶる週刊誌 田原勝弘
新品のラジオで「ひるのいこい」聞く ヨッシー
考えるふりする滝の王手飛車 福村まこと
靴べらが旨味を感じ始めてる あさふろ
カーブミラーはずっと青空 冷川響
キャットタワー崩れて地球最後の日 箱森裕美
カワイイを小皿に盛ってチンをする 石川聡
生活を前進させるボールペン 水城鉄茶
ケチャップをかけて紅葉オムライス 水谷裕子
足つぼが僕だけ違う曼珠沙華 甘酢あんかけ
守秘義務と守秘義務ぶつけ合って恋 杏野カヨ
消えかかる虹を鑑賞しています よーこ
童謡の中あたらしい海ばかり いゆ蘭
ハッピーが燃え尽きそうでもうヒだけ かしくらゆう
寂しさが滴り落ちる通気孔 涅槃girl
白黒は保留ふわふわさせておく 糸篠エリー
デミタスの波紋が描く青写真 水鳥
銭湯で日焼けマシンの愚痴を聴く 小俵鱚太
敵か味方かわからぬ音符 涅槃girl
たまに靴の底を見ている ひかる
校長の椅子に生え出るたまご茸 八郎
給食のパンが明日からナンになる 芦田緑
穴ふたつ開けて病院から帰る 抹茶金魚
遠くから呼ばれたように振り向けよ 西鎮
じゃあ次は酸っぱくなってからおいで 笹川諒
育てたら付加疑問文だった’ 斎藤秀雄
紫陽花のかたちを誰も描けない 未補
正確な切手に閉ざされた葉書 西沢葉火
靴下を裏返し恩人になる 芍薬
バウムクーヘン剥がしきり自我ゆらぐ toron*
毎週WEB句会第184回(2019/10/13-2019/10/19投句分)
55名106句 森山文切選 入選32句
恩返し主将の髭が頼もしい なごみ
「棒立ち」と聞いてニヤつくお嬢様 雪上牡丹餅
抜け殻の助手席のクマうなだれて 文月栞
気がつけば卍固めにされた恋 藤井智史
なめろうとなめろうびとに端境期 あさふろ
ロボットになってから父がやさしい ペンギンおじさん
電車だと思う水平線の鳥 斎藤秀雄
銀杏の踏み潰されて毒を吐く 岩根彰子
思い出が詰まった箱に鍵は無い 真島凉
夜に飲む薬のオブラートがない 菊池洋勝
許し合う二人が並ぶラーメン屋 真島久美子
やさしさに自生している毒きのこ 斉尾くにこ
ちょっといい椅子に座って自転する 茶川とかげ
地下一階の宮本武蔵
強情な蜩の背に北斗星 西沢葉火
リカちゃんの首を十円玉で買う 芦田緑
不揃いの記憶を包むぬいぐるみ 福村まこと
よく見れば実線でない地平線 水城鉄茶
リモコンで動く車で行く墓場 文月栞
整えた爪から鳥になるしくみ かしくらゆう
裏側の大牟田駅がバグで首都 平出奔
裏側を見られ嫌われてゆく白 真島芽
洗脳しても音沙汰がない あまの太郎
片足をしまうピクニックの前夜 いゆ蘭
きのう行間で赤っ恥をかいた 尾崎良仁
台風の目からたましい取り返す
金木犀は人妻でした
仮想空間にて伸ばすアキレス腱 箱森裕美
百均で無傷のサハラ砂漠買う 笹川諒
本を読むしか許さない読書灯 真島朱火
重力に従う笑わない子供 toron*
老人に配る試供品が旨い 彦翁
毎週WEB句会第183回(2019/10/6-2019/10/12投句分)
49名94句 森山文切選 入選29句
煽ったりしないペーパードライバー 颯爽
一人カラオケを自分で録画する ヨッシー
答弁にやけに大きな赤い羽根 沙羅粗伊
起こそうとする夢が五月蝿い 麦乃
角砂糖一つじゃ愛は振り向かぬ 藤井智史
鬱のザラザラで包丁研いでいる 糸篠エリー
泣いた赤おに知らぬ先生
描きかけの父の自画像後ろ向き 武良銀茶
「奥さん」と呼べば脳裏の団地群 小俵鱚太
黒潮が靴と鞄を買いに来る あさふろ
着ぐるみを剥がしおとなになるところ ホッと射て
面罵されつつ板張りの節 サトシワタナベ
捜査線上に浮かんだ浮気癖 西鎮
朝四時の無地の空気の管理人 斉尾くにこ
いちめんのてのひらひかる花畑 水城鉄茶
本能のままに点滅信号機 よーこ
飴ちゃんのお礼すんなりハグされる 澤井敏治
遠雷の柔さに触れるラングドシャ toron*
たましいの代わりに果てるHB ペンギンおじさん
折り紙の袴をいつまでも愛でる 箱森裕美
たのしみにされない人の視る画面 袴田朱夏
風が吹くから離せない和紙 平出奔
泣いているふりして梅干しの真っ赤 尾崎良仁
だるまだるますごい速さで転がって 芦田緑
どうしても詩歌のような猫が居る 笹川諒
見たところ貴乃花ではなさそうだ 水城鉄茶
さざなみの錫を曲げても細い指 榎本ユミ
いきさつの固いところに肘をおく 斎藤秀雄
筆先が割れてもう一人の名前 西沢葉火
毎週WEB句会第182回(2019/9/29-2019/10/5投句分)
56名109句 森山文切選 入選33句
もう奇跡とは言わせない五平餅 青山祐己
今年こそ今年こそはとハルキスト 澤井敏治
よくしゃべる車だったね特に朝 箱森裕美
さんまより膝を笑わすスクワット 八郎
ちりとりが二つあるから羽にする 真島久美子
こぼれ萩諦めた人飽きたモノ 岩根彰子
ハイソックス履いて私の銀世界 芦田緑
一斉下校する列の祭りの日 菊池洋勝
変節にエスカレーターぎこちない 糸篠エリー
鱧の歯が生えてきてからうたえない 草薙
秋刀魚から秋刀魚の生えそうなロケ地 未補
二足歩行もできるくちびる
エレキギターを弾くスナフキン 梔子
夕陽から貰う昨日のペンライト 颯爽
青鬼の口から匂うレモンティー あまの太郎
死んだあとハイソックスに入る月 榎本ユミ
臆病な鈴虫が好き夜の蝶 水谷裕子
薔薇の棘二十画目で狂いだす 杏野カヨ
まえがみとあそんだぼくのいすはない いゆ蘭
できたての音色が植えてある花壇 斎藤秀雄
借りてきた醤油のくせによく染みる ペンギンおじさん
ウオノメがぼんやりとするホットヨガ 芍薬
粉雪がマークシートを埋めていく 涅槃girl
一年ぶりに付箋のページをひらく 有村桔梗
順番に証拠となってゆくドミノ いゆ蘭
レプリカの海もえている四畳半 toron*
ジャケットを脱いで火を消す准教授 小俵鱚太
わたくしに飛び散るシャインマスカット 斉尾くにこ
アザラシをライバル視するエビフライ 雪上牡丹餅
新版であなたが遠くなった辞書 笹川諒
何回も猫の崩した本を積む 有村桔梗
ばれぬよう弱気を吐いたマイボトル 西鎮
ゴミ箱が動いてそれが父だった 袴田朱夏
毎週WEB句会第181回(2019/9/22-2019/9/28投句分)
60名116句 森山文切選 入選34句
セクシーと言わせるためのインタビュー 青山祐己
返納はイヤと逆走して逃げる 小林祥司
約束を大切にしてブラの中 多実果
一階にも二階にも天井 よーこ
不夜城を嘲る百均のコスメ 颯爽
靴を揃えてくれるのは妻以外 澤井敏治
解像度を落として保存したカレー 若枝あらう
仲間割れ美を競い合うマスカット 文月栞
月光に晒されているEM菌 箱森裕美
ハンカチが鳩になるまで待っている 箱森裕美
居留守を使う透明人間 麦乃
どぶ底の春を形状記憶する 藤井智史
12時の鐘を鳴らして逃げていく 雪上牡丹餅
おまえのめでたい日にはめしを食うべ 松本未句
就活で半身浴が仇になる ペンギンおじさん
信号の右何色と聞くから、黄 サトシワタナベ
隠密をガパオライスで手懐ける あまの太郎
イマジナリーフレンドたちと寿司を食う 涅槃girl
上半身と下半身が干されている 抹茶金魚
マナーとしてはでんぐり返し
にんげんはきびしい 風にレモンの香 水城鉄茶
行き先を間違えた日の赤い海 平出奔
標本にしたい明太子の血筋 西沢葉火
巣箱から首だけ出して貼る付箋 福村まこと
あかい星あかい科学がほろぼせり
筆算の線をずらしに来て過保護 いゆ蘭
空虚なるまひる線状降水帯 斉尾くにこ
集団で咲くのをやめた彼岸花 月火こよみ
空っぽの腹を跨いでいくガチョウ 榎本ユミ
小道具の鋏で切れる赤い糸 一音乃遥
平日の常設展の顔見知り 大村桃二
バイク屋が田中角栄にふれる 四線蛇
ドナルドの首改札に押し付ける 冷川響
目玉焼きなら怖くなかった
毎週WEB句会第180回(2019/9/15-2019/9/21投句分)
50名97句 森山文切選 入選30句
筆圧のないメールはゼロカロリー 糸篠エリー
マグカップ2回転分恋をする 青山祐己
遅れてごめん彼女と同じものを 菊池洋勝
八重桜敵も味方もいやしない 杏野カヨ
運命のように出てくるところてん 松本未句
ひきさかれもとめあうゾンビとゾンビ
わたくしを一瞥もせずヘイマンボ 澤井敏治
「こち亀」を読み終えるまで試用期間 月波与生
さびしさを楽器にしないわるだくみ 四線蛇
正座して聞いた落語に泣かされた 西鎮
夕焼けをいくつ数えて排卵日 麦乃
正解は菊人形になりました
言うことを聞かない指に見せる空 芍薬
従順な炊飯ジャーの立てる湯気 真島朱火
敗北感コロッケパンが待つ方へ 水谷裕子
1分で一線越えて夜半の月 柊無扇
コッペパンちょんとフルーツバスケット 斉尾くにこ
眼科から乗り換えなしで死を思う 池田輔
嘘をつくなら練乳かけて
手術痕カナリアを飼う前のこと 西沢葉火
路線図を星座に変えるアルバイト 涅槃girl
デニッシュの重さくらいの猫を抱く 榎本ユミ
図書館に寄贈した本読みに行く ヨッシー
思春期の永久歯より白い門 あまの太郎
偽物の黒子の位置の正しさよ 水鳥
別れると決まった後のコイントス 浅井誠章
ほんとうはやすりのくせにいやらしい 斎藤秀雄
きみの手に似たつり革を撫でている 芍薬
ヒーローの着地でペンキ乾かない いゆ蘭
謙虚に毛が生え権威になる過渡期 サトシワタナベ
毎週WEB句会第179回(2019/9/8-2019/9/14投句分)
55名109句 森山文切選 入選33句
灰皿に悪気はないがフラメンコ 西沢葉火
老いらくの恋を勧める生保レディー 八郎
中秋の名月が出る電話口 まさよし
まだタピが届いてこない丘に立つ 松本未句
デジタルの隣で動く鳩時計 彦翁
もう怖くないからきみを置いていく 来栖啓斗
ピーマンを入れて帰ったランドセル 武良銀茶
帰る家ない長月のかたつむり
哀しみを下敷きにした自由帳 甘酢あんかけ
残業と開封済みのチョコレート ひかる
赤銅の棟梁に美白の話題 サトシワタナベ
複写機に挟むやぶれかぶれのラブ toron*
浪人の涙を好む吸血鬼 l996
戦闘機から見下ろす新婦 涅槃girl
お出汁を取り終えた後も丸い月 尾崎良仁
犬だった人が咥えるヘッドフォン クソ雑魚野郎
黒歴史思い出す度食う煮干し 藤井智史
泥には泥の企みが凍りつく 榎本ユミ
鮮血のイメージだけで目が覚める 西鎮
コスモスに告げ口してるアイライン 水谷裕子
ひとくち吸って君に近づく 真島朱火
ご多分に漏れず貉になっている 真島久美子
かなしみを収めるだけの服を買う 斎藤秀雄
右心房だけが世界と揉めている 箱森裕美
猫じゃらし敬老パスをくすぐって 岩根彰子
蓑虫の言い訳を聞くお茶の席 麦乃
種のある葡萄と後で聞かされる 菊池洋勝
ハレの日は31と浮気する 雪上牡丹餅
赤い糸いつか地下茎めいてくる 糸篠エリー
エリートのちょっと惚けし玉葱ぞ 岩根彰子
腕時計手で隠したら消える馬 笹川諒
心霊スポット値札を剥がしつつ いゆ蘭
水玉に愛を並べてすくえるの 水鳥
毎週WEB句会第178回(2019/9/1-2019/9/7投句分)
57名108句 森山文切選 入選33句
無実だと叫ぶヨーグルトは加糖
解凍の秋刀魚が過去を連れて来る 颯爽
疑ったことない酒の期限切れ 澤井敏治
ひたすら登り下山に気づく風の良さ 田原勝弘
はい、いいえ、通報する、の選択肢 杏野カヨ
嘘っぽい方が言い訳許される ヨッシー
歩く距離ほどの家出を繰り返す 多実果
エレベーター全階つつつ好き、嫌い
仲秋のおたまで掬うあめんぼう あさふろ
ヤニクラに二度寝の朝のていたらく 真島朱火
関節を鳴らし泡噴く蟹のデモ ホッと射て
マシンガンの口を封じて自爆する 雪上牡丹餅
さびしさが集まりすぎている岬 箱森裕美
銀行に並ぶけものになるために 斎藤秀雄
貼って剥がせる夏の思い出 笹川諒
優しさはもうないただのチューペット 小俵鱚太
赤門の隅に堂々たる伏字 一音乃遥
網戸から猫が眺める外宇宙 抹茶金魚
季語のない世界で会えばきみは海老 ひかる
公園の砂場に残るマッターホルン よーこ
奇術師の祈りを込めた可燃ごみ 水鳥
あわてんぼうの人工知能
ダム底の知人の名前書いた腕 未補
月世界旅行はいかががまがえる 西沢葉火
沿線を三角定規ずれてくる いゆ蘭
校長の声割れている拡声器 西鎮
天花粉おちる首から下にだけ toron*
横顔がすべてコインになる港 未補
童貞を焦らして鶏の捏ねかな 菊池洋勝
ワンナイトスタンドなんて若い耳 榎本ユミ
モザイクで埋め尽くされた抑止力 犬井隆太
誰とも馴染めず民族資料館 斉尾くにこ
後家はんにならはった桜の切手 岩根彰子
毎週WEB句会第177回(2019/8/25-2019/8/31投句分)
50名98句 森山文切選 入選30句
天国のドアはもちろん引き戸です
キャミソール夏を薬にして帰る 水谷裕子
夏風邪の休暇届ける小麦肌 澤井敏治
朝顔の閉じて迎える登校日 菊池洋勝
工作の気球が堕ちる国語前 一音乃遥
筋を曲げてまで上達したくない ヨッシー
もの悲しくてメンソレータム
あぶら浮く水を啜った少女像 涅槃girl
知恵袋ひとつはキープして生きる 彦翁
火打ち石灯すメリットデメリット 藤井智史
羽ばたいたアヒルかがやく空の星
にわとりに生まれかわった牛を食う 多舵洋
蜩は負けたのだろう信濃川 西沢葉火
冒険しないプライドはすぐ濡れる 榎本ユミ
念仏をTikTokで流す馬 ペンギンおじさん
何処で撮ったのか眩しすぎる遺影 糸篠エリー
がらあきの頭痛はちょっといい匂い 斎藤秀雄
ぺちゃんこになって土には還れない 犬井隆太
箸取らばコールマン髭持ち上げて 岩根彰子
爆発の音を調べる英和辞書 榎本ユミ
きな粉餅の気持ちを教えてくれ ひかる
言い出しっぺのための生醤油 笹川諒
海と母 青しか使えないぬりえ あまの太郎
昼下がり裁判員の息遣い 水鳥
こころもち大福餅にするリスト 斉尾くにこ
将軍は寝てないアピールをしない いゆ蘭
朝の断片は焦げているトースト いゆ蘭
蘭という冷めたスキップしてる姪 サトシワタナベ
あずきバーやわらかすぎるディストピア ペンギンおじさん
怒られてしまいたわしのまま育つ 斎藤秀雄
毎週WEB句会第176回(2019/8/18-2019/8/24投句分)
51名99句 森山文切選 入選30句
許されてタピオカの雨ふってくる 斉尾くにこ
丑の日に令和元年竹団扇 武良銀茶
巻貝の天辺で舞うバレリーナ ホッと射て
暗号は西瓜のほうに書いておく 杏野カヨ
画用紙に潜り双子は混じり合う 斎藤秀雄
照らすならもうちょっとでも前に出ろ 西鎮
ああ君の声が聞きたい黒電話 文月栞
バスの中晴れて自由になり眠る 麦乃
負けられぬモグラ叩きの穴埋める 小林祥司
賛成の反対止まらないシャックリ 岩根彰子
領海の点線灯す静電気 福村まこと
線香花火が上目遣いで爆ぜ 糸篠エリー
シャボン玉やたらとキツイ喫煙所 浅井誠章
八月の廊下で寝そべつてゐる よーこ
ジェンガから痩せた体が離陸する エノモトユミ
月曜の朝を枕で打ち返す 犬井隆太
ジーンズに桃をねじ込む建築家 あまの太郎
頬骨に散る紅梅を味見する エノモトユミ
UFOを角とするなら解ける問 サトシワタナベ
未使用の辞書が吸うポカリスエット いゆ蘭
片隅で繁殖してる絵描き歌 水鳥
分離帯こえてミルクは液だった toron*
夕焼けや無性に土を喰らいたし 岩根彰子
点Pを摘果しつくしたら未来 toron*
トンボ狩り虹どろぼうの罪により 西沢葉火
あだ名から離れてハヤシライスに火 いゆ蘭
スナックの色紙ちょくちょく恋をする 芍薬
まほろばの観光バスはそらの色 ひかる
白湯を飲むこれも叙事詩の一場面 笹川諒
今晩のおかず伝えるマスゲーム 涅槃girl
毎週WEB句会第175回(2019/8/11-2019/8/17投句分)
54名105句 森山文切選 入選32句
あたしだとネジから砂鉄でるんです サトシワタナベ
チコちゃんのパートに社長叱られる 小林祥司
風のない風鈴の鳴る夏の夜 澤井敏治
ランドルト環が自らやってくる まさよし
開店と同時に夏が押し寄せる 有村桔梗
指先から栗の香りがする歯科医 涅槃girl
実るまで見向きはされぬ茄子の花 武良銀茶
バス停のきみはいつでも雨ですね 尾崎良仁
分度器を使わず雨を凝視せよ 西沢葉火
目と鼻のあいだのとてもよいところ 斎藤秀雄
QRコードがもずく酢に見える ヨッシー
大きめのパジャマをディスるお月様 真島芽
唐揚げのような八月の中程 斉尾くにこ
親と子と入れ替えてゆく佐渡島 あさふろ
年頃の姪とフランス映画観る ヨッシー
舌打ちをする度のびる熱帯夜 多舵洋
はじめから嘘をついてたタンバリン 芍薬
天井が嫌い西瓜は皮がいい 愁愁
真剣になると臭い出す男 よーこ
減速をしつつ猫派になりました 笹川諒
おくるみの中で黒ずむ夏時間 エノモトユミ
打ち上げ花火に問われる離婚歴 朝野陽々
弟の9:15はまっすぐに 一音乃遥
振袖を踏まれていても笑う朝 エノモトユミ
折鶴の影で汗拭く葬儀店 福村まこと
朝露にプロパガンダが融けてから あまの太郎
電気屋の扇風機を止めて歩く 菊池洋勝
誤字脱字だらけの蝶番の裏 toron*
盲たるぞうとこぞうの逃避行
マテ貝で作戦を砂に描いて 小俵鱚太
虫ピンを抜いて針穴写真館 西沢葉火
台風の進路カレーの匂いする 三浦蒼鬼
毎週WEB句会第174回(2019/8/4-2019/8/10投句分)
49名96句 森山文切選 入選29句
八月の朝日に光る千羽鶴 彦翁
泣けないよ大きすぎるよ満月よ 尾崎良仁
溶けそうと言っても妻は肥満維持 田原勝弘
老いるって初めてでして難しい ヨッシー
朝顔とデートしている白い猫 水谷裕子
折り紙の黒だけ選ぶ十歳児 がね
ソフランの香りで嫉妬消している まつもともとこ
椀を割る内緒話の声だけで 岩倉曰
向日葵の本音はムンクだと思う 糸篠エリー
調停委員が鳴らすプロコル・ハルム 月波与生
妄想の斜め上行くジ・エンド 麦乃
雑談がぜんぶ地球の陰口だ 平出奔
明らかに先祖の味がするアイス
地獄の沙汰も電子決済
風水を信じた結果水びたし ペンギンおじさん
ファム・ファタルならば送料無料です 笹川諒
給食はもう来ませんと赤チョーク 西沢葉火
風鈴に殴られ鳴いてラムネ瓶 紅志野みのり
身代わりに赤い靴履く男の子
熱帯夜江戸川乱歩侍らせる 岩根彰子
空いている車内 冥王星かなあ 平出奔
枇杷食べただけでも軽く解脱する 小俵鱚太
筋肉の影に収まるように飴 いゆ蘭
贋物の太陽情緒不安定 芍薬
汲み置きのジョウロのお湯を捨てて汲む 抹茶金魚
窓からは断頭台も見えますよ 来栖啓斗
手ぎわよくオーロラを手紙に包む 斎藤秀雄
千日手続き婚活終わらない 藤井智史
バツイチの理由をカレンダーに書く 芍薬
毎週WEB句会第173回(2019/7/28-2019/8/3投句分)
51名97句 森山文切選 入選30句
タピオカが蒸発しても○は○ 水鳥
おおらかな経理が集うビアホール 小俵鱚太
意味はよく分からないけど美しい 尾崎良仁
ツチノコに間違えられたビール瓶 武良銀茶
観覧車降りて幻だと気づく 颯爽
熱帯夜何もかけずにランデブー 美す寿
白のまま初戦敗退する球児 月波与生
秘め事をめくると下心がもう 斉尾くにこ
夏風邪と台風消しゴムはどこだ 真島久美子
ラジカセの挿入口を出る気球 斎藤秀雄
あみだくじつながる先は全て羽賀 浅井誠章
万華鏡こんなに美しい病気 杏野カヨ
向日葵を背負って海へ連れていく 水鳥
国境もグニャリ歪んで炎天下 犬井隆太
生ビール抜きで辿り着く葬式 平出奔
献花のひまわり枯れるまでの夏 馬鈴
姫宮の部屋の鏡にうつる鳩 エノモトユミ
あなたには見えぬ井戸から香る花 甘酢あんかけ
雲のない惑星でやるヘビ花火 未補
寂しくて股関節から声が出る 芍薬
王様が負け続けてる野球拳
ベクトルが違い過ぎてる鳩と蝶 水谷裕子
雪上牡丹餅
俎板の音やわらかな誕生日 岩根彰子
種飛ばし忘れた西瓜だが美味い 彦翁
あらすじをテールライトに訊いている toron*
歴代の恥で透かせた天ぷら紙 小俵鱚太
泥棒の透明になる膝枕 み浦よし彦
河童はまちがいなく緑だという サトシワタナベ
太腿の旨さを知ってから戦意 よーこ
毎週WEB句会第172回(2019/7/21-2019/7/27投句分)
56名108句 森山文切選 入選32句
不登校YouTuberの焼けた腕 いゆ蘭
マグカップばかりが増える誕生日 真島朱火
はみ出したおろし醤油は人の闇 浅井誠章
恋文は仕舞うシャーペン折れたので 一音乃遥
さわったら取れてしまったきみの鼻 杏野カヨ
梅雨明けてアヒル隊長夜逃げする 八郎
広告の裏の日記に泣かされる 西鎮
配列が替わり冥王星に秋 たにゆめ
新聞に蟻の頭部を乗せる役 エノモトユミ
兵児帯が金魚のヒレのようにじゃれ ヨッシー
生前葬遺影の顔がクシャミする 小林祥司
森を見ず異性愛者の夏木立 杉倉葉
トイレを出るオレは産業革命 まさよし
ウーロン茶から千手観音
ため息も弾けて消えるハイボール がね
軽い病で薬袋は豆板醤 岩根彰子
こんなにも山脈なのに奥手の子 佐原キオ
骨密度坊主めくりが辛くなる 颯爽
贋札の鑑定に来るかぶと虫 愁愁
押し花を燃やしてしまう安息日 水鳥
殴ったら殴り返してくるバジル 笹川諒
◯と×だけで銀河は銀河系 平出奔
雨降るとJAZZが流れる保健室 涅槃girl
歯の抜ける夢ばかり見る婚約者 小俵鱚太
文字数を減らして恋をしています 芍薬
梅の種レモンに似てて泣きました まつもともとこ
すぐ呶鳴る人の暗算早すぎる 四線蛇
カマキリの予約で埋まるラブホテル 福村まこと
ふたご座の食い込む指を見てしまう 斎藤秀雄
ハルキスト並ぶ古本屋の不安 月波与生
もつれっぱなしのまま樹海にひかり toron*
サラバ愛急須の先を長くする 藤井智史
毎週WEB句会第171回(2019/7/14-2019/7/20投句分)
60名117句 森山文切選 入選32句
張り倒されても笑いをとれ…生きろ 藤井智史
アイドリングストップが気まずい車内 真島朱火
王様と女王様はペアじゃない さくらなうさえ
じいちゃんのくしゃみが響く田舎道 やざわあみ
乳清を捨てる男をぶん殴る 甘酢あんかけ
スーツ着て人の形を思い出す 多舵洋
水ぶくれ潰す氷河が崩れゆく 水鳥
分からない右も左も喜望峰 サトシワタナベ
ビート板きみの歯形はすぐわかる 久藤さえ
ともだちのともだちならば未確認 よーこ
教卓の上からコイントスをする 一音乃遥
神様の一発芸で燃えた家 ペンギンおじさん
フェイクミート食うパブロフの犬のまま 月波与生
わたしたちニセモノだからあかるいの 杏野カヨ
簡単に好きだと言って真夏日 大橋凜太郎
焼け跡の蛇口に残るパズル痕 福村まこと
写真家の夢で乱れる夏蜜柑 エノモトユミ
したと思われるおずおず梅雨明ける ヨッシー
寄り添ってとうもろこしの反抗期 芍薬
めくれたら風紋になるあばら骨 西沢葉火
歯が無いはーちゃんどう見ても鯰 美す寿
くぐもりと琥珀色した背筋と 斉尾くにこ
ソーシャルな四月の靴を蹴り捨てる 糸篠エリー
さみどりのシガレット噛む通過駅 toron*
アパートのいまのところは牛乳石鹸 岩根彰子
沈むまで一緒   沈むまで一緒 真島久美子
再生紙に放送禁止用語、濃い いゆ蘭
家計簿の付録でもらう赤いペン 小林祥司
石像をみずから彫っている詩人
鳥は巣に帰るパチンコ玉は減る ヨッシー
雨になる記憶つなげるズブロッカ あまの太郎
自己負担なしで呼吸を止められる 未補
毎週WEB句会第170回(2019/7/7-2019/7/13投句分)
82名157句 西沢葉火選 入選47句
死角から燕が紐を解いて夏 のんびりあん
枝豆に君の様子を探らせる 水谷裕子
くれないの駆動機関にいて子供 toron*
水鳥の離陸してゆく変声期 toron*
咽せているときのさみしいえら呼吸 安達せきる
最果ての犬小屋前で待っている 宮坂変哲
耳外すマンハッタンの象女 川合大祐
財布には薬一錠あるばかり 入り江わに
テルミンの見えぬ指から再軍備 秘まんぢ
違いますそれは私のかたつむり
人違いでしたと胸に抱いて言う 斎藤秀雄
球体の午後と暮らしてからはだし 斎藤秀雄
こめかみに佇む夏のチェロ奏者 小俵 鱚太
おにぎりを食べるサーファー午後が凪ぐ 小俵 鱚太
歯ブラシの色も決められないくせに 久藤さえ
雑踏に探す息子の夏帽子 菊池洋勝
猫動画ばかり見ているけど死ぬの 菊池洋勝
意気地無しあなたが引いて妊娠線 甘酢あんかけ
恋島に二人取り残されて…Fin 藤井智史
とんかつの脂身だけを食べる父  真島朱火
処女膜の再生速度超える夏 あまの太郎
周波数合わせて夢精する天狗 あまの太郎
口を開け蘇生を待っている動画 宮下 倖
向日葵を握りしめつつ土地を買う えや実
瓶底に歪んだ屋上のフェンス 一音乃遥
曇天の責任とっているカエル 城崎れい
春巻を食べてりつぱな子に育つ 四線蛇
泣いたそばから風になる力持ち み浦よし彦
風のない日の蠅の速度で 平出奔
早朝の電話は訃報かと思う 村上佳津代
踊り場のミントが怖い警備員 未補
夕立が喉に絡んで鳴るチャイム 未補
小蝿死ぬ瞬間上がる手の温度 馬鈴
桃の実の危うさを知る薬指 多舵洋
暗闇のアラーム止める仕事人 るびい
三時まで雨の時間が続きます 有村桔梗
さみしいとさむいは似てるレモン味 杏野カヨ
帰れないコーラ吸い込むアスファルト 浅井誠章
水漏れが雨のふりして五万円 がね
爪伸びる灯を見せていま見せて 千春
本当のところ白夜に聞いてくれ 千春
二問目で死ぬサイダーのサイダーさ 佐原キオ
二字は二字われが狂っていった磁気 川合大祐
バス停に帽子被せてゆく仕事 多実果
ペコちゃんのルーツを辿る親知らず 安達せきる
授業中打ち上げられたセミクジラ 涅槃girl
標識のシカは8ミリずつ動く えや実
森山文切選 入選41句
死角から燕が紐を解いて夏 のんびりあん
枝豆に君の様子を探らせる 水谷裕子
サンダルがホースの水と踊り出す 伊藤みこ
水鳥の離陸してゆく変声期 toron*
授業中打ち上げられたセミクジラ 涅槃girl
ペコちゃんのルーツを辿る親知らず 安達せきる
咽せているときのさみしいえら呼吸 安達せきる
最果ての犬小屋前で待っている 宮坂変哲
海底を彷徨う兵の進化論 福村まこと
耳外すマンハッタンの象女 川合大祐
パワハラも逃げて最後の焼け野原 袴田朱夏
浜に寝て人恋う栓を抜いてやる 糸篠エリー
父親の形に沈むパンケーキ ペンギンおじさん
バス停に帽子被せてゆく仕事 多実果
猛烈な雨に降られる雨蛙 文月
球体の午後と暮らしてからはだし 斎藤秀雄
無口だとTポイントが二倍付く 芍薬
ツバメ来て親だったこと子だったこと 岩根彰子
歯ブラシの色も決められないくせに 久藤さえ
裏方を表に出して次に行く 雪上牡丹餅
とんかつの脂身だけを食べる父  真島朱火
向日葵を握りしめつつ土地を買う えや実
曇天の責任とっているカエル 城崎れい
選挙カー一台も来ず里の夏 城崎れい
泣いたそばから風になる力持ち み浦よし彦
月面に降る恋人の処方箋 み浦よし彦
アボカドをふたつに割って角が立つ 平出奔
歯科に忘れた交換日記 月波与生
小蝿死ぬ瞬間上がる手の温度 馬鈴
殿堂に手招きされる闖入者 るびい
さみしいとさむいは似てるレモン味 杏野カヨ
足が速くて婚期がずれてしまう いゆ蘭
吸い殻が椅子の形に組み上がる がね
反故といふ反故に名句が書いてあり 四線蛇
輝きを未だ忘れぬ白のWii l996
踊り場のミントが怖い警備員 未補
瓶底に歪んだ屋上のフェンス 一音乃遥
生ぬるい歩廊で閉じる既読無視 真島久美子
猫動画ばかり見ているけど死ぬの 菊池洋勝
二字は二字われが狂っていった磁気 川合大祐
泣くこたねしくじり赦すなめくぢら サトシワタナベ
毎週WEB句会第169回(2019/6/30-2019/7/6投句分)
63名121句 森山文切選 入選36句
常夏の国で片栗粉を踏んだ ひかる
配線をタコ足にして帰ります
揚羽蝶今日もどこかで雨宿り 柊無扇
負けた日をサソリ固めにする夕陽 福村まこと
迷子札無名のままでつけておく 多舵洋
地平線ばかり眺めるかごの鳥 麦乃
おずおずと「人間です」にチェックする 馬鈴
走れない切手が泣いた縞模様 浅井誠章
神様が戻し忘れていたバケツ 雪上牡丹餅
ひぐらしの音を溶かしたソーダ水 甘酢あんかけ
旬の物苦さと青さと日の甘さ 井上雅代
梅雨の月抹茶あずきにして食べる まさよし
筍の皮を剥く夜の金縛り 西沢葉火
玄関にヌーヴェルヴァーグ風の餅 涅槃girl
好きな子を狙う排球のやはらか 一音乃遥
ホームパーティーに呼ばれるストーカー 尾崎飛鳥
翻訳をしてクリームの境目を いゆ蘭
アイラブユー通じなかった炉端焼き 澤井敏治
アンドロイドくるぶしに咲くクローバー 水鳥
逢えば揺れ始める花の芯あたり 糸篠エリー
知られざる生き方をした村の森 市川雄太
月夜間に間男の説く不法領得 高梅仁
天然水で呼んだ軍勢 平出奔
Excelを遡上してゆく角砂糖 toron*
透明な壁にぶつかる生たまご 斉尾くにこ
1Q84その曲線じゃありません 月波与生
砂鉄集めて眠くなる人魚姫 あまの太郎
iPhoneの光にたわむ系統樹 み浦よし彦
あじさいの花に埋もれるアルミ缶 鴨居
綴じ紐が1メートルの黒歴史 藤井智史
砕かれて本に変わった豚の箱 猫=鮫
晴れのち晴れでも透明な恋人よ 秘まんぢ
ひとつだけ使命の違う親子丼 月波与生
赤道を跨ぐドミノをひとつ抜く 芍薬
くぐもった嘘がお上手心太 岩根彰子
桃味のアイスはここじゃ不謹慎 ペンギンおじさん
毎週WEB句会第168回(2019/6/23-2019/6/29投句分)
64名123句 森山文切選 入選36句
通じては困るシュールなギャグを言う ヨッシー
クイックルワイパー信じ過ぎている 尾崎飛鳥
そっけない君の返事は梅雨が受け 芥子
まだ未練あるかのように動く熊 小出順子
ゴミ箱のもっとも古いゴミになる 石川聡
雨の音雀の声と下剋上 美す寿
かなぶんをつけてかみさま気取るひと 未補
愛情で陥没してる後頭部
下書きのほうが可愛い印象派 芍薬
人類に懐いてしまう目玉焼き 枡英児
ぼく以外誰も食べない毒リンゴ ひかる
限界を悟ったらすぐ来るラクダ ペンギンおじさん
手を握り診察終える在宅医 菊池洋勝
もうちょっと笑っていたいイチゴジャム 水谷裕子
突き詰めてみれば生え際だけの人 袴田朱夏
ミッキーをミケランジェロと呼び直す 袴田朱夏
おそらくは輪廻の果てのわらび餅 笹川諒
糊代が狭くて漏れ落ちる偽善 糸篠エリー
スルメすら短冊にする笹の意地 小俵鱚太
一切をパズルで送る査察官 たにゆめ
タロットは宿直室の所定位置 西沢葉火
母の日はリインカネーション母といる 月波与生
眉頭ズラして描いて今日の顔 まつもともとこ
ペンギンがペンギンのまま鳴いている 有村桔梗
せんべいをかじるピアノを弾いている 涅槃girl
マンモスは鼻のピアスを忘れたか 秘まんぢ
捕鯨船明日の天気になりきって 平出奔
ドッキリを仕掛ける人の頬の皺 馬鈴
真四角のしあわせやかましいバター toron*
渡れない海の向こうで降る砂糖 エノモトユミ
深海魚波打ち際のホスピタル 斉尾くにこ
ラベリング自身のなかの図書室の 斉尾くにこ
ひとづまの眞鍋かをりの仮名遣い 安達せきる
カーテンの丈が足りずに見える草 真島朱火
通帳のゼロにそれぞれしわが寄る 斎藤秀雄
錆びている鏡のふちをつつく猫 霧島絢
毎週WEB句会第167回(2019/6/16-2019/6/22投句分)
63名120句 森山文切選 入選36句
敷金と礼金ぶんの夏が来る 平出奔
ゴキブリは目を離したら居なくなる 小出順子
父親の飛ばしたバッグ・クロージャー からすまぁ
胸一つ突き出しつくる新記録 柊無扇
香港の吉野家で食うカツカレー 原田鴨目
偶然がいまだに続く占い師 武良銀茶
思い出し笑いしているデスマスク 颯爽
歯軋りといびき交錯ちゅらの海 澤井敏治
見えますか精一杯の灯りです 尾崎良仁
母親の色眼鏡には愛がある 八郎
採血の血を持ち帰る薔薇の家 菊池洋勝
カタカナは目から入って消えていく 彦翁
光らない蛍と話す舞台裏 若枝あらう
具体例なくても飯は食えました 袴田朱夏
サイダーをこぼした人のための星 鴨居
ダンシングフラワー山に置いてきた 岡方大輔
雨の日のアリバイ蝶が香ばしい 杏野カヨ
ケンタウルス後ろ足から土下座する 斉尾くにこ
閉まるドアにご注意ください、光 ひかる
諦めが悪くて消えるボールペン 真島久美子
新語生むたびに欲情するスマホ 福村まこと
電話ボックス後ろにつづく言霊史 秘まんぢ
傘立てに笑い声まで突き立てて 門脇篤史
性癖に刺さる紫陽花の枯れ枝 朝野陽々
失点の数だけ増える喘ぎ声 ペンギンおじさん
迂回路で枇杷のたわわと睨みあう 岩根彰子
架空線レモンの青さ断ち切って toron*
満月の蜂蜜垂れる滑り台 み浦よし彦
満月の夜ゆるキャラに自白剤 あまの太郎
雨が降っている方を内側に折る 有村桔梗
脚立からまっすぐ降りてきて王手 斎藤秀雄
勝鬨をスルーされたる大将よ 西鎮
校則が書かれた誕生日ケーキ いゆ蘭
まな板の木目に滲むフォアボール エノモトユミ
執拗に檸檬を褒めるマヨネーズ 水鳥
記念樹を締めつけていたゴムの跡 西沢葉火
毎週WEB句会第166回(2019/6/9-2019/6/15投句分)
61名118句 森山文切選 入選35句
すこやかで少しエッチなレンズ豆 斎藤秀雄
あさりそばに理性を保てぬ夫人 小俵鱚太
炭酸の中にわたしも眠りたい 美す寿
人なんか喰えるか狭く生きてやる 糸篠エリー
本日の猫の抜け殻三枚目 さこ
これでもう無期懲役も3回目 ペンギンおじさん
ヤル気ある針金たちは混ざらない 浅井誠章
傘を貸し走ってかえる変声期 まさよし
自分まで幸せになる丸い顔 ヨッシー
険悪をレンコン飴に助けられ 岩根彰子
告白へ餃子崩れてゆくばかり 真島久美子
鳩を抱く青年だった鍋の底 toron*
あの時は青空だった中二病 藤井智史
ランドルト環の隙間を塗り潰す 尾崎飛鳥
燃え盛ったら人々だった 平出奔
回すたび会話がズレる扇風機 未補
溶けかけのアイスボックス実を結ぶ 霧島絢
ジュゴンの叫び天狗の鼻に届かない 澤井敏治
おびただしい海馬がタレに浸けてある いゆ蘭
パセリにはアゲハ若くして死にたい ひかる
雨の日の密会傘に穴を開け 杏野カヨ
行きどまり誰かが置いた小籠包 岡方大輔
千人の武者行列へ緑さす 菊池洋勝
広口瓶おおわらいして夏支度 斉尾くにこ
どうしてもこんにゃくであるとろまぐろ 石川聡
坂道で白衣をゆらす羊たち エノモトユミ
広告にうずうずしたら正常値 芍薬
ピアニカにふれるにしては細い指 蝉の翅
内省を求めるための点描画 小俵鱚太
本真珠歪な君を愛し抜く 真島久美子
売り切れた下着を追って蝶の夢 水鳥
サーカスで隣の人の桃を剥く 福村まこと
不良少年の寝相がやわらかい いゆ蘭
混乱の幅を広げるかたつむり 涅槃girl
味噌ラーメンがないあなたの夢だから 月波与生
毎週WEB句会第165回(2019/6/2-2019/6/8投句分)
55名108句 森山文切選 入選33句
入れ歯にはとても危険なあずきバー 村上佳津代
恋文の裏に貼られたベルマーク 涅槃girl
ぶかぶかのジーンズ部下のパンツは黄 霧島絢
平成の古新聞をごみに出す 彦翁
オカリナを吹く妻残し下山する
辻褄が合わなくなった定年後 麦乃
なんか薄い植物フリーマーケット
お茶のたび一度は納豆の話題 馬鈴
蒸したてのホヤに出会って甘い夜 平出奔
スペアキー謎の指紋が浮いている 澤井敏治
つやつやになるまで風に磨かれる 多舵洋
定食の小鉢に白和えの訛り 西沢葉火
説明は要らぬ頭に椿挿す 杏野カヨ
10数え上がっていいよ一人風呂 まさよし
プランターなくてTENGAにプチトマト 月波与生
教室の隅のザリガニ ケ・セラ・セラ ひかる
てにをはの居飛車振り飛車なか七に 石川聡
豪雨など知る由もない熱帯魚 水鳥
籐椅子を揺らして去って往く花火 岩根彰子
馬引いて帰り近所に愛される ヨッシー
赤黒く血の跡残すチェスの駒 み浦よし彦
真相が散りばめられた肉うどん ペンギンおじさん
投げ捨てたカフスボタンは夜行性 エノモトユミ
カップヌードルの底にも海老の意地 あまの太郎
宝石の国から棘のひとつきり
猫耳のそうでした嘘泣きでした いゆ蘭
天敵の訃報を聞いたセルフレジ 颯爽
シイタケがいいひとぽいと言ったんだ 斉尾くにこ
跳び箱のなかから徐々に暮れてゆく 斎藤秀雄
ささくれを見つめてゴールデンタイム toron*
黒板の文字化け体育が近い いゆ蘭
血液は蒸発モザイクの真裏 真島久美子
最後まで歯向ってくる青い鳥 ペンギンおじさん
毎週WEB句会第164回(2019/5/26-2019/6/1投句分)
58名112句 森山文切選 入選33句
分校のミントぐらいの文化祭 斎藤秀雄
☆1のレビューに学ぶ怒り方 岩倉曰
過去からの呼び出しかかる黒電話 さこ
トリセツの無視が吹かせた隙間風 小林祥司
猫たちの辞書に書かれてない魚 笹川諒
各々の陣地で直角に眠る 馬鈴
君の目を逸らさず見てる後頭部 まさよし
犬笛を船首に飾る屋形船 涅槃girl
とりあえず生と頼めばアナコンダ
番傘に隠れた青いキャミソール エノモトユミ
なわとびに向かない方の赤い糸 えや実
切っ掛けが欲しくて作るライスカレー 岩根彰子
パン屋から出てきた月の粉まみれ 西沢葉火
矢印が多くてぎこちない歩幅 糸篠エリー
ブレーキをかけずに済んだ風車 若枝あらう
トナカイのいたみ知ってる青い花
「そういうものになりたいと」と書く手帳 月波与生
性癖を徐々に明かしてゆく河童 芍薬
脊髄に帰ろうとする風見鶏 み浦よし彦
分別はあるとおもうわアマリリス よーこ
織姫のやる気をなくす貸衣装 水鳥
プリキュアの切手をなめて甘酸っぱい 秘まんぢ
重役に巻きついているところてん 未補
バスを待つあいだのパンを選べない 麦乃
冷し瓜おもちゃのような雨が降る 坂中茱萸
ひったかは燃える ワタシの恋消える 藤井智史
モチーフとして元彼を取っておく 芍薬
既読スルーゴジラの背びれ明るくて あまの太郎
カーテンが巻き込むヤドカリの眠気 西沢葉火
腸壁のピンク冤罪訴える 福村まこと
噴水のあるホテルから磯釣り師 小俵鱚太
唇を舐めてから渋谷に降りる
どこまでも手のひらの有刺鉄線 toron*
毎週WEB句会第163回(2019/5/19-2019/5/25投句分)
58名110句 森山文切選 入選33句
無調整豆乳とだけあるLINE 鴨居
泡立ちの良い石鹸は信じない ヨッシー
緋の月のしたたるように胸の薔薇
退屈がアジの開きに伝播する がね
にゅう麺で豆腐を縛るような嘘 袴田朱夏
クーポンで日サロに通う吸血鬼
パワハラがUターンするかずら橋 木根川八郎
ドーナツの穴から落ちていく評価 雪上牡丹餅
下駄箱にアイスをしまう修行僧 青山祐己
濡れすぎた靴で一蹴り水たまり はんたろう
適齢期過ぎたタニシの独り言 あまの太郎
置き去りにされても走る白い靴 秋鹿町
透明になって蛍を呼んでいる 真島久美子
私だけ記憶の中にナタデココ 夏鵜
当たりピノ集めて繋ぐオリオン座 尾崎飛鳥
空っぽの枝豆である君の服 甘酢あんかけ
モスキート音が今日は聞こえる給料日 アゲハ
ちょっとしたパーティー用に買うパセリ 未補
踊るのに飽きた黒子のコップ酒 彦翁
恋すれば一対一の生魚 杏野カヨ
老い二人精彩を欠く冷蔵庫 村上佳津代
実家から出たがっている袋とじ 浅井誠章
薄闇をかぶって白いオオカミと 斉尾くにこ
力点が緩くて恋になってゆく 真島久美子
思春期のドア闇雲に静電気 糸篠エリー
前髪を切ってあなたに溺れまい 水谷裕子
蝶々結びのどこまでを済ませたか いゆ蘭
ツーブロックに刈って恋せよハリネズミ もーやん
デイケアの利用者揃う夏祓 菊池洋勝
煙突の錆が上書きするロマン 西鎮
耳たぶを揉まれて昨日から猫背 斎藤秀雄
三度目のお手で水かき消えた犬 芍薬
ベッドサイド打ち上げられた耳光る 秘まんぢ
毎週WEB句会第162回(2019/5/12-2019/5/18投句分)
58名112句 森山文切選 入選34句
アヒージョがミドルネームの研修医 ペンギンおじさん
足掛け二年マンボウが口開くまで 斉尾くにこ
五月では妹子のヒゲが青すぎる 浅井誠章
元カノに似てるユーチューバー やだな 尾崎飛鳥
ぼくの涙は飲用に適さない 朝野陽々
脱皮した気持ちで試着室を出る 彦翁
ヌーディストビーチに惑う原始人 涅槃girl
ローファーの中に真っ赤なスニーカー 鴨居
正論を崩して沖へ逃げる波 糸篠エリー
弁当にしか入らないミニトマト 真島朱火
再会の街と名付けた夜の膳 水谷裕子
引力をバカにしている洗濯機 青山祐己
令和と言われ爺婆なったような気に 田原勝弘
ノイズキャンセリングされる呼吸音 馬鈴
幻覚の囁き無声映画館 福村まこと
ひと部屋に五月生まれの猫と人 有村桔梗
ヨーロッパ/アメリカ風のドライヤー 平出奔
珈琲に参加の可否を決められる 芍薬
根刮ぎにせんよ曇天草むしり 岩根彰子
自称だがフィリップ・マーロウ的微罪 月波与生
ついらくの途中で探すはやぶさ2 よーこ
望郷のスマホケースに非常口 toron*
バリスタが何等星か考える 芍薬
回すのを諦めたペン先に蝶 岩倉曰
養殖の半濁音でひと儲け たにゆめ
当たり屋のポケットに棲むカンガルー 西沢葉火
火曜日を休んだとたん脱ぐあなた 秘まんぢ
ブルーシートの中の宇宙は真っ赤 尾崎良仁
諦めてからが白菜より強い 笹川諒
骨の浮く肩を見つめるビアホール エノモトユミ
たまご産む自動販売機のコロン 斉尾くにこ
パレードの空にも波は映らない 袴田朱夏
知らないおじさんを母国語で叱る いゆ蘭
肋骨に雨肋骨にあめんぼう 斎藤秀雄
54名104句 森山文切選 入選32句
歌姫に何か押しつけ生きてきた 柊無扇
メルカリに「臍」と書かれた紙 二円 有無谷六次元
手を洗い紙を巻き取る愚者の顔 狐s
左向き崩さず進み焼き魚 尾渡はち
豆飯の残りを包むアルミ箔 菊池洋勝
罪人の夢に出てくる曼珠沙華 水鳥
誕生日また健康の新企画 井上雅代
ブラックホールよどうか私を抱き締めて 澤井敏治
花林檎ゆうべの罪をまっぷたつ 杏野カヨ
口ずさむTo the moonがきみだった 平出奔
カップ麺が山と積まれていて希望 秘まんぢ
独立の宣言をするパンの耳 藤井智史
元カノがタイムラインに咲かす花 あまの太郎
再入荷しましたあなたのそれから 斉尾くにこ
重馬場で泣き出している王様よ 西鎮
幸せな記憶野いちご食べた指 村上佳津代
傘よりも人が少ない牛丼屋 がね
母の日のすずらんに風きてとまる 斎藤秀雄
金網に結束されているバンド よーこ
こめかみをこっくりと打つ鳩時計 ひかる
波際で素数をナンパする水母 福村まこと
番号を書き足して火を靴で消す l996
夏みかん手にした順に露出狂 芍薬
青虫を侍らせている聖五月 岩根彰子
暴れだす染色体の生真面目さ エノモトユミ
Wi-Fiが切れて小指が軽くなる 多舵洋
ハンカチを三枚持って初競馬 笹川諒
のりたまをかけると方言に戻る 月波与生
モグラとクジラ屈託のない口喧嘩 斉尾くにこ
幸の字の穴を知らない少年期 いゆ蘭
空想の寿司レーンには烏賊がない 小俵鱚太
ざらついた入場券の未成年 西沢葉火
毎週WEB句会第160回(2019/4/28-2019/5/4投句分)
65名126句 いわさき楊子選 入選35句
不仲説パイナップルに聞く酢豚 まさよし
イエローで描くひと日の左側 toron*
だれも触れなかったバナナの皮のこと 秘まんぢ
信じ方講座から始まる教義 袴田朱夏
天狗から褒められた耳鼻咽喉科 たにゆめ
肩紐はずれてぼんやりメロンパン 斉尾くにこ
夢枯れてかさこそ手のひらの広野 糸篠エリー
連休にこびとに宛てた文届く 西鎮
舐めとった埃の苦さ知ってるか 西鎮
給湯器もエレベーターも喋りすぎ 村上佳津代
淡々とタオルを畳む大富豪 えや実
水平な飛び蹴りが来る痴話喧嘩 ヨッシー
午後五時の音符をしまう通学路 芍薬
副賞は泣けない夜に貼るピエロ 尾崎良仁
月が綺麗きみの正義は負けたんだ 尾崎良仁
両肩に湯気立ちのぼる調律師 小俵鱚太
精液のにおいで起きる夜行バス 小俵鱚太
恋文はローテーブルを傷つける エノモトユミ
変容の真っ只中にあるこけし 笹川諒
敵国のデニムから色落ちするP 月波与生
半返しソヴィエトのある地図だった 月波与生
たまねぎと新たまねぎの小宇宙 有村桔梗
不機嫌な韃靼人は踊らない 朝野陽々
トラウマ社業務日誌に田螺の絵 川合大祐
補助輪と夜の向日葵いらっしゃい 水鳥
コンデンスミルクの罪を被る夜 あまの太郎
三角に折ったのにぼったくりバー いゆ蘭
インコンビニエンスストア開業です 甘酢あんかけ
職質を反芻したら甘かった 未補
砂時計ひっくり返す静かな手 水鳥
平静を装っている冷奴 尾渡はち
新元号めでたや御所のまくわうり はな
取調室の葡萄が美しい 杏野カヨ
右利きへ推敲されるナイフの句 馬鈴
曼荼羅のポーズで朽ちる観覧車 toron*
森山文切選 入選33句
取調室の葡萄が美しい 杏野カヨ
谷川を流されていく白い布 雪上牡丹餅
美容室帰りと分かる天使の環 真島朱火
信じ方講座から始まる教義 袴田朱夏
はっそうとび蝿虎はシュミーズに のんびりあん
善悪をツイストしたらチョココロネ たにゆめ
天狗から褒められた耳鼻咽喉科 たにゆめ
肩紐はずれてぼんやりメロンパン 斉尾くにこ
ヘルニアの樹にゆっくりと成る葡萄 西沢葉火
夢枯れてかさこそ手のひらの広野 糸篠エリー
真後ろの笑いと脚が揺らすバス l996
給湯器もエレベーターも喋りすぎ 村上佳津代
ロボットの愛憎 瓦解する序列 福村まこと
虹ボタン押してすぐさま捨てる指 斎藤秀雄
はにかんだ表彰台のドブネズミ ペンギンおじさん
キャベジンを忘れずに飲む毒クラゲ ペンギンおじさん
雨降っただけで終わってしまう仲 小林祥司
地下鉄の窓に激突する魚 岩倉曰
半返しソヴィエトのある地図だった 月波与生
たまねぎと新たまねぎの小宇宙 有村桔梗
達磨にもアイライナーを引く配慮 がね
職質を反芻したら甘かった 未補
体当たり恋に押し潰されている 藤井智史
咥えれば指ではないと少女A いゆ蘭
殺せない火はあかあかと蚊の頭 秋鹿町
淡々とタオルを畳む大富豪 えや実
アイコンの動物たちと夜を待つ 芍薬
恋文はローテーブルを傷つける エノモトユミ
変容の真っ只中にあるこけし 笹川諒
藤棚の奥へ目当てのとんかつ屋 菊池洋勝
だれも触れなかったバナナの皮のこと 秘まんぢ
副賞は泣けない夜に貼るピエロ 尾崎良仁
三角に折ったのにぼったくりバー いゆ蘭
毎週WEB句会第159回(2019/4/21-2019/4/27投句分)
57名109句 森山文切選 入選33句
野球拳強くて支店長になる あまの太郎
ちょっと前から欲しかった系の謎 笹川諒
仕組まれているよう「いいね!」ボタン押す ヨッシー
雨音が心地よくする待ち合わせ まるち
真っ青なキャンバスはみ出した小鳥 青砥たかこ
スーパーのビーフ英語で呼びかける 糸篠エリー
春先に出会う河童はドルを売る 浅井誠章
スコールが古い思い出燃やしきる 水鳥
声帯へきっちり並ぶプロポリス 千仗千紘
キャロライン洋子の真似が夜鳴きそば 月波与生
スペアキー作られほっとしてるドア 小林祥司
上着が忘れられているバネ遊具 l996
完了を押してから読むお品書き 芍薬
満ち足りず毒草育つワンルーム 来栖圭郁
絶叫を聞いて育ったミニトマト 尾渡はち
アイフォンに反りを合わせているシニア 村上佳津代
四五輪で開花四五度で恋になる 斉尾くにこ
ダイソーで追いかけているデカダンス 西鎮
ローファーに草のかけらをつけてゆく 有村桔梗
たぶん敵優雅に舞っていらっしゃる   尾崎良仁
これ以上カイワレになることはない 西沢葉火
連休にお尻のえくぼ探します 斎藤秀雄
Ctrl+Zに慣れて家を買う 若枝あらう
投げつけたシュークリームに蓋がない 千仗千紘
拭き取って捨て去る恋の落とし紙 藤井智史
味噌餡の分らぬ舌に柏餅 菊池洋勝
社員証かざし月には帰れない 平出奔
公園の爪先だっている菖蒲 岩根彰子
冒険の記録ですから詩ですから 笹川諒
夜更けまえ潮の香りがする神父 涅槃girl
じゃがいもの皮で作った秘密基地 ペンギンおじさん
反時計回りに懺悔する林檎 toron*
まつり縫いする指にふる白い酒 エノモトユミ
毎週WEB句会第158回(2019/4/14-2019/4/20投句分)
54名106句 森山文切選 入選32句
音量の足りぬテレビの時代劇 菊池洋勝
交響曲流れるキャバクラのトイレ いゆ蘭
一年中アイス切らさぬ冷蔵庫 村上佳津代
立ち止まり反省してる花筏 田原勝弘
毛筆が跳ねてやる気を書き留める 彦翁
二千円札が飾ってあるトイレ 青山祐己
ガガンボを呼んでこの春首位に立つ 笹川諒
親戚と相合傘でゆく箱根 御殿山みなみ
病院でおぼえた蜜を溶かす白湯 エノモトユミ
タコ焼けて声の大きい暗殺者 岩倉曰
看板にただ看板と書く仕事 たにゆめ
沙悟浄の皿の匂いの夢を売る あまの太郎
二つ折り財布が作る不等号 がね
ランキング外の地元の村八分 袴田朱夏
蝶の飛び立とうかと自己正当化 サトシワタナベ
点線に沿って正しく回し蹴り たにゆめ
自分史を問えばふるふる若緑 岩根彰子
寝姿を映してばかりいるテレビ 千仗千紘
機能性トイレに擬態する忍者 小俵鱚太
ロジカルに編み込んでいくろくろ首 水鳥
ご褒美へくるっと270° 斉尾くにこ
滴った海のミルクに思う森
イワンのおしゃぶりが覗く紀元前 月波与生
カステラにならぬ背中を送り出す 多舵洋
爪磨く姉の部屋から迷子臭 有無谷六次元
石を積み終える頃には夏ですか 尾崎良仁
創世記めでたしめでたしで終わる toron*
ゲシュタルト崩壊する麒麟の群れ toron*
爪の無い研修中のレジ係 西沢葉火
Uターン替え芯5Bだけにする 糸篠エリー
革命を目指したころの腰タオル 福村まこと
ない星を指差すと来る成長痛 斎藤秀雄
毎週WEB句会第157回(2019/4/7-2019/4/13投句分)
53名104句 森山文切選 入選32句
親戚が地下アイドルと同じ顔 ペンギンおじさん
初恋の味をGoogleに教える 若枝あらう
消防車行って帰ってまだ赤い 杏野カヨ
リサイクル店に去年のカレンダー 青山祐己
脱走の蟻を見てたとランドセル 澤井敏治
ヒトの世の終わり近いと鈴が鳴る 柊無扇
根っこを張っていく決心はついた 藤井智史
危機感を持ち続けてる凪の海 青砥たかこ
ががががと名前の付けれない時間 斉尾くにこ
石灯籠みたいで嫌な接続詞 笹川諒
ハンバーグどこかに握手会の熱 いゆ蘭
終わらせることのできないにらめっこ 夏鵜
敵を知り暖簾をくぐる闘牛士 秘まんぢ
ギブ&テイクの例としての花 まるち
うんこドリルの潔癖症の悩み まさよし
貝割れ菜咥えたひとがアウトロー toron*
観覧車眺めて揺れる風見鶏 えや実
遠足の怪我した友と同じ班 菊池洋勝
前輪と後輪の差の春うらら ナタカ
ぶよぶよの老人力に寄ってくる 武良銀茶
後任にもっと陰険なのが来る ヨッシー
ワイシャツをですます調で試着する 芍薬
覗いたら泣けない箱と知っている 尾崎良仁
色鉛筆うそをついては欠けてゆく 秋鹿町
洋梨のくびれにためらいが残る 若枝あらう
生存者ついに折られる金の紙 浅井誠章
熱帯魚弱らせて我儘になる 西鎮
選挙ポスターへ季節外れの雨 いゆ蘭
結晶ともうお友だちほんとうよ 来栖圭郁
宮殿に由緒正しい騙し舟 福村まこと
歯が痛い入学式が終わらない 朝野陽々
春風を知ってトランクスの惰眠 秋鹿町
毎週WEB句会第156回(2019/3/31-2019/4/6投句分)
56名109句 森山文切選 入選32句
駆け巡る選挙カー逃げないカラス まるち
フリーザがこだわり抜いた丁寧語 近江瞬
壊されることを知らない貯金箱 青山祐己
素うどんが流れる渋谷交差点 浅井誠章
駅までがワンメーターの無人島 たにゆめ
腹の空く一食分の朝寝かな 菊池洋勝
気の抜けたビールにテンポ狂い出す 小林祥司
エゴサーチする指 きみに触れる指 朝野陽々
爺ちゃんが熊で婆ちゃんが狸で 平井美智子
フル装備して立ち向かう春の厄 アゲハ
紫のくちびる吸って見えた空 エノモトユミ
地球儀にいくつか嘘が書いてある 羽根
展示前学芸員の椅子沈む 袴田朱夏
換気扇からフェイクニュースが漏れる 糸篠エリー
親切な地図だ紅茶の染みがある 西沢葉火
恍惚の膝を一枚漬けておく
フィクションを嫌う閻魔の誤字脱字 秘まんぢ
多夫婚の位牌に残る片笑くぼ 福村まこと
ばかになる手前で嘘をソートする 芍薬
紙オムツ替える新元号を聞く ヨッシー
無呼吸の駐車券認証装置 岩倉曰
助動詞を拾ってビンゴしてしまう 斎藤秀雄
大げさに褒めたい布団乾燥機 小俵鱚太
傷口に群がる揚羽黒揚羽 toron*
談合にリズムを添えるジャズピアノ 中村佐貴
崖に咲く花で作った通知票 甘酢あんかけ
前奏で終わるひらめのラブソング 斎藤秀雄
紳士からブンガブンガへ誘われる 斉尾くにこ
レモンスカッシュを越えて春の肩紐 岩根彰子
開店のお知らせばかり載る雑誌 有村桔梗
ふらんすにあげたいふかふかの帽子 笹川諒
生命と思えば干からびたパスタ 岩倉曰
第155回(2019/3/24-2019/3/30投句分)
60名114句 森山文切選 入選34句
裏声で放送禁止用語言う よーこ
ブラジルへ真っ直ぐ落ちる柿の種 まるち
せんべろで赤くなれない黄レンジャー あまの太郎
天才が戦火で焼いたユーカリ芽 l996
万策が尽きたか空のティッシュ箱 ヨッシー
元号の秘話で弾けるオムライス 福村まこと
冬越さずどこかに消えていくつばめ 雪上牡丹餅
泥靴を干したら忘れられる春 岩倉曰
水を撒く君を見ていて薄くなる 笹川諒
一身に背負いすっぱくなる苺 斎藤秀雄
山吹が咲いた去年の今日は闘病中 岩根彰子
哲学者みたいな顔でアマガエル 柊無扇
永遠がポニーテールの先にある toron*
四季巡り無人駅から伝書鳩 涅槃girl
リビングで愛していたと喋るメモ 夜凪柊
満月が告げる次週のサザエさん 平出奔
法外な値段言葉のレストラン 麦乃
おしゃべりなかぼちゃの種は埋めました 秘まんぢ
復讐に血を滾らせる焼き林檎 霧島絢
ひと匙の恋ですプリンアラモード 藤井智史
鳴き砂のように笑ってみましょうか 尾崎良仁
モドキ、ドキ、鼓動のような足踏みで 棲絵妥ろか
天丼にショパン聴かせる定食屋 甘酢あんかけ
三月の舟に口づけするジュゴン 小俵鱚太
反論を?み込んだ夜の発光魚 斉尾くにこ
事件現場を中和する桜の木 近江瞬
洗面所だけを綺麗にする親父 青山祐己
老いの道袋小路の充電器 武良銀茶
オレンジの廊下で剥がす肩甲骨
泣き声を覚えたままのインカメラ 芍薬
×印うまく書けない朝帰り 尾渡はち
盗撮の途中の綺麗過ぎた薔薇 中村佐貴
始発までフードの紐の非対称 馬鈴
悪い木に良い木を接いで飲みにゆく サトシワタナベ
第154回(2019/3/17-2019/3/23投句分)
51名100句 森山文切選
中指を突き立てているカブトムシ 近江瞬
針先の錆びたルアーを贈られた 西鎮
自分だって道具なんだとランドセル 新井昌広
入れ込んだ代数未だ青いまま 浅井誠章
裏側を覗けば目立つ愛の剥げ 糸篠エリー
消印のようにハッキリしない人 ヨッシー
恋文をしたためている花吹雪 多舵洋
継ぎ接ぎの瞼でちがう夢をみる 大橋凜太郎
もう一度きみに拭かれている机 有村桔梗
何一つ残さず飛んだ羽根餃子 あまの太郎
片雲が神のかたちに似る夜明け 涅槃girl
嘘ついているのね溜息が海 岩根彰子
ラブホから歩いて帰る宇宙人 江西レイ
砕くまで木べらか骨かわからない 岩倉曰
席ひとつ空けている人たちの笑み エノモトユミ
えびせんを人が人愛せるあいだ 斎藤秀雄
目を閉じることもできずに浮く金魚 西沢葉火
懲らしめてみたり責めたり裁いたり 斉尾くにこ
モナリザに正視促すカウンセラー 八郎
オリオン座まみれの服で歩きだす 羽根
五線譜に挟み込む夕張メロン toron*
糸こんの混線で降格処分 若枝あらう
精霊の探す両性更衣室 福村まこと
契約書名前の欄にいるミミズ 雪上牡丹餅
ピアニカを捨てたね起動できないよ 笹川諒
駅ビルの、平面なはずないんだが 御殿山みなみ
免許証全然笑わない氏名 芍薬
昼下がり磁気の残っている砂場 いゆ蘭
ひところの茄子のかたちで昼寝する 袴田朱夏
うさぎ寂しがらせ研究者の真顔 中村佐貴
第153回(2019/3/10-2019/3/16投句分)
じいちゃんの真似はダメよと隠す本 遊楽
内臓に効くテトラポッドのポーズ 岩倉曰
核のゴミまだ使えるゾ未知の熱 柊無扇
こむぎこ、と言えば涙はパンになる 朝野陽々
心地良い春風に乗るブーメラン 彦翁
ハンガーに吊るす無遅刻無欠席 藤井智史
キャンドルが似合う人ばかりの会議 笹川諒
薔薇だけが咲いては枯れる停留所 涅槃girl
やましさに蛍光ペンが加担した 近江瞬
おもいでに並走されている未来 宮下倖
婆ちゃんが縁側で聴くデスメタル ペンギンおじさん
新しい方から順に消える影 あまの太郎
暖冬のあおり心がヨーグルト 青砥たかこ
直線はつらいと蛇行して歩く 小林祥司
人生の出口が動くあみだくじ 武良銀茶
湯麺の矜持に引っ張り出された 尾崎良仁
色刷りの魚拓で覆う壁の穴 福村まこと
もどかしく春を待ってるカメレオン 麦乃
アイテムをひとつ残してドアが開く 馬鈴
業績と共に溶けてく雪だるま 雪上牡丹餅
木蓮を一枚脱がす春の指 斉尾くにこ
裏側の湿りで生きる模範囚 l996
はらこ飯ぼくと心中してほしい 江西レイ
扇風機ト音記号に逆戻り toron*
水筒にペットボトルの茶を詰める 井上雅代
トラウマを包む風呂上がりのタオル
服を着てあるけば町はただの町 平出奔
銀行員のまま太陽に吠えてみる 秘まんぢ
税務署の裏で飼われるかたつむり 小俵鱚太
残酷な素うどん煮える老夫婦 浅井誠章
もう一度ら抜き言葉で叱ってよ 夏鵜
週刊誌捨てる検索された道 いゆ蘭
第152回(2019/3/3-2019/3/9投句分)
50名95句 森山文切選
海に浮くペットボトルの中はお茶 たにゆめ
スリッパで叩く男も左利き 小俵鱚太
吸殻で確かめているイライラ度 夜凪柊
しつこいほど聞いて忘れている名前 彦翁
天井がグルグル私さようなら 麦乃
例年のしもやけも無く冬が過ぎ 井上雅代
蟻迫るお菓子の家の借地権 秘まんぢ
煎餅を食べるあなたの後を追う 笹川諒
深海魚ごっこしながら上の空 秋鹿町
風船の萎むロコモシンドローム 菊池洋勝
昔話のどれかがパスタだったとさ 御殿山みなみ
去り際が好きで何度も夜を呼ぶ 絵空事廃墟
お雛様お尻が少し浮いている 雪上牡丹餅
ゾーンに入るロバのパン屋が通る サトシワタナベ
途中からですます調になる喧嘩 いゆ蘭
テンキーを乾かしてから水入らず 斎藤秀雄
素うどんのボスは失敗などしない 浅井誠章
白い軽から降りてくる天使たち 甘酢あんかけ
根回しのネバネバ洗っても落ちぬ 糸篠エリー
母親と苗字の違うチューリップ 夏鵜
類想の鎖を断ち切れぬ恋路 若枝あらう
玉虫色に生きる毒虫の口笛 犬井隆太
ハンガーを曲げる独りで生きてゆく 芍薬
廃港を知らずサンゴの呻き声 澤井敏治
三日月に異議申し立てするチワワ えや実
水茄子が平和な水になっていく 小川優
啄木の匂いを消した上野駅 八郎
泣いてみる金魚の尾びれ借りてみる 斉尾くにこ
シダを踏む裏切り者が濡れている 西沢葉火
第151回(2019/2/24-2019/3/2投句分)
57名107句 森山文切選
いぬふぐりふみふみしゃう猫の足 斉尾くにこ
CR冬のソナタも冬のまま 小俵鱚太
バスのなか赤ちゃん「オッポ」連呼の意味 サトシワタナベ
懲役を告げるアプリが200円 ペンギンおじさん
先を見すぎてたった一段踏み外す 青砥たかこ
鼻紙の扱い方に癖が出る 馬鈴
蒸しパンを押し潰してもまだ大人 えや実
夕焼けは薔薇泥棒の成れの果て 杏野カヨ
葉っぱ一枚 隠せない恋心 藤井智史
申請が通らず右大臣は無し 絵空事廃墟
こんな日に限ってオセロ連勝す 坂中茱萸
露出狂肌荒れだけは許さない 秋鹿町
鶏卵の殻のもろさは春の声 諏訪灯
鍵束に蜜はないんだ蝶番 棲絵妥ろか
個室から漏れる他人のラブソング 岩倉曰
しらべたら求愛の鳴き声だった 羽根
虫偏をとればスマホは誘我灯 糸篠エリー
正直に生きて傾く屋台骨 彦翁
新卒の右ストレートはるのかぜ あまの太郎
風合いは落ち着いたLINEです 斉尾くにこ
ラブホから予備校までは迷わない 多舵洋
豚トロに積極性で負けている 朝野陽々
にくしみのバター牡丹の咲く感じ 斎藤秀雄
前髪の長さで求愛する族 平出奔
月見上げ軍手したままブラ外す 涅槃girl
曖昧な夢を見ているエノキ茸 平井美智子
胃袋があるかのように食べる父 武良銀茶
大福はふしだら誰とでも絡む ヨッシー
愛されることを疑わない新譜 芍薬
ぶらんこの開き直りに気をつける まさよし
ピンク色のチラシ散らばるだけの春 若枝あらう
相合傘ひっくり返し腕相撲 秋鹿町
第150回(2019/2/17-2019/2/23投句分)
69名134句 兵頭全郎選
雨が止みマイノリティーも折りたたむ まるち
考えるベンチに残るよだれ掛け 澤井敏治
筆箱に嗚咽のような花びらを 甘酢あんかけ
報われぬ唇二丁目二番二号 森山文切
冬には冬の速度で落ちる砂時計 笹川諒
左折して三歩で消えた守護天使 秘まんぢ
乱切りの胡瓜頂点から着地 袴田朱夏
昼顔のほんとの顔は土のした 杏野カヨ
耳打ちをせずに見ている絵の女 かつらいす
お茶をぶちまけて慌てて日が沈む 朝野陽々
ペンだこの中身は見ない方がいい 西沢葉火
待つことに慣れて洗濯乾かない 青砥たかこ
プルタブで星をとらえる女子高生 岩倉曰
村中の花棄てられて青い医者 川合大祐
そこだけは水色の大人の事情 斉尾くにこ
服を脱ぐときのもしかしたらお辞儀 御殿山みなみ
君がいたアパートで揺れる野良猫 夜凪柊
偶然逢うかもしれない青いタオル 岩根彰子
あおぞらにたんぽぽひとつひとつとく 有村桔梗
国境を無傷で越えてゆくうどん 多舵洋
菜の花を咲かせるだけの持久走 未補
小便の流れに沿って紙吹雪 秋鹿町
終電で寝過ごしたからガンダーラ 若枝あらう
献血をする人はみな横たわる がね
約束の土地でスマホが電池切れ 犬井隆太
夕立のなかを削って軽くする 斎藤秀雄
嘘をつくたび伸びてゆく左指 あまの太郎
しがみつくように漢字にルビがある ヨッシー
避雷針刺して苺は待っている 城水めぐみ
紐パンは寝首を絞めるには細い 森山文切
いぶし銀ばかり集まる水戸支店 たにゆめ
弔問のあと寒すぎる宇宙船 秘まんぢ
森山文切選
雨が止みマイノリティーも折りたたむ まるち
さなぎから出社拒否するアゲハ蝶 犬井隆太
考えるベンチに残るよだれ掛け 澤井敏治
履歴書に流れ星書き祈ります 涅槃girl
宇宙ひも吊るして飾る万国旗 涅槃girl
冬には冬の速度で落ちる砂時計 笹川諒
弔問のあと寒すぎる宇宙船 秘まんぢ
左折して三歩で消えた守護天使 秘まんぢ
ベランダのおじさんからも見える位置 かつらいす
お茶をぶちまけて慌てて日が沈む 朝野陽々
少年のひらくてのひらから鵜舟 斎藤秀雄
ペンだこの中身は見ない方がいい 西沢葉火
きのうからこの世の出口半開き 武良銀茶
しがみつくように漢字にルビがある ヨッシー
信じてた人のマッチが燃え尽きる 尾崎良仁
アハ体験だけどだんだん痩けてゆく 御殿山みなみ
いぶし銀ばかり集まる水戸支店 たにゆめ
訥々と語る人魚が捨てた脚 エノモトユミ
君がいたアパートで揺れる野良猫 夜凪柊
表情も判然とせずグミの熊 馬鈴
ラブドールの背骨を拾う始発前 秋鹿町
絶望も愛も詰め込むマンホール はな
まるつけのじかんにばつをつけられる いゆ蘭
体臭はくっきりと偽バンクシー 城水めぐみ
プルタブで星をとらえる女子高生 岩倉曰
スカートの中はいつでも審議中 尾崎良仁
そこだけは水色の大人の事情 斉尾くにこ
耳打ちをせずに見ている絵の女 かつらいす
乱切りの胡瓜頂点から着地 袴田朱夏
国境を無傷で越えてゆくうどん 多舵洋
服を脱ぐときのもしかしたらお辞儀 御殿山みなみ
避雷針刺して苺は待っている 城水めぐみ
第149回(2019/2/10-2019/2/16投句分)
56名105句 森山文切選
どこよりも利率が高いチョコ定期 雪上牡丹餅
アンパンを食べてるメロンパンナちゃん 麦乃
※本体に幸せは付属しません。 岩倉曰
伸びしろのある二等辺三角形 はな
人の字が崩れ始める交差点 真島凉
いい人に出会いなさいと桃流す 多舵洋
石高を今でも自慢城下町 武良銀茶
とんがっているが殺意は消してある 青砥たかこ
神になる忘れな草を毟るとき 杏野カヨ
サボテンの励み私のバレンティン 浅井誠章
二の腕にずっと光を溜めたまま 笹川諒
二人ならホットミルクになれるはず くみくみ
浮き立って犬になれない車夫の群れ 秋鹿町
ニットから逆算される片想い 小俵鱚太
階段でガラスの靴は割れました 真島芽
去年今年春を待てずに猫は恋 田原勝弘
抜け殻のようにリボンが床に落ち くみくみ
仏壇に栞忘れる通い妻 涅槃girl
鍋つゆが消えて売り場に春が来る 諏訪灯
抗争の果てにちくわぶだけ残る 愁愁
壊されて尻尾だけ振るペットロボ 犬井隆太
春という布の薄さに透ける羽 斎藤秀雄
背泳ぎの間に噂されている 西沢葉火
カンカンをエロチシズムと見たロマン 澤井敏治
ほどほどの勝負下着でコンビニへ 羽根
勝手口を閉める浮気はしていない いゆ蘭
ほどかれて男ばかりの珊瑚礁 夏鵜
ボラギノールを疑う不貞行為 まさよし
リュウグウノツカイ共通一次試験 くに
新札をごめんなさいと折りたたむ 小林祥司
仏像の小指に似てる食べ残し 未補
あいうえお順だと気づく求人誌 御殿山みなみ
第148回(2019/2/3-2019/2/9投句分)
55名106句 森山文切選
冬木立巣箱みたいなバー「ひそか」 くに
義理チョコを同意の上で噛み砕く あまの太郎
沖縄の海にマリッジブルー溶く 藤井智史
たけのこの里だし半裸から全裸 未補
右側の視界が狭い目玉焼き 岩倉曰
下六のまま助走して春になる 杏野カヨ
水槽の濁りにたらればの話 いゆ蘭
トラウマを笑顔で話す出演者 まるち
雪に隠した赤出汁の反抗期 若枝あらう
妙な猫だね演歌が上手すぎる 秘まんぢ
本命にあげるのですか涙ごと 尾崎良仁
陽の当たる場所で金魚が目を覚ます 彦翁
鬼は外涙の跡が消えました  風間なごみ
半世紀ほとんどすべて恥ずかしい 麦乃
忘れても忘れられたくない甘え 青砥たかこ
口笛に込めた現状への不満 小俵鱚太
寒木瓜に父の壊れてゆく様よ 菊池洋勝
向日葵に追い回されて夢の橋 永峰半奈
うつ伏せで幽体離脱しています いゆ蘭
一斉に飛び立つ鳩時計の鳩 がね
短足が急いで食らうハンバーグ l996
衣擦れの音して冬が降りてくる 岩根彰子
からあげが嘘を吐いたら春が来る 平出奔
新宿を踏みつけたくて霜柱 西沢葉火
かにぱんの味を説明できている 御殿山みなみ
小指だけ真っ赤に染める年女 多舵洋
海のある星限定の泣きボクロ 夜凪柊
雪おんなスポーツブラが似合わない 芍薬
電圧をかけて開閉する翼 たにゆめ
ゆるキャラとならんで覗く炊飯器 エノモトユミ
戦力外通告された流れ星 ヨッシー
偽物の窓に映ってしまう霊 袴田朱夏
第147回(2019/1/27-2019/2/2投句分)
51名97句 森山文切選
二枚舌の内緒知ってるサンゴ礁 澤井敏治
字余りを吐き出してくるドライヤー 未補
再びの嵐の前の静けさか 雪上牡丹餅
ゲーム機を自分で買うが興味無し 大江マンソン
木彫り熊あひるの御虎子雪うさぎ サトシワタナベ
墨を置く度に入ってゆく宇宙 アゲハ
野良猫がわかった顔でポーズ取る 諏訪灯
前髪の向こうに話しかけてみる 西沢葉火
大根を切るセンテンススプリング 藤井智史
下がり眉森本レオのナレーション ヨッシー
寝袋をちょっとずらしている蕾 岩根彰子
豆撒きの巫女に恋するうぶな鬼 八郎
公式の廃墟に灯す1いいね 岩倉曰
おしゃべりなクリームパンを探してる 麦乃
引き算で残った僕は貴重品 小林祥司
ただ切ればいいってもんじゃないサラダ 阿部千枝子
ベランダに神話に出てきそうな石 御殿山みなみ
開ける前からやる気になっているカイロ 御殿山みなみ
巻き寿司の巻くまでもなく施工不備 馬鈴
郵便受けに大量の風   臭う 尾崎良仁
マチュピチュで子持ちししゃもを売るバイト ペンギンおじさん
ミッキーの耳がもげてるキーホルダー 甘酢あんかけ
修飾の一切なくし露天風呂 くに
トイレから鱗をめくる音がする 芍薬
黒幕のウサギの耳が長すぎる 平井美智子
団塊に平成という揮発剤 武良銀茶
なぎなたとあなたを換えにゆく市場 笹川諒
追伸が届いた速い川だった 斎藤秀雄
裏にまで色付けされてない切手 青砥たかこ
定冠詞付かない人の群れにいる がね
標本と朝が来るのを待つ画像 エノモトユミ
脳ソテー羊が恋をした部分 犬井隆太
第146回(2019/1/20-2019/1/26投句分)
50名93句 森山文切選
南国の男にインフルをもらう くみくみ
広告に独り身と決めつけられる 若枝あらう
お辞儀だけ上手くなる新入社員 がね
地面へと降りてきた雪寝転んだ 市川雄太
ミサイルにいつも空から狙われる 柊無扇
ゴミ荒らすカラスの瞳無垢だよな 井上雅代
思い出の脚色かもしれぬ八重歯 馬鈴
天国で千羽鶴を折り返す 涅槃girl
お役にはたたぬ楽しい相談所 くに
顔文字でごまかしているお断り よーこ
市役所で死亡届を書くゾンビ ペンギンおじさん
ハイボール手持ち無沙汰を混ぜ込んで 阿部千枝子
白梅やざんばら髪を見てしまう 岩根彰子
高齢化どこ吹く風とラリー戦 雪上牡丹餅
際限のない書き置きに脅される 杉倉葉
桑年の豆を掴める鬼やらい 菊池洋勝
裏面に赤々滲むペンの意地 多舵洋
しゃぶしゃぶの波に漂うお節介 八郎
ここだけの話きいてる鬼瓦 澤井敏治
ヨーロピアンシュガーコーンを武器にする あまの太郎
憧れの重さで軋む四十肩 犬井隆太
引き潮に取り残されている魚雷 西沢葉火
ものをなくした人の天国ものがない 御殿山みなみ
いっしんに月をゆすいでいる盥 笹川諒
ユキオンナこここっているホットヨガ サトシワタナベ
ライバルの出方を探る紙つぶて 小林祥司
合いの手をふたつ余計に挟むバグ たにゆめ
既視感に加担している蕎麦の海苔 岩倉曰
接続語やさしいだけじゃダメな人 まさよし
誰とでも付き合う大らかなサラダ ヨッシー
偽企画ちらちら白い歯が映る いゆ蘭
火星人もう遊べないとしまえん 秘まんぢ
第145回(2019/1/13-2019/1/19投句分)
51名99句 森山文切選
ロイヤルストレート腐乱臭がする 若枝あらう
DOUTORの黄色のOを挟む神 御殿山みなみ
介助の手息の合わない雑煮かな 菊池洋勝
迷わずに進むと落ちる落とし穴 彦翁
結婚を機会に止めたプレゼント 田原勝弘
空白を埋められぬまま中華そば 秋鹿町
ホットケーキ夜に焼きたい症候群 有村桔梗
卒業のアルバムに住む七福神 八郎
1ページずつずれていく母子手帳 芍薬
マックシェイクを飲み干す絆創膏 平出奔
ハラペーニョ脱力できぬ舌の罠 袴田朱夏
編み物の基礎をおぼえて蜘蛛になる 秘まんぢ
眠れないコップの底にヒカリゴケ 西沢葉火
筋肉に裏切られた鏡の人 小俵鱚太
胸の隙間にねじ込んだつまようじ 若枝あらう
遠雷とアイドルを抱くテロリスト 上篠かける
捨てたのは過去だけですかシンデレラ 尾崎良仁
偽物の恋へとバナナカステーラ 藤井智史
あの世にはスマホがなくて帰れない 犬井隆太
ハートにはされたくないと嘆くチョコ 宮下倖
舌先の散らばっている祝賀会 よーこ
理科室に性転換の非常口 福村まこと
パンドラの箱も最後は二進数 西泉アモ
サムネイルのわたしからまず愛してね いゆ蘭
雨の中検査結果の耳捨てる 青砥たかこ
終章の手前でふくむかりん糖 くに
子供らがむやみに使う蛍光ペン 甘酢あんかけ
さだまさし不幸の手紙読み飛ばす あまの太郎
もも組のみんなで決めた万馬券 いゆ蘭
風鈴を非営利で鳴らしています 笹川諒
したたってゆく水滴をみる網目 斎藤秀雄
レジ係の眉は鋭角傘を買う 岩倉曰
第144回(2019/1/6-2019/1/12投句分)
56名106句 森山文切選
定年後タトゥーを入れた母の勝ち ペンギンおじさん
スッポンがドリンク剤をイッキ飲み 多舵洋
おとなりも六十二円オキナワモ 武良銀茶
目標は薬が余らない努力 彦翁
闇さえも白一色へ雪の筆 八郎
前頭葉に在るグランドキャニオン まさよし
寄付高で受かった人の高枕 井上雅代
終電の終点出るとユートピア 八郎
今年また喜怒哀楽を待つ日記 田原勝弘
洗面器またはシャンプーまたは鶴 斎藤秀雄
敗北の砂の味する摩天楼 西泉アモ
執着を愛と錯覚するすずめ 多実果
リカちゃんの髪をバッサリ愛娘 阿部千枝子
ハイタッチより骨太なグータッチ ヨッシー
闘争の果ての北上川下流 岩倉曰
インク沼に嵌る透明ペンマニア 永見心咲
ブラウザ山を成し 煩悩の名残 みなみあきら
通気性ゼロの世界で深呼吸 犬井隆太
仕方なく夜の帳になる烏 笹川諒
マジックミラー越しに数える母の皺 秋鹿町
まっとうに使われ汚れきるお札 青砥たかこ
西側に箒を置いて客を待つ 藤井智史
部屋干しの懺悔は生乾きのまま 藤沢修司
わたしより深呼吸しているポカリ 平出奔
バールのような狂ってゆく虎の尾 秘まんぢ
真っ白なフラペチーノは嘘のあと 袴田朱夏
怪物が苗字を吸ってすぐ吐いた たにゆめ
マッチング率を気にする銀座線 いゆ蘭
黒船は来るし羊羹みたいだし 西沢葉火
後続の来るまで踊る模範生 福村まこと
ガードレールを外れて生きる三輪車 若枝あらう
被災地の天皇陛下着ぶくれる 菊池洋勝
第143回(2018/12/30-2019/1/5投句分)
53名101句 森山文切選
知りたくはない君の過去など別に 麦乃
新しい暦しばらく弄び 岩根彰子
キリン語で呼べば出てくるソクラテス 宮下倖
勉強部屋無くても出来る子はできる 田原勝弘
割り箸で過去と闘う深夜二時 岩倉曰
付箋紙がはがれ落ちてく中二階 エノモトユミ
無人島大きなヤシのヤシの有無 サトシワタナベ
偶発の辛子爆弾虫払う むぎのあわ
再入場ゲートで見せる蒙古斑 愁愁
何飲むか聞かれぬホットドリンクス 菊池洋勝
想っても体温計は嘘をつく 袴田朱夏
洞窟へ亀のふりして配達人 斎藤秀雄
森のかげ君の睫毛のカールせり 西泉アモ
偽物を造りたいから垢を擦る 西沢葉火
水の味忘れた頃に薬飲む 藤井智史
気の抜けたビールはみ出していくパス くに
関節のあたりにつける変圧器 平井美智子
タンポンの紐を引いたら割れる星 あまの太郎
峠だ蟻が叫んでいた場所だ 秘まんぢ
伊達巻の渦に呑まれて甘い蜜   花房香枝
「さみしいよ」フォロワーさんの白い息 尾崎良仁
三が日坊っちゃん刈りのような町 ヨッシー
恥じらいもオールフリーで初日の出 小俵鱚太
抽斗のひとつひとつにわたしの歯 斎藤秀雄
不器用な黄色信号だけの街 芍薬
ガチ家出檸檬一個が置いてある よーこ
不協和音の中でとろける鏡餅 若枝あらう
風俗の看板に仕込むアリバイ 秋鹿町
日の丸をナンパした日の胃酸過多 福村まこと
鳥の名のひと夕食にりんごだけ 馬鈴
パン屑は東京のほうだとおもう 御殿山みなみ
第142回(2018/12/23-12/29投句分)
47名89句 森山文切選
寝言でも「さようですか」を噛んでいる 宮下倖
ドローンで見下ろす専務の日常 あまの太郎
断トツに笠か帽子をかぶせたい たにゆめ
ダイエットしたけど恋はしていない 真島凉
気付いたら空転ブランコ乗りのキキ 笹川諒
人の手をまだ覚えてるコガネムシ 宮下倖
平成を貝殻節で撫で生す 岩根彰子
オフィスビル左脳に夜が忍び込む くに
仙台の朝を托鉢僧の鈴 いゆ蘭
アーモンドとしてあなたを救う豆 平出奔
設計上蛇口は過去を忘れます 芍薬
違う助詞使い大爆発の頭 藤井智史
期末試験ジャバウォッキーと夜を越す 羽根
押印が少し傾く免罪符 多舵洋
干し柿に粉をまぶした祖母の嘘 西沢葉火
ねっとりと干し芋が歯にキスをする 諏訪灯
通知表○の数だけ平等だ 真島芽
神様はお客様より表現者 ヨッシー
唾液かもしれないけれど雪の味 くみくみ
メンバーズカードを切った修行僧 袴田朱夏
幾たびも起死回生の鍋つかみ 笹川諒
お値段によって歩幅が変わります 尾崎良仁
横切った黒猫だって泣いている 日向彼方
ぬるい傷ひらかぬように福笑い 秋鹿町
魂のすすむ秒針アレルギー エノモトユミ
組み立てたロールケーキの上に月 エノモトユミ
答などないのか君の耳の穴 くみくみ
第141回(2018/12/16-12/22投句分)
51名95句 森山文切選
缶詰のキャビアつんつんしてないか 藤沢修司
病棟の廊下を満たす外国語 諏訪灯
駄菓子屋の扉に手書き手動ドア 阿部千枝子
褒められて伸びるタイプの評論家 宮坂変哲
雪見鍋 隣の女にTATTOOあり 坂中茱萸
合成の拍手が一歩遅れとり  なごみ
薔薇園で家訓を垂れる蒙古斑 福村まこと
不揃いの一本締めの胸騒ぎ 武良銀茶
電子音振り回されて台所 西浦雅代
抜け殻を拾う仕事に就きました 尾崎良仁
橋の下泡立草が風揺らす 梔子
不器用で五目並べの好きな指 彦翁
新年をムーンウォークで乗り越える あまの太郎
ラマがきてプレッシャーないガンバって サトシワタナベ
能面にうねる喜怒哀楽の情 澤井敏治
文鳥にのられて腹の底の川 斎藤秀雄
アラカンの恋して映す楕円鏡 三倉みなみ
墓石にだきついたまま死ぬ海月 上篠かける
脚韻をかわいく踏める猫と来る 杉倉葉
学会の中心に置くブドウ糖 いゆ蘭
忙しないリンゴの皮がたどる道 エノモトユミ
寮長の肩に命令形の闇 秘まんぢ
ちぎったらちぎった分を頬にせよ 袴田朱夏
歩きスマホと歩きスマホの2秒前 御殿山みなみ
勇敢なほうの水から作るお茶 笹川諒
くす玉の中で交尾ができる鳩 西沢葉火
エンディングまでは共犯者でいます くに
巻き上げた金で野茂の研究する 小俵鱚太
生牡蠣をすする天国にはゆけぬ よーこ
美しい隕石が降る妻の帯 川合大祐
物を乞うように血圧計に腕 ヨッシー
タイミング狂う四色ボールペン 藤井智史
第140回(2018/12/9-12/15投句分)
59名113句 川合大祐選
キャバ嬢の血清探すキスマーク まさよし
新宿の七夕 星の砂をまく 犬井隆太
「電話詐欺シナリオ急募」を鑑みる 秘まんぢ
ストラディバリウスで神を殴りたい 中村佐貴
金紙はいちまい荒野に立たされる よーこ
ラスボスもサンタも概念になった 袴田朱夏
聖少女うなじで脱皮繰り返す 藤沢修司
日陸川山谷草樹鳥虫死 斎藤秀雄
眠りたくなさと眠気の卍紋 歯痛
謎都市の謎スーパーの謎二階 歯痛
ですので穴という穴に指入れる 尾崎良仁
毛皮着てあたしちぎれてピンクなの 亀山朧
嘘をつくときの小さな破裂音 芍薬
頓服と正しく書ける三銃士 小俵鱚太
jpegで朝夕思い出す鯨 多舵洋
面接で毎年落ちる鍋奉行 たにゆめ
死神の寝床へ三日月は沈む 田村わごむ
自販機に常温の水探してる 田村わごむ
「降ってるね」「夜だね」「明日、睡ろ うね」 杉倉葉
制空権を失った日の喫茶店 杉倉葉
松ぼっくりオーバーワークだったのだ 森山文切
システムが反作用してくる手帳 未補
dボタン押す県境ずれてくる いゆ蘭
首のある魚になって泳ぐ駅 秋鹿町
紛うことなきカニかまを噛み締める 中村佐貴
何をチャラにしたいの担々麺の真っ赤 岩根彰子
先生が私の爪を食べた午後 甘酢あんかけ
機械式愛の卑猥をあおい鱶 亀山朧
流されている献花 早足の犬 いゆ蘭
有線で告げられた朝焼けの自死 秋鹿町
ナイアガラ カーテンの紐うしなった 芍薬
仏壇で気高い桃がとけてゆく エノモトユミ
森山文切選
「電話詐欺シナリオ急募」を鑑みる 秘まんぢ
全能の牛が持ち出す結果論 笹川諒
うるおいのあるうち異国から異国 青砥たかこ
金紙はいちまい荒野に立たされる よーこ
クレヨンの白が詐欺師のボスらしい 福村まこと
ラスボスもサンタも概念になった 袴田朱夏
聖少女うなじで脱皮繰り返す 藤沢修司
バス停で鯨が来たという知らせ 西沢葉火
おまんじゅう全部一口だけ食べる 真島芽
捨て去った苗字は雪になりました くみくみ
嘘つきを恵方側から黙らせる 岩倉曰
過去形にするとどんどん出る弱音 阿部千枝子
謎都市の謎スーパーの謎二階 歯痛
二件目ね火事のサイレン保湿しなきゃ サトシワタナベ
電車とは交われない送電塔 平出奔
頓服と正しく書ける三銃士 小俵鱚太
既視感も想定内の清水寺 小俵鱚太
何の略ポテトサラダじゃないのなら たにゆめ
鍵付きのエレベーターが指す明日 むぎのあわ
カマキリに廃刀令を説くオケラ あまの太郎
システムが反作用してくる手帳 未補
dボタン押す県境ずれてくる いゆ蘭
首のある魚になって泳ぐ駅 秋鹿町
有線で告げられた朝焼けの自死 秋鹿町
面接で毎年落ちる鍋奉行 たにゆめ
故郷の鬼笑うアンテナショップ はな
何をチャラにしたいの担々麺の真っ赤 岩根彰子
父ちゃんのちんちんボクを眩しがる 福村まこと
鉛筆をかんざしにして平泳ぎ エノモトユミ
紛うことなきカニかまを噛み締める 中村佐貴
制空権を失った日の喫茶店 杉倉葉
みつけようどうぶつえんの密猟者 愁愁
第139回(2018/12/2-12/8投句分)
51名96句 森山文切選
いっこく堂の間合いで語る特派員 ヨッシー
シマウマがパンダを騙す常套句 あまの太郎
AIが自動忖度致します 柊無扇
検査などご免ここまで生きたから  風間なごみ
履くときは覚悟を決めて白い足袋 阿部千枝子
ふたりとも頬に寝跡がある日の出 原田鴨目
秘め事は渡り廊下の奥の部屋 八郎
星からの白い憎しみ目に刺さる 上篠かける
蟹脚を折れば呪いは解けましょう 岩倉曰
花は勝手に開くものだと勘違い はな
頂上に残されているごはんつぶ 大塚凱
輪郭を思い出せない金閣寺 芍薬
イノシシもブタに恋して水鏡 武良銀茶
サヨナラがピアスホールに突き刺さる 多実果
金環食つなげて知恵の輪をつくる 真中北辰
過去を追う首が雑踏に紛れる 藤沢修司
海底で寝ていたかった微生物 犬井隆太
月光に不起訴処分を言い渡す 絵空事廃墟
モンスターボール持ち出す物理棟 伊湯蘭
戯曲では臭いのしない豚が鳴く 西沢葉火
へべれけに傘はそのまま高架下 田村わごむ
過ちのまっ只中の正常位 中村佐貴
ある程度何でもできる山へ行く 笹川諒
叩かれててろんてろんとなる初心 よーこ
絶望を星屑にする水樹奈々 藤井智史
おおきいとないのあいだが跨線橋 斎藤秀雄
噛みついてくるありふれている時間 くに
手拍子で煽ってちょうどよい交尾 未補
母の愛なく動物園のにおい 小俵鱚太
白線をジャージの本体にしない 袴田朱夏
背景の虹を無視する翻訳機 福村まこと
牛乳の蓋が詰まった募金箱 岩倉曰
第138回(2018/11/25-12/1投句分)
51名98句 森山文切選
三面鏡私だらけの地獄絵図 犬井隆太
This is a pen の響きで回る星 秋鹿町
間違えていたのはきみの方ですが 有村桔梗
自由から逃げたいままの日曜日 永峰半奈
あらすじが気になる植物物語 神丘風
小部屋でも机の上は夢舞台 小林祥司
森を出て次の森まで暇つぶし 芍薬
偽善者の声に鳩尾うずき出す 澤井敏治
死にたての鳥かなにかをファーにする 未補
秒針を西日が滑り落ちて夜 袴田朱夏
歳月は塩大福の粘りかな 岩根彰子
冬の夜スケッチブックの独裁者 日向彼方
目の上のほくろがひとつひとつ減る エノモトユミ
淋しいと耳から透けてゆく兎 toron*
歌留多撥ね飛ばすナイキのロゴマーク ヨッシー
おばさんに先を越されているあくび 御殿山みなみ
お祝いの豆菓子食べて鳩になる 真島朱火
平穏に見える凧にもある不安 彦翁
糊代の広さに油断してしまう 平井美智子
お金持ちのっぺらぼうになりました まさよし
満足のゆくまで白く塗るピエロ よーこ
人民の意志に反して昼寝した 杉倉葉
冷蔵庫のからっぽ  国家斉唱 尾崎良仁
文体が聖書のような督促状 秘まんぢ
しゃぼん玉だけの街にも鳴る時報 絵空事廃墟
舌打ちの絵が飾られた廃校舎 岩倉曰
琴線が鉄条網に引っかかる 冬子
それぞれに落ち着く方へ向く海鼠 西沢葉火
封筒の封をする結婚しない 斎藤秀雄
勲章の裏に隠した付け睫毛 福村まこと
魔女か淑女か写真判定されている くに
ゆっくりと燃えないパフェを食べている 笹川諒
第137回(2018/11/18-11/24投句分)
50名95句 森山文切選
ほめるから花を咲かせたブロッコリー くに
これが、今、ゴメンな、オレの、精一杯 サトシワタナベ
鰯雲 乾いた空で泳げない とわさき芽ぐみ
シャンプーのボトルのような鳥が二羽 笹川諒
可愛いは猫と子供にいう言葉 多実果
自分からやめるとやめられるお酒 ヨッシー
お似合いと言われ口喧嘩をやめる 彦翁
ハッシュタグつけて鬼から隠れる子 多舵洋
九時も十六時も同じどん曇り 田村わごむ
母親の笑顔が苦いミルクラテ 永峰半奈
自由って不自由だよね貯金箱 アゲハ
黙々と生きる毛虫の美しさ 犬井隆太
水平線ひとふで書きの潔さ 阿部千枝子
時速80キロと書いた待ち針 西沢葉火
性欲を童話の森で初期化する 福村まこと
石橋の下には常に渡し舟 岩倉曰
お多福がウインクしてる熊手買う 八郎
無理強いの果てに輪ゴムが弾け飛ぶ 藤沢修司
木に残す実を見定める祖父のゆび 芍薬
薄墨で書かれてるのがあなたです 尾崎良仁
鍵がないスーツケースの外は雨 エノモトユミ
バリカンを持つ狩人たちの宴 藤井智史
試験管さっき人魚が跳ねました まさよし
夕焼けをぼくたちだけで持ち運ぶ 絵空事廃墟
しんにょうを定年退職晴れて蛇 秘まんぢ
笑顔でも無表情でもない蝮 平出奔
赤い薔薇かかってこいと曼珠沙華 武良銀茶
そうめんを流す工面のかぐや姫 藤井智史
なしくずし的に丘などやってます 杉倉葉
第136回(2018/11/11-11/17投句分)
46名88句 森山文切選
戦争ゲーム買えばやる気が出る仕事 笹川諒
ナメクジの速度で渡る天の川 あまの太郎
宛先を書かず手紙を食べる牛 多舵洋
開花まで足音ふたつ足りぬ春 秋鹿町
予約券一枚持って冬に入る くみくみ
紅葉を羽織り銀座をランデブー 八郎
真っ直ぐに生きたい初心へと曲がる 藤沢修司
見せあえば鱶がくるのよぶれながら 亀山朧
白飯に嫁の気持ちを振りかける 真中北辰
猫バスを予約している帰り道 真島凉
聴診器あてて気づいた虹の治癒 絵空事廃墟
歳時記に吸われ真冬が死んでゆく 袴田朱夏
電飾の引き立て役としての闇 犬井隆太
雪国に雪が降ったというニュース 澤井敏治
ト書きにはなかった現場でインタビュー 岩根彰子
仙人がまた銀行の骨になる 斎藤秀雄
三日月の親近感は泣きぼくろ はな
一か所が痛んで調子良い体 青砥たかこ
ほんとうは保存もできる破門僧 杉倉葉
すべからく嘘たそがれが綺麗です toron*
浴槽の屁として消えた人魚姫 岩倉曰
泡で出るタイプになって見返すわ 冬子
四次会のちっとも残らないポテト 御殿山みなみ
空間自体を菩薩と間違える 絵空事廃墟
累積赤字にも見慣れないワルツ 藤井智史
白旗は振らぬマタドールの孤独 中村佐貴
無人島たのみもしない紅生姜 西沢葉火
水っぽいブルー漏電して発火 くに
第135回(2018/11/4-11/10投句分)
49名96句 森山文切選
愛に死す今のジュリーに言われても 阿部千枝子
 -○-○- どんな景色の置き忘れ とわさき芽ぐみ
旅先の夜空の星が僕を待つ 市川雄太
やる事がたくさんあると迷う指 やっこ
繭になる準備こたつにフリースで アゲハ
人を見ず咲いては散って山桜 武良銀茶
イチョウには負けたくない東京タワー 芍薬
ライバルが遠くになっている出番 彦翁
静寂に耳を塞いだクリスマス 日向彼方
やどかりがやどかりを食う小宇宙 岩倉曰
巻き爪の第一継承権を持つ 田村わごむ
真ん中を決めて右腕左腕 西沢葉火
伝言が芸術的に食い違う 犬井隆太
地獄絵図なのにホロリとさせる虫 小俵鱚太
はじまりを知り飽和するシリカゲル 秋鹿町
蒐集家のレコード棚に住む芸者 香菜
反撃の狼煙のためのおろし金 杉倉葉
むささびを淫靡なダウンロードかな 亀山朧
チャラ男当選のハガキ見て固まる 尾崎良仁
光から闇からこぼれゆく団員 絵空事廃墟
五線譜をまっすぐ進む警告音 あまの太郎
月皓々衛戍監獄雁渡る 澤井敏治
忘却を忘れた人が刻むねぎ 江西レイ
ニホンジンナラバヒノマルベントウダ 藤井智史
罫線を消せば自由になれる文字 冬子
やわらかく燃える畳が水の底 斎藤秀雄
白昼堂々レモンの爽やかさ toron*
唐揚げを担保に入れて握手会 あまの太郎
漸化式知っていそうな顔の猫 笹川諒
透明になれば虹呼ぶ水たまり 青砥たかこ
腹巻が伸びるじゃないか手を離せ ヨッシー
素麺を曲げずに茹でる裁判所 福村まこと
第134回(2018/10/28-11/3投句分)
57名110句 森山文切選
クリスマスソングに乗せて土下座する 中村佐貴
デボン紀の洗濯機からもれる砂 門脇篤史
換気扇回して外の空気読む とわさき芽ぐみ
思い出を共有すると苦くなる 青砥たかこ
半分に切って本音を覗かせる 彦翁
わたくしの架空を虎がゆく音か 亀山朧
鏡台に置いてあったな『桃の花』 ヨーグルト
同僚のタグが気になる午後三時 真島朱火
深まる秋父の髪まで霜降りに 田原勝弘
探偵と部屋干しのハンチング帽 小俵鱚太
しばらくは尖ってますと蟹の爪 宮下倖
純情な秋刀魚の腹を探る妻 多舵洋
明日あたり棒立ちになる銀杏 岩根彰子
ぱたぱたのたのときくちびるのさびし 斎藤秀雄
成否など知らぬ存ぜぬ栗ご飯 むぎのあわ
君の名は巻き舌できんから読めん 香菜
別の龍しろがねの尿まき散らし 川合大祐
どつかれて緩衝材のプレッシャー 冬子
換気扇フェイクニュースを吐き散らす 藤沢修司
終電車うさぎの耳を付けたまま 平井美智子
曖昧な返事に溶ける角砂糖 福村まこと
さりげなく無糖の恋をしています くに
海辺では人魚のはずの魚人たち 御殿山みなみ
ハッピーターンかかげ三日月かえりみち 真中北辰
竜宮で踊る魚の生活苦 犬井隆太
真四角な女の尻に無抵抗 阿部千枝子
カラスから任されているビット列 絵空事廃墟
ふりかえるたび透明な百合が咲く 秘まんぢ
マンホールの蓋を選んで死ぬ羽虫 岩倉曰
キリストの切手を貼って送り出す 芍薬
LAWSONの青が眩しい世紀末 あまの太郎
ぬかるみを缶ぽっくりのまま進む 秋鹿町
第133回(2018/10/21-10/27投句分)
44名87句 森山文切選
丸投げの仕事丸めて投げ返す 袴田朱夏
網棚に部長が置いたファッション誌 甘酢
たっぷりと込めた皮肉が通じない 彦翁
0と1抱き合わせればほら未来 たにゆめ
透明人間に飼われる透明犬 岩倉曰
走馬灯二秒で終わる悲しみよ あまの太郎
茶柱のエールに伸びる万歩計 澤井敏治
靴下に爪のアートをしまう秋 淀美佑子
躊躇わぬ君の強さとピアノソロ 藤沢修司
消化の良い言葉しか欲しがらぬ耳 青砥たかこ
三人の娘育てる四角形 まさよし
瓶ビール残して帰るオトナになりたい サトシワタナベ
カシミヤのセーター今日の指名打者 くに
僕が喋るとそれが川柳 ヨッシー
曇り空によるひとつの試着室 平出奔
防音シート鉄骨をひっぱたく 畑中玉菜
猫からの土産(おそらく消去法) 内山佑樹
恋破れ新装開店の痛み 冬子
靴下が穴そのものと気付く朝 西沢葉火
死にたがる人で賑わうタイムライン 小俵鱚太
賑やかな中で孤独な隅の椅子 小林祥司
睡眠不足なマグロが飲むココア 若枝あらう
悪いユニコーンに騙されて渋谷 中村佐貴
失恋の盾にならないコンドーム 秋鹿町
なんとなくワンダーコアに乗る化石 藤井智史
粘り勝つ九官鳥とのしりとり 香菜
孤独でしょうかラー油を足しましょうか 尾崎良仁
マスキングテープの下にある地獄 門脇篤史
砲台の動力になめくじも要る 田村わごむ
ライバルの眉間をせまくする稽古 斎藤秀雄
盛り塩のように末尾にある絵文字 笹川諒
柚子ひとつ残して地球平面化 川合大祐
第132回(2018/10/14-10/20投句分)
58名112句 森山文切選
助手席でカーブのたびにフィーと鳴く 香菜
へそくりを挟んだ本の背が歪む ヨッシー
人間に近づいている武者震い はな
飲んで詠まれる句の身にもなれよ俺 袴田朱夏
来光は蜜 禁を犯した地底人 真中北辰
(本人の申し出により削除)
おっぱいに埋もれて眠る月旅行 まさよし
ストレスの抜けた湯船に屁こき虫 阿部千枝子
どれだけの上から目線なのよ雲 くに
入門書ひしゃげる君の個性他 サトシワタナベ
あいまいにうなずく敵に囲まれて よーこ
嵐の日キリンが街で暴れ出す 犬井隆太
図星だったわ誉め殺しの戦法 岩根彰子
出る杭のまんまで平和チンアナゴ 芍薬
隣室のアラームが止まる 歯痛
G線の上で鰹節が狂う 若枝あらう
もっともな言い訳じみたスムージー 淀美佑子
攻防のゆくえは古稀のちゃんちゃんこ 肉球姉
林道をメビウスの輪にする仕事 多舵洋
かんたんな時計のしくみ担う耳 斎藤秀雄
宛名まで女たらしの文字で来る ヨッシー
東雲に小豆のチョコが不味すぎる 笹川諒
遅刻者の右手だけ切っていた爪 御殿山みなみ
赤と青激しく求めあう林檎 小俵鱚太
引力は上から市立乱気流 内山佑樹
へきえきが気体になって消えていく とわさき芽ぐみ
いつ来ても曇天のプラネタリウム 秋鹿町
縁あってエヴァ初號機と詰将棋 秘まんぢ
物置で善人になるリハーサル 冬子
結果的に恋文となる置き手紙 門脇篤史
声優のあだ名のような断末魔 中村佐貴
好き勝手したあとの東京ばな奈 尾崎良仁
第131回(2018/10/7-10/13投句分)
55名105句 森山文切選
お小言は連座ですからシオコショー 冬子
去り際が今日イチ嬉しそうだった 岩倉曰
妻の目がセンサーになる盗み酒 彦翁
弁当に仕込む総菜夜つまむ 真島朱火
甘くない梨まあまあと言って食う サトシワタナベ
紙切れにたった五文字の殴り書き 日向彼方
誤字脱字あるから楽しみな会話 青砥たかこ
薬局で医者の評価をする患者 田原勝弘
街灯り指鉄砲で撃っていく 香菜
句読点入れて傾聴ものにする 阿部千枝子
ボロボロの手には恋よりステロイド むぎのあわ
三人称ばかり纏っているピエロ ホッと射て
みぞおちに下がる遊泳禁止札 まさよし
ギアチェンジ秋の星座を吸い込んで くに
セルフレジに叩く小銭のありったけ ヨッシー
ほら穴にクイズを残す原始人 武良銀茶
ここらへん全部いぬなのほんとなの 夏鵜
電池切れですが少しは笑えます 尾崎良仁
海底に眠る信者の喉仏 秋鹿町
縁側でエンドロールを見る老後 あまの太郎
君の飼う異形の鳥を見てしまう 笹川諒
長居してしまう金木犀の膝 岩根彰子
アリクイのいやらしすぎる指使い 芍薬
菊花賞の当たり馬券で鶴を折る 若枝あらう
名は体とせめて雅号でするおしゃれ 敏治
面接のドアノブ冷た過ぎないか 藤沢修司
ピザマルゲリータと照れず云えて、完 toron*
付箋紙に愛されている音楽家 内山佑樹
伏線を糸こんにゃくとすり替える たにゆめ
あたりいちめん口内炎のない埴輪 御殿山みなみ
オールフリー人質っぽく生きてきた 小川優
盲点を見合う至近距離の寿司屋 斎藤秀雄
第130回(2018/9/30-10/6投句分)
61名118句 浜﨑結花選
おしゃべりな両目を糸で縫い付ける 須賀琉
雷をヘソに飼ってるのは秘密 麦乃
コスモスに風がダンスを振り付ける 折鶴翔
大戸屋のすぐ側にあるやよい軒 小俵鱚太
ムナシイと何度書いても風である くみくみ
じいちゃんが逝って箒を持たされる 真島凉
くずかごのナイスキャッチにする拍手 小林
真夜中の背徳的なアブラゼミ 甘酢
青空を排除したのち目を閉じよ 杉倉葉
キャラメルを?み潰してるワンルーム 西沢葉火
悲しさの見本帳には載ってない 江西レイ
ひたむきな背中についている翼 徳重美恵子
足湯感覚で並んで謝罪する ヨッシー
珈琲を飲んで夜長をすぐ寝る とわ
ポケットを覗いてみたらミシガン湖 あまの太郎
アジフライ集めて海に返す人 あまの太郎
肉まんの中で真理が減っていく 芍薬
何はともあれ赤チンを塗り昭和 岩根彰子
かんたんに殴れてしまう東京都 水沼朔太郎
ワールドエンドらしいですけど二連休 平出奔
また床と対話していて午前二時 toron*
無言電話だが心の声だった toron*
引き出しに畳んでおいた花畑 ただよう
かろうじてわかめラーメンほどの海 門脇篤史
がんばっているね眩しいほど光る たかこ
幸せを分母にしても割れぬ桃 福村まこと
手紙から水が溢れてあかるい眼 斎藤秀雄
手の甲に爆発物の化学式 御殿山みなみ
喋る自販機で嫌になった 歯痛
水漏れに注意と笊に書いてない ヨッシー
くちびるに触れてどんぐりから和音 斎藤秀雄
君泣けば泣くよ鈴虫なんだから 秘まんぢ
森山文切選
変身後戻れなくなる初期不良 須賀琉
花になれ思い出せない言葉たち 麦乃
詩を求め南半球渡る鳥 小俵鱚太
林檎だけ持ち込みできるプロジェクト 内山佑樹
天国で「消しゴム」なんて言っちゃだめ 内山佑樹
ムナシイと何度書いても風である くみくみ
背中には愛され人と書いてある くみくみ
愛憎の憎を毛抜きで取り除く 岩倉曰
真夜中の背徳的なアブラゼミ 甘酢
キオトンとギャルのおしゃれな物忘れ 敏治
キャラメルを?み潰してるワンルーム 西沢葉火
くちびるに触れてどんぐりから和音 斎藤秀雄
手紙から水が溢れてあかるい眼 斎藤秀雄
跳び跳ねた水滴が描く世界地図 とわさき芽ぐみ
急速に冷え込む壇上の野原 藤井智史
足湯感覚で並んで謝罪する ヨッシー
突然にプロポーズするコルチカム はな
詫状の便箋うっすら鬼薊 よーこ
歯ならびの気になる胡麻煎餅のあと 淀美佑子
喋る自販機で嫌になった 歯痛
台風がひた隠す星の脱獄 芍薬
無言電話だが心の声だった toron*
引き出しに畳んでおいた花畑 ただよう
かろうじてわかめラーメンほどの海 門脇篤史
君泣けば泣くよ鈴虫なんだから 秘まんぢ
捺印の少し手前の絶頂期 平井美智子
流血がもたらしたアイデンティティ 歯痛
何はともあれ赤チンを塗り昭和 岩根彰子
ワールドエンドらしいですけど二連休 平出奔
十字路によくないほうのまあいいか 御殿山みなみ
幸せを分母にしても割れぬ桃 福村まこと
じいちゃんが逝って箒を持たされる 真島凉
第129回(2018/9/23-9/29投句分)
50名96句 森山文切選
和訳した嫌がらせならよく分かる 柊無扇
胃薬を飲んで息子の話聞く 小林祥司
休み時間 透明だから無視される 峰岡名負人
本気にはならないなんていうホンキ 心咲
情欲の海を彷徨う知恵袋 八郎
いくつもの罪を背負ってきた丸太 ホッと射て
熱帯夜竹を蹴やぶるかぐや姫 須賀琉
軒先にススキ吊るして月見酒 肉球姉
お月見は金粉入りの酒にする 彦翁
火の鳥がなかなか鳴かず強火にす 秘まんぢ
さよならを言う暇もない海綿体 あまの太郎
嬉しいと回覧板は自転する たにゆめ
眼科医と水トラブルの修理する まさよし
ドーナツの輪だけ妹食べ残す ただよう
黒猫が毎晩通う魔女の墓 江西レイ
大井町で見た夕日よりも赤い 小俵鱚太
案山子にも靴擦れがある収穫期 芍薬
病人が出て火葬場に救急車 ヨッシー
白球がテニスコートで逃避行 平出奔
立って座って起きて眠って鳥のくに 斎藤秀雄
ときとして過呼吸になる千羽鶴 冬子
くる時が来た 切手が逆に貼ってある 敏治
逆に言う。そういう観音像もある。 内山佑樹
パラパラのチャーハン バラバラの二人 藤井智史
首ぷかり夫婦で年金の波間 藤沢修司
鬼の首取ったかのよう母子手帳 浮舟
ダークモカチップクリームフラペチーノと蚊 御殿山みなみ
ハレとケを撹拌カフェオレできあがる よーこ
善人のマジックテープ式の靴 岩倉曰
睦言に死語をたくさん入れてみる 杉倉葉
歯ブラシが開き切っても入社式 西沢葉火
飽和した誰かの投げるガラス瓶 くに
第128回(2018/9/16-9/22投句分)
47名93句 森山文切選
吐血下血頑張るって何ですか くみくみ
ハヴァナイスドリル悪夢を蹴散らして 御殿山みなみ
想定外言って重ねる青シート 田原勝弘
こだわりのシャンプーだから女の子 真島芽
ファンファーレなにもはじまらないけれど toron*
こだわりがあって竹刀は五千円 真島凉
十分に餌与えても鳴くひよこ 徳重美恵子
五線譜のト音記号が逃げていく 冬子
リフォームができぬ私へ風の声 小林祥司
嘘ついた口から順に縛られる はな
お散歩の犬自慢気に尾を立てる アゲハ
友達の数より多いミミズ腫れ 岩倉曰
メガネザル拡大鏡は持ってない 龍せん
殿様にそっと差し出すぶぶ茶漬け 芍薬
あの人にウインクされるうふふふふ 八郎
寝る前の数値はかなりちびまる子 尾崎良仁
ENEOSで煙草を吸っている河童 平出奔
切り札を忍ばせてから焼くスルメ 畑中玉菜
カンブリア紀の地層フォークで崩す朝 麦乃
ブラックリストにホルモンだけが載る 藤井智史
今夜だけ泣き虫になりたい蜻蛉 若枝あらう
それはそうとお父ちゃんが沸いている 岩根彰子
流体の猫が化けたるわらび餅 江西レイ
耳寄せて枕のなかに過去さがす 藤沢修司
図書館に猫と住むのは不便です あまの太郎
ベーコンを焦がし嫉妬を植えつける 秋鹿町
クレーマー相手にさけぶ赤いペン ただよう
美容室行って松葉ガニで帰る くに
病室の雨は昨日と変わらない くみくみ
カードちらばりトランプマンの帰省 斎藤秀雄
冥王星に住む干からびた男 藤井智史
星々の呼称を巡る判決書 杉倉葉
第127回(2018/9/9-9/15投句分)
50名95句 森山文切選
ラーメンがあるから明日も大丈夫 真島芽
豊漁の秋刀魚を待っている小銭 彦翁
お酢ドリンク酷暑へからむ酔っ払い 芥子
手も足も出せずウィンクする達磨 宮坂変哲
愛だけをさがせ俺の言葉から 秘まんぢ
夕立がゲリラに変わる温暖化 小林祥司
満足の隙間が愛に飢えている 八郎
読み方と文化をゆるす放生会 むぎのあわ
一昨日の天気予報が戦犯に 海月漂
きぬかつぎつるりゴメンネはしない よーこ
やさしさを包み損ねた卵焼き 秋鹿町
食券をちぎって放る濡れている 西沢葉火
逆光の胸の谷間に咲いた恋 敏治
新潟のロックバンドを食べる蛸 平出奔
点Pがこの時空から動かない toron*
三味線に愛されちゃった猫なのよ いなだ豆乃助
嗚呼秋刀魚人智の及ばざる焦げ目 岩根彰子
ゆっくりと空気を抜いたカラスウリ くに
落款のように顔出すヒッチコック ヨッシー
えんぴつの産むぼんやりとした卵 斎藤秀雄
悔しくてサラダ記念日また開く 小俵鱚太
踏み外したものから順に蝶になる 門脇篤史
学校も自転車小屋も急に秋 真島凉
匂い嗅ぐおんな立方体になる 尾崎良仁
干し芋はいつも本気で攻めてくる 畑中玉菜
風景として鉄オタに許される 御殿山みなみ
少なめの破線をなぞる雨の日々 杉倉葉
季が巡り割れないお皿また使う 徳重美恵子
駄菓子屋の隅で売られる出会いクジ 若枝あらう
嫌味には鈍いタイプの能力者 岩倉曰
虚無感を訴えている冷蔵庫 toron*
ぞうさんみたいに小さくあるこうね 西沢葉火
第126回(2018/9/2-9/8投句分)
47名89句 森山文切選
ツイッターすこし黙って雨だから 芍薬
期限直前とても密度の濃い時間 アゲハ
泣かされた日々を赦して虹をみる  風間なごみ
切手買い幸福感に抱かれる 龍せん
奥の手にみりんを使ってくる姑息 浮舟
気遣いの嘘を盛ったり飾ったり くに
辛抱が足りず悪魔の手を借りる 福村まこと
じいちゃんの分まで食べて叱られる 真島凉
プチプチが知ってしまった二枚舌 徳重美恵子
家を出る前に宿命背負い直す toron*
核なくし未来のサルに夢残せ 柊無扇
ララバイと金の瞳で笑う猫 麦乃
ストローの先が吸い込むレモンの黄 ホッと射て
信じると決めたとたんにスライダー 冬子
じいちゃんの薬をイチゴ味にする 真島芽
就活にワイシャツの持つ市民権 敏治
晩年を泳ぐ自由な雑魚として 藤沢修司
炎天の自販機前にたむろする くみくみ
特別な日になるはずだった誕生日 やっこ
形見分け一眼レフとナース服 愁愁
水かきの膜がやぶれてから九月 斎藤秀雄
満月が言ったか言わずかフリーズ はな
月に居るサイレンもなし風もなし 峰岡名負人
マネキンの呪いが臭うワンピース 秋鹿町
貧乏ゆすりするときは甘い桃 尾崎良仁
ぶんぶんと軍靴あかるいヨーデル 岩根彰子
店長の頭につけた避雷針 須賀琉
極道な草にもあったうぶな頃 阿部千枝子
シルバニアファミリーなりの世間体 たにゆめ
ダイコンとイモ第三者委員会 よーこ
日常の隙間を埋める猫の砂 あまの太郎
一行詩配水管のひと捻り ヨッシー
第125回(2018/8/26-9/1投句分)
43名84句 森山文切選
台風をぽっと産みだす青い海 彦翁
豪傑もアルケミストも明朝体 toron*
終電に山高帽の犇めいて 愁愁
教えない方が教えたことになる ヨッシー
心臓の電源を切り床につく ぬれおかき
暑くても秋は来たよと虫の声 田原勝弘
死神はどこで待つのかクエスチョン 若芽
アンテナに躓きそうな美容室 はな
詫びている夢で無沙汰の人に会う 峰岡名負人
何ひとつ思い出せないけど元気 麦乃
妄想が続くお祈り的時間 平井美智子
ララバイのポイント貯まる感謝デー たにゆめ
利き腕で盗んだものは離さない 冬子
文化圏木の実はタコを拒絶する 畑中玉菜
新ドラマ粗熱抜けてから観よう アゲハ
偶数のページだけ盗る知能犯 芍薬
ふところの鬼が抜け道探してる 福村まこと
台本も編集もない生の声 徳重美恵子
ヒーローが堕ちてゆく螺旋の月夜 秋鹿町
棘のない薔薇になるから捨てないで あまの太郎
かざぐるま止めて蛇柄だったとは 御殿山みなみ
あげまんはカレーうどんの刻み揚げ 岩根彰子
シマウマの白だけを踏むイエス様 海月漂
ふところの箱とリボンと輪ゴムと詩 よーこ
札束に見向きもしない蟻の列 敏治
ゴキブリの思考回路は無限です 武良銀茶
二十年熟成させた色眼鏡 須賀琉
儒艮食う犬猫猿の痴話喧嘩 いなだ豆乃助
背番号つけても亀はマイペース くに
枝豆の形に日焼けするおなか 岩倉曰
どもらないで言えるだろうか蝉電話 斎藤秀雄
婚活に牛のゲップを挟まれる 藤井智史
第124回(2018/8/19-8/25投句分)
47名90句 森山文切選
なんで消すんだよセンサー付きトイレ ヨッシー
脇道にそれていますよシンデレラ 冬子
夏バテか蝉はそそくさ店仕舞い はな
お互いの笑いがずれる翻訳機 武良銀茶
太陽も自律神経乱れてる まさよし
落雷の騒ぎ晩夏の祭り唄 アゲハ
脳内に巣食ったデマの見本市 須賀琉
人の世を捨てきれなくてシュノーケル 西沢葉火
埼玉じゃ最先端のサイコパス あまの太郎
逮捕して逮捕してもう笑わせて 芍薬
空っぽの犬小屋洗う殉教者 福村まこと
悪党の首を洗ってさしあげる くみくみ
手こずらす仔馬大化けする予感 ホッと射て
台風の進路相談員不在 海月漂
手掴みのブルームーンが凍えてる 霧島龍
ちがうけど一緒に相撲でもいいよ 御殿山みなみ
どこまでも生きる納豆かき混ぜる 尾崎良仁
朗らかなヒマワリわはははと猛暑 敏治
B面に入ったとたん伽藍堂 toron*
舌を出すオフショルダーの谷間から くに
アボカドの柔さを看取る熱帯夜 八条ハチ
皿洗い童話の中にいるみたい 真島凉
うずまきメガネの変人ですどうぞ 藤井智史
肩こりによくきくアクセント辞典 斎藤秀雄
放課後のホテイアオイのぽあんぽあん 岩根彰子
辻褄のあわぬ劇中劇の馬 秘まんぢ
7本の楽譜にしよう夏の雨 真島芽
無呼吸がせがむ猪木の平手打ち 阿部千枝子
少しだけ酸素が薄いセルフレジ よーこ
ライオンの歩幅で核心に迫る くみくみ
姉さまのアイス最中は埋めました いなだ豆乃助
第123回(2018/8/12-8/18投句分)
47名91句 森山文切選
一回もいいねを押したことが無い 龍せん
さびしさとかくれんぼする 結末 斎藤秀雄
妻が留守心行くまでパラダイス 折鶴翔
鳥に名をつければいいと思わない たぶん
消しゴムじゃ消せぬ思い出炎上す あまの太郎
グローブと盃が要るボクシング よーこ
空落ちる気配で雨を手のひらへ 霧島龍
また猛暑ノルマ棚上げ万歩計 敏治
ビールより贅沢過ぎるかき氷 彦翁
盲点を突かれてぬるい茶にむせる 藤沢修司
きりのいいとこでおしまいなんて夢 麦乃
猫だって散歩もしない島の夏 心咲
素手よりも福神漬けで黙らせろ 秋鹿町
老いの目に滲んだ火星らしきもの 枯山水
表から雨の上がった音がする ヨッシー
椅子取りを始めた日から仲間割れ  なごみ
明け方にぴょきょきょきょきょーと鳴く仕事 平出奔
海亀の産卵 闇の破裂音 福村まこと
頸椎をトントン落ちていく詭弁 くに
ドロドロの酒呑み 二日ばかり白 藤井智史
猛暑日は傍観者ですけどなにか 尾崎良仁
少年は天地無用の恋をする 冬子
鳥葬をすれば容易くアルデンテ toron*
人が逝き探し出せない顔写真 田原勝弘
めくれてるだけで羽ばたくわけじゃない 西沢葉火
九点のリード守れぬ黙示録 海月漂
終末はみんなアバラが折れている toron*
コガネムシ超過積載疑われ 徳重美恵子
泡立ててリスクとらない微炭酸 くに
淋しいと蛸が黄色くなっている 芍薬
偽札の女王陛下の目が燃えて 秘まんぢ
第122回(2018/8/5-8/11投句分)
44名86句 森山文切選
育休の代替ですし夜を買う むぎのあわ
どうやって繋ごう切れた赤い糸 真島凉
そーめんで細々凌ぐ老いの夏 枯山水
たましいが透き通るまであと二回 海月漂
神輿美女ピアスきらりと輝いて 阿部千枝子
囲われる覚悟聞けずに暮れる道 峰岡名負人
子宮からちるちるみちる糸になる 芍薬
熱帯夜寝不足気味の扇風機 武良銀茶
あの世へのガイド集まる盂蘭盆会 敏治
この国に生まれちまって鷹の世話 秘まんぢ
モシモシと亀に言葉をかけられる 麦乃
ビル街に月の欠片が見えている 須賀琉
月を背負えよ少年の青き肌 秋鹿町
白線の内側にいる蟻の列 まさよし
臨月に機密盗んだ菩薩像 あまの太郎
画面から妖しく招く雪女 アオイ琉星
ananの特集ギャルの血はミルク 尾崎良仁
補聴器を外しムンクの絵に入る 藤沢修司
叩いてごらんよとんぼのいた場所を 斎藤秀雄
テーブルに指環海月になる時間 岩根彰子
親父バンドに嵌る第三反抗期 ヨッシー
蹴出しから艶めく脛の阿波踊り 八郎
ちんちんがパンダでなけりゃ何なのだ たにゆめ
兵隊を止めているのか地平線 くみくみ
致死量を客に量らすセルフレジ 福村まこと
言いわけは受けつけません備考欄 冬子
ポイントは書き順だった薔薇の文字 小林祥司
校庭に夜間飛行のくじらぐも 若枝あらう
先っぽにソフトクリームなりの意地 西沢葉火
恐妻が消える魔球をキャッチする よーこ
アイライン濃く黒豹になると決め くに
サンダルを黄色に塗って海へ行く 真島芽
第121回(2018/7/29-8/4投句分)
41名79句 森山文切選
バイク便差し出すお茶も飲まず行く 徳重美恵子
沖縄に行って徹夜でいちごつみ くみくみ
瓶ラムネひと口ごとに語る夢 かしくらゆう
よく見れば陽が射している曇り空 五貫
ゲタはいて浴衣わたしは日本人 真島芽
残り火で料理できない蟠り 阿部清明
シャーペンの刺さり具合で吉とする いなだ豆乃助
何でも言える色鉛筆は十二色 東川和子
歩かぬと背いた父の道に出る 藤沢修司
泣き止まぬ爪ぱちぱちと切れば月 芍薬
柿の木の上で消え方かんがえる よーこ
つめたいさかなを解き放つ胃の底 斎藤秀雄
遠縁の火星人きて留守の星 秘まんぢ
除霊代払えないのに犬を飼う あまの太郎
ゴッホの耳が落ちているひまわり畑 ホッと射て
たっぷりのギャザーを洩れてくる噂 くに
遮断機の先に広がる蜃気楼 はな
妹の浴衣にちょっと嫉妬する 真島凉
新聞で包んだ過去に芽が生える 福村まこと
田んぼを横切る揚羽のコスプレで 斎藤秀雄
キリギリス踊る非正規のプライド 畑中玉菜
サムネイル縮小される母の時 かなず
アフリカのようにみなぎる土踏まず ヨッシー
馴れ初めを決めてしまった大花火 阿部千枝子
夕焼けにトーテムポール投擲す 秋鹿町
夜勤明け製氷皿も眠れない 西沢葉火
縞馬の尻にほうれい線がある 平井美智子
ボルダリングまだ童話には出てこない 敏治
第120回(2018/7/22-7/28投句分)
47名91句 加藤当白選
ひと言の間合いで負けた口喧嘩 彦翁
日曜は甲羅を脱いで干しておく 冬子
荷崩れは些細な嘘ではじまった 冬子
玄関で葉っぱを取って父になる まさよし
古参兵お辞儀の角度責めてくる 武良銀茶
念願を果たせとダルマ白目むく 小林祥司
朝食べて夕に吐き出すビルの街 小林祥司
割り引いた手形のようなキミの顔 水品団石
熟れている柑橘類に嫉妬する 霧島龍
手に入れるなりたい人になる鏡 麦乃
古里が遠くなる歳取ったから 颯来
嫌なこと忘れるための苦しさよ  風間なごみ
すぐ凹む性質だが弾むのも速い   風間なごみ
ふるさとが無いので妻の背を洗う 尾崎良仁
ひまわりに書き込む夏の時間割 ヨッシー
名をつけてしまったモノは手ばなせぬ 澁谷さくら
半分寝てるとひらめきやって来る アオイ琉星
飲み残しのコーヒー浮かび上がる嘘 はな
はっふんと空をほうばる現在地 くに
生きながら樹皮を喰われて白骨樹 くに
明日は雨痛み知らせる手術跡 田原勝弘
窓枠にしがみ付いてる自己顕示 八郎
喝采に打たれたかったトタン屋根 西沢葉火
蜘蛛の巣に蟹座のあなた感電死 秘まんぢ
底なしの沼に落ちてもお味噌汁 徳重美恵子
赤ちゃんのグーに真新しい銀河 海月漂
五丁目の全部のネジが盆踊り 尾崎良仁
大木に生かされている命綱 阿部清明
教室の壁にノンフィクションの傷 森山文切
森山文切選
荷崩れは些細な嘘ではじまった 冬子
窓枠にしがみ付いてる自己顕示 八郎
玄関で葉っぱを取って父になる まさよし
古参兵お辞儀の角度責めてくる 武良銀茶
色紙の八百屋リアルなおままごと 芥子
賭博開帳図利罪     夏のハムレット いなだ豆乃助
除草剤撒いて部屋から眺めてる 鮎川弘子
熟れている柑橘類に嫉妬する 霧島龍
雨風が去れば折りたたまれるボク 藤沢修司
幸福の果てまでとんぼついてくる 斎藤秀雄
喝采に打たれたかったトタン屋根 西沢葉火
梅干しと呟きながら砂丘まで 芍薬
かき氷分け合いアツくなってゆく かしくらゆう
年表に徘徊止まぬ元右翼 福村まこと
五丁目の全部のネジが盆踊り 尾崎良仁
名をつけてしまったモノは手ばなせぬ 澁谷さくら
二切れの鰻がうまい誕生日 東川和子
台風ニュース早口になってくる 東川和子
赤ちゃんのグーに真新しい銀河 海月漂
交尾するのも馬鹿馬鹿し蝉鳴かぬ 菊池洋勝
狂い出すサンバのリズム夏祭り 伊藤みこ
ニッコリと笑う引き分け匂わせて 芥子
パトカーの中で教わる黙秘権 水品団石
蜘蛛の巣に蟹座のあなた感電死 秘まんぢ
ふるさとが無いので妻の背を洗う 尾崎良仁
飲み残しのコーヒー浮かび上がる嘘 はな
炎天の仕組みがわかるセミナーへ 斎藤秀雄
ひまわりに書き込む夏の時間割 ヨッシー
老いの坂そろそろ「ん」の背が見える 藤沢修司
第119回(2018/7/15-7/21投句分)
36名71句 森山文切選
暑いあついだんだんアツイ棘になる はな
好きな人いるよいないよウフフフフ 真島芽
働いた汗が呼び水虫刺され 阿部千枝子
父の家行ったらいつも肉がでる 青井アダン
太陽が往復ビンタする日焼け まさよし
忘れても覚えていますわたくしが 徳重美恵子
流れまい脚を踏ん張る渡月橋 八郎
クレヨンにお祝いされる誕生日 海月漂
避難してきたか網戸に付くヤモリ アゲハ
夏休みもう宿題が通せんぼ 真島芽
再生か屠られていく桃ミカン 畑中玉菜
美しい狩人の矢だ射られよう ホッと射て
産んだ日の鶏に言えない卵の値  なごみ
酒呑むとスーパーマンになる男 冬子
夏休みだからなんだと竹刀振る 真島凉
向日葵が徹底的に無視をする 芍薬
マンゴーが届き家族が殺気立つ くみくみ
すれちがう水の匂いのするひとと よーこ
虫入りの飴を飾った世紀末 霧島龍
太陽をふたつ身ごもる反抗期 福村まこと
月が浮く程度の比重だったのだ 西沢葉火
届きましたか心拍数の乱れ打ち 岩根彰子
カミングアウト水漏れをするように くに
おそろしい袋にためる押しボタン 斎藤秀雄
蟻に噛まれた足を切る話聞く 菊池洋勝
戻れなくなりたいミステリーツアー ヨッシー
ベランダのトマトほどにも気取れない 藤沢修司
打ち水もされない道が泣いている 伊藤みこ
第118回(2018/7/8-7/14投句分)
34名66句 森山文切選
妹が反抗期です無視します 真島凉
かわいいと自分で言っちゃダメらしい 真島芽
その先は言わずにおこう負けは負け 小林祥司
パワハラに耐えてパートの七十才 井戸野蛙
富士登山疲れを飛ばすご来光 田原勝弘
風鈴の短冊止まる熱帯夜 両澤行兵衛
父として肩を落としている背中 阿部清明
三センチ不足でいい人になれず くに
間男が来るまで金魚眺めてる 冬子
少女から祖母のにおいがして電話 斎藤秀雄
形状記憶してワイシャツはとぼけない 敏治
オムライス卵のキミをキャンバスに 芥子
恋ばかり熟し青いまま落ちた実 藤沢修司
金魚すくいの紙は資本家側に付く  ヨッシー
β波の方へ動いていく身体 くみくみ
百円で揃ふ入院の持ち物 菊池洋勝
死神が暑中見舞いを手書きする 芍薬
無意識の雨は差音となりとどく くに
鳴り止まぬケータイ 頭突きする金魚 福村まこと
完璧なものに出会えぬボールペン 武良銀茶
仙人になれと寿命がまだ伸びる 彦翁
辛味大根その足跡をボソボソと 岩根彰子
 「ないふ」「かみそり」ひらがなにすればいい 尾崎良仁
サラダサラダあさってのこと考えよう よーこ
熱帯夜ハイなカエルの子守唄 畑中玉菜
竹輪から漏れた話のせこいこと 西沢葉火
第117回(2018/7/1-7/7投句分)
34名67句 森山文切選
点滅が始まる前に肉料理 阿部千枝子
ごめんねが熟睡をするお爺ちゃん まさよし
曲がり角まっすぐ歩く酔っ払い 武良銀茶
夏用にしたい私の剣道着 真島凉
飲んでいました アリバイはありません 平井美智子
遠浅の海だ楽観主義でいく よーこ
携帯を鳴らしてくれる夏の虫 くみくみ
とりあえず着たらまわりもストライプ 徳重美恵子
そこをどきなさい悲哀が通ります 斎藤秀雄
こっそりと浮かんだ今日の土踏まず 西沢葉火
小躍りの田毎の月が迎えてくれた 岩根彰子
この道で行けよと水たまりに虹 海月漂
塀越しのトマトの熟れが気にかかる はな
ビーナスの顔して招く春画展 福村まこと
理不尽の端っこちょっと吸ってみる 尾崎良仁
上澄みの色は南国パラダイス アオイ琉星
嘘つきが逃げないようにわさび練る 冬子
ランドセルもう水色が飽きている 真島芽
ゼニガメがローンを組んで強くなる 芍薬
水族館のガラスを鼻でスクロール ヨッシー
生命線伸ばすゆとりの土いじり 小林祥司
傾いたままの向日葵 雲を詠む くに
サングラス外すとヌッと出るおヘソ 畑中玉菜
第116回(2018/6/24-6/30投句分)
34名67句 森山文切選
ツンデレの看板猫が客を呼ぶ はな
入口も出口も遠い恋にいる むぎのあわ
平成に置いて行きたし我が病 淡路獏眠
悪政に鼻をつまんで生きる知恵 柊無扇
橋あればロマンも消える天の川 小林祥司
夕焼けを拾って軒先に吊るす ホッと射て
食べごろかどうか触診するメロン くに
英雄になった気分でするゲーム 彦翁
わたくしの天辺に居る母の星  風間なごみ
大家族だからダチョウの卵焼き 真島芽
ポケットのこぶし震わし見るテレビ 敏治
転向のように昼から飲まされる ヨッシー
ネズミ小僧の豊かな悪が落ちている 岩根彰子
充電が済んだらおんぶしてあげる 真島凉
平成の次へ流されてゆく木偶 藤沢修司
避難指示解除する村の夏草 菊池洋勝
図書館の裏に文士の高楊枝 福村まこと
昼顔の口のところが名医の目 斎藤秀雄
不合理へ敏感になる腹の虫 八郎
マニキュアは遠慮なく赤爪を研ぐ 阿部千枝子
葬式の間に梅雨が明けていた 芍薬
耳の裏ばかり見ている試験官 西沢葉火
秋簾溲瓶を下げる人を呼ぶ 菊池洋勝
親の傘もうスペースはありません 徳重美恵子
関節をひとつ外して梅雨明ける 尾崎良仁
時計屋の時間はどこまでも他人 くみくみ
第115回(2018/6/17-6/23投句分)
29名57句 森山文切選
おみくじを拾う「禿げろ」と書いてある 斎藤秀雄
週刊誌稼ぎ頭の未成年 まさよし
夫逝き雑になってる皿の盛り 田原勝弘
サッカーの休憩中に日記帳 井戸野蛙
三万で売ってきたのは虚栄心 琉星
ポケモンを捕まえるたび減る電池 芍薬
愛などと短絡的に泡立てる 藤沢修司
玄関にサンダル置いて夏を呼ぶ 海月漂
記念樹が伸びて私は背が縮む 小林祥司
そんな目をしてたのか席譲られる ヨッシー
スマホ使える缶切りは使えない よーこ
猛ダッシュ祭り露店の袋とじ 阿部千枝子
恐竜の卵をさがす旅に出る 真島芽
背のチャック見えない手錠かけたまま 徳重美恵子
麦般若ちゃっちゃとつくるレバニラ炒め 岩根彰子
紫陽花の色が秘密を持て余す アゲハ
もうひとりムーンドッグに生まれた子 西沢葉火
逆境もあった異国の銀細工 福村まこと
重力で潰れちまったアイウエお くみくみ
じめじめとしている顔が寂ている 阿部清明
昨日まで元気であったオルゴール 彦翁
噂では繭になったと聞きました 尾崎良仁
適量へ跳び出していく塩コショウ 畑中玉菜
冒険はアリスと同じ顔でする 真島凉
第114回(2018/6/10-6/16投句分)
31名62句 森山文切選
自撮りする作り笑いのひとり旅 彦翁
頼りないフリで上手に世を渡る 片山かずお
母なる海へ落としてしまうなまたまご ホッと射て
感情が外へ出たがるから困る くみくみ
結果論ばかり飛び交う外野席 藤沢修司
新しい傘は大事に取ってある 彦翁
ネックレスつければきっと主役です 真島芽
向き合って掛けぬと怖い観覧車 小林祥司
エンジンの伴奏拒む田植歌 八郎
父さんゴメン身体髪膚からっから 敏治
新月が見えてしまったスカイツリー 芍薬
デザートは僕の卵でいいですか 尾崎良仁
思い出を綴るやませの日記帳 畑中玉菜
辞書を引くまゆげピクピク動かして 真島凉
クレヨンのみどり屋さんが大儲け 海月漂
トイレットペーパー回る電話線 斎藤秀雄
相槌が巧みな殻つきピーナッツ 岩根彰子
七秒の黙秘自然に不自然に くに
右の目が弱く泣くのも右目から ヨッシー
廃業のパチンコ店に浮かぶ船 福村まこと
第113回(2018/6/3-6/9投句分)
25名48句 森山文切選
香害に悩んでいますシャボン玉 まさよし
原因は知らない方が生きやすい 彦翁
平成が終わるのにまだ起きてこない 芍薬
一線に目と目が合ってうふふのふ 阿部清明
パラサイトそっと出すほど覚悟なし 畑中玉菜
事なかれハトはカラスに刃向かわず 敏治
花菖蒲梅雨に洗われ凜と咲く 田原勝弘
アディショナルタイムにお湯を入れている 西沢葉火
さよならが配合されている出会い 宮下倖
ナミアゲハ手紙みたいに来てくれた 岩根彰子
守秘義務に戸惑っているバスタオル 徳重美恵子
バター塗る疑いもなくバター塗る 尾崎良仁
竜宮の宴のままに夜光虫 福村まこと
そうじゃない水の和音を壊す指 くに
コピー機で大量に刷る免罪符 海月漂
告白の責任薔薇と半分こ 阿部千枝子
枇杷の種中間試験自信あり ヨッシー
第112回(2018/5/27-6/2投句分)
29名57句 森山文切選
過ぎた日の蓋をたまには開けてみる  風間なごみ
同時通訳に肉声追い越され ヨッシー
嘘吐きが闊歩している人の道 八郎
約束もしていないのに梅雨がきた 斎藤秀雄
食べた分お喋りをして消費さす 片山かずお
口を開け湧き水を飲む登山靴 まさよし
喫煙で仲良く並ぶスナップ豌豆 岩根彰子
精子ならバグダッド辺りに埋めた 尾崎良仁
ロボットです凛と立ってる販売機 小林祥司
うとうとと眠りに落ちる猫と寝る 伊藤みこ
ざわざわと胸に詰まった砂糖菓子 はな
錆ひとつない軍艦に鳥の糞 福村まこと
美魔女な晴天ポカポカと惑わす 畑中玉菜
メロンパンだからといつも許される 平井美智子
脳みそが揺れる老春謳歌せよ 敏治
泡切れの悪さ弁解もうやめる 藤沢修司
ぴしぴしと冷凍御飯から叱咤 くに
いくらでも踏んでおくれと竹の艶 宮下倖
第111回(2018/5/20-5/26投句分)
24名47句 森山文切選
メビウスの輪をほっつき歩く深夜 藤沢修司
こちら良心そろそろ自白するつもり 敏治
隠すこと無くなり無心八十路坂 田原勝弘
小説を読んで心のストレッチ ツボ
もうひとつ冥途の土産探す日々 彦翁
現実と思えぬ現実に無力 ホッと射て
靴下に穴ニッコリと侵略す 畑中玉菜
日曜を布団の中で孵化させる 海月漂
ひと休みそろそろ軸の移し時 はな
運命のアイス最中はあんこ拒否 徳重美恵子
ほっほっほウツボカズラの思うツボ くに
ドクダミに取り囲まれる河川敷 芍薬
狩人がぶら下げているエコバッグ 西沢葉火
ロイヤルキスあほらしいほど見せられる 北田のりこ
あなたから届くあぶない森の鍵 斎藤秀雄
第110回(2018/5/13-5/19投句分)
*投句37名73句
飯島章友選
触れ合ったAIロボに逃げられる 彦翁
渓流を塩焼きにする丸齧り まさよし
靴下を脱ぐと根っこが見えてくる 真島凉
仲直り出来ないままに混ぜご飯 真島凉
ハムほどの厚さの愛で支えてる 阿部千枝子
鍵盤の黒は跨いで歩きたい 西沢葉火
駅弁に景色を添えて増える欲 折鶴翔
胸奥の牢からどっと笑い声 藤沢修司
ぶちまけたのに万華鏡だと笑う 藤沢修司
小間切れに喋るな横のスコッテイ 岩根彰子
ひまわりのあっけらかんと昼の自慰 福村まこと
樹の声を鳥語に訳す丸いひと 斎藤秀雄
本名はフツーの洋子路地酒場 よーこ
秒針に切り刻まれて眠れない 宮坂変哲
セメントに穿つミシン目蟻の列 宮坂変哲
居心地の良さに沈んだ羅針盤 はな
身の程やしょせん宇宙の微生物 峰岡名負
紫陽花の毒を調べる日曜日 芍薬
ネクタイが俺より先に汁を飲む 芍薬
言えぬこと胸にしまって草を引く やっこ
真っ二つここはかぼちゃの処刑場 くに
ABC…Hの次をくださいな くに
キャプテンになってしまった蝸牛 徳重美恵子
既視感がツーステップでやってくる 宮下倖
闇雲に押したところが光りだす 宮下倖
捨て石にされても黙る背の黒子 黒しま
すり減ったかかとの分は覚えてる 海月漂
ビールとも卵焼にもなる積木 菊池洋勝
平和とは波紋のなかでゆれる時 彦翁
根っこごと飛んでしまった日曜日 真島芽
八つ目の虹の色には夜の色 西沢葉火
女子校の腐ったにおい夏がくる 尾崎良仁
コンソメの海にべっぴんさんの骨 藤井智史
古漬けのモラトリアムを売りに行く 海月漂
原色をぶちまけて始まりのうた 尾崎良仁
さあ飯にするか未だに三次元 くみくみ
森山文切選
根っこごと飛んでしまった日曜日 真島芽
靴下を脱ぐと根っこが見えてくる 真島凉
仲直り出来ないままに混ぜご飯 真島凉
意外にも簡単だった丸裸 くみくみ
背伸びしてポッキリ折れたピンヒール 阿部千枝子
鍵盤の黒は跨いで歩きたい 西沢葉火
ひまわりのあっけらかんと昼の自慰 福村まこと
原色をぶちまけて始まりのうた 尾崎良仁
本名はフツーの洋子路地酒場 よーこ
ヌンチャクを使うチャンスをまっている よーこ
秒針に切り刻まれて眠れない 宮坂変哲
居心地の良さに沈んだ羅針盤 はな
真っ二つここはかぼちゃの処刑場 くに
秘密漏れてゆく味方の顔をして ヨッシー
牛蛙悲しい声に聞こえる日 黒しま
すり減ったかかとの分は覚えてる 海月漂
さあ飯にするか未だに三次元 くみくみ
ハムほどの厚さの愛で支えてる 阿部千枝子
胸奥の牢からどっと笑い声 藤沢修司
紫陽花の毒を調べる日曜日 芍薬
既視感がツーステップでやってくる 宮下倖
キャプテンになってしまった蝸牛 徳重美恵子
ぶちまけたのに万華鏡だと笑う 藤沢修司
コンソメの海にべっぴんさんの骨 藤井智史
第109回(2018/5/6-5/12投句分)
25名48句 森山文切選
天秤の傾くほうにのるバッジ 徳重美恵子
母の日が過ぎても母のありがたさ ツボ
休肝日三日連夜で先送り 井戸野蛙
見上げれば空の高さに縮む足 はな
寒さ戻るまたも煮え切らない心 アゲハ
ちょっかいを出す厄介な正義感 ヨッシー
瘡蓋の下で始まる水着ショー 福村まこと
タトゥーじゃなかった洗って消えた文字 敏治
残酷な集まりとしてクラス会 ヨッシー
言葉尻からプクプクと泡になる 藤沢修司
後戻りさせてくれない三輪車 西沢葉火
秒針に残り時間を刻まれる 海月漂
正直な部分で新緑を纏う 岩根彰子
前腕がくやし涙を流してる まさよし
あなたなら小走りせずに生きられる 阿部千枝子
一方通行の花屋薔薇を売る 菊池洋勝
第108回(2018/4/29-5/5投句分)
27名52句 森山文切選
よく喋るきっと寂しい人だろう 片山かずお
借景に焦げ目をつける文学者 福村まこと
長電話夕暮れ空が切れと言う 田原勝弘
引率の教師背広にスニーカー ヨッシー
ネイル塗る爪に元気がなくなって 御泉水
里山の休耕田の人嫌い 八郎
紫陽花の緑が雨を待ち望む 彦翁
夕暮れの坂で拾った玉手箱 若芽
クールビズ会社の風に変わりなし 井戸野蛙
突破口どこに有るのか僕の地図 阿部清明
紫陽花の蕾の中で妥協する 岩根彰子
社員証ぶら下げ歩く羊たち 海月漂
感嘆符ひとつでもつれ出すルール 藤沢修司
みずうみの深さの秘密転校生 斎藤秀雄
ソフトでもハードでもない斬られ役 宮下倖
コロコロに綿ぼこりからの伝言 徳重美恵子
話せずに高地の午後はさらさらと 峰岡名負
老鶯の声連休の通学路 菊池洋勝
南米の大河からしあわせ来る日 くに
ストローで吸われぬようにジャムにした 西沢葉火
アイシテマスアイシテマスというスマホ 平井美智子
自我を捨て桃のジュースになりました 尾崎良仁
人でなしモアイを夜に走らせる くに
第107回(2018/4/22-4/28投句分)
 35名69句 森山文切選
躊躇っているのに開く自動ドア 藤沢修司
唇を上げたその日をパスワード 富田美義
今までもこれからも無い暇と金
星空も雲隠れする下手な歌 折鶴翔
加齢ですかかりつけ医の常套句 孝代
まだも行くパワースポット好きな妻 阿部千枝子
忘れたはずの母に浸って武者飾り はな
枯らしては絶対ならん平和の根 まさよし
ビタミンは足りていますか山手線 尾崎良仁
墓よりも散骨を推す千の風 八郎
占いののれんに見えた白い足 徳重美恵子
雨の中今日は水玉模様だな 真島凉
病院は白い!と画面の胎児告ぐ 工藤吹
言い聞かせ納得させて霞草 若芽
春の雨恋する猫と共に居る 芥子
何人の腹を満たすか初鰹 菊池洋勝
プライドを着こなしている防護服 阿部清明
ぬいぐるみ飾ったけれどさみしいよ 真島芽
新の付く言葉がよく似合う四月 片山かずお
金太郎飴がアッカンべーをする ヨッシー
泡立てて過去を洗った記憶力 彦翁
方舟を見送る地下のモアイ像 福村まこと
建前と本音が奪い合う平和 敏治
花びらをつけて少女が帰宅する くみくみ
川柳の脚でグレートトラバース くに
リストカットしている茹で卵の一個 岩根彰子
それぞれのマスクの下のさようなら 宮下倖
終活を始めぬ父が頼もしい くみくみ
あした出すなんにも書いてない手紙 斎藤秀雄
壁紙に迷い続ける中二階 福村まこと
下描きが目立たぬように笑い顔 西沢葉火
第106回(2018/4/15-4/21投句分)
28名55句 森山文切選
神さまの前で私は団子虫 岩根彰子
読書後のテンションで世を変えてみる アゲハ
ベースアップ昔組合今総理 田原勝弘
嘘吐きが隠し続ける仏顔 八郎
お月様ついてくるけど近寄らぬ 海月漂
相互乗り入れに遅延が飛び火する ヨッシー
眠っているあいだにとどく紙風船 斎藤秀雄
拍子木が揺られて新しい拍子 西沢葉火
ただ帰りたいだけだった逃亡者 くに
初蛙の声を家族に加えたり 菊池洋勝
点線の枠ひらがなが良く似合う  風間なごみ
北大のポプラ並木は几帳面 若芽
自分でも持て余してる反抗期 真島凉
泡よりも海になりたい背鰭折る むぎのあわ
騒ぐことないさ海月になればいい くみくみ
満月を尾行している好々爺 宮下倖
握りつぶしても生きている真実 敏治
宿題をしないと恐ろしいリスク 真島芽
おうちクリーニングする今日の翼 岩根彰子
妖怪がほど良く似合う過疎の町 武良銀茶
一線を前にうじゃうじゃ言っている 阿部清明
溶けていくゼリーはいつも嘘ばかり 尾崎良仁
第105回(2018/4/8-4/14投句分)
26名52句 森山文切選
十分に涙しました サクラサケ やっこ
幸せを集めて深い笑い皺 はな
葉桜を見ると何故だかほっとする 彦翁
慣らされて今日も朝からダンゴ虫 武良銀茶
拳には燃え尽きそうな桜花 西沢葉火
愛された小さな記憶だけ残る 阿部千枝子
コロンブスの卵は半熟かもね 孝代
母の目が輝いているモンチッチ masayoshi
肩並べ猫の哲学聴いている くに
探偵の背後ポンプが奪う知恵 斎藤秀雄
青かった輪ゴムが伸びたまま朽ちる 藤沢修司
おしるこを貰い私の休火山 藤井智史
不完全燃焼だった加齢臭 阿部清明
可愛い子が入ってきたと二年生 敏治
言い訳を考えている抱き枕 尾崎良仁
枯蓮がむしゃらになり第二幕 岩根彰子
トイレットペーパーにある絶不調 徳重美恵子
第104回(2018/4/1-4/7投句分)
27名54句 森山文切選
お試しの魔法一回500円 平井美智子
老父母が薬並べて飲む飲んだ 井戸野蛙
怪訝な目よそに黒猫と住む女 風間なごみ
ボツ続き才能なしと妻は切る 田原勝弘
スギ花粉飛ぶのが見える過敏症 敏治
伏せまつげ誰も同じに時を経る 峰岡名負
ハイヒール馴染むころには五月病 アゲハ
シャッター通りの空気まで伏し目がち ヨッシー
人肌を覚えています哺乳瓶 masayoshi
消しかすの黒に丸める本音たち 海月漂
無作法を恥じて穴から出られない 藤沢修司
なにもないことは分かっている夕陽 くみくみ
くちびるが圧縮袋から逃避 徳重美恵子
宝石の青に聞きたいことがある 真島芽
設定をしましたすぐに泣けますよ 尾崎良仁
戻りつつある蛤を噛む力 菊池洋勝
この皺の通りだったと足の裏 西沢葉火
ふたりきりそろりと解いた本の帯 くに
さくらさくら亀甲模様のマンホール 岩根彰子
煙玉去年の夏の欠片です 真島凉
満月を逆さに吊るす古代杉 福村まこと
四月とはおよそ栞であるまいか 斎藤秀雄
第103回(2018/3/25-3/31投句分)
23名46句  森山文切 選
三月にティッシュ配っている五月 西沢葉火
雑踏に自分の影が透けていく アゲハ
暖簾くぐり上司の評価してる部下 田原勝弘
朝刊がなごみの朝をけ散らかす 峰岡名負
胃袋を掴む手作りの弁当 ホッと射て
甲羅干す亀の頭を覗き見る はな
母の手の大正琴が泣いている masayoshi
ビル街にサヨウナラだけこだまする 海月漂
心ではまだニューフェイスだと思う 彦翁
春だものわたしの旬をご覧あれ 阿部千枝子
手紙には貴様と書けぬから貴兄 敏治
正直に歩けば軋む尾?骨 福村まこと
こんなにも息が弾んで散るサクラ 岩根彰子
水割りが水になるまで ほっといて くに
素潜りであらかた揃う熱帯魚 芥子
ありったけの言葉を使い猫になる 尾崎良仁
第102回 3月18日-3月24日分(25名48句) 自由吟 森山文切選
梅干しで文句あるかと握り飯 阿部清明
ひと息でローソク消して立ちくらみ  風間なごみ
トランプの余計な事で株下がる 井戸野蛙
あたたかな人だたんぽぽさいている 海月漂
二階から見る繁華街嘘ばかり 峰岡名負
とろみ付き味噌汁せがむ人なだめ むぎのあわ
二枚目の舌が吹雪の最中です 藤沢修司
手が届くから増えてゆく痒いとこ ヨッシー
ブランチのテラスへ春のお客さま くに
荒波の泡はまなざしすぐそらす 斎藤秀雄
じりつジリツ自立ノートがセール中 徳重美恵子
ポジティヴのヴの変換に苦労する 尾崎良仁
サッカーでもするか新じゃが新玉ねぎ 岩根彰子
アンテナが脇に抱えるエゴイズム はな
体臭を消してしまった牢屋番 福村まこと
第101回 3月11日-3月17日分(24名46句) 自由吟 森山文切選
マヨネーズ逆さにされる冷蔵庫 徳重美恵子
泡盛を三杯飲んだパラダイス 龍せん
モリカケがのびない店へ星三つ 八郎
リハビリの箸が掴んだ豆の数 彦翁
受話器から春の吐息が吹いてくる 海月漂
ツアー組むタニタの社員食堂へ ヨッシー
五線譜をはみ出し歌うケ・セラ・セラ 阿部千枝子
春になりまたやり直すフランス語 伊藤みこ
乾くまで喋り続けるユニホーム 福村まこと
きみの前では固ゆで卵になる 藤沢修司
病室は七階にあり白き蝶 菊池洋勝
裏切ったメロス教科書から削除 尾崎良仁
夜型の子供帰省の春休み 敏治
蛇行しない蛇もなかにはいるのです 斎藤秀雄
唇をぎゅっと噛んでる通夜の月 岩根彰子
第100回 3月4日-3月10日分(56名112句) 自由吟 真島凉選
ビーナスはきっと珈琲が嫌い 工藤吹
良心があるから下を向く目線 彦翁
春風に誘われにわか雨に合う 彦翁
ポケットに突っ込んでいる蒼い空 麦乃
拾われぬままで流れていった桃 平井美智子
冷凍庫にそっと小さな雪ダルマ 青砥たかこ
点滴のポタリ命をリレーする 風間なごみ
ささいな話広げる妻は火吹き竹 田原勝弘
お喋りの妻まで黙るカニの鍋 田原勝弘
ゆうらゆら春が道草食っている 新家完司
顔文字のように笑っている友と 月波与生
不機嫌をイチゴ大福カバーする 阿部千枝子
知り過ぎた過去には触れぬお付き合い 若芽
知っているふりが得意なお猿さん 北田のりこ
七月の種は自力で掴み取る 森山文切
手抜きして単語の海に浮いている 三好光明
湯加減を聞くこともない全自動 武良銀茶
白地図の折れ目に夜が落ちてくる 福村まこと
地球儀のほんの端っこ走ってる 尾崎良仁
顔認証今日もログインほっとする 奥山鶫
くちぶえがきこえる春のくぼみから 城水めぐみ
春ですね冬とは違う空の色 片山かずお
適切な一言愛を込める医者 夢香
幸せな人だ正しいことを言う 橋倉久美子
まだイケる赤のルージュが歌い出す はな
徹夜した月よお昼寝しなさいね
終活に合わせるように雨が降る 益弘
菓子を焼く祖母のやさしい声も混ぜ 麦乃
クレヨンは小さな嘘がつけなくて 西沢葉火
お子様のような大人を持て余す 心咲
オアシスを手鏡にする昼の月 福村まこと
落書きのどの辺ですか君の声 尾崎良仁
水色を作るパレットなら胸に くみくみ
春の陽をサラダボウルで和えてみる 藤沢修司
自分自身を水と思っているクラゲ 橋倉久美子
真島芽選  
春風に誘われにわか雨に合う 彦翁
菓子を焼く祖母のやさしい声も混ぜ 麦乃
ポケットに突っ込んでいる蒼い空 麦乃
チョコボールぱおぱおぱおと噂好き 平井美智子
ジイちゃんと呼ばれて開ける耳ピアス masayoshi
一番にしたいことなど言えません よもやま話
つい我慢するから風邪をこじらせる 青砥たかこ
お喋りの妻まで黙るカニの鍋 田原勝弘
顔文字のように笑っている友と 月波与生
知っているふりが得意なお猿さん 北田のりこ
ガイコツは白色だけという規則 森山文切
手抜きして単語の海に浮いている 三好光明
惜しみなく赤鉛筆の五重丸 ヨッシー
ソプラノは出ないアルトはつまらない 丸山松枝
湯加減を聞くこともない全自動 武良銀茶
地球儀のほんの端っこ走ってる 尾崎良仁
約束は届いたけれど冷めたピザ 美馬りゅうこ
顔認証今日もログインほっとする 奥山鶫
凹凸のクッキー姉妹探り合う 徳重美恵子
いつ見てもいつも欠けてるお月さま 城崎れい
渡り鳥傷つく鳥も連れていく 城崎れい
ここですよ梅の蕾は主張する 夢香
ひな飾り出すのと片付け我が役目 井戸野蛙
幸せな人だ正しいことを言う 橋倉久美子
自分自身を水と思っているクラゲ 橋倉久美子
秘めやかに春のパズルを解いている ますみ
ひらがなのこころで待っているさくら ますみ
拾われぬままで流れていった桃 平井美智子
マーブルチョコのようなお薬日に三度 敏治
不機嫌をイチゴ大福カバーする 阿部千枝子
アジャスター付きのズボンでよく食べる 片山かずお
徹夜した月よお昼寝しなさいね
冷凍庫にそっと小さな雪ダルマ 青砥たかこ
ゆうらゆら春が道草食っている 新家完司
クレヨンは小さな嘘がつけなくて 西沢葉火
森山文切選
ビーナスはきっと珈琲が嫌い 工藤吹
ポケットに突っ込んでいる蒼い空 麦乃
ジイちゃんと呼ばれて開ける耳ピアス masayoshi
クリティカルヒットを放ち愛は勝つ 藤井智史
つい我慢するから風邪をこじらせる 青砥たかこ
バツゲームですかアツアツの豚マン 海賊芳山
新しい地図から歩き出す五月 月波与生
春だから後ろ姿も光らせる くみくみ
不機嫌をイチゴ大福カバーする 阿部千枝子
揉め事が有ると評論家が増える 若芽
手抜きして単語の海に浮いている 三好光明
蝙蝠が黒板消しを持って晩 西沢葉火
クレヨンは小さな嘘がつけなくて 西沢葉火
点景にきみ菜の花のアルペジオ 藤沢修司
耳たぶをピンクに染めた春の風 澁谷さくら
妖怪も出番なくなる過疎の村 武良銀茶
白地図の折れ目に夜が落ちてくる 福村まこと
落書きのどの辺ですか君の声 尾崎良仁
ひたいから三月の陽がもれてくる 斎藤秀雄
くちぶえがきこえる春のくぼみから 城水めぐみ
4回転ルッツ定型にて着地 くに
天に鼻月を食べてる象の王 くに
黒船に乗ってしまった日本猫 黒しま
秘めやかに春のパズルを解いている ますみ
ひらがなのこころで待っているさくら ますみ
徹夜した月よお昼寝しなさいね
チョコボールぱおぱおぱおと噂好き 平井美智子
親指に残る人差し指の記憶 斎藤秀雄
ドーナツのどこかに迷う余地はある 城水めぐみ
ロリコンを卒業 特捜部目指す 丸山進
春泥に箸の片方だけ落ちる 菊池洋勝
ソプラノは出ないアルトはつまらない 丸山松枝
コミカルなフォントにします新学期 美馬りゅうこ
廊下の砂誰かの靴の中の砂 黒しま
第99回 2月25日-3月3日分(26名52句) 自由吟 森山文切選
何を隠そうというのか黄砂舞う アゲハ
右からも左からも救急車 御泉水
公平が富者の肥大を懺悔する 八郎
薇の真空パック戻しおり 菊池洋勝
何でもできるでも面白くない独り 片山かずお
梅の香と杉の花粉が駆け競べ 八郎
ゴリラの胸で小さくバカと吐いている くに
ぎいこぎこ独りブランコ春茜 敏治
じょうろには愛のめもりをきざんでる 海月漂
神妙に春を探している小枝 彦翁
AIの侵蝕海馬狩りをする ホッと射て
先導のラクダに月を食べられる 福村まこと
春色に編んだセーターから汽笛 平井美智子
真っ赤な嘘とCMの白いシャツ 藤沢修司
手と足は水語風語を覚えたて 岩根彰子
鳩時計狂った鳩を抱きしめる 麦乃
第98回 2月18日-2月24日分(24名46句) 自由吟 森山文切選
カルピスを薄くいれたら勝ちですよ 尾崎良仁
太い眉引いて別れのハイヒール  風間なごみ
おめでたや禁酒禁煙皿洗い 武良銀茶
ひらひらと海で手を振る蒼い母 ホッと射て
善人のこころ洗えば濁る水 藤沢修司
手紙書く自分らしさを同封す 空の光
年ごとにメイク濃くなる武勇伝 福村まこと
柔らかく爪を立てられ流れ星 西沢葉火
つぎはぎの胸に一輪花かざる 海月漂
遅くまで女子だけを見るカーリング 井戸野蛙
いつまでも腹が決まらぬカニとフグ はな
うっすらとガラスのピアスゆれている くに
ハムレット擬き溢れる京都駅 岩根彰子
ゆっくり噛みや母の口癖はよ食べや 敏治
不法投棄専用タイヤ噴射機 斎藤秀雄
冗舌な名札が軽く裏返る 徳重美恵子
独居房壊れたスマホだけがある 彦翁
第97回 2月11日-2月17日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
斜めからひょうひょうとくる好奇心 くに
西郷どんはわたし歴女に駆り立てる 上村夢香
相棒のいない孤独な影を見る 彦翁
瘡蓋の痒い背中や春浅し 菊池洋勝
唐突な笑い幽かな死の匂い 福村まこと
花を買おう今夜決着つけましょう 尾崎良仁
北風に診察券が離せない 若芽
孵化しない童話の種をあたためる 麦乃
解熱剤にするわ出目金の欠伸 岩根彰子
ぎりぎりのとこで譲れぬ蜆汁 西沢葉火
この声のままがいいのに治りかけ 芥子
爪にひっかかってくる他人の夢 斎藤秀雄
ゆっくりと溶けてゆく冬の格式 くに
第96回 2月4日-2月10日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
雇止め格差社会へひたはしる 八郎
世の憂い知らず赤児の大あくび 藤沢修司
同じ苗育ちが悪い母の鉢  風間なごみ
予定表真っ白のまま年を越す やっこ
あっさりと未練断ち切るシュレッダー はな
猿だったことを忘れていませんか 敏治
お月様冬の夜空の採血日 masayoshi
話盛りだんだん沼に落ちてゆく 徳重美恵子
インスタントに慣れぬ舌ゆえ厄介だ 孝代
五年後のわたしに向けてお湯注ぐ くに
さみしいと連呼しているオウムたち 海月漂
這う指に午睡解かれる皮表紙 福村まこと
春の月ひとりの鍵に手を添える 岩根彰子
風からも洗濯バサミからもシャツ 西沢葉火
第95回 1月28日-2月3日分(23名46句) 自由吟 森山文切選
戦争をするから敵を作らねば 福村まこと
極寒に夏の暑さがなつかしい 益弘
馬鹿にされ夜も寝られず酒を飲む 井戸野蛙
耐えること教えてくれたペットの死 なごみ
ギュウギュウと電車につめる虚無の牛 海月漂
打ち明けた夜は眠りが深くなる 若芽
新聞の取材もっぱらSNS 八郎
冬将軍凱旋モノクロの日本 アゲハ
水仙のいのち仰け反る晴れてくる 岩根彰子
何度までは愛嬌ですか物忘れ 敏治
真実に少し色付けするレンズ 彦翁
おばちゃんの理屈と大声に負ける 片山かずお
オール1全てマルコメみそとする 藤井智史
嘘がバレそうになったら句読点 尾崎良仁
8時から4時まで妻は深く寝る 麦乃
廊下埋め尽くし鳩が知らせにくる 斎藤秀雄
自由帳こんなところにミモザの実 くに
減量がうまくいかない渡り鳥 平井美智子
第94回 1月21日-1月27日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
そのひと言グッと飲み込めたらオトナ 片山かずお
ドッキドキ妻が敬語でおれを呼ぶ パッキー
家の中知らない人が棲んでいる 麦乃
日も暮れた恋人たちに水をやる 芒野一起
原風景探し探して北帰行 敏治
ワタシ・ビー・アンビシャス扉を開く 藤沢修司
固めては思い出せない茶碗蒸し 西沢葉火
報道の自由が人を食べている masayoshi
駅ナカで売り場を探す雪女 福村まこと
しがらみを解いて化石は息をする 藤井智史
消しカスを怒られもせず駅ベンチ 徳重美恵子
努力家とは気持ち斜めのお付き合い はな
タマネギが保証している泣く権利 海月漂
回覧板は顔を洗いに行ったきり 岩根彰子
大量の耳がちらばる雪の原 斎藤秀雄
薄口の醤油がまたも嘘をつく 尾崎良仁
次ページも絵日記風に作りごと くに
コーヒーミルゴリッと意地が砕かれる アゲハ
第93回 1月14日-1月20日分(25名50句) 自由吟 森山文切選
温いけど重い手編みのカーディガン 片山かずお
合コンは無縁ですのでせんべろで むぎのあわ
炎から喜怒哀楽を透かし見る 彦翁
新たな決意もう見直しを迫られる 夢香
つくる朝まぜかえす昼なおす夜 くに
散歩道ふさぐカラスのダイニング はな
糸蚯蚓おや君たちも小競り合い 岩根彰子
カラスってお試し期間中の黒 藤沢修司
プールの鯉釣っては逃がし日暮れまで 風間なごみ
川柳を始めた年の離職票 いなだ豆乃助
老紳士坂をすべってパラシュート 斎藤秀雄
参道に赤ちゃんポスト常夜灯 福村まこと
封をして逆さまつ毛になる手紙 西沢葉火
部分点集めて君をゲットする 藤井智史
托鉢の器に雪が入り込む 徳重美恵子
第92回 1月7日-1月13日分(25名50句) 自由吟 森山文切選
威張ってる男の端っぽのクセに 片山かずお
気抜けする十日遅れの年賀状 孝代
賑やかな女に通夜を仕切られる 沢田正司
古希祝い笑顔の花が咲きそろう 八郎
自尊心高めるための紅を引く  風間なごみ
愛犬を信頼してる万歩計 彦翁
目覚ましの音が届かぬ若い耳 敏治
優劣の間にいてもいいですか 尾崎良仁
湯豆腐と長い言い訳コラボする 徳重美恵子
無麻酔で桃太郎だすおばあさん masayoshi
勘違いしている何もかもフェイク 麦乃
道化師のとてもしずかな足の裏 岩根彰子
心療内科ぽつんと永久凍土 くに
切符買う列にささやく国言葉 福村まこと
豊満なキリンだらけの迷路かな 斎藤秀雄
第91回 2017年12月31日-2018年1月6日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
昨年の誓い写して祝い酒 敏治
お年玉リターン願う老いの欲 八郎
戌年に妻から貰う猫パンチ 阿部千枝子
南風に押され気だるい一歩踏む はな
大海で泳ぎたかったろうごまめ 孝代
青空に故郷の手紙託されて 奥山鶫
とり返しつかない人の通り雨 西沢葉火
改札を山羊がどんどん山羊地獄 斎藤秀雄
女帝から次次次と飛ぶ指令 麦乃
銀色に羞恥心などありますか 尾崎良仁
重箱の四隅笑かす枝雀の半身 岩根彰子
あららららバオバブの木になりました くに
留守電にとろとろとろが入れてある 平井美智子
チェンバロを猫屋敷から救い出す いなだ豆乃助
信号でまがる深夜のけもの道 福村まこと
第90回 12月24日-12月30日分(38名75句) 自由吟 城水めぐみ選
言い訳に多少の嘘を混ぜてみる 武良銀茶
途中下車して戻ります始発駅 masayoshi
小指には老いた二人のケアハウス masayoshi
神聖なデスクの上のまねき猫 伊藤みこ
惑わされつま先立ちの吾がこころ 御泉水
連休が爪の境目から明けた 森山文切
投げられて自己肯定をするこけし 森山文切
ロボットに駆け落ち誘う雪女 福村まこと
雪おんな招いて鍋の蓋をとる 藤沢修司
鐘楼の窪みへお夏清十郎 岩根彰子
接点を探すマグカップビアカップ 岩根彰子
一人でも礼儀のように筑前煮 むぎのあわ
団子虫ほとぼり冷めた気になって 西沢葉火
食う寝る遊ぶ概ね甲の処世術 はな
豆球ポツンここにいるよと小さな手 はな
薪という淋しさをくべつづけおり kusabue
混線の水仙刺さる海の洞 斎藤秀雄
あえいうえおあお婚活へと臨む 藤井智史
恋人も友も失して冬木立 朝妻久美子
5二馬同銀左4二銀 宮坂変哲
極月の逆風駈けるハイヒール 茉莉亜まり
返事来ず彫るように見る壁の皺 芒野一起
ずっと味方と信じ切ってる妻といる 片山かずお
わたくしの黒豆甘いのは化粧 旅人
ため池の色もわからぬやせ蛙 孝代
抽斗の二段目恋を飼い慣らす かしくらゆう
帰省するたびに猫語を忘れてる 月波与生
ペンギンは鳥であろうとなかろうと 西沢葉火
復讐を果たして薔薇は枯れてゆく 尾崎良仁
決闘を終えたばかりの三日月だ 尾崎良仁
百八種泳法試し彼岸まで 竹内美千代
加湿器の湯気にほどけてゆくロダン くに
来し方にぽとり林檎ほどの悔悟 藤沢修司
森山文切選
クリスマスケーキでいつも誕生日 彦翁
歩行者天国違反か悩む乳母車 八郎
抽斗の二段目恋を飼い慣らす かしくらゆう
神聖なデスクの上のまねき猫 伊藤みこ
真冬日の乳首におーいお茶あてる 月波与生
忘れ得ぬ声が涙を誘い出す やっこ
雪おんな招いて鍋の蓋をとる 藤沢修司
嬉々としてバイトで埋める三が日 むぎのあわ
噺家に空気読まれて笑いの輪 阿部千枝子
団子虫ほとぼり冷めた気になって 西沢葉火
頑丈なお骨のじいちゃんは大工 藤井智史
あえいうえおあお婚活へと臨む 藤井智史
決闘を終えたばかりの三日月だ 尾崎良仁
5二馬同銀左4二銀 宮坂変哲
極月の逆風駈けるハイヒール 茉莉亜まり
飯を炊く一人で膝を打っている 芒野一起
ずっと味方と信じ切ってる妻といる 片山かずお
ロボットに駆け落ち誘う雪女 福村まこと
軍手はめ軍手の意味をふとおもう 徳重美恵子
箸袋に名前を書いて除夜の鐘 敏治
大掃除ざぶざぶ洗う自己嫌悪 阿部千枝子
混線の水仙刺さる海の洞 斎藤秀雄
接点を探すマグカップビアカップ 岩根彰子
引き算で知る他人の誕生日 風間なごみ
帰省するたびに猫語を忘れてる 月波与生
第89回 12月17日-12月23日分(23名44句) 自由吟 森山文切選
ホッとする忘年会に誘われて 夢香
天国のお試し会は暇だった 八郎
セールスに我が子ダブラス冬の雨 若芽
首元を守るクセ毛を切れぬまま むぎのあわ
いつか海へヒレを磨けと親の言 はな
はめ殺しの窓に朝陽が入り込む かしくらゆう
べっぴんにライトアップをされる湯気 masayoshi
ケアバスの優先席に少女像 福村まこと
嬉しがる君を見たくて書くト書き 阿部千枝子
野風僧を歌ってくれた父の酒 敏治
きりきりとねじを巻いたものが世界 斎藤秀雄
右腕を上げてお米がたっている くに
ぐ~の手に本家の耳が入っている 岩根彰子
こんなこと考えていた備忘録 西沢葉火
ペダルきこきこイクメンの残尿感 藤沢修司
第88回 12月10日-12月16日分(22名42句) 自由吟 森山文切選
川柳を置いてしばらく旅に出る 麦乃
時宜を得て刻み始めた古時計 はな
未練捨てなお女の性が騒いでる 風間なごみ
ミサイルが黄砂の上を飛んで来る 彦翁
思い出を結晶にして眺めてる 伊藤みこ
設計図だけを残した青春賦 福村まこと
にごり湯に沈め隠している疲れ 徳重美恵子
白湯を飲む僕はゆっくり戻ってる 尾崎良仁
水掻きを滴らせている朝日 岩根彰子
納豆を回して今日の穴にする 西沢葉火
神さまと向き合う美しい素顔 敏治
やんわりと否定し反ったパンケーキ かしくらゆう
左胸には月光の蓄電所 くに
三味線でジングルベルを弾くパンダ 孝代
恋終わる片寄った枕の凹み 藤沢修司
ダンゴムシ親子バトルの始発点 旅人
第87回 12月3日-12月9日分(26名50句) 自由吟 森山文切選
太るほど血管細るメタボ腹 八郎
いざこざの真実捜す相撲道 パッキ―
掬い取るこころの夢と愛と闇 御泉水
やわらかいひとと後悔抱いて冬 むぎのあわ
突かれているのは私おでん鍋 アゲハ
値上がりの大根隅で行儀いい 孝代
風呂上り滴る妻に戻ります 阿部千枝子
シャッター街すり抜けてゆく虎落笛 敏治
羽全部無くして銀杏すっと立つ くに
ぐつぐつと中八になる一人鍋 藤沢修司
巫女さんがダウンを羽織り絵馬準備 徳重美恵子
手術後の重湯が沁みる曇り空 かしくらゆう
親方の臍が相撲を取っている masayoshi
足跡をつなぐ自画像できあがる くに
年の瀬に出番待ってる残り福 福村まこと
叩いたりせんよバナナに言い聞かす 岩根彰子
朝風呂はおやめください 白夜です 西沢葉火
第86回 11月26日-12月2日分(23名44句) 自由吟 森山文切選
診察券もう来年を予約する 徳重美恵子
怠け癖叱ってくれるスニーカー 彦翁
力こぶ隠し持ってるカタツムリ 森田旅人
張り手する一人横綱大相撲 敏治
自分しか見えぬ男の赤い顔 風間なごみ
双子ではなさそう影が見当たらぬ 麦乃
常識を蹴散らし妻も飛ぶ師走 孝代
決めたこと平気で壊すカブトムシ 若芽
海にいた記憶忘れて喋る人 かしくらゆう
傷のある花梨あなたは明朗ね 岩根彰子
臨月の空母つつきに来る水母 福村まこと
オオカミの遠吠え聞いて楽しいか 芥子
糸ひいたナ行あたりが胃に溜まる 平井美智子
風船に息の借り貸しする聖夜 福村まこと
あんパンは空洞なにもない真昼 くに
第85回 11月19日-11月25日分(21名41句) 自由吟 森山文切選
愉快にもなる凶器にもなるビール瓶 くに
暦など知らぬ存ぜぬ介護業 むぎのあわ
一呼吸おけばよかった叱らずに 森田旅人
死に方を選べず今日も飲む薬 福村まこと
なるほどと思わせる師のお説教 藤井康信
懐に冷たい風も入る秋 彦翁
サイレンが通過して他人事になる 藤沢修司
鳩時計必死に餌をやっている masayoshi
鮮やかに成敗されて大笑い はな
平和からジャックの豆の垂れ下がる 岩根彰子
耳鳴りだそろそろきみが来る頃だ 尾崎良仁
動脈の一本廻してくれないか 西沢葉火
サンタ・ラン暗い師走に灯をともす 敏治
閉じるのは目口こころ耳の順 かしくらゆう
さっきより少し白けて骨拾う 風間なごみ
第84回 11月12日-11月18日分(23名46句) 自由吟 森山文切選
宇宙一悪い顔して摂る夜食 かしくらゆう
やせ鰻松のお重を逆指名 八郎
早く行く後ろの席に座るため 芥子
舞い落ちる紅葉は赤く空青く 鈴鳴うた猫
温もりを求めて夜の交差点 阿部千枝子
傾斜地の鈴なりの柿実を落とす 徳重美恵子
しがらみのど真ん中ただ雨を聴く はな
旅立った息子の壁にグーの跡 くに
川柳とコラボ絵筆が弾んでる 孝代
ささやかな摩擦へ進路蛇行する アゲハ
時々は尻尾の名残り立ててみる 西沢葉火
金継ぎをするわ結婚五十年 岩根彰子
三世代温度差のある忙しさ 敏治
ばらまいた種にちょこんと花が咲く 麦乃
生傷を見せる男の勘違い 福村まこと
第83回 11月5日-11月11日分(23名45句) 自由吟 森山文切選
句読点打たれ一歩も動けない 若芽
スキップをすれば体重2キロ減り 麦乃
寛容を水増ししても嫌な奴 八郎
何もかも忘れた振りで夫を看る 風間なごみ
今日こそは無難を脱いでオシャレする 孝代
通り抜ける風が頼りの小商い はな
裸にはなり切れないで凡のまま 藤井康信
千鳥足のふりだとしても肩を貸す 徳重美恵子
紅葉狩りナビに感謝をする老後 彦翁
媚薬持つスマホに酔うてゾンビ村 森田旅人
久々の職場でぼやくガラパゴス むぎのあわ
解体の軍艦かつぐ蟻の列 福村まこと
山茶花の小走り気味の分離帯 岩根彰子
罪名は付かない雨の横殴り masayoshi
耳元の真珠が海に行きたがる かしくらゆう
警報を切ってあなたに逢っている 藤沢修司
モンベルのコーデでカフェのモーニング くに
愛に似ているが随分痩せている 尾崎良仁
不祥事を包む謙虚というベール 敏治
第82回 10月29日-11月4日分(25名48句) 自由吟 森山文切選
ハロウィンのかぼちゃの種を食べて魔女 森田旅人
秋色に心も染まる霜月へ 藤井康信
幸せの涙つられてもらい泣き 阿部千枝子
ダイエットしたか秋刀魚もスリムなり 孝代
散らかった部屋に孤独の規律あり かしくらゆう
心配は去って天気図晴れ渡る アゲハ
息止めて沸騰を待つカニの鍋 敏治
話さなかったことは話したかったこと くに
信号が青になったら終わる恋 平井美智子
逃げたくてただ震えてる水たまり かしくらゆう
逃亡をしようユリカモメの海馬にて 岩根彰子
始まりにMと刻印した切符 西沢葉火
感触はグーでミツバチもう翔ぶ気 風間なごみ
落ち着くところに落ち着く季節感 彦翁
リリーです言葉の端にいたリリー 岩根彰子
第81回 10月22日-10月28日分(26名51句) 自由吟 森山文切選
競い合うことを知らない胡蝶蘭 若芽
上さんが記念日ごとに遠ざかる 木根川八郎
一言で土砂降りになる胸の内 孝代
寝坊助の耳をくすぐる祭り笛 敏治
カラス群れどうもよからぬ噂する 撫子
台風の目から零れて来るバケツ masayoshi
見るたびに自画像の髭伸びている 福村まこと
ブランコを揺らして秒に含まれる 西沢葉火
パクチーの匂いを指に残す罪 水たまり
恋をするべきかいつもの味噌汁か 尾崎良仁
文庫本どこでもドアとなる表紙 アゲハ
自己中の男をすり鉢に入れる  風間なごみ
ねむるまで過去のスライドショーつづく くに
ゆらゆらと平均点にぶら下がる 徳重美恵子
平成に褒められるようラストラン はな
公約を読む百均の凸レンズ 藤沢修司
第80回 10月15日-10月21日分(27名53句) 自由吟 藤井智史選
なんという夕陽だ僕の心臓だ 尾崎良仁
筋トレは和式トイレとはっけよい masayoshi
大波の魔の手に惑う小鳥たち 阿部千枝子
息継ぎが下手で辞書から出られない 福村まこと
分身を制御できない人魚の尾 福村まこと
禁断の木の実が3個200円 西沢葉火
くだびれた下着と誰か棄てる朝 むぎのあわ
インスタにおあずけ食らう僕の箸 アゲハ
もう少し曲げれば楽になれますよ 圦山繁
蟻として生きて愚直に穴を掘る 城水めぐみ
描き足した星から届く母の声 城水めぐみ
覚悟して新芽のために落下する あうん
杉玉を吊るす酒屋へ買いに行く 藤井康信
プライドを蹴っ飛ばされた百合の花 若芽
仲直り甕の底には澱溜まる 森田旅人
ひとりだけ違った川をのぼる鮭 くに
そろばんの珠が弾いた欲の数 徳重美恵子
辻褄をあわせて閉じる1ページ 麦乃
太陽が無呼吸のまま夜が明ける masayoshi
リサイクルショップみたいな待合所 阿部千枝子
暗号が見えてしまった斜め読み 西沢葉火
風を読み過ぎて迷子になる明日 はな
APPIeは白雪姫の歯形あと くに
情報の森で迷子の高齢者 撫子
開脚をしてはる今朝のハムエッグ 岩根彰子
森山文切選
なんという夕陽だ僕の心臓だ 尾崎良仁
あなたから別れのことば奪う風 藤沢修司
くだびれた下着と誰か棄てる朝 むぎのあわ
わかりました握る拳に滲む汗 圦山繁
風を読み過ぎて迷子になる明日 はな
新走りうわさ嗅ぎつけ秘密基地 敏治
走って走って淡谷のり子の暗がりへ 岩根彰子
覚悟して新芽のために落下する あうん
銀鱗のキラリ親子を結ぶ釣り 森田旅人
ひとりだけ違った川をのぼる鮭 くに
温度差があって体が軋みだす 彦翁
リサイクルショップみたいな待合所 阿部千枝子
分身を制御できない人魚の尾 福村まこと
開脚をしてはる今朝のハムエッグ 岩根彰子
プライドを蹴っ飛ばされた百合の花 若芽
描き足した星から届く母の声 城水めぐみ
太陽が無呼吸のまま夜が明ける masayoshi
菊花展ハリガネ仕事見てしまう 徳重美恵子
第79回 10月8日-10月14日分(23名44句) 自由吟 森山文切選
ローソンの誘蛾灯からビッグバン 西沢葉火
政治家の読唇術にきぼうない masayoshi
ニセモノも造る年月人の時
嫌だったあなたを好きにした時間 くに
正直なものよ新米炊けば残らない アゲハ
猛烈に働き抜いてあぁ化石 森田旅人
励ましと知らずに聞いた師の苦言 圦山繁
スクランブルエッグのボクとサヨウナラ 麦乃
絵筆とり目の輝きを取り戻す 孝代
満月が自傷行為を繰り返す 藤沢修司
チャオだけでイタリヤの旅無事終わる 敏治
私の勝ちバラが囁く昼下がり はな
口笛を吹くまで淑女顔作る 福村まこと
陣羽織ひらひら蝶は秀吉ぞ 岩根彰子
第78回 10月1日-10月7日分(24名47句) 自由吟 森山文切選
言い訳の多い女の目がきつい 風間なごみ
影法師伸びて笑った声がする 鈴鳴うた猫
松茸がなにさ新米栗ご飯 撫子
おっと危ない月に魅せられかぐや姫 はな
記憶だけリセットされて君の前 むぎのあわ
そわそわと集い複雑ハルキスト 森田旅人
時々は止まる時計が好きでした くじょうまる
満月とコトコト汽車に揺られてる 岩根彰子
衣替えするから肩の凝る季節 彦翁
秋デート栗まんじゅうを半分こ 藤井康信
道示す指にまだある深い欲 福村まこと
ここが変ハッキリ言えぬウエハース 若芽
お早うと監視カメラに媚びを売る 敏治
父の背は越せぬ壁ではなくて盾 藤沢修司
欲しかった銀色そっと手を伸ばす 尾崎良仁
ジョーカーの扱い受けている介護 徳重美恵子
標本にするか干物にしておくか 西沢葉火
地球儀をくるくる敵をやっつける 麦乃
スピーカーからは昭和のドウナッツ masayoshi
第77回 9月24日-9月30日分(22名43句) 自由吟 森山文切選
遊ぶなよ社命か軽のレンタカー 芥子
さわれない空さわらしてくれる海 くに
夏終わりソフトクリーム食べる秋 鈴鳴うた猫
振り向かず貴方の声を抱きしめる やっこ
何でもない日が裏切りの楔打つ はな
曼殊沙華手の甲までも染まりそう 若芽
揺れる地に懲りず穴掘る二本足 福村まこと
初めてのくちびるいつも持ち歩く 尾崎良仁
みんな逝く楢山だから競わない 風間なごみ
新米が栗の実待っているコラボ 彦翁
Jアラート度々鳴ってチラ見する 徳重美恵子
ポケットで踊っています走り書き 麦乃
真ん中に天橋立たてかける 岩根彰子
バチ持てば血が騒ぎだすおじいちゃん 阿部千枝子
悲しくはなくてカーネル・サンダース 西沢葉火
ドラえもんの耳なら闇鍋で食べた 藤沢修司
第76回 9月17日-9月23日分(20名39句) 自由吟 森山文切選
監視カメラの死角を探しハグをする 藤井康信
今宵は満月上八ぐらい許されよ 敏治
余白には青い柿の実ひとつある 彦翁
想像の海に溺れて深呼吸 芥子
挨拶で島に溶け込むI ターン 孝代
どっぷりと秋だ秋だと赤とんぼ アゲハ
国境を跳ねるうさぎは行き来する くじょうまる
開けるまで隙を見せない二重底 福村まこと
くるぶしが造り物だと主張する 西沢葉火
挨拶禁止エレベーターの屁の行方 森田旅人
生臭い息を吐くまだ大丈夫 阿部千枝子
WEB上の風船叩き割って秋 むぎのあわ
第75回 9月10日-9月16日分(23名46句) 自由吟 森山文切選
筋トレ脳トレ老いの一日忙しい 敏治
乱筆もパソコンよりは味がある 孝代
年老いて貫き通す処世術 パッキー
レジまでも人情薄れIT化 撫子
ブレーキが利かない想い持て余す 萩の花
引退をそろそろしたい雨女 はな
下敷きのバリアの上で殴り書き 徳重美恵子
隣席の政治論聞くティールーム 宮野みつ江
この星を軽々背負って蝉は死ぬ 西沢葉火
青紫蘇を残暑見舞いに連れてゆく 岩根彰子
九十の親から鞭を与えられ 麦乃
クラス会嘘が滴り落ちている 藤沢修司
足だけが息をしている終電車 福村まこと
轢かれてるペットボトルを轢いていく くに
第74回 9月3日-9月9日分(27名53句) 自由吟 森山文切選
唄ったら気持ち良くなるから不思議 藤井康信
無理だよと言われやる気に火が付いた 孝代
ゴール前優しい風が見えてくる はな
サヨナラと手を振る先に消えた影 やっこ
勝ち負けにこだわる人の目が泳ぎ  風間なごみ
稲の穂が垂れる繋ぎを出しておく 彦翁
踊り場に家も会社も墓も有る 西沢葉火
躓いて心の鍵を確かめる 若芽
頭蓋骨辺りに秋が押し寄せる 高田まさじ
灯台に来たのカモメになるつもり 麦乃
うたた寝の胸の谷間に秋の風 阿部千枝子
右胸にとろけるチーズ投げつける くに
エンディングカットを常に持ち歩く 徳重美恵子
サラダ菜の苦さ遠い別れを噛む 藤沢修司
直立の駅長ひとり通過駅 福村まこと
骨抜きの煮魚食べる生温さ 阿部千枝子
夏曲がる口を閉ざしたハーモニカ 岩根彰子
ご先祖はニライカナイの半魚人 芥子
ヤクルトを二本飲んだら悪ですか 尾崎良仁
第73回 8月27日-9月2日分(29名58句) 自由吟 森山文切選
ハンドルを握ると猛暑でも元気 丹下凱夫
I・love・you言えば美魔女が逃げ出した 敏治
奪いたい密かに燃えて風は秋 ゆめか
慣れっこよいつも遅れる路線バス パッキー
わだかまり解けて二つの独楽和み 風間なごみ
無理をして心の広さ見せている 若芽
カサブタが取れてそろそろ次の恋 撫子
夏休み終わって朝の喧噪へ 藤井康信
風神と雷神がくる痴話喧嘩 鈴鳴うた猫
無精ひげ休みの朝は人になる 尾崎良仁
淋しさを呑み込む自動改札機 平井美智子
着飾ってみても透かせば女郎花 永見心咲
勝ち負けに拘る旗の不眠症 福村まこと
列島を跨いで夏が落下する 城水めぐみ
慰めが惨めの海へ突き落す はな
球児らの涙撮りたいカメラマン 森田旅人
日の丸の赤をかじれば絞首刑 高田まさじ
命中度あるか正恩のションベン セイサククン
鰯雲搬入新学期のプール 岩根彰子
妻は赤ボク黒で書く予定表 片山かずお
社会との誤差がアイデンティティだろう 藤沢修司
晴雨兼用 愛されていた訳じゃない 平井美智子
第72回 8月20日-8月26日分(23名46句) 自由吟 森山文切選
夏バテの理由にされた缶ビール 彦翁
へそ曲がり母に重ねる蕎麦の花 むぎのあわ
子の居ない夜に二人会話なく 馬勝
不器用を嘲笑ってるセロテープ わこう
まだここに辿り着かない想い人 鈴鳴うた猫
ひと夏のスコアボードを胸に抱く くじょうまる
本籍は北緯四十五度辺り 高田まさじ
嫁ぐ日に父のカメラの窓くもる パッキー
ひまわりが淀む魂持ち上げる 藤沢修司
嘘ひとつ揺すって低く水を飲む 岩根彰子
瘡蓋が乾く速度でついた傷 城水めぐみ
番号に命吹き込む大レース 森田旅人
人は変えられぬ私はスクワット じゅん
盛り蕎麦に刻んだ海苔という嫉妬 西沢葉火
白地図を歪んだままにする岬 福村まこと
人力車轍を残し沈む街 徳重美恵子
隙間からほつれる傍からほぐれる くに
オタクから抜け出したくてもがく母 麦乃
第71回 8月13日-8月19日分(25名47句) 自由吟 森山文切選
盆明けの通勤電車みな欠伸 藤井康信
コソコソを暴き奈落へ週刊誌 撫子
どの色を塗ってもピカソにはならぬ 若芽
アダージョに変え見えてきた襞の奥 森田旅人
ブランドの街につゆ草愛されぬ くに
熱中症汗と涙へ黒砂糖 芥子
ミサイルを飛ばすと野次も頭越し 彦翁
蒸し暑い夜の毛穴はだらしない 西沢葉火
暑いねに暑いですねが返る夏 片山かずお
百均の時計で今日も日が変わる 武良銀茶
輝いていたヒマワリの明るい死 阿部千枝子
夕方の土手は子供のなれの果て 岩根彰子
さようならキリンレモンが雲を追う 尾崎良仁
小気味よい女へ妬いた日の誤算 風間なごみ
素振り千回無我が掴んだ決勝打 敏治
閉店後握りこぶしが回る寿司 福村まこと
微風でも寂しいドアはすぐ閉まる 藤沢修司
第70回 8月6日-8月12日分(25名49句) 自由吟 德田ひろ子選
八月は平和を心から祈る 彦翁
ふたりきり苦味とぬるさ増す珈琲 むぎのあわ
願わくば花火のままでいたかった 西沢葉火
凄いよと褒めちぎられて木に登る パッキー
A4の余白にもある黙秘権 森山文切
お茶碗と湯のみが一つ遠花火 福村まこと
伝えたら淋しくなってしまいます くに
もうそろそろですよとお茶を替えられる 片山かずお
ミサイルを花火のように打ち上げる 彦翁
縦横に苦労交わる笑い皺 武良銀茶
雲の峰そこから秋が見えますか 敏治
イエスマンひそかに爪を研いでいる 徳重美恵子
孫が来る猛暑もなんのそのの妻 森田旅人
相似形すくすく育つパンダの子 わこう
交差する君と僕との赤信号 鈴鳴うた猫
殴り込みして行ったのか通り雨 青砥たかこ
森山文切選
行き先は知らない猫に聞いてよね 麦乃
声の無い巣箱に蜘蛛が張った弦 西沢葉火
願わくば花火のままでいたかった 西沢葉火
正解を見つけられない大人です 徳重美恵子
男親寄り添う側の人でした くじょうまる
相似形すくすく育つパンダの子 わこう
素麺を茹でながら飲む缶ビール 青砥たかこ
伝えたら淋しくなってしまいます くに
もぐらが覗くおけらが覗く夏の月 丹下凱夫
雲の峰そこから秋が見えますか 敏治
ひと房の葡萄の重み種がない くじょうまる
お笑いの毒で剥ぎ取る世間体 福村まこと
お茶碗と湯のみが一つ遠花火 福村まこと
今朝は三匹蝉のお墓に手を合わせ アゲハ
逃げても逃げても東京に捕まる 尾崎良仁
殴り込みして行ったのか通り雨 青砥たかこ
第69回 7月30日-8月5日分(16名31句) 自由吟 森山文切選
原爆の嘆き続いているドーム 阿部千枝子
溶け落ちて夏の落暉の溜まる場所 御泉水
千代紙を切れば満月折れば星 星野変哲
片耳の月が聴いてる妻の愚痴 麦乃
鉛筆が丸くなったら強い顔 西沢葉火
銀河系そっと旅するボツ花火 徳重美恵子
間取図に誰も知らない部屋がある 福村まこと
スッピンの月が忍び足の真昼 藤沢修司
絵葉書にうすい歯形のメッセージ 福村まこと
信号の青が続いて淋しい日 平井美智子
100均のいつもの棚に僕の顔 尾崎良仁
諦めるなまだため息が残ってる 敏治
混ざりたくないからずっと「る」のカタチ くに
第68回 7月23日-7月29日分(20名39句) 自由吟 森山文切選
UFOを真面目に呼ぶよ視聴率 芥子
若き日の焼きもち焼いた妻いずこ パッキー
ネクタイを外し人間らしい夏 彦翁
親の血を引いて腕より口が立つ 片山かずお
迫る老い払うドレスとハイヒール 森田旅人
蜘蛛の糸今日が徒労だとしても くじょうまる
スポットはすぐ隣まで当たるのに 藤沢修司
冷房が効きすぎ縮む三葉虫 麦乃
猛暑日に氷河を撃った捕鯨船 福村まこと
上向きのヘッドライトのような夏 永見心咲
シンデレラ呼ばれず朽ちる砂の城 鈴鳴うた猫
栞さえ挟めぬほどの恋をせよ 尾崎良仁
本心はタップをしても表れぬ くに
WEBから松居一代がこぼれ出る  風間なごみ
忖度をしてたら溶けた角砂糖 敏治
ワイシャツの折り目に支配されている 西沢葉火
第67回 7月16日-7月22日分(18名33句) 自由吟 森山文切選
青のまま死を覚悟するミニトマト 阿部千枝子
楽しげに揺れる木の葉と恋心 鈴鳴うた猫
ブランコをちょいと揺らしただけの恋 ちゃくし
棒の先僕は健気に回る皿 撫子
指の先乾いてスマホ動かない 森田旅人
帯広の避暑地はどこという猛暑 masayoshi
ネットスーパーアイスも持ってきてくれる 徳重美恵子
残業の黒コンビニサラダの青 藤沢修司
日が暮れて体が変わるから困る 藤沢修司
厭世の利き手で握る補水液
誤字消したメモの汚れに救われる 福村まこと
裏側はこんがらがっている影絵 西沢葉火
にんげんの離れにもらう借地権 くに
第66回 7月9日-7月15日分(17名33句) 自由吟 森山文切選
丸いから追いかけっこが終わらない 麦乃
あくびするふりして流す泪には 宮坂変哲
ほぅと息吐けば蛍となる今宵 御泉水
甚平の三時のおやつトコロテン 彦翁
ぬる燗に故郷も友も液状化 藤沢修司
熱帯夜虫が始める無礼講 福村まこと
真実を探れば辿り着く破滅 敏治
被災地がまた増えましたお月さま くに
野良猫に涼風の抜け道を訊く アゲハ
クリッククリック想い出が拡大 くに
メモの上ト音記号を置いて行く 西沢葉火
シャッター街万策尽きて猫カフェ くじょうまる
ユニクロの四角い文字の生き様よ 尾崎良仁
甘そうな風探してる風見鶏 敏治
第65回 7月2日-7月8日分(18名36句) 自由吟 森山文切選
長生きのコツ三十五年ローン 藤沢修司
日めくりを重ねて捲る日もあった やっこ
市役所の朱肉酷使に耐えている くじょうまる
禁煙十年まだポケットを探る癖 敏治
ビー玉を落とせば気合い吐くラムネ 福村まこと
将棋盤探す押入れから昭和 森田旅人
六月の白いドレスの生乾き 西沢葉火
紫陽花のため息を聴く地蔵さま 阿部千枝子
笹の葉に感謝の言葉だけ吊るす 彦翁
置き去りにされたばかりの蜃気楼 鈴鳴うた猫
自販機も撤去されゆく無人駅 徳重美恵子
素直って痩せた果実の種のこと 尾崎良仁
第64回 6月25日-7月1日分(23名45句) 自由吟 森山文切選
キャラ弁は先ずはカメラに味見させ 撫子
本日休診先生二日酔い 沢田正司
一億円ほどあればいい100000000円 丹下凱夫
次々と心配事が来て呆けぬ 麦乃
雨蛙水面の雲の上泳ぐ 宮坂変哲
栄光を裏打ちしてる過去の汗 永見心咲
馬鹿だなあ騙されちゃって半世紀 風間なごみ
話しかけあっさり解けたわだかまり 森田旅人
梅雨の入り記憶を捨てきれずにいる アゲハ
夕立を降らせ言い訳する天女 福村まこと
サンダルが追いかけて来て恋をした 尾崎良仁
マニキュアに翻弄される除光液 徳重美恵子
豊かさにスイカ四角の時代相 敏治
縦結びやんちゃ水玉エプロンだ 阿部千枝子
独楽回し考え少しゆるめ中 くじょうまる
高圧洗浄しても失言流せない 圦山繁
わたくしを探しに迷子預かり所 くに
警察をすぐ呼びたがる座敷犬 福村まこと
第63回 6月18日-6月24日分(15名29句) 自由吟 森山文切選
スイッチがある日突然オフになる 麦乃
寄り道は無駄と知ってる蟻の列 福村まこと
病む兄に 背をさする手のさようなら 森田旅人
あかぎれで咲かせてくれた夏みかん 西沢葉火
体中ハイビスカスが咲き誇る くに
梅雨入りに愛の注水ひと休み 阿部千枝子
割り切れぬ思いを抱いて茶碗酒 風間なごみ
空高く綿毛をひとつ置き去りに 鈴鳴うた猫
水玉が夏日に跳ねる梅雨の午後 彦翁
木漏れ日の斑模様のまま家族 藤沢修司
半夏生あの約束は反故ですか 永見心咲
空き家には色が変わったゴムホース 徳重美恵子
蜜豆の寒天すくう嘘すくう 藤沢修司
第62回 6月11日-6月17日分(21名40句) 自由吟 森山文切選
金魚だって メランコリーになる梅雨 敏治
湧くようにメダカの増える夏が来た 森田旅人
ぶっちゃけて言えば誰でもよかったの やっこ
お利口な人だね何も喋らない  風間なごみ
野次馬の一番好きな巴戦 福村まこと
生きるのがちょっとメンドウクサクなる 麦乃
待っている訳じゃないけど来ぬ黄砂 永見心咲
脳トレに良いことばかりインプット 阿部千枝子
交流戦老いを忘れている力み 彦翁
引っかかる部分が増えてきたホッペ 西沢葉火
滲むメモ今は迷っているんだね アゲハ
六月は無言の傘の列にある 尾崎良仁
遊歩道には一円も落ちてない 丹下凱夫
第61回 6月4日-6月10日分(21名41句) 自由吟 森山文切選
鶏をイラッとさせる卵の値 風間なごみ
寄り添って生きていくには狭すぎる 鈴鳴うた猫
牛蛙音痴も混じるハーモニー パンコ
甘美なるものが漏れ出す勝手口 西沢葉火
傘寿会洗い晒しの顔で寄る あそか
多忙な日ことさら負荷を背負いたがる 永見心咲
マイペースでした私の決算書 くに
遠雷を明日発つひとと聞いている 藤沢修司
悲しくて笑窪みちばたで拾った 徳重美恵子
自己主張してくれメルアドのドット くに
指定席買っても抜けぬ走る癖 沢田正司
折り畳み椅子を持ち寄る大家族 福村まこと
真夏日に値上げビールが恨めしい 彦翁
第60回 5月28日-6月3日分(28名55句) 自由吟 さわだまゆみ選
引き出しのメモから下五ひとつ出す 彦翁
百めざすお口の中の大工事 武良銀茶
俺よりも気楽に生きる妻の勝ち 武良銀茶
ストライクゾーン広げて待つメール アゲハ
ヨイショされると思ってもない力出る 丹下凱夫
人としてのタグが外れてはないか 徳重美恵子
金の要る時は無口な子に戻り 福村まこと
老い先と夢の遠さが釣り合わぬ 藤沢修司
菓子作り目覚めた父の無骨な手 麦乃
土砂降りは空の弱みを突いたから くに
メモの文字だけは優しくしてくれる 森山文切
言わないでおこう嵐は好まない 永見心咲
百歳が悟るこころの匙加減 敏治
あの子にも帰れる家があるように くじょうまる
お洒落ねと言われて案山子寛げず よけだ
助手席の妻の助言でまた迷い 沢田正司
ラッピングされた苦言が熱を持つ 永見心咲
たんぽぽがやたら集まる人が好き 西沢葉火
言い返す言葉が浮かぶ帰り道 圦山繁
ミサイルか鴉か思案する恐怖 彦翁
森山文切選
ミサイルか鴉か思案する恐怖 彦翁
引き出しのメモから下五ひとつ出す 彦翁
俺よりも気楽に生きる妻の勝ち 武良銀茶
羽休め蝶がみるのは白昼夢 鈴鳴うた猫
ヨイショされると思ってもない力出る 丹下凱夫
雨降りの迎えの駅にあるこころ 敏治
害虫と駆除した指定絶滅種 福村まこと
沈黙に弱く口火を切り墓穴 森田旅人
ビー玉の中に未来の夢を見る 御泉水
ラッピングされた苦言が熱を持つ 永見心咲
言い返す言葉が浮かぶ帰り道 圦山繁
ストライクゾーン広げて待つメール アゲハ
宴会を終わらせ六月が始まる 尾崎良仁
純粋な反旗をプロに汚される よけだ
土砂降りは空の弱みを突いたから くに
パソコンに学習させた誤変換 風間なごみ
拳にも名前を書いて下さいね 徳重美恵子
梅雨冷えの居間だ思春期倦怠期 藤沢修司
第59回 5月21日-5月27日分(24名46句) 自由吟 森山文切選
メロディーへ想いを秘めた過去がある 風間なごみ
いい人に逢える予感の茶がうまい 沢田正司
窓ガラス拭いきれない晴れぬ胸 めぐむこ
誉められぬ自分をほめて今日終わる 徳重美恵子
ありがとうと笑顔振り撒き世を渡る 片山かずお
天を向く顔は洗ってないけれど 西沢葉火
バカボンのパパとおんなじ日を過ごす たまき
狭い庭色取り取りに見せる初夏 彦翁
4年も着れないトランプ柄の服 芥子
ハグをする腕の長さが丁度良い あそか
約束をふと思い出す十年後 麦乃
デイゴの花共謀罪にへこたれず 澤井敏治
六月の雨やれやれもうんざりも 永見心咲
亡母に会う日まで磨いている心 森田旅人
目ん玉をレム睡眠に齧られる 海賊芳山
自動では済まぬ妻との車間距離 藤沢修司
チケットレス特急の席味気ない 城崎れい
弱虫は虫図鑑から除かれる くに
メンタルの弱さで綿毛飛んでいる 海賊芳山
第58回 5月14日-5月20日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
有り余る時間に溺れ進めない やっこ
寿司桶のスペース埋めるいなり寿司 くじょうまる
白旗も反旗も振らず生きている 沢田正司
茶柱のよく立つ番茶ありますか 丹下凱夫
空に手を放てばすべて水彩画 良仁
心の飢餓ゆえに世界に起こる飢餓 敏治
灰が舞う街で「いいよ」と呟いた 鈴鳴うた猫
速報が新聞紙から家出する 福村まこと
特別な思い日の丸弁当に 森田旅人
サンダルはくたびれたけど地平線 パッピ~
自販機で初めて知った茶の種類 徳重美恵子
二毛作通し定年後は専科 永見心咲
暑いねと金魚に言っている暑さ 藤沢修司
生き様を素直に見せる金魚鉢 彦翁
第57回 5月7日-5月13日分(23名45句) 自由吟 森山文切選
過去形になってはくれぬ片思い たまき
言い負けて風に転がる自尊心 藤沢修司
あなたとの愛に乾燥注意報 藤井智史
もういいかい ただただ風に消えてゆく 鈴鳴うた猫
要介護痴呆徘徊液状化 海賊芳山
スタートにビタミン剤が落ちている 風間なごみ
点火され消されローソク身が縮む 徳重美恵子
空中に心を放つパスポート 森田旅人
貝殻の中に閉じ込められた音 宮坂変哲
友達のいない誰かの黒い傘 未来堂良仁
ケータイがだんだん軽く怖くなる 徳重美恵子
納税をした故郷へぶらり旅 永見心咲
大空の緋鯉と競うカープ女子 彦翁
一粒の逃亡ゆるし豆ごはん くに
見て見てとつぶやいているこぼれ種 麦乃
ドライアイなので涙を買いました 彩古
再出発するにはちょっと赤がいる くじょうまる
シャワーから午後の電話が漏れてくる パッピ~
第56回 4月30日-5月6日分(28名55句) 自由吟 森山文切選
洗面所逆立ちをして待つチューブ 敏治
青く咲く花くわしくはWEBをみて 鈴鳴うた猫
待つことに慣れ痛みにも鈍くなる アゲハ
夕方に渡り切ったか蝸牛 パッピ~
万緑のところどころに白い花 丹下凱夫
隠してもやがて尻尾を出す詐欺師 沢田正司
口下手が指で操るラブメール たまき
呆気なく黄昏に溺れてしまう 藤沢修司
ピンボケは地球が動くからでしょう くに
連休でパチンコ玉は休めない 徳重美恵子
投函しポストの浅さ気にかかる 黒しま
鉢巻きにされても文句言えぬ布 城崎れい
指先で決めるコインの裏表 彦翁
次男と次女のすばしっこさは侮れぬ 片山かずお
容赦なく深部を照らす走馬灯 城水めぐみ
遺影にはネクタイ姿選ばない くじょうまる
ストイックすぎる自分に疲れ出す 麦乃
革命をテレビの前で待っている 福村まこと
第55回 4月23日-4月29日分(28名56句) 自由吟 森山文切選
入選の百句目指して亀の足 旅人
心療内科傷に包帯巻けません 黒しま
あなたから生まれる言葉紡いでく 鈴鳴うた猫
母という重み母しかわからない 城崎れい
引き出しを開ければ母がよみがえる  風間なごみ
田畑を地球にかえし旅支度 武良銀茶
制限の中で最大限生きる くじょうまる
鉛筆削りシニアカレッジまず一歩 やひろ
春雨にとけて音楽躍る夜 御泉水
咲いて散るだけでさわいでいる日本 丹下凱夫
骨のない男何だか好きになり あそか
使えない電池みたいにひとりです 未来堂良仁
沈黙を騒がしくする鉤括弧 城水めぐみ
妻の目が光った後の無言劇 彦翁
取説をすぐに取り出すアナログ派 圦山繁
軍艦の授乳時間にくるイルカ 福村まこと
25時炭酸までも逃げてゆく 未来堂良仁
栞にもあったこっそり折れたやつ 徳重美恵子
行く先を問うてはくれぬ霊柩車 たまき
セーリング瀬戸内海は試歩の風 永見心咲
ランジェリー春の波動に包まれる くに
第54回 4月16日-4月22日分(27名54句) 自由吟 森山文切選
親の敷くレールが錆びていく焦り あそか
ミサイルか花火か騒がしい地球 彦翁
骨のない男で箸に掛からない たまき
埋め立てをしっかり見据えさくら貝 黒しま
輪を抜けてはっきり見える輪の形 沢田正司
遠回りしても絶対会いに行く やっこ
蝶よ花よ父母雑草と成り果てる 芥子
脇役が好きではないとかすみ草 awaji
未消化の想い出ばかり増す夜更け 辻堂墟庵
夫婦げんかドローにさせる子の寝言 敏治
孤高だから風を読むのに長けてくる アゲハ
懐に昨夜の雨を隠す海 パッピ~
トゲのあるバラもいずれは丸裸 城水めぐみ
サザエさんしんみり歌う春の宵 くに
着地するつもりの地図が見当たらぬ 永見心咲
メルヘンを眠らせている光る庭 麦乃
有耶無耶と書くとうやむや暴きたい 徳重美恵子
守秘義務に潜水艦の窒息死 福村まこと
留守電にトロトロ溜まる母のぐち めぐむこ
ピンボケのものたりなさを好きでいる くに
反転をさせるつもりの駒を抱く 徳重美恵子
第53回 4月9日-4月15日分(23名45句) 自由吟 森山文切選
春の陽に背中を押され前を向く かしくらゆう
脇役で生きて上手になった犠打 圦山繁
脳ミソが日本の四季で耕され 武良銀茶
爪を出し下手と言われた綱渡り 風間なごみ
ダメ押しのウンチク広げ玉の汗 千矢子
潔くあきらめたらと花が散る 麦乃
内定の企業破綻で掴む運 森田旅人
春生まれなのよといつも能天気 あそか
谷底で栄える獅子の種族あり パッピ~
ストレスを溜めてゆるキャラ演じてる 星野睦悟朗
濁っても良いではないかスタートは 徳重美恵子
朗報を匿名で待つ掲示板 福村まこと
六曜に縛られないで生きてます 城崎れい
自販機に入れる小銭もない散歩 彦翁
第52回 4月2日-4月8日分(23名45句) 自由吟 森山文切選
すぐ側にある幸せが見えないの 鈴鳴うた猫
卒業へバイトの汗は惜しまない 風間なごみ
飽食のカラスが選ぶゴミ置き場 たまき
醍醐寺のさくら一千年のうた 彩古
思うまま生きてみたいと花筏 やひろ
人生のところどころにラビリンス 若芽
あっ そこは立入禁止深みどり くに
止められているので少しだけにする 片山かずお
ヒヤシンス一本だけを渡される 永見心咲
読めないが変な名前と言われない 福村まこと
叩いても踏んでも一皮剥けない 徳重美恵子
過去形の話と降り続く雨と 辻堂墟庵
押し花が雨に恋する本のなか かしくらゆう
引き時は笑い話の終わる頃 彦翁
遊ぼうとモンシロチョウが呼びに来る 敏治
頂点に立ってる人の足の裏 パッピ~
カーテンもそろりと揺れる新天地 めぐむこ
シンプルの美とはこうだと目玉焼き 片山かずお
第51回 3月26日-4月1日分(24名47句) 自由吟 森山文切選
もう今日は帰っていいと言われたい かしくらゆう
怒りて怒りて湯気ごと茶を飲む 未来堂良仁
訣別にならぬ言葉を選ぶ技 麦乃
車イス爪を切っては指戻す 徳重美恵子
晩学の辞書にメガネの度が合わぬ あそか
庭に来る鳥にみかんのおもてなし たまき
潮騒を奏でる夕暮れのハープ くに
さくらさくら例え話はしない鬼 くみくみ
二分咲きで一本飲んだ缶ビール 彦翁
虚栄心捨てると軽い靴の音 沢田正司
蜘蛛の巣を編んで張っての新年度 城水めぐみ
貝殻を開けば虹は逃げていく パッピ~
例えばとわたしを吊るす鐘の音 永見心咲
玄関におくかトゲトゲしいアロエ 千矢子
春の音させて転がるアルミ缶 敏治
鬼になれずに母親になりました くみくみ
第50回 3月19日-3月25日分(31名60句) 自由吟 栃尾奏子選
大人びた顔も眩しいランドセル 彦翁
亀の鳴く声を聞いたという詩人 敏治
迷ってもご飯はちゃんと炊き上がる 麦乃
水曜日あたりで顎をだす鞄 永見心咲
老功が竹人形を踊らせる あそか
減らず口叩き傘寿の空元気 沢田正司
呑み込んだ本音カーブに吹き溜まる 北田のりこ
だまし絵の森に棲んでる青い鳥 北田のりこ
初恋の隠し場所ない十五歳 福村まこと
ため息を小さく孕むしゃぼん玉 城水めぐみ
からっぽに慣れた左手薬指 城水めぐみ
ヒマワリになるから放っといてほしい くみくみ
街路樹が芽吹きのときを話し合う かしくらゆう
解凍に時間がかかる厚化粧 若芽
いい人に出会った今朝の青い空 若芽
明太子パスタもさくら色の春 森山文切
早春の夜空いっぱいイヌフグリ くに
まだあった大人げなさと折り合って くに
春らしい答えが風とやってくる 青砥たかこ
アタックのチャンスきれいなトスが来る 青砥たかこ
森山文切選
オートミール祖父の横顔思い出し 御泉水
亀の鳴く声を聞いたという詩人 敏治
ネジ巻いて巻いて続ける老いの趣味 圦山繁
スマホからバイリンガルの唄が漏れ たまき
減らず口叩き傘寿の空元気 沢田正司
よく生きた心の傷を抱えつつ うた猫
昭和へと寝返りばかり打つ老爺 辻堂墟庵
いい人に出会った今朝の青い空 若芽
ため息を小さく孕むしゃぼん玉 城水めぐみ
両腕で抱いているのは空っ風 くみくみ
絹糸のもつれは愛の不釣り合い 藤井智史
早春の夜空いっぱいイヌフグリ くに
まだあった大人げなさと折り合って くに
待ちわびているとなかなか来ないバス やっこ
この枝に咲いたらきっと泣くだろう やっこ
迷ってもご飯はちゃんと炊き上がる 麦乃
だまし絵の森に棲んでる青い鳥 北田のりこ
靴下の丈も個性を出し切れず 谷山朔
怒鳴り声上げてるショキングピンク 海賊芳山
夜中です祖父の後ろを歩きます めぐむこ
解凍に時間がかかる厚化粧 若芽
初恋の隠し場所ない十五歳 福村まこと
水曜日あたりで顎をだす鞄 永見心咲
第49回 3月12日-3月18日分(22名43句) 自由吟 森山文切選
何やかや言ってるうちに春が来る 若芽
ふわふわとためらうこころ持て余す めぐむこ
何気なく笑っていても蚊帳の外 麦乃
疑いが晴れて美味しい紅茶飲む やっこ
定まらぬ春をどうにかゲットする 永見心咲
駅員さんと会話交わして春切符 敏治
まばたきの音に怯えている一人 パッピ~
夜の黒吸って気配を消している 海賊芳山
伝説になった昭和の団子汁 あそか
トールゲートあと百円が落ちている  風間なごみ
傷心の造花は水を欲しない 辻堂墟庵
新しいパソコンが人見知りする かしくらゆう
危な絵を巻き寿司にする父兄会 福村まこと
第48回 3月5日-3月11日分(21名41句) 自由吟 森山文切選
大学を出て職安に世話焼かれ 風間なごみ
時計にはなれず砂漠で風になる パッピ~
ポストイット程の粘りは持っている 圦山繁
紐とけば江戸のころから蒙古風 敏治
吊り橋を渡れば出会うつむじ風 みずえ
ちぎるなら愛とキャベツで春パスタ かしくらゆう
寂しさを掬い集めて恋の花 御泉水
伝統ののれんを守る汗と知恵 沢田正司
晴れわたる夜の青空 深呼吸 くに
あーあーと欠伸と浸かる仕舞風呂 片山かずお
夜明け前食パン耳を澄ましてる 谷山朔
石棺に爪あと残す律義者 福村まこと
花びらにむせるモラトリアムな春 城水めぐみ
がんばれと励ましている無人駅 彦翁
薀蓄を煮込む男の芋煮会 たまき
ハウスから肩身の狭いフキ香る めぐむこ
第47回 2月26日-3月4日分(20名40句) 自由吟 森山文切選
銘酒でも下戸にはただのアルコール 圦山繁
ロボットが明日は上司かもしれぬ 星野睦悟朗
母さんの切符をもって乗る園児 敏治
心中になんじゃもんじゃの木が茂る 永見心咲
手のひらに掴んだものを確かめる 麦乃
念願の切符手に入れリスタート めぐむこ
うつ伏せになって抱かれているつもり パッピ~
さ迷って都会に浮いているクラゲ 海賊芳山
教室で折り畳まれていた翼 城水めぐみ
はつらつと生きると決めた頃に春 彦翁
新芽ですいましばらくの御猶予を 永見心咲
存分におやりなさいと真イカの目 谷山朔
第46回 2月19日-2月25日分(20名40句) 自由吟 森山文切選
この雪が融けないうちに言わなくちゃ やっこ
人の道外さぬように嘘をつく 武良銀茶
萌える芽にふれて命のありがたさ 彦翁
梅や桃春だ春だと小うるさい めぐむこ
観客はいないけれども主人公 夢香
生きるため毎日直す設計図 片山かずお
押入れの奥で男雛が咳払い かしくらゆう
ご自由にどうぞバザーの端の僕 辻堂墟庵
タレントの名前ふわりと雲隠れ 圦山繁
憧れの都会で事故死する鴉 福村まこと
どうにでも描きなぐってと青い空 風間なごみ
落ちてゆく砂を眺めるだけの午後 城水めぐみ
猫を脱ぐミステリアスな瞬間 あ くに
欲望を積み上げていくバナナパフェ 海賊芳山
春の陽を覚えていたんだね木の芽 風間なごみ
第45回 2月12日-2月18日分(24名48句) 自由吟 森山文切選
春風に蟻が休めりホトケノザ 谷山朔
二杯目は明るい声の居候 木根川八郎
無関心装い敵をやり過ごす 麦乃
見る人も梅もほろ酔い薄化粧 敏治
足腰にときどき喝を入れてます 春爺
ジェラシーの焦げ目が残る古日記 たまき
野心捨て底なし沼を抜けて出る 沢田正司
底冷えがするの秘密を隠す夜 かしくらゆう
疑いを掘り下げていく脱水槽 パッピ~
二十年忘れましたと笑ってる 宮野みつ江
何色の鬼でも好きだ頼もしい 龍せん
平和ボケ平らな日々にシン・ゴジラ 武良銀茶
五線譜の上では清らかな家族 城水めぐみ
チーズ饅頭どこから見てもテロリズム 海賊芳山
欄外で見る雪だから美しい 永見心咲
ブラックな所に蜜は満ちてくる 海賊芳山
父だったひとだったはずだった父 城水めぐみ
第44回 2月5日-2月11日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
無駄ですがくじ引く腕に力瘤 武良銀茶
コンビニとチンを味方に独り立ち 星野睦悟朗
苦味だけ残る魔法の解けたチョコ 城水めぐみ
順風満帆何とつまらん人生か 武藤今朝夫
ワンマンの打ち出す案に泣く現場 圦山繁
少しだけ情けが欲しい時もある やっこ
直球がわたしを通り抜けていく くに
いつか立つ輝く岐路が今日だった 谷山朔
偏屈で短気に寄って来る孤独 片山かずお
マフラーを外して春のくしゃみする 彦翁
枝打ちをされたけやきと春を待つ かしくらゆう
大仏にネジを巻かれたかたつむり パッピ~
悔やんでも戻らぬ若さ黴た餅 めぐむこ
あたたかな畳を終の駅に敷く 辻堂墟庵
お言葉に甘えて海に帰ります 海賊芳山
四十歳でした次のニュースです 風間なごみ
影作る石灯籠の自己嫌悪 福村まこと
気取っても頬杖はもう似合わない 麦乃
第43回 1月29日-2月4日分(17名34句) 自由吟 森山文切選
雪虫をよけて風切る通学路 谷山朔
八方美人してたらなった胃潰瘍 敏治
繕うても語尾に人柄透けて見え 圦山繁
優しくも厳しい鬼が理想です めぐむこ
常識を捨てて芸術家を気取る あそか
どこかしらいつも何かが痛む人 麦乃
牛の背にぶら下げている母のヘソ パッピ~
丹念に磨き戻らぬブーメラン たまき
あまい香のリビング冬のティーポット くに
お出かけのポッケにバスの優待証 片山かずお
電気柵囲んだ中の放し飼い 福村まこと
繋がれた糸に鋏を添えておく 城水めぐみ
ゆたゆたゆたう背徳心に酔いながら くに
第42回 1月22日-1月28日分(25名50句) 自由吟 森山文切選
雪予報寒さに泣くは一年生 御泉水
昨日まで覚えてたこと忘れてく やっこ
湯に浸かりアルキメデスを思う夜 沢田正司
雪道に負けてはいない足運び 彦翁
大統領恫喝萎縮大企業 圦山繁
絵手紙は一足早い春告げる 夢香
通学の声透き通る冬の朝 片山かずお
満月がぽちゃんと落ちた池の波 若芽
足よりも二三歩前に行く気持ち くに
のっぺらな首が浮いてる美人の湯 風間なごみ
冬眠をさせてくれない腹の虫 たまき
俺だけが寒いんじゃない独り飯 武藤今朝夫
夕焼けへ匍匐前進する所長 福村まこと
静寂をいびつに跳ねるオルゴール 城水めぐみ
そんなふうだからいつでもピスタチオ 永見心咲
分別マーク知ってるカラス今朝は来ぬ 敏治
片道切符迷ってみたい時もある あそか
仏間にてご先祖さまとおままごと かしくらゆう
終活へ二十歳の夢を連れたまま 星野睦悟朗
置き去りの星がポツンと沼の中 麦乃
人生は白へと回帰する旅だ 辻堂墟庵
マネキンのR指定のふくらはぎ 海賊芳山
泡盛の透明感にだまされる 武良銀茶
第41回 1月15日-1月21日分(18名36句) 自由吟 森山文切選
また寒波風邪にはみんな気をつけて
旧姓で呼び止められる里の店 福村まこと
交通費ケチったくせにパフェ食べる 石森あやみ
ダイエットしたと態度のデカイひと かしくらゆう
遅刻した冬がゆるりと落ちてきた 城水めぐみ
脱獄の気分に浸る定年後 星野睦悟朗
目も口も閉じ荒波をやり過ごす めぐむこ
スキップで羽になりたいおさげ髪 パッピ~
ばあちゃんのおせちおかずがありません 武藤今朝夫
乾燥をすると香りが増すハーブ 青砥たかこ
介護ロボ痛いと言えば直ぐ止まる 武良銀茶
ばあちゃんの革命と屋根すべる雪 くに
第40回 1月8日-1月14日分(24名48句) 自由吟 大西俊和選
お薬を確かめ老いの旅カバン 風間なごみ
年玉の返しと風邪の置き土産 敏治
歩に戻る気の無い名刺前を付け よけだ
まな板に母とおんなと嫁の唄 福村まこと
早婚や親を泣かせて今がある 坪井篤子
空っ風黄信号でも突っ走る 若芽
当ったと公言できぬ宝くじ 若芽
沈黙のつぼみにふっと花が咲く くに
運命は不躾急にやってくる かしくらゆう
スマホにも寒いよねって息かける かしくらゆう
あの山を越えればきっと春がある 山口一雄
自分史の随所にペンのフライング あそか
初々しいふくら雀を背に二十歳 はるか
あの世へは持てぬお金を貯めた母 石森あやみ
鍵穴の視野で世間を見る余生 圦山繁
肝臓の辛さを知らぬ千鳥足 圦山繁
6階の庶務課がボクの生きる場所 麦乃
善い人と呼ばれる夫(つま)が踏む小石 福村まこと
縦横斜め糸が絡んだ要介護 たまき
よろしくと片手拝みで頼まれる 片山かずお
詫びることある盃が重くなる 辻堂墟庵
ぶつかって初めて気づく注意書き 山口一雄
森山文切選
肝臓の辛さを知らぬ千鳥足 圦山繁
詫びることある盃が重くなる 辻堂墟庵
雪女が迫る凍死かもしれぬ 敏治
忘れっぽい日々のためです日記帳 めぐむこ
まな板に母とおんなと嫁の唄 福村まこと
むずがゆい方へ方へと手がのびる 坪井篤子
水筆にジェルソミーナの涙つぶ くに
ぶつかって初めて気づく注意書き 山口一雄
よろしくと片手拝みで頼まれる 片山かずお
初々しいふくら雀を背に二十歳 はるか
マスクしてとんど祭りの餅を焼く 彦翁
紙の縁滑らせて切った臍の緒 パッピ~
6階の庶務課がボクの生きる場所 麦乃
与野党の溝は大きい方がよい よけだ
空っ風黄信号でも突っ走る 若芽
自分史の随所にペンのフライング あそか
暗闇のすき間でかすかな息継ぎ 海賊芳山
猫が目を回す白髪の恋ダンス たまき
第39回 2017年1月1日-1月7日分(19名38句) 自由吟 森山文切選
人は人頑と持論を譲らない 星野睦悟朗
好き嫌いする人がいるクラス会 若芽
割り算の余りのような恋だった 風間なごみ
胸奥を透明になるまで浚う 辻堂墟庵
夢に来た夫は若い時のまま 宮野みつ江
コタツから眺める雪が青白い やっこ
寒椿散り落ち空をなお睨む 圦山繁
ロボットに情が芽生えた瓦礫処理 あそか
右の手をなだめ優しい言葉書く かしくらゆう
鶏旦の輝くひかり深呼吸 敏治
丁酉 風切羽は整った たまき
コピー機の前に並んだマジョリティ 城水めぐみ
アクティブな八十路だーれもついてこぬ たまき
ややこしい折られ方した紙の鬱 福村まこと
小さめの柩に花を積んでゆく 石森あやみ
ニンニクの謀反臭いを消している 海賊芳山
第38回 2016年12月25日-12月31日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
真空パックの小さな鏡餅 彦翁
まっ白な人を好んでいる企業 圦山繁
新しい年に責任押し付ける やっこ
言の葉は揺らめきながら君に落ち パッピ~
一人用お節が届き年暮れる みつ江
新しい靴で故郷の土を踏む 城水めぐみ
飲み込んだ言葉が甘いはずはない かしくらゆう
来る年は明るくなれよ桜草 めぐむこ
ゴミ出しへハテナ印の厚化粧  風間なごみ
お雑煮の出自調べる内視鏡 福村まこと
焼き味噌という手もあるな除夜の酒 敏治
振り向いてもらえぬ笛を吹いている たまき
禁酒禁煙腑抜け野郎ができ上がる 片山かずお
第37回 12月18日-12月24日分(19名37句) 自由吟 森山文切選
満点に頭撫でてとさしだす子 御泉水
待合室患者が医師のランク付け 宮野みつ江
誕生日スマホがやけに忙しい 彦翁
落とされるために今夜は紅をひく かしくらゆう
悪口を宛先ミスで知らされる 石森あやみ
たかが猪口されど私を知り尽くす 辻堂墟庵
故郷のサイレン海馬から響く 城水めぐみ
休肝日口がへの字になったまま 星野睦悟朗
明日のためすこしつよめにネジを巻く 澁谷さくら
だんだんと病み付きになるごみ拾い 武良銀茶
ドラマにはなくてはならぬいい女 あそか
ひらがなの相手が欲しいティータイム 若芽
伸びる芽を摘んでしまったドキュメント  風間なごみ
第36回 12月11日-12月17日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
頑張れと言われてふさぐキリギリス 星野睦悟朗
美しい朝日思わず手を合わす 片山かずお
はみだしたこころの居場所さがす旅 澁谷さくら
やれやれと笑っていない目を洗う 石森あやみ
ちっぽけな花束持って誕生日 めぐむこ
なんて楽なんて明るい影の裏 くに
場の空気破る勇気のない右手 圦山繁
くびれから今がこぼれる砂時計 城水めぐみ
マンボウの背ビレは誰に振っている 海賊芳山
味噌汁だって機嫌の悪い年の暮れ 敏治
三十年前の呪文に今かかる かしくらゆう
でたらめに泡立っているクリスマス 城水めぐみ
年末になるとそわそわする右手 やっこ
太腿を防潮堤にするタトゥー 福村まこと
第35回 12月4日-12月10日分(22名43句) 自由吟 森山文切選
いつからか気が重くなるお正月 やっこ
決心をしてから深くなる迷い 圦山繁
ヨーイドン二人で歩く白い地図 風間なごみ
ごめんねが届きますかと空仰ぐ 石森あやみ
パチパチとスルメかすかに爆ぜる音 星野誠
バーチャルな野山育ちの子らが増え 武良銀茶
靴下を2枚暑くて眠られず べにすずめ
冬ざれの街迷路から出られない 麦乃
雑踏でねずみ花火を抱いている 宮野みつ江
邪な祈りにサンタそっぽ向く 敏治
泣き顔を乾いた冬に隠したい かしくらゆう
飲み会は皆勤賞と言う師走 彦翁
敗因は海老の尻尾にある過信 福村まこと
煩悩の数だけ緩く舌を噛む 城水めぐみ
叱られて初めて知った悪いとこ 片山かずお
広げれば指の間に棲む人魚 パッピ~
告白のチャンスが逃げたルミナリエ あそか
姑帰るパキパキパキと鳴る背骨 宮野みつ江
パーフェクトヒューマンのあとさき不明 くに
第34回 11月27日-12月3日分(17名33句) 自由吟 森山文切選
初めから落とすつもりの蜘蛛の糸 パッピ~
繋ぐんじゃなく絡ませた指が好き かしくらゆう
お手頃のお節を予約するスマホ 彦翁
思うまま生きて悔いなく散る紅葉 圦山繁
散る木の葉次の世代を信じ切る 星野睦悟朗
体当り演技してます生きてます めぐむこ
地模様に初めて気づく白いシャツ 澁谷さくら
うやむやにできないベルが鳴り響く 城水めぐみ
洋食のスープはやはり苦手です 武良銀茶
クレーマー金属音を撒き散らす 圦山繁
第33回 11月20日-11月26日分(20名40句) 自由吟 森山文切選
掌に痛みが残る子の躾 圦山繁
一通の手紙夫婦を混ぜ返す 宮野みつ江
さっきから泣いてる人が気にかかる 麦乃
賛辞には慣れ過ぎました薔薇の赤 永見心咲
ふさぐ日は生きる生きると書くノート 石森あやみ
トランプに自立歩行を迫られる 彦翁
ライトアップの紅葉の憂い眼にしみる めぐむこ
目立たないところで光るエピグラフ くに
栗ご飯うまくて上がる血糖値 彦翁
トイレでも片手はスマホ離さない 星野睦悟朗
観客が一つ儲けた取り直し ツボ
二足歩行して人間は武器を持つ 敏治
石段を踏み外したら釈迦の腕 パッピ~
フィニッシュを見事に決めた薬指 若芽
日当たりの悪い葡萄を弟子にする 福村まこと
第32回 11月13日-11月19日分(25名49句) 自由吟 森山文切選
老いて尚気概は捨てぬままでいる 風間なごみ
叱られることには慣れていたくない 夢香
喪失を埋める為ただ食べている 麦乃
アリバイを消して冷たい雨が降る かしくらゆう
ボチボチと行きましょうかと影が言う やっこ
人脈も金脈もなく自由人 武良銀茶
冒険がしたくて息を止めている 海賊芳山
三分を待てばオシャレなあしたです くに
摘み取って欲しくて棘を甘くする 城水めぐみ
地下街にまだ立て籠もる白虎隊 福村まこと
粉雪の舞うフクシマは未だ汚染 敏治
味噌汁をふうふう昨日はごめんね 喜屋武白雨
魂をフリーにさせる林住期 敏治
真実はここよとバニーガールのぽんぽん 篤子
ほかほかをくるんと包むバスタオル くに
ちょっとした嘘に塗り込む痒み止め 篤子
晴れの日も傘手ばなさぬひとでした 澁谷さくら
痕跡をぬぐい始める模様替え 石森あやみ
鼻ピアス梅田3番街あたり 海賊芳山
損得に一喜一憂する尻尾 彦翁
伊達の薄着で風邪の餌食になっている 片山かずお
つむじから漏れる悪魔の独り言 城水めぐみ
第31回 11月6日-11月12日分(20名39句) 自由吟 森山文切選
うまそうに食べる力士のコマーシャル ツボ
スイッチを押すだけ家電よく動く 石森あやみ
やさしげな言葉で胸を刺しに来る 圦山繁
口ほどにないと言いつつ後ずさり かしくらゆう
恋の海うまく泳げぬ魚座です 澁谷さくら
木枯らしが泣いていたのだ夜明け前 木蓮
干し柿を狙う鴉の番をする 彦翁
ロゼワイン憎い男を一気呑み あそか
去る人の代わりをします案山子の背 めぐむこ
十センチ跳ねて金魚は反逆者 麦乃
改札を抜けた切符の新しさ パッピ~
英国に続き米国サプライズ 敏治
まっしろい廊下へ響く死生観 城水めぐみ
指図して欲しい三途の渡り方 若芽
名もなき人へ草カンムリが授与される くに
ばば抜きの的に桜がされるかも 永見心咲
第30回 10月30日-11月5日分(30名59句) 自由吟 平井美智子選
六十路過ぎ老人力は伸び盛り 武良銀茶
凸凹を埋めてしまってただの人 武良銀茶
炬燵には猫がふんぞりかえってる いずみ美帆
きみ彩にブレンドされてしまいそう 斉尾くにこ
末席に融けて如才のない主賓 よけだ
帰省する胸にシャラシャラ猫じゃらし 水たまり
母さんの愛はいつでも裏起毛 水たまり
薄切りの夢にはジャムをたっぷりと 城水めぐみ
善人の列に並んで顔ふせる 福村まこと
傾いたままを見せてる父だった 福村まこと
あの時の空とおんなじラムネ色 良子
秋の影 波立つこともなく暮れる 篤子
生きてみる味方がひとりいるのなら 石森あやみ
追憶のドア酒が開け酒で閉め 喜屋武白雨
秋深し私は今日も探し物 たかこ
甘辛く生きております召し上がれ 城水めぐみ
難しい顔してゆで卵を剥く かしくらゆう
ぬる燗にゆっくりとけてゆく仮面 澁谷さくら
化けの皮剥がすと残る喉仏 敏治
「楽しかった」とひっくり返る醤油瓶 斉尾くにこ
裏口に父が来たらしミカン箱 宮野みつ江
森山文切選
新米の香りが好きな炊飯器 彦翁
逆境で知ってしまった人の裏 圦山繁
疑いを知らず大人になるキセキ やっこ
凸凹を埋めてしまってただの人 武良銀茶
今更に苦渋を亡夫の日記帳 宮野みつ江
秋深し私は今日も探し物 たかこ
帰省する胸にシャラシャラ猫じゃらし 水たまり
母さんの愛はいつでも裏起毛 水たまり
ゲラゲラと小馬鹿にされている寝言 若芽
難しい顔してゆで卵を剥く かしくらゆう
墓参り今日は野菊を挿しておく 山口一雄
人をまたぐような無理強いしとうない めぐむこ
善人の列に並んで顔ふせる 福村まこと
傾いたままを見せてる父だった 福村まこと
化けの皮剥がすと残る喉仏 敏治
かわきだす風にこころがひび割れる 澁谷さくら
傘はある11月の水の音 篤子
三分で茹で上がるのは草食系 永見心咲
「楽しかった」とひっくり返る醤油瓶 斉尾くにこ
第29回 10月23日-10月29日分(23名46句) 自由吟 森山文切選
けんけんぱ大地を跳ねるゴム草履 彦翁
ほとんどの選手引退騒がれず ツボ
母逝った歳越えました墓磨く 星野睦悟朗
砂の城こわれる前にこわす癖 澁谷さくら
ひらがなで諭してくれた母の辞書 喜屋武白雨
子に見せる背筋はシャンと伸ばしとく 風間なごみ
場の空気決まらぬうちは猫でいる 圦山繁
商魂に煽られ踊るハローウィン 敏治
ワンルームご馳走様と箸を折る パッピ~
濃い口のミートソースの聖歌隊 海賊芳山
紙パンツにこやかに行くクラス会 たまき
まるい輪の中からしゃしゃり出た狐 若芽
チャリンチャリンお釣りの時間鳴っている 麦乃
太陽が起きずに臨時休業日 海賊芳山
わたくしの抜け殻を干す日曜日 城水めぐみ
毒ガスの島でうさぎのあらかしこ 篤子
成り行きに任せ濁りのない末期 あそか
あんぱんの出べそにされているクルミ 篤子
血を隠し横一列の万国旗 福村まこと
第28回 10月16日-10月22日分(21名41句) 自由吟 森山文切選
半袖の子の咳をする通学路 御泉水
デジタル派時計回りが通じない ツボ
常連が無くなっていく並ぶ店 武良銀茶
まあいいか重ね窮地に立たされる 圦山繁
居酒屋の床には憂さが落ちている 喜屋武白雨
幸福も不幸も同じ鍋の中 城水めぐみ
戦いを逃げずに生きた深い皺 星野睦悟朗
ライバルの涙に負けたわけじゃない 石森あやみ
設計と程遠いままたそがれる 星野睦悟朗
孤立する勇気無いから黙っとく 宮野みつ江
整えた呼吸で語り始めるファ パッピ~
男一匹明日が見えない時間給 さなえ
1本の毛さえゆずれぬ情報化 澁谷さくら
主なきビルはひっそり老いてゆく かしくらゆう
退職日非常階段降りてみる 福村まこと
第27回 10月9日-10月15日分(27名54句) 自由吟 森山文切選
連勝がお詫びの印しめくくる めぐむこ
さっきまで足元にいたはずの秋 やっこ
つましいが日に三食は欠かさない たまき
長いこと待って約束明日と知る 風間なごみ
真ん中を少し外して狙う癖 城水めぐみ
水に流したのにこびり付く本音 喜屋武白雨
傷ついた舌流暢に語り出す 石森あやみ
チョイ悪が粋で恰好よく見える 片山かずお
エンディングノート書いて迷いを深くする 篤子
割り箸で絡めとりたい甘い雲 かしくらゆう
伝説のふるさと探す深海魚 福村まこと
綱を引く力尽きたか流れ星 圦山繁
軽トラの上に神輿を乗せる秋 彦翁
昇進の道を閉ざして親を看る あそか
拾う人捨てる人より立派です 武良銀茶
焼き芋を包む新聞きな臭い いずみ美帆
902・・・棚田の月を数えてる 麦乃
忘れたと嘯きこびりつく鱗 海賊芳山
お化粧がとれてしまったので帰る 若芽
打ち明ける覚悟を迫るシャボン玉 敏治
マラソンの距離は信頼されている たかこ
第26回 10月2日-10月8日分(26名52句) 自由吟 森山文切選
長雨を一人喜ぶカタツムリ ツボ
ピカソ展腕組みをしてただ唸る 星野睦悟朗
昨日より風呂の湯が沁み気づく冷え いずみ美帆
眉を描き忘れた顔のしまりなさ かしくらゆう
補聴器が嫌がる金のいる話 さなえ
たそがれの橋でムンクにやあと言う 喜屋武白雨
神輿練るヨイサの声も勇ましく 木蓮
お金持ちらしいな禁煙をしない 片山かずお
なんとなく秋の深まる朝の水 篤子
世に出る日じっと待ってる麦ごはん 福村まこと
標準時子午線上で待ち合わせ 城水めぐみ
真っ直ぐに涙を流す黒い傘 パッピ~
朝ドラの神戸訛りが嬉しくて 宮野みつ江
空財布みて人間にもどる朝 敏治
少年のフリーズ溶かす交差点 永見心咲
少年の視野にはひとつだけの花 あそか
驕りだと知らぬ善意にある微罪 澁谷さくら
人の字を飲み過ぎ黒くなった腹 圦山繁
歯車の形に慣れてゆく身体 城水めぐみ
第25回 9月25日-10月1日分(20名40句) 自由吟 森山文切選
もう一度出るゾと言って家を出る 福村まこと
十字架を背負って生きていく覚悟 麦乃
やわらかく抱かれてかたくむすばれる 澁谷さくら
泡立てた石鹸ほどの夢をみる かしくらゆう
幸せを装い綴る日記帳 石森あやみ
合鍵を貰った日から愛が冷め なごみ
老いてなお効果に期待美肌の湯 宮野みつ江
爆発のパワーで早朝のカラス 海賊芳山
eチケットまた確かめる宿の朝 篤子
刃こぼれの包丁ですが愛される 篤子
段々と怒りに変わるゴミ拾い 武良銀茶
料亭に顔を出せない缶ビール 圦山繁
銃持てば決して撃たぬとは言えぬ 澁谷さくら
ナメクジはビール党だという噂 敏治
台風が過ぎて長袖欲しくなる 彦翁
缶切りでキコキコきみの海開ける 喜屋武白雨
第24回 9月18日-9月24日分(24名47句) 自由吟 森山文切選
うなぎパイ復活をするいいニュース ツボ
虫かごに入れたまんまの夏休み パッピ~
水素水水素は無色無味無臭 圦山繁
空っぽにしたくてできぬ箱がある 澁谷さくら
朝取りに一筆添えて子に送る たまき
子に孫に送る平和の種袋 さなえ
片付けのしばし手を止め古句帳 宮野みつ江
完璧を求め匠は手を止めぬ 片山かずお
美魔女なら彼をとりこにできるのに 麦乃
機微の差が二人のふりこ狂わせる めぐむこ
ひと言がいい叱るのも褒めるのも 片山かずお
四捨五入その五に勝負かけている 高浜海光
天高しまたも猫背を正される 若芽
自画像の瞳をわざと塗り残す 城水めぐみ
戦争の匂いじわじわ嗅がされる なごみ
複雑な想いはあるが焼きうどん 福村まこと
細長い夜にしたのは誰なんだ 海賊芳山
のっぽビルよ君にサンゴが見えますか 敏治
第23回 9月11日-9月17日分(20名39句) 自由吟 森山文切選
気がつけば席譲られることに慣れ 星野睦悟朗
遺産分け逆立ちしても似ぬ親子 麦乃
新しく生まれたわけじゃない新種 パッピ~
コルク栓抜く記念日になる予感 あそか
痛みには触れず温燗注いでやる 喜屋武白雨
哀悼のかたちで野辺の曼珠沙華 敏治
元気だと合図は二回ベル鳴らす 石森あやみ
待ちに待ち燃えたカープに泣けて来る 彦翁
近付いて同じ匂いと知りました 篤子
本を抜け泳ぎ続ける宝島 福村まこと
帰省した娘のあとをつける犬 かしくらゆう
とりあえず並んでみます最後尾 武良銀茶
極論は避けてその日の風まかせ あそか
不都合を隠すつもりの首飾り 城水めぐみ
第22回 9月4日-9月10日分(20名39句) 自由吟 森山文切選
夢の中振られた理由問えぬまま 石森あやみ
想定を超えたところにある事実 敏治
焼きすぎて表か裏かわからない 武良銀茶
熱心に遊ぶ誰にも負けぬよう 海賊芳山
父のハンドルはらはらとさせられる ツボ
爪の先ピンと弾かれ帰る道 パッピ~
お酒よりすぐ甘言に酔う気性 高浜海光
足跡のつかない恋の道標 城水めぐみ
4Bで景色切りとる一人旅 星野睦悟朗
子還りの母に残っている矜持 たまき
ストレスを黙って食べてくれる猫 さなえ
強運な女で孤独噛んでいる 風間なごみ
割れたままですがどうしますか こころ 海賊芳山
生き甲斐はここにもあった澪標 たまき
岐路に立つ迷うことなく楽な道 バンビ
甘い毒かきまぜている薬指 篤子
第21回 8月28日-9月3日分(23名44句) 自由吟 森山文切選
鈴虫に西瓜一切れやって秋 彦翁
陽に焼けた子どもの顔が嬉しくて 川畑めぐむこ
見慣れたら夫の癖も気にならぬ さなえ
地球儀をおおきく回すちいさな手 城水めぐみ
うたた寝の妻へふんわり夏毛布 片山かずお
新しいワタシに出会う秋の風 篤子
アルバムに眠ったままの捨てた恋 石森あやみ
この映画逃げられますと非常灯 パッピ~
体内にうじうじうじと湿地帯 海賊芳山
慌てずにいけと信号赤ばかり あそか
ドジを踏む足撫で合ってきた夫婦 さなえ
涙腺が緩くなったと知る五輪 バンビ
ソーダ飴ガリッと噛めば夏の音 かしくらゆう
情死するうねりを待っている岬 福村まこと
巻き爪の痛みで夏を振り返る いとゆん
雑巾の絞りかたにもある矜持 澁谷さくら
あさがおの青は天国かもしれぬ 敏治
第20回 8月21日-8月27日分(27名53句) 自由吟 石神紅雀選
ワイドショーだけの知識でよく喋る バンビ
マイペース遅咲きですと言い聞かせ 武良銀茶
ドア開けぬうちにポチだけ待っている 星野睦悟朗
地ビールの誘いにのって都落ち あそか
大家族物干し竿で宙返り さなえ
拾われて猫は家族になりすます たまき
この旨味おそらく母の手の塩気 パッピ~
手作りの一本のビス渡される 篤子
家計簿を騙して肥やす小銭入れ よけだ
綺麗すぎ造花と誤解される花 北田のりこ
ネクタイを緩めてからのさと訛り 澁谷さくら
鬼ごっこ誰かが鬼にならなくちゃ 澁谷さくら
絶望の淵にも朝日射してくる 石森あやみ
まだそこは皮と言いたくないメロン パッピ~
母ひとり娘ひとり角を縫っておく 城水めぐみ
ふて寝後に世界がめっちゃ動いてた いと
錯覚の美学の上に咲くおしゃれ 敏治
満月も虹も見て見てとは言わぬ たかこ
父方のDNAは遠慮がち 水たまり
家族割別居中とは伏せておく あそか
お別れは握手ではなくじゃんけんで かしくらゆう
森山文切選
ワイドショーだけの知識でよく喋る バンビ
紅茶飲む席のうしろの痴話げんか 喜屋武白雨
名月が溶かしてくれる物想い 御泉水
ひとやすみきつつきつつく樹の下で 木蓮
まだそこは皮と言いたくないメロン パッピ~
錯覚の美学の上に咲くおしゃれ 敏治
今日もまたウツボになって君を待つ 麦乃
綺麗すぎ造花と誤解される花 北田のりこ
面倒が絡んで訳が分からない 海賊芳山
ネクタイを緩めてからのさと訛り 澁谷さくら
ふるさとの鎮守の森はジャングルに 武良銀茶
お別れは握手ではなくじゃんけんで かしくらゆう
ドア開けぬうちにポチだけ待っている 星野睦悟朗
地ビールの誘いにのって都落ち あそか
鬼ごっこ誰かが鬼にならなくちゃ 澁谷さくら
首筋に氷 心臓まで冷える たかこ
楽譜から解放された大阪弁 福村まこと
執拗に悔し涙を追うマイク たまき
第19回 8月14日-8月20日分(18名36句) 自由吟 森山文切選
圏外へ読書に耽る夏休み 石森あやみ
顔の似た五千円札縁はなし いと
素麺を妻と二人ですする夏 彦翁
下駄の緒をすげ替えていく踊りの輪 さなえ
矢印の形の雲についていく かしくらゆう
老境を楽しむ呪文ケセラセラ 星野睦悟朗
よく見れば袖を通してない平和 喜屋武白雨
丹念に本音畳んで出る会議 バンビ
わたくしの弱みを探り出す名医 あそか
ポケットに人を助けた嘘がある 福村まこと
風呂の栓抜いたくらいのサヨウナラ パッピ~
ウミウシよワタシも同じ仲間です 篤子
持ち歩く傘が重たいこともある 澁谷さくら
第三者気軽にメダル数えてる ツボ
余白見て我に返った理系女子 福村まこと
かぼちゃ煮る鍋焦がすほど邪推せり 篤子
第18回 8月7日-8月13日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
必要な人と言われて非正規か 武良銀茶
かき氷食べずにいられない暑さ ツボ
運転の邪魔をせぬよう歩道橋 バンビ
女房の影を磨いている亭主 葱坊主
旅立ちに必要なのは深呼吸 パッピ~
付き合いの幅を財布に決められる 片山かずお
涙腺をきつく締めてもすぐ狂う 石森あやみ
肋骨に溜まった鬱を解き放つ 敏治
アポ無しで土星のような顔が来る 井上一筒
もうひとつ知恵の輪解いて自首をする 福村まこと
照明を消すたび硬くなる背骨 福村まこと
乾電池も私も切れる日は未定 青砥たかこ
一汁一菜世界に誇る母の味 あそか
歌舞伎座の女形に倣うはひふへほ 篤子
想われていた頃を知るニキビ痕 城水めぐみ
四畳半イルカが上がり込んでいる 海賊芳山
さばさばと役目を終えた紙コップ 澁谷さくら
つま先に乗った真夏を蹴ってみる かしくらゆう
ビン缶を捨てる袋が足らぬ夏 彦翁
鼻ピアス外ししぶしぶ喪主となる 井上一筒
第17回 7月31日-8月6日分(19名38句) 自由吟 森山文切選
定年のない名工の道具箱 よしひさ
捨てましたと言える断捨離まだ出来ぬ 中矢長仁
ご先祖と呼べるのかしら ?あなたって パッピ~
黙っていよう多分賢く見える筈 片山かずお
はだしのゲン今もこころに生きている 敏治
変身が不可能ライダー続きけり えけん
越してきた一家に町が若返る ツボ
ブラジルの熱さ足元から伝う 城水めぐみ
効き過ぎの冷房で聞く蝉しぐれ 彦翁
桃ひとつがぶりと夏の午後三時 彦翁
ポケモンに取り調べられ黙秘する 福村まこと
廃校を掘れば卒業歌の地層 喜屋武白雨
思惑は決してみせぬ鳳仙花 澁谷さくら
ぬるま湯を世界基準が掻き回す 星野睦悟朗
第16回 7月24日-7月30日分(22名43句) 自由吟 森山文切選
レシピにはない母さんの塩加減 あそか
医薬が進みあの世遠のく 星野睦悟朗
朝露に濡れた草食む馬の群 只野変哲
浪人の目に万緑がまぶし過ぎ 澤磨育
味噌汁が冷めない距離の渡し舟 さなえ
ガラクタも捨てる勇気がありません 中矢長仁
待ちぼうけ咲いて萎んだ花時計 葱坊主
雷が鳴って蝉の声が止まる 彦翁
好きだったひとの好きまで好きじゃない かしくらゆう
すんなりとほどけてしまう恋模様 石森あやみ
バーゲンセール無視無視無視と言いながら 篤子
捻くれた根には優しく鍬を入れ 喜屋武白雨
看護師に化けた周防灘の海老 井上一筒
はぐれないように小指で結ばれる 城水めぐみ
お行儀のよい順番に消していく 福村まこと
名刺には有識者とは書いてない バンビ
耳鳴りの耳にほんとのセミの声 ツボ
猛暑日にびくともしないカレーパン 福村まこと
第15回 7月17日-7月23日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
背伸びして手が届きそう星の位置 ツボ
都合よく神と仏を使い分け 武良銀茶
友の訃に突然ふるさとが霞む 喜屋武白雨
ポイントはやはり笑顔という女性 片山かずお
頂上を目指して進む下り坂 かしくらゆう
ぬるいビール冷やし忘れたのはワタシ べにすずめ
海岸線だけが境の世界地図 パッピ~
種だったことも忘れている果実 篤子
向日葵も旅のプランも南向き 城水めぐみ
すきだった香り近頃なじまない 澁谷さくら
風鈴がちりんビールの泡が好き 彦翁
カテゴリー7で逃げる夜勤明け 藤井智史
地球儀は反対向きもよく回る 福村まこと
静寂のムードをこわすスマホのピ 敏治
定年後尻尾が暇を持て余す バンビ
天麩羅定食の影が長くなる 井上一筒
夕方のスマホからです不意の雨 篤子
第14回 7月10日-7月16日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
老夫婦旅の思い出語り合う 中矢長仁
目の前のドアの向こうにある答え 彦翁
日本語が聞こえてこない観光地 かしくらゆう
ダイニングテーブルにある指定席 由美
まだ青いトマトが舌を刺してくる バンビ
異議ありを一夜の酒で蓋される 星野睦悟朗
戦争を見ない知らない深海魚 バンビ
バッシング飽きたら次の標的へ 石森あやみ
丁寧にしっぺ返しを畳んでる 篤子
かき氷一番好きはイチゴ味 片山かずお
もうどこも痛くはないね白い骨 澁谷さくら
こっそりと隣の街で買う秘薬 沢田正司
一周忌終え鈍行の自由席 たまき
鍋磨く爺婆だけの四コマ目 葱坊主
正論と交わる位置で息を継ぐ 喜屋武白雨
みな寄って牛の帝王切開す 井上一筒
新しいノートに記すケアプラン さなえ
第13回 7月3日-7月9日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
日に三度白いご飯の和食党 あそか
炎天下作業着滝のような汗 ツボ
マンネリにちょっと小波を立ててみる 中矢長仁
束ねてるつもりの輪ゴム飛んで行く パッピ~
筋道に拘る人に無茶言われ 武良銀茶
未来図が見えぬ政治の無責任 沢田正司
尻もちをついた途端に高血脂 井上一筒
温暖化蝉も静かに鳴き始め 彦翁
まだ八十路十八歳に負けられぬ 敏治
帰り道コンビニ前で目をつむる 石森あやみ
耳のそばまで降りてくる雲の声 かしくらゆう
少年は柔軟剤の香りさせ 由美
ファ-ストキッスだけは覚えている白寿 さなえ
お祭りの角でふんばる冷奴 福村まこと
青雲の気が家計簿に火をつける たまき
バナナとは違って食えぬ黒い人 澁谷さくら
燻製です燃え上ってはいけません 篤子
第12回 6月26日-7月2日分(26名52句) 自由吟 森山文切選
母さんが夢中になっているぬり絵 たまき
重心はずれるものです恋ごころ 澁谷さくら
六十路過ぎスキップ分を埋めて行く 武良銀茶
つんつんとタッチして来る若い棘 葱坊主
しゃかりきが報われていたバブル前 馴鹿
無理すると後ろでツケが待っている 片山かずお
卒業で親のレールが行き止まる 星野睦悟朗
灯台に近付きすぎて座礁する バンビ
カラフルな傘で心は濡らさない かげろふ
爆笑をしては失礼社長の絵 沢田正司
ノッキング時々おこす循環器 次根
斜め読みするのは同じタブレット 彦翁
竜巻は婚家の母のポケットに 井上一筒
落暉に向かってサンゴ礁の怒り 敏治
ブランド模様になるのも飽きたカメレオン 篤子
儲けには遠い肩書きだけ増える さなえ
水掻きのある手に載せるパンシロン 井上一筒
晴れた日に干すのは黒い服ばかり 石森あやみ
ひとり飲むコーヒー最後まで熱い かしくらゆう
実線で卒業式を切ってみる 福村まこと
独り占めするにも島はメロンパン 海賊芳山
泳力をつけた織女が逢いに来る 水たまり
第11回 6月19日-6月25日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
プライドが高くて何も聞こえない 彦翁
止まり木で洗う男の錆びた釘 たまき
平仮名のずとづにいつも遊ばれる バンビ
ひとり遊びができてこの世が面白い さなえ
出来ちゃった婚でもいいと子を急かす 星野睦悟朗
文春を怖れることはない庶民 バンビ
釣り合わぬお気持ちナスにサクランボ 結城昭信
減塩の半端な味に慣れる舌 敏治
同じだね趣味を褒め合う赤い服 中矢長仁
うっかりと働き蟻を踏んだ靴 馴鹿
あんたの耳垢は除染しておいた 井上一筒
映写機がカラカラ繋がらぬ記憶 高崎白雨
O型の家族にもあるネガとポジ 由美
高校も順路に入れる選挙カー ツボ
後ろ髪絡むひとりの滑走路 さなえ
海までは真っすぐ降りてきた猟師 福村まこと
第10回 6月12日-6月18日分(21名42句) 自由吟 石橋芳山選
年式の違いメガネの度が合わぬ たまき
家計簿の等圧線が混んでくる まりえ
長期予報わたしは白い雲になる まりえ
ほたる追う民話に迷い込んで追う 高崎白雨
心配なATMの水源地 次根
フレンチのディナーのあとで食う茶漬け 福村まこと
梅雨時は雨漏りのある宇宙基地 井上一筒
友達の枠広げたり狭めたり たかこ
日が経つとだんだん重くなってくる たかこ
明日を見る為に少しの酒が要る 次根
ポケットの中で震えている拳 敏治
爪立てた夜も有ったな千切れ雲 葱坊主
先送りできない明日がやって来る 武良銀茶
首縦に振って小さな罪作る 石森あやみ
ふくろとじされたふろくが主役です 篤子
チクチクと得体の知れぬ突起物 篤子
神功皇后は毛虫の付けまつ毛 井上一筒
森山文切選
人の輪の目立たぬ場所が好きな影 彦翁
お一人様をぼっちと思う寂しがり 由美
年式の違いメガネの度が合わぬ たまき
にっこりと朝の鏡に僕がいる 中矢長仁
定年後隅に置かれた貯金箱 バンビ
明日を見る為に少しの酒が要る 次根
フレンチのディナーのあとで食う茶漬け 福村まこと
手を離すための握手をした別れ 澁谷さくら
無力だと知ったその日の神頼み 葱坊主
首縦に振って小さな罪作る 石森あやみ
ほたる追う民話に迷い込んで追う 高崎白雨
折鶴がきれいに折れるようになる 澁谷さくら
気配りも一時停止の金曜日 結城昭信
友達の枠広げたり狭めたり たかこ
チクチクと得体の知れぬ突起物 篤子
ポケットの中で震えている拳 敏治
家計簿の等圧線が混んでくる まりえ
梅雨時は雨漏りのある宇宙基地 井上一筒
第9回 6月5日-6月11日分(16名32句) 自由吟 森山文切選
ごめんねが隠れたケーキおくります 結城昭信
足しびれ茶室の花に笑われる バンビ
段々と本気になってゴミ拾い 武良銀茶
湿っぽい夢の続きはまた明日 麦乃
言われても忘れたことにしてしまう べにすずめ
割り切ったはずの男がまだ迷う 彦翁
新緑に癒され落ち葉には文句 ツボ
ペアグラス悲鳴をあげて割れました 澁谷さくら
キレるので刃物は持たぬことにする 次根
ひいじいさんの首筋の烏瓜 井上一筒
溶けだして苦さに気づく糖衣錠 澁谷さくら
行き止まりクレーの月に迷いこむ 麦乃
具象画しか描けぬ女でいじっぱり たかこ
第8回 5月29日-6月4日分(19名38句) 自由吟 森山文切選
不参加の返事の理由見つからず 石森あやみ
決心をすると明るくなる視界 バンビ
きび団子ぐらいで孫は寄りつかぬ 敏治
深読みはやめて信じることにする 澁谷さくら
音痴でも鼻歌が出る露天風呂 沢田正司
守秘義務を忘れ陽気な長電話 さなえ
顔と心どちらのキレイかで迷う 片山かずお
暇な人ばかりが僕のお友達 海賊芳山
綿棒に命じる溝のほこり取り たかこ
軽トラに積む方広寺の釣鐘 井上一筒
すれ違う一瞬でさえ見比べる 石森あやみ
猫が病みデートを反故にしてしまう あそか
雀の子いつも口開け遅れる子 篤子
大人との狭間にあったハイライト 結城昭信
友を羨む自転車で美術館 ツボ
ビニール傘が1億総活躍する 由美
第7回 5月22日-5月28日分(18名36句) 自由吟 森山文切選
空の色あなたの色に青い空 ソラ
ぜい肉を掴んで撫でてあきらめる べにすずめ
ふるさとの訛りで友と飲み明かす 澁谷さくら
紫陽花が咲きそう梅雨に入るから 彦翁
風船を追って無邪気な自由人 さなえ
昭和史の嵐を超えてきた自信 沢田正司
連弾の途中小指を捻挫した 井上一筒
浮いてくる過去ばっかりの夜の底 次根
先輩も後輩もいる交差点 武良銀茶
天敵を消してしまった自己嫌悪 麦乃
潮時を探り合うためする電話 石森あやみ
空想の羽が年々消えてゆく 海賊芳山
そしてもう何も語らぬ志摩の海 たかこ
再起への夢を支えた藁の芯 さなえ
土曜日の自画像は目が腫れている 篤子
活断層Wベッドの下にある 井上一筒
第6回 5月15日-5月21日分(19名38句) 自由吟 森山文切選
姿見と意見が合わぬ試着室 あそか
何気なく吐いた言葉が作る溝 バンビ
背伸びする癖はそろそろ止めにする 結城昭信
並走の追いつ抜かれつする電車 篤子
ネクタイの出番を奪うクールビズ さなえ
芽の出ない夫へ妻の吹くラッパ 沢田正司
花一輪それが夫のサプライズ 麦乃
パンプキンスープを泳ぐレンコ鯛 井上一筒
リアリストだって悪夢にうなされる 由美
消しゴムで君の女を消してみる 石森あやみ
伸び代も糊代もなくなってきた 次根
駅が見守る子育てのツバメの巣 ツボ
プロポーズ箱は小さい方がいい 由美
大海を知らぬ男のへそピアス 敏治
怒り悲しみオキナワは深い碧 べにすずめ
葬送の曲を夫が決めてくる たかこ
妖怪の奴隷になって皆スマホ 敏治
メモの句が息をしていたごみの中 次根
第5回 5月8日-5月14日分(19名38句) 自由吟 森山文切選
週刊誌安い正義を振りかざす バンビ
公園の鹿がわたしに一目惚れ さなえ
立ち合いに気のいいところ出て負ける 岩堀洋子
ぶつぶつと心情を吐く貝である 敏治
定刻にこだわりすぎて起こす事故 澁谷さくら
あなたへの思いを抱いた熱気球 沢田正司
風水を信じて窓を開け放す たかこ
やっかいを楽しみに変えティールーム 篤子
改心へ治療が長くなりました 結城昭信
新しい服着て別れ告げられる 石森あやみ
尿管に詰まった枝豆のかけら 井上一筒
コンビニのぽつんと灯り雨が降る 次根
老いる身を夕日の海へ投げてみる 結城昭信
イザナミのすっぴん見てはなりませぬ 海賊芳山
神様に出会う気がする山陰路 武良銀茶
気づかずにアリスの耳を踏んづける 麦乃
見つめてもアイロンの熱さは知れぬ べにすずめ
第4回 5月1日-5月7日分(19名38句) 自由吟 森山文切選
朗らかに生きたいために飲むサプリ 彦翁
マイナンバーの陰に隠れている仕掛け あそか
温泉でないと仕事のできぬ知事 バンビ
タケノコの頑固に伸びる五月空 木天麦青
約束へ握り直した桜貝 篤子
チョイ悪も十八歳も有権者 武良銀茶
変換のミスが起こした乱気流 沢田正司
くまモンが被災地の子を元気づけ 岩堀洋子
セメダイン翼がとれませんように 松田夕介
ポケットに入れる重みを探してる 福村まこと
猫の目に月を宿してコルトレーン 麦乃
何か書いてと誘いをかけてくる余白 片山かずお
メルカトル図法で膨らます話 由美
B型の鮮血軍鶏の爪痕に 井上一筒
ひとりずつ送りわたしの今日終わる 篤子
ゆっくりとたたむとしずく飛び散らぬ たかこ
第3回 4月24日-4月30日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
謝罪文貼り付けられたメール来る 結城昭信
風少しあって湖面を輝かす 次根
にんげんの扉を閉じたまま老いる あそか
冷蔵庫ここにも消費期限切れ 次根
包み紙剥がしてわたし解き放つ 石森あやみ
遊び人ページを飛ばし生きて行く 武良銀茶
連休はじっと我慢の子で過ごす 永見心咲
冬帽子洗いひとりの昼下がり たかこ
モンブランのぐるぐるとした甘ったれ 海賊芳山
催眠術に弱いどこでもすぐ寝ちゃう 敏治
卵が殻を破る日を夢に見る 岩堀洋子
やわらかい風のある日のブーメラン 篤子
残高と競い合ってる余命表 沢田正司
ノーアイロンシャツにアイロンして決める 由美
Googleも行きつ戻りつ七ツ辻 井上一筒
Bランチほんの少しの好奇心 松田夕介
踝の形が目立つハイヒール 片山かずお
手が出せぬ桃の産毛が気になって 海賊芳山
第2回 4月17日-4月23日分(11名22句) 自由吟 森山文切選
挑まれて俄然やる気を出した猫 さなえ
花散らし平常心になる桜 バンビ
大人への扉がすっと開かない たまき
臥す母に見え透く嘘が増えていく 石森あやみ
咲き渋る標本木に手を合わす 武良銀茶
さくらさくら泣いてるわけは他にある 麦乃
三月の呪文無数の翅となる 善江
(本人の申し出により削除)
指人形ずっと変わらぬまま家族 坪井篤子
第1回 2016年4月10日-4月16日分(6名12句) 自由吟 森山文切選
正座して桜の下で小言聞く 武良銀茶
擦り寄ってくれば猫にも情がわき あそか
廃屋の庭に辛夷が咲き誇り 沢田正司
声をかけられた気がしてふり返る 麦乃
名所避け近場でひとりする花見 バンビ
実るまで待てずに齧る青い桃 沢田正司

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